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聞き語り記録 
 辻琢磨さんに聞き語る (SDL2018最も若い審査員)
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 06 記録を見ながら語る 
    審査時間の問題 
    評価基準 

 06 

記録を見ながら語る

佐藤:繰り返しになると思いますが。ここからは俺が作ってきたSDL2018記録一覧を見ながら、順に進めましょう 再確認しながら進めます。

:大変・興味深い

佐藤:下から2段目の欄はプレゼンと10作品の絵は質疑応答をまとめたデータへ繋がってます。
 その上の表は主に各審査員の言葉数を積み上げて棒グラフにしたものです。
 4列あるけど左から2列目の表は10作品それぞれに各審査員が語った内容と量です。どの作品にどのような問いを発したか一覧できます

辻:これはwebサイトですか
佐藤:まだ、アップしてない。PC内データです(2018年7月アップ済)
辻:これアップするんですか
佐藤:データ出来たけど、聞き取り終わってないから、まだ公開日を決めてないです。
辻:アップした方がいいですよこれは。すごいじゃないですか。

佐藤:そうですか<作ってよかったです。横列を順に見ると、各作品に対する、各審査員の発言内容と言葉数が分かります。
 縦の欄見ると、それぞれの審査員がどの作品に対して何を語ったか一覧できます。興味ある作品、語る語らないの一覧性を高くした表です。この表が大きくなったのでPC表示の倍率を縮めるほうが一覧でき色々わかる

辻:俺、まんべんなく言っているね

佐藤:辻さんは、語って語らせていいます。充分役割は果たしている、それが可視化できちゃいます。

辻:はははは やっぱり若者だから。

佐藤:それぞれ言葉を積み重ねただけの棒グラフもつくりました。
・右から順に、審査員それぞれが学生に語らせた言葉数の棒グラフ。
・次に審査員それぞれの言葉数の棒グラフ。
・左上がプレゼン時の学生の言葉数の棒グラフ。一位が最も少ない。応答時間は8分ずつだったので「動く」は審査員同士が語っている。
・左下は審査時の各審査員の言葉数。委員長が最も発言している

最も言葉数が少ない学生が一位です。審査員に語らせることが肝でしたね。

辻:ははははは、それは喋ってないからこそだよねー

辻:「動く」の学生の質問には「電源はあるの」みたいな話はした。

佐藤:してました。そのときの辻・質疑応答へ)行ってみると。

 動くけど、スイッチを抜くと止まると語っていた。

 右側の表を拡大して見ると、左から2番目の棒が辻さんが引き出した言葉数。 辻さんが学生に多く語らせたことが分かる。
 次に多く語らせたのは右から三番目の五十嵐審査員。が、理由は富士山に全部説明させたからです。
辻:ははははは
佐藤:応答した富士山・学生さんが時間が来るまで説明し続けた。

辻;してましたねー

佐藤:中田さん、青木さん、赤松さんは学生に語らせてないことが分かる。

辻:年功序列ですね。面白いですね〜。

佐藤:絵の最下部の目次覧は、決戦時の審査討議内容を文字にしたものです。そのペイジには富士山の話が出たら、富士山プレゼンにリンクを張ってあるので飛んで再確認できます。


辻:富士山は作家としては共感できるっていう感じでしたね。建築家としても共感できる。
佐藤:富士山の面白い点は全体像が無い、全体像が結ばない提案で、彼は「富士山のリノベーション」と言っていたけど、設計だね。
 左上の「01第一回投票する」この頁は 審査員がどの作品を推す、その理由が語られている。沖縄の方言はプレゼン内容をほぼ理解されなかったのが惜しまれる、ということが分かる。
辻:ちゃんと設計してるのにね

佐藤:審査員は建物に目が行き過ぎでした。沖縄の住吉的コミュニケーションを誘導・誘発するために建物周りに重点を置いて設計してるんだけど、理解されていなかった点は、今後のSDLにとっても残念でした。
辻:そうですよね

佐藤:沖縄の方言はプレゼン時の、表現の仕方がSDL向きではなかったのでしょう。短時間で理解するには複雑で言葉のなじめない難しい内容だったのかも知れない。文章や文字を手掛かりに建築を立ち上がる系列としては、建物語より具体的で好かったと思う。

辻:それは僕も思いますね。僕は建物語が一番、共感できなかったんで。

佐藤:物とか、社会とか、仕組みとか、不明確になって来て作る根拠が不明確になると、言葉に戻って建築を造りだす。建築化していくというのは一つの手法ですよね。言葉をどこまで突き詰めて精緻に組み立てるのかだが。建物語と沖縄の方言は議論されてもよかったのではないかと思いますね。 塩で中田先生は厳しく迫ったんだけど、追及し損ねている、さっきも言ったけど。

辻:ふふふふふ


審査時間の問題

佐藤:みんなが「塩、リアリティ有る」と思ってしまった。そう思わせたので、学生さんの勝ちなんだね。辻さんが会場だって「タバコ吸うスキをつくれ」とか「短い時間で審査することに疑問あり」と言い続けているんだけど、聞かれず仕舞い。
 塩は人口減少とか、限界地域とか、産業の再生とか、考えている風で・・。町おこしとか、もっともらしいことを言い続けていた。審査員はそこをひも解いて語り難そうだった。今時の地方再生・創成というか、流行りの力を借りた格好ですね。
 中田先生だけが鋭く、リアリティーの有無を追及したんだけど、いまいち確信的、虚構性に届かなかった。何度も言いましたね。
 審査員の良し悪しを言いたいんじゃなくって、短い時間で審査を迫るのが問題なんだと思う。SDLの構造内問題。辻さん何度も発言してたし、青木委員長も総括で語っていた。制限時間を守って進めて行く審査方法。当事者としてはどうでしたか

辻:感想ですか、時間内で決めなきゃいけない。うーん。どうなのかなー。僕は決めたのは、決めなきゃいけないという状況に対して批判的な作品を入れてみて。すんなり決めれたんで。それ自体はそんなに苦労はなかったんですけどね。一番共感できそうな。

佐藤:一位を決めるための投票から、なし崩し的に二位も決まってしまったじゃない
辻:そうですね。

佐藤:あの当たり、もうちょっと議論があってもよかったよね
辻:それも「時間が無い」と言われているからね、しょうがないですね。僕は審査員長に対する、リスペクトみたいなの。けっこう仁義を持ってる方なんで。仕事を受けたからには、委員長がこういうふうに言ったら、従うっていうのは。それは腹決めてた。最初から最後までありましたね。どうしても納得いかないっていう訳じゃないし。決め方を決めるっていうところから「一応、どうですか」って言われている訳だから。それで一票ずつって決めて。そういう結果に成って、ひっくり返すっていうのは違うなーと。その決め方どうなのって言うところから、ちゃんと議論出来てない。


評価基準

佐藤:審査員それぞれの評価軸についての場で、辻さんははっきり言っている。遊びとかユーモアーがあってリアリティーがある。近代合理の世界では、遊びもユーモアーも人為の隙間で、目的じゃない。「そこを評価するんだ」と。
 中田先生の「体験したらショックで死にそうになる」って、俺には発言の意味が分からなかったね。
辻:はははははは
佐藤:ポジ、ネガ、何もない、でもショック死するだろうし。
辻:僕の脳味噌からはこれは出てこないですねー。皆さん主観的ですよね〜、っていうか割とみんな主観的ですね。

佐藤:「審査員は、主観での評価基準や評価軸だった」理解しがたい内容が並んでいますよ。

辻:ふふふふふ。赤松さんはリアリティーなんじゃないですか、場所と人と社会をちゃんと引き受けると。
佐藤:場所・社会・人とか、定義し共有できてない、し決めた途端に消えてなくなる価値観だし。それらに客観性があるのかな〜。
辻:これは衝撃的ですね皆 主観的じゃん
佐藤:客観性を放棄し、勝手に選んでいたとも言える。

辻:あ、そうですか〜。
佐藤:文字に起こした限りでは、そうです。
辻:そうですかー

佐藤:決戦の時は、辻さんは覚えていますよね。辻さんは117番ターザンに大きい丸を投票。



辻:赤松さんが基礎 とに大きい丸。うーん〜基礎もねー。僕はずーっと入れてない、入れてなかったですね
佐藤:入れなかった理由は「広がりが足らない」と言っていたかな

辻:基礎は、敷地と建築の関係が一対一で対応しきっちゃってるというのが、一番納得いかない部分。話は本当か?というのは有るけど。それだったら塩の方がちゃんと伊豆諸島全体を考えようとしていたっていう。射程は評価したかったんですけど。富士山もそう、同じ理由で。

佐藤:塩よりは富士山の方が精緻で誠実だと言える。辻さんは東京から観た富士山も設計できるねと
辻:言いましたね
佐藤:彼はリノベーションって言っていたけどね
辻:普通の設計

佐藤:辻さんは一貫してた。会場で一番理解されていなのは辻さんだったのではない
辻:そうですか

佐藤:中田先生は移動しまくったので、理解しにくかったね

 その07へ続く