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記録一覧 | SDL2018一位 渡辺顕人さんに聞き語る 01 02 03 04 05 06 07 08 |
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2018年4月6日 pm6時 工学院大学新宿キャンパス傍の居酒屋 01 日本一位 内外関係なくシームレスに 新しい可能性 02 ズントー建築 大好き 一位になる気がしてた 03 最初から出来ていた テニス・コーチです 04 学内で相手にされず 賞品・売ってしまう 05 審査員の方が喋る 学年最下位の成績 06 俺一番じゃなくっていいし 一位になると思っていた 07 PC絶対必要 宗教について ずーっと生き物飼ってる 08 敷地は在った 日本一位決定のとき |
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佐藤:渡辺さんはSDL2108で日本一位を手に入れました。聞き語りに来ました。 渡辺:毎年、仙台に観に行ってたんですか 佐藤:裏まで見せて頂いたのも初めてです。友達の樫原徹先生が来仙するとは知らなかったです。フェースブックで知らせがありました。渡辺さんはSNSを使ってますか。 渡辺:やってないです。 佐藤:やってなくっていいです。工学院大学の樫原先生が決定戦前日から来仙するとの知らせが来まして、決定戦前日(3月3日)昼前に仙台駅で合流しました。用事を済ませ夕方にメディアテークの会場に入りしました。 332点の作品をじっくり眺め始めたら「そんなやっていたら何時間か幾ら掛かる分かりませんよ」と言われまして。2分ずつ観ても700分ほど掛かるなーと。10時間ちょい掛かっちゃうと。 渡辺さんの作品を観て「これが一位じゃん」と呟いたら「うちの学生です」って応答されました。作品が多いし、人も行きかうし。卒業設計もほとんど観てないです。数も多いし人も行きかうし何が何やら分からない訳です。タイトルも意味不明なんですよね。言葉と目の前の物もバラバラで会場に酔いますね〜 渡辺:展示の仕方はあまりよくないですよね 佐藤:一日目はざっと見て、樫原先生と町中で呑みました。次の日は「競り」を見学しました。100選の中から35に絞って、さらに10選に絞る競りと称される場を見学しました。「競り」があるというのは知ってましたか (絵:SDL FBより) 渡辺:ネットで観れたので知ってました。前の日ですか 佐藤:本戦当日の昼頃でした。前日は100選を決める。当日の午前中に35選に絞るたようです。昼頃に35作品を10選にするため、「競り」に掛けファイナスト10選にするんですね。狭い場所で競るので話し合っている様子は見えるんだけど、詳しい議論の中身までは聞き取りできないですね。 渡辺:そこまでは見てたんですか、五十嵐太郎先生も観てらっして審査したんですか 佐藤:五十嵐太郎先生は予備審査も競りにもに加わっていないかったです。私は「せっかく見学する機会ができたので、色々記録を作ってweb公開しよう」と思って観に行ったのです。が、ICレコーダーを途中で落としてしまった。 仕方なく、動画データを送ってもらおうと思い、学生会議実行委員長に連絡しました。「本戦の様子は動画が公開されているので」と。勝手に観ろ・・・・みたいな返信がありました。で動画の公開期間中に、主要な部分を文字にしてweb記録を作ってしまいました。(プレゼン・本戦の審査の様子へ) ファイナリストによるプレゼンと質疑応答の内容、本戦での審査員各位の言葉などの記録を作ってしまいました。その後で、渡辺さんの作品に対して、審査員が何を語っているかなど、10作品に分けて表を作ったり。誰が喋り、喋らせたか、そのグラフも作りました。驚いたことに一位の渡辺さんが最も、喋ってないのね。 渡辺:ふふふ喋ってないです
佐藤:ほとんど語らずの渡辺さんが一位に決まりました。質疑応答に充てられた時間は8分と決められている。渡辺さんの質疑応答では審査員がほどんど話し合っていた。 一位決定時の評価軸に入って、ややもめだしたら、渡辺さんが自分の評価軸を表明・弁明して、「僕は一位じゃなくって、ぜんぜんよくって、ここで一位とっても、べつに、建築家になれるわけじゃないし〜」という内容でした。「一位なんていらない」を放ってしまい、一位をまんまと手に入れましたね。(360番 私の評価軸を読む)そこは予想外の面白い体験をでした。 一位の渡辺さんと、35選だったけどファイナリストになれなかった須藤さんと、100選で仙台から遠く離れた大学から参加してた熊本大学の福留さんに連絡しまし聞き取ります。熊本大学から仙台は遠いので、旅費とか作品の運送など経費がいくら掛ったか聞きたいんです。福留さんは明後日に会い聞き語ります。内容は記録にして全て公開します。記録の目的は無いので、どんな記録になるのか分かってないんです。 メールに書いたように渡辺さんが一位になった事で「建築の終焉」でいいんじゃないかと。仮説なんだけど、記録作成が終わったら書くつもりなんです。 そのためには関係当事者に聞き取って、考えて、そこから書くのがいいかなと思っています。 渡辺さんは五十嵐審査員の問いに「将来像はもっと霧みたいなものをコンピューターで制御して。内外が関係なくつながっているような、ジームレスに繋がっている、ぼやぼやっとしたイメージがあって」と応じてました。 霧みたなものをコンピューターで、そんな建築を造っていきたいと発言されていました。シームレスな、そういう建築世界を目指していてるんだと。で、今は暫定的に外壁が動く建築にし卒制しているんだと、表明してました。 今までの建築を終焉させないと、渡辺さん的建築の世界も開かれない。 どうしてあういう発言になったのか、色々聞かせてください。(渡辺顕人さんプレゼンへ) 渡辺:けっこう感覚的にやっている 佐藤:理論優先の作り方もあるし、感覚でつくる人も居るし、感覚で作っているということでいい。 話す前に食べ物を頼みましょう 渡辺:鳥のから揚げ。 佐藤:メニュー見て思うけど、食い慣れ呑みなれない店に入っちゃつたね〜 渡辺:そうですね。ここには来れないですね 佐藤:静かでいいじゃない。 渡辺:決めてもらった方がいい 佐藤了解 店員:串揚げが2本、 佐藤:豆腐の厚揚げ二つ、サラダ2つ。 店員:サラダはこちらに幾つかございます 佐藤:はちふくサラダ 店員:おふたつで 佐藤:さつま揚げ1個 店員:薩摩揚げの4種盛り合わせですか 佐藤:飯はどうする、後にしようか 渡辺:あと、生もう一つ 店員:生ビールおひとつ ありがとうございます
佐藤:渡辺さんはなぜSDLに出品したのか。俺が聞きたいことの一番目です。一位になった現在の感想からでもいいです、経緯から順に話すのでも。 渡辺:卒業するのにとりあえず作らないといけないんで。 佐藤:大学卒業するためでしょう 渡辺:はい。でも作ったからには、ある程度、色んなところに出品して、人目に触れた方がいいかなーと思うんです。 佐藤:出品すると喋らなきゃいけないが「見ろや」っていうことですか。 渡辺:どっちもありますけど、新しい可能性みたいなのは提示できる、色んな人に見せるつもりで、やってました。最初から。 佐藤:新しい可能性の何かをつくると。建築なんでしょう 渡辺:はい。 佐藤:新しい可能性をもった建築を創って見せてやるぞと気合を入れて作ったんですか 渡辺:というか、新しいものじゃないと、意味がないなーと思って。卒業設計だから、建たない建築なので。 佐藤:で、アン・ビルドで進めようと、決めて始めたんだ 渡辺:そうですね。どうやってもアンビルドかなーと。リアルに設計しても建たないじゃないですか、卒業設計なんだから。 どっちみち、建たないんだったら、次につながるとか、新しい可能性みたいなのを提示できる、そういう提案の方が価値があるかなーと。 佐藤:渡辺さんの周りに同級生いるでしょう、仲間では渡辺さんのように考えたり、姿勢を構える物は少数派ですか。 渡辺:みんな何を目指してやっているのか、分からないです。 佐藤:学生さん同士でも、そうなんだね。審査委員長も各審査員に聞いてたね、「評価軸を一言で」と。 色々共有できるように、今ここで話した内容を文字にして、ネットに公開していいですよね 渡辺:ぜんぜん大丈夫です。なんかねー。皆、敷地決めて、用途も決めて。今回、面白かったのは上の三人、みんな敷地も用途も、あ、用途は決まっていたか。敷地は決まっていなかったかと思うんです その02へ続く |
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