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SDL2018一位 渡辺顕人さんに聞き語る | |||
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05 審査員の方が喋る 学年最下位の成績 |
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佐藤:プレゼン準備はどう整えたんですか 渡辺:プレゼンの原稿は、後ろでで待っていたときに順番が8番めぐらいだったので、その時に手書きで書いて。 佐藤:準備してなかったんだ 渡辺:なんなら、パワーポイントも無くって。10選に決まってからパソコンで15分ぐらいで作って。 佐藤:プレゼン用意して、10選に選ばれるのを待つばかりで待機してるのかと思ってたよ。その場で作っただんだ。そうとうなもんだね 渡辺:いやいや滅茶パニックでしたよ 佐藤:ひな壇に載ってても、発表までの間は作業してたんだ 渡辺:ずーっと書いてました。「プレゼン、何をしゃべろうか」って。10選、他は誰だったか覚えてない。 佐藤:プレゼン、トップバッターでなくってよかったね 渡辺:トップ・バッターだったら終わりでしたね ははははは 佐藤:発表順位というのも、微妙に影響を与えるんだね 渡辺:一人、一番最後に回ったから、9番だったのが8番になったんですけど。ラッキーと思ってた。 佐藤:大学内でも、プレゼンするんだろうけど。仙台は、違う内容を語ったんですか 渡辺:色々変わってますね 佐藤:中身のあることは言ってないよね 渡辺:ないんじゃないですかね。分かり易いから言ってないです。 佐藤:「見て一瞬で分かる」から語らなくても伝わる卒制だったと。質疑応答で話した言葉数は最も少なかった。それには、驚きました 渡辺:なんも喋ってない、審査員の方がしゃべられるから 佐藤:言葉数の集計言葉を積み上げて棒グラフ作って見たんだけど、渡辺さん言葉が少ないんでよね。集計見落して間違えてると思ったほど少なった。間違いじゃなかった、質疑応答の8分間は審査員が多く語ってたね。 渡辺:審査員の方々・皆さん頭の回転が早いから、僕は一回のみ込んでから、じゃべりたいのに・・ 佐藤:反射的に言葉が行きかっていたが、乗れなかった。色々言葉積み上げて棒フラフにしてみたんだけど、一位決める場では委員長が一番多く語っていることが分かる。 プレゼン応答でしゃべった棒グラフがこれです。左から三番目が渡辺さんです。右から発表順の言葉数です。 渡辺:ははははは 佐藤:逆に観る、上下逆にして、余白の白棒グラフが審査員の言葉数としてみればいい。左から2番目の富士山はほとんど審査員が語ってない。 渡辺:審査員に語らせる、そういう方が価値があるのかなーと思って。 佐藤:初めてSDLを色々体験したので見方が分からないので棒グラフにしてみたんです。作ってみると予想より面白いですね。今年のSDLは、学生が多く語ることと一位とを獲得することとは無関係だった。審査員が語り合いたくなる作品が一位になった。 渡辺:僕はありがたかったですよ。審査員が喋ってくれたんで。ラッキーでした。他の学生、みんなけっこう喋りましたよね。 佐藤:聞き出し方と、喋らせ方に問題はあったかもしれない。渡辺さんは建築学を学んでも「動かすことに集中してしまう」それはある種の狂気だとは思うんだけど。際どいところだね 渡辺:だいぶ際どいですふふふふ 佐藤:SFCの田中浩也先生とか、松川昌平先生とか、4月から東大だそうだけど渡辺英徳先生とか、藤村龍至先生とか知ってますか 渡辺:名前は 佐藤:彼らが学生の時に会って議論し合っているのを見てるんだけど。 渡辺:どんな感じでした 佐藤:よく喋ってたね。誰かが倒れるまで、喋り続ける。議論で詰まったり止まったら負けだという雰囲気だったね。くたばるまで語り続ける若者たちだった。 そういう若い人を見て来たんで、若い人は喋るんだと思い込んでたよ。仙台に来て語らないで帰るって聞いても、信じられなかった。語り倒す人はやがて、大学の先生になっちゃうんだね 渡辺:藤村龍至、このまえ赤レンガで審査員だった。ふふふ、質問されましたけど、何されたんだろう。 佐藤:赤レンガは、川越で丹念に聞き取り調査してた、木造の改修のような案が一位だったでしょう。FBで落ちて来て見たんだけど 渡辺:覚えてないです。 佐藤:周囲の事を気にしてない。その態度はどこで身に着いたんだろうね。大学では教えてくれないだろうし。対話しろとか言われているんじゃないの 渡辺:エスキス、ちゃんとしたことない。 佐藤:その態度で4年生になれたね、課題は出したの 渡辺:ははははは 出した 佐藤:課題設計は提出してた 渡辺:してはいました 佐藤:仙台の結果が分からない時分に、赤レンガにも申し込んでたので、提出したと。で、二位になったと。 二か所に出品してどうでした、他の人の事は注目してないので覚えてないでしょうけど、自分の作品は違ってましたか 渡辺:でも、ちょっと違いましたね。評価軸が。仙台の方が・・・
佐藤:忘れないうちに2ショットしよう、ノートも撮ってと。俺、顔が真っ赤だ。撮るのやめようか、まあいいや撮ります。 話、戻りますけど赤レンガと仙台の違いというか、周りも観てないの 渡辺:見てないちゃ〜見てないです。まあいいやって感じです。何が違ったかなー。 佐藤:テニスの試合でも周りを気にしないで、試合に集中。集中慣れしてんのかな 渡辺:周りとか観ていると、うまくいかないですよ。僕の場合はです。 佐藤:自分の事を分かっている。見切り方も潔いね。出来ないことはやらないと。無駄な時間と力は使わない。キョロキョロして自分の欠点を補おうとして、力を浪費する。 渡辺:そうですね。僕は高校とか中学の勉強とかしてないし。 佐藤:勉強せずも、必要な時にプログラミング言語も勉強すればいいと。 渡辺:中学校の時とか学年最下位ぐらい頭悪くって。 佐藤:それで、工学院大学に入学できたね 渡辺:ふふふ、周りがちょっと頭がよかったといのはあったけど 佐藤:中高一貫の進学校に入っちゃったんだ 渡辺:そうですねー。地方の公立の中高一貫。120人しかいなかったんですけど、120人中120位でした。はははは 佐藤:ドんびり!じゃない。気にしてなかったんだ。 渡辺:そうですね、全然・気にしてなかった はははは。 佐藤:普通は劣等感もったり気にしたりして、消耗するんだろけど 渡辺;テニスやっていたから、どっちも本気でやってないですけど。頭いいのに、何でこの人たち、テニス負けるんだろうと思って。 こんなに俺より頭がいいのに、何でそんなふうに負けちゃうだろうと思って。考えたら、皆もっているものが違うんだろうなーと思って。 佐藤:ドンぴりでも自己肯定。才能だね。他者承認は受けず、自分の好い所だけ伸ばそうと。負けるところで競っててもしょうがないと見切る。 渡辺:周りが頭好過ぎて、僕的に ははははは 佐藤:頭の良さって、どういう意味で語るかによるので、分からない 渡辺:いわゆる偏差値的には頭好くても、他の能力は測れない 佐藤:偏差値って、予め設問されていたことに応答する能力だろうからなー。問題を問題にせず受け流す、しなやかさや、たくましさ。渡辺さんはどこで身につけたんだろうね その 06へ続く |
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