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 質疑応答 

 330


 「話くわっちい」とは沖縄県沖縄市の住吉で話されている言葉で、買い物や仕事帰り、友人宅でおこなう他愛もないご馳走話のことを示します。このような言葉は兵庫県神戸市に育った私は知りませんでした。

 次お願いします。歴史背景や環境文化背景の中で変化を続ける言語には、その場所の世界が詰まっています。このような場所を記す言語の中でも話くわっちいのように特に形容しがたいもの、方言として、



 次お願いします。方言とそれに関するエピソードを私の知る語彙との違いに注目しながら集めました

 次お願いします。収集範囲は今回提案を行った沖縄県沖縄市住吉と言語環境が似ている沖縄県本島の中南部とします。方言が継承されるかは色の濃淡で、分布範囲の広さは円の径で表現します



 次お願いします 収集した方言はそれが本来持つ意味というよりは、むしろ、その言葉の表している世界を解釈した後のエッセンスに注目します。

 次お願いします。方言の持つエッセンスを現代に展開することで、複雑で価値が見いだされづらく、消えようとしている沖縄の価値を正確にではないんですけれども、上手に思い出して沖縄に相応しい建築を目指しました



 次お願いします。敷地の概要です。一つ目敷地である沖縄県沖縄市住吉は嘉手納基地の門前町として栄え、豊かな環境文化歴史背景を有しながらも、中心市街地が焼き畑的に無個性な宅地開発が行われています。



 次お願いします。また住吉は、軍用地となっていたり 支配からの移行がすくなく



 次お願いします。貨幣・現状とした激しい世界変動によって住吉のゼネレーションは細分化されて生み出されています。



 次お願いします。さらに伝統的集落の形態の住吉は、多くの住宅が更新の時期を迎えてます。これら4つに代表される現状が相互に影響し合って、場所の強度を低下させています



 次お願いします。そこで私は無形物からの文化再編を提案します。
 言語の生成プロセスは環境歴史社会背景から、世界、それによって現在の世界が出来て、それを形容するために言語が出来ます。



 みなさんと共有できるのに、例えば日本という範囲で考えますと、滑稽味を愛する社会から、今の僕たちのアニメや漫画が豊かな世界ができ、それを形容するために萌えと言う言葉ができていると言えます。
 それが沖縄になった場合、風水や宗教感や環境という世界から、南に広く玄関をとるような、伝統的な集落形態が生まれて。それによって、ご馳走にありつく、運いい人というような、クウェーブーというような言葉が生まれています。

 この言語の生成プロセスを遡って、方言のエッセンスから沖縄のポテンシャルを解釈しました。



 つぎお願いします。方言の持つエッセンスを解釈し、現在に展開するうえで、この敷地が持つ問題点や、提案敷地に現在住む祖母のライフスタイルや、方言を教えてくれた、方言に関する思い出や思い入れを踏まえます。

 次お願いします。ではここから、方言を6つ紹介します。一つ目、収集した方言、シーミーというのは沖縄のお墓詣りの意味なんですけれども、沖縄では墓前でピクニックを行います。

 そんな日常と信仰心がかけ離れていないような親密な関係が、このシーミーがもつエッセンスと解釈をして、シーミーのように先祖に見守られながら食事が出来るような配置構成という、シーミーミールを提案します



 次お願いします。盆の時期に行われる、練り歩きの事を道ジュネーと言います。道ジュネーは金品の上納や、休憩所の設置などで協力してくれた場所に立ち止まって、お礼として踊りを行う。そういうふうな、両方がウィンウィンな経済的にもたくましく根付いている文化です

 解釈後の道ジュネーというのは、ここ住吉で減少している道ジュネーの際の、拠点、休憩所となるための縁側です。
 ファサードに高さが変更できる仮設の縁側が付いて、腰掛たり、外部と一体になって使用できるために、盛大な沖縄の年中行事や祭事時に活用できます。



 次お願いします。ウチナータイムと言うのは、沖縄県民がもつ独特の時間感覚で、このルーズとも言える、自分を大切にしているとも言える時間感覚のおかげで、せいで、宴席は全員そろって始まりません。

 でそこから解釈する主役はウチナータイムで、次第に集まって来るみなを引き立てる背景となるような、空の色を写したような曲面壁がくっつく、という決定ルールに変換されました



次お願いします。三つ飛ばしてください。もう一つお願いします。



それら大きなスケールのもの、小さなスケールのもの、スケールを持たないもの、これは29の決定ルールを、次お願いします



 空間の経験として統合します。空間の一例として呼びおこして、通りから本建築を観た物語を紹介してプレゼンを終わります



 次お願いします。軽部なファサードにより誘われたり、人が到着したのは、ウチナータイムであったため、皆で演出されて、主役のように歓迎される。宴もたけなわカチアーセル石垣によって気兼ねなくカチアーセルのであった。




 次お願いします。以上のように、場の個性を顕在化させた形式から個性が住吉に広がっていくような配置を考えています。
 場所の世界が詰まった方言から、沖縄を正確にでありませんが、上手に思い出すことを目指しました



以上です

 (5:40)




  質疑応答 

司会:非常にクリアな説明だったと思いますね

五十嵐:何が、クリアな説明を僕は全く何も理解できなかったんで、僕の頭が悪いんですかね〜。これ僕予選でも、何か、何かあるなとは思いつつも、全くいいと思わなかったし、今説明を聞いてても、何もいいと思わなかったんですけど。

なんでこんな形態になるのかっていうのをもう一回説明して、何でこんな形になるんですか。これ何か。暑い沖縄において、雨の多い、台風の多い沖縄において、これ、いい形なんですか、これ。

330:沖縄が、今既に沖縄に建っている建築から、今沖縄に相応しい建築を実は考えたくって。その言葉から考えたので。その言葉がより象徴的にとか、魅力的に浮き出すような形を考えので、僕はこれが沖縄には相応しいと思っています

五十嵐:どういう意味で相応しいの、言葉

330:例えば、例をあげて説明します。この一番上に載っている茶色の砂のような物は、赤瓦という方言、つまり沖縄が持っていた瓦を調査をしてみたところ、現在、瓦をもう一度葺こうと思うと、非常に高価であって、止水機能が高いものはもっと他にもありますし、なかなかもう一度使うという選択肢には至らないと思うんですけども。
 赤瓦が持つ美しさや、瓦が沖縄の瓦は、特に保水力が強くって、そういった物で二重外壁のように、小屋裏に風を通すような、そういう工夫が昔にはあったと解釈をしまして。敷地に転がっていた、壊れかけた瓦を砕いてコンクリート屋根の上にアルミの上にまくということで、皮膚のような屋根ができるんじゃないかとして、解釈しました。

五十嵐:範囲はなんで、区切っているわけ。左側は少し室内に入っているよね。右側はだいたい壁のラインなのかも知れないけど。遮熱って言っているんだよね。
室内の上を覆ってないじゃない。

330:確かに全ては覆っていないんですけれども。特にここの部分だけは汗をかくように、温度を下げることを期待してこうしています。

司会:よろしいですか。あんまりよろしくない感じですけど、いいですか





:機能はこれは、何なんですか、方言だけでプランがあるから、実際何に使われるんですか。

330:これは二世帯住宅になります。この手前の少し背の高い部分が母の家で、その奥の、これはリノベーションなんですけれども。こちら側は祖母の家になります。今祖母だけが住んでいて、母の家が計画されている部分は今空き家になっています。
 母の家側が完全に新築になるんですが、この建築が二つ二世帯住宅として建つことで、沖縄で生まれてはいますが沖縄で育ってない母と祖母を繋ぐような方言を縁にして繋がるような、そういった二世帯住宅の在り方を提案しました。

:道のベンチとか、やっているじゃないですか。それはけっこう意識的に、そこを変えたいと思って敷地内、敷地外もやったという認識でいいですかね。

330:そうですね、特に鮮やかな色が付いている所は全て方言で設計をしています。

:あと言葉を置き換えるときに、建築のスケールを幾つか与えてると思うんですけど。小さい家具から建築のスケールまで。そのルールっていうのは何かあったんですかね。

330:その部分はこういったスケールのものが欲しいと思った瞬間に、きっと歪んで解釈してしまうと想ったので。一番大切にしたのは、その方言は話してくださった方のエピソードを重視しました。どういったところで方言を話したか、というとろから曲げないように解釈をしています。


赤松:最初のところで、まそのー、要するに言葉のみから構築したので、沖縄の気候風土とか、については一切考えてないって割と断言されてましたよね。

 でも、なにかやっぱり方言とか、いやあの、リサーチと言うか、その分析は凄く面白いなーと思っていたんですね。やっぱり方言って、それこそこの文化だったり、それこそ色んな、それこそ気候風土だったりとか。色んなところからこう出て来ている。そこの場所ならではの、言葉を置き換えていくときに、何で、そこの気候風土とか、そのまあなんて言うのかな、そこの沖縄にあるべくして、ある建築として構成しようとしなかったのか、っていうのが不思議でしょうがないのでさ〜

330:すみません、僕はこの敷地に提案をするということを決めたうえで、方言を収集しましたし、方言を解釈したので。この気候、ここに住んでいたことがある記憶から、この時期はこういう雨が降って、この空間は暑すぎるじゃないかとか、そういう気候に相応しいくなるように意識しはしながら、全て設計をしています。

 なので、僕の主観は完全入り切っていて、この敷地が抱える問題や、婆ちゃんのライフスタイルや、そういったものを全て、改善というか、豊かになるように意識をしながら、設計をしたので。その場所には相応しくなるように。設計手法として文字には、なってはいますが、意識的にやっています。


青木:その設計するときに、この沖縄なら沖縄っていう世界の、住んでいる人の中にある世界っていうのかな。それで作るためには、その世界そのまま持って来れない、見えないものだから。一回言葉っっていうものを介して理解して。でその言葉を使って、もう一回戻してあげる、っていう事なんですよね

330:そういう事です。

青木:で、そのやり方自体は言葉っていうのが、その世界観とかね。気持ちいいと思う、感じとかね。そういうところから出て来るもんだから、それは凄くよく分かるのね。で、そうすると、その中でさっき言葉は分からないけど、沖縄にとって大事な時間という意味の言葉がありましたよね。その場所は、その中でどの辺なの

330:はい、ここを写していただきたいんですけど。これは模型ではアルミホイールを貼って表現しているんですが。これはこの敷地の太陽の位置を、夏至であったり、冬至であったりから計算をして。そういった太陽の位置であったり、天候を写して、それを背景にして、この宴席に入ってくるような。
 つまり遅れた人は遅れた空の色で、時間通りに来た人はそういった夕方の空の色であったり、そういったもので出来ている。
 演出されて入って来るような、そういったアプローチが、ウチナータイムの壁に変換させてれています。はい


五十嵐:その辺はコミュニケーションスペースだと

330:一階部分はそうですね。宴会を

五十嵐:通年、通して。それ方位で言うとどっち向きなの、今貴方が言っているスペースっていのはさ。この辺は全部そうなの

330:今、南から写していただいています。

五十嵐:こっちが南なの。

330:はい

五十嵐:えーとあのー。沖縄は北半球だよね。南なんで。夏もの〜すごいよね。日影が出来るのこれ。ほぼ真上とかさー。それぐらいの角度で太陽がこの上を通過していくよね。違うの、日影になるのここは。
 なんかさーアイディアとして、例えばだよ、これはすくなくとも、北側にこういうスペースが在りますと。設えて在りますと。言葉だけじゃなくって、コンディションとしてここは快適なんだ、っていうことが言えないとさー。成立するわけないじゃないって。やっぱり言えちゃうよね。だって、暑い所に、なんで人がおるわけー。そうじゃなくても暑い島なのにさー。

青木:ただね、沖縄はね、緯度が低いから、高いかから、南でもあまり暑くないのよ。日射はどっちかというと上になるんだよ。壁はね、あんまり関係ないね。ただまあ、それは大丈夫。ふふふふふ 一応応援すると

五十嵐:大丈夫ってことですか

青木:あのねー、結局、本州から北海道もそうだけど、壁の日射とか凄い重要じゃないですか。だから、庇とか重要でしょう。沖縄はあんまり庇は効かないんだよね。ふふふ

司会:じゃー時間ですので、よろしいでしょうか。その辺もうちょっと後で疑問ありましたら、お願いします。どうもありがとうございました。みなさん拍手をお願いいたします。

 会場 パチパチパチ

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