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SDL2018一位 渡辺顕人さんに聞き語る | |||
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04 学内で相手にされず 賞品・売ってしまう |
04
佐藤:部品で一番高かったのはモーターですか 渡辺:モーターより、部材の修正が 佐藤:部材の修正って、動く外壁のことですか 渡辺:あれもですし、中の構造体みたいなのとか、ミリ単位で直していたから。ちょっとずれていると、動かなくなるので。 佐藤:内部を支えているのはアルミ板ですか 渡辺:滅茶滅茶硬い紙です。 佐藤:5ミリぐらいの厚紙ですか 渡辺:1ミリぐらいなんだけど凄い硬い。 佐藤:工作期間も楽しそうー。テニスコーチで25万円稼ぎながら、コツコツ模型制作に励んでたんだ、貯金もあったんですか 渡辺:無いです 佐藤:卒制を作ろうし半年で25万円捻出するんだから、バイトも大変でしたか 渡辺:多少、親にも助けてもらいました 佐藤:「動く模型作るので、頂戴」って言っても「何、言っていんの」「自分で稼ぎなさい」って、親なら言うでしょうか 渡辺:そういう感じでした はははは 佐藤:「先生、俺、日本一にので凄い模型つくりますから、金を貸してくだい」って頼んでお金を貸すか〜。受けてくれる先生いるかな 渡辺:そういうこと、言えなかったですねー。終わってみて、本当に居ないですよ。 佐藤:先生に信用されてないんだな 渡辺:されてないです 佐藤:先生だって生活もたいへんだろうし、学生に卒制費用を貸していてる場合じゃない気もする 渡辺:日本一とれると思ってても、学内でまったく相手にされなくって、びっくりしました。 佐藤:学内で評価されず。家に帰って悔し泣きしたとか・・ですか。ショックで口がきけなくなるったとか。こいつら阿保やなーと思たんだな 渡辺:そうです ははは 佐藤:周りはまったく分かってないわ〜と、思ってたんだ 渡辺:樫原先生とかう、ちの先生はけっこう評価してくれました。本当に数人ぐらいでした。 佐藤:壁動きますって、模型を提出されても、新しんだか面白いだか。低評価だった 渡辺:プログラムもまだ、仙台に提出した模型のときよりも、ワンパターンに近かったので。動きが単調な繰り返しになっていたので。スピードも変化しなかったんですよ。それでも、大学では30選決めて、10選決めるみたいな100人ぐらいいたのかな〜。もっと居るか。 佐藤:100人以上いるんだ。 渡辺:工学院多いです。360人の半分ぐらいが制作やるです、たぶん。 佐藤:180作品 渡辺:そこでは30選終わりだったんで。はははは、10選ぐらいには入ってもいいかなーとは思ってた。うちの大学では一位はないかなーと思ってたんです 佐藤:冷静だね。むかついたりせず、大学内での評価は受け止めたと。テニスで負け勝負にも慣れているのかな。 渡辺:今は我慢の時期かなーと思って。 佐藤:色々出来ちゃって敗戦も受け止め〜。遊びというか余裕というか、あるね。そんな中でも、自分が作りたいことに集中して作業を進めるって、いいことだ 渡辺:そうですね、一点集中型ですかねはははは 佐藤:それでいい、それ以外、何もいらないね 渡辺:何もいらない 佐藤:余計なことをせずに暮らせるのはいい。凡人は自分がやりたいこと、それが分からないから色々やる。何やりたいのか分からずのまま、死んでしまう人は多いんじゃない。 渡辺:そうです。やればいいのになーと思う 佐藤:6か月間集中して制作し、その間、楽しかったでしょうね 渡辺:楽しかったですふふふ 佐藤:どんどんイメージわいて来ちゃったとか 渡辺:イメージわいてくるっていうか、これ作るって、決まっているので 佐藤:日本一位になって次はどうするか。最終目的は「霧・・」と言ってましたよね。本当につくりたいのは霧みたな建築だけど、暫定的に動く壁で卒制にした。射程をちゃんと見ていて。そこも審査員各位も驚いたんじゃない 渡辺:あれ、俺、余計なことを言ったかなーと思って。本当に出来るかどうか分からないから。あんまり、言いたくなかった。聞かれちゃったから 佐藤:ついつい言ってしまったと。霧って、違った状況と状況がぶつかることで可視化される現象じゃない、霧そのものを作りたいわけじゃないでしょう。柱も要らないし、壁も要らないし、床だって要らない建築のようだ。まったく新しい建築の誕生を見ている。何かの差異があることで出現したり起きる建築を目指している。そう考える若者が出た来たんだなーと。社会性とか人間性とか言わない。 渡辺:どうでもいいのかなーと 佐藤:赤松審査員に言われてたよ「私たちの出雲の動く壁と比べて、この提案ってそこまで、凄いのかしらー」 でも渡辺さんは気にしてない風だった。 渡辺:自分の好きなことしか頑張れないから。結局人の役には立たない、頑張れないから。だったら自分が好きな事をやって何人か救われたみたいなのが。
佐藤:自分の能力を知って行動する態度だね。人だ社会だとか語って作ってみても、そこには定義したそれらが存在せず、消えてしまっていて興味を示されないこともある。で、好きなことに集中するんだと。 部材費用は25万掛ったが、自分一人でコツコツ作ったから飯代はいらない。 梱包・郵送費は幾らでした。機械だから高価だったですか。仙台に着いたら壊れてなかったですか。 渡辺:大学の発表で動かしていたら、接着剤が悪くって、合わなくって。どんどん劣化して、ボロボロで。仙台にもボロボロで、セロハンテープでめちゃ止めて。送ったから、こりゃ駄目だと思ってたんです。何とか持ったって感じです。だから、今は全部直して。 佐藤:材料の選び方の問題。、さらに手を加えたんだ。 渡辺:赤レンガ設計展があって、そこは優秀賞で終わったんです。2番ですかね。そのために一回全部ファサードを取り換え直しました。 佐藤:外壁パネルを全部交換して、接着剤も新しくして作ったと。 どうして方々に出品するんですか。仙台で日本一位になっらもういいじゃん 渡辺:その前に出すのが決まっていて「めんどくせーなー」と思ったんだけど、仕方ないから。ふふふ。 佐藤:キャンセルしなかった。聞いてみないと分からないもんだ。仙台が決まる前に申し込んでいたと。仙台から戻ってさらに材料費が掛かったんだ 渡辺:いや、スタディーの時にめちゃ。一枚のパネルに四か所穴が開いているんですけど、その穴の位置を内側にするか外側にするか、ミリ単位で、ずーっとやっていたから、それでめちゃお金が掛ったんです。 で、直しは決まっていたから一発で行けたんで、そんなに掛からなかった。 佐藤:工作機械にデータ入力するので、手作りで、何度も繰り返し作ったと 渡辺:手で切ってはいないです。レーザーカッターです。模型はほとんど手で切ってないです。 佐藤:運送費に戻るけど、仙台に送ると精密機械でしょうから、簡単に送ることができましたか 渡辺:けっこう丈夫でした。ピッタリの箱を作っていて。下にタオル二枚ぐらい敷いて。元々けっこう壊れていたから、半分諦めていたのもあって。 佐藤:半分壊れている!なんて誰も思わなかったね。 渡辺:動画じゃないと分からないから。作品のサイトを一個作っていて。 佐藤:ユーチューブに上げたんだ。輸送費は 渡辺:ちっちゃかったので、2万円ぐらいですね。デカイ模型だとめちゃあ掛かるんです。 佐藤:小さく作って、プレゼン時に最も語らず、省エネで日本一を獲得したと。一位は商品とお金があるんですか 渡辺:10万円もらいます。あと椅子15万ぐらいだそうです。噂ですが。 佐藤:元はとれているじゃないか。 渡辺:椅子は届いたら売ってしまおうかなーと思ってます 佐藤:15万円で売れればいいね。 渡辺:メリカリかヤフオクか。ふふふふ 佐藤:予想してないことばかり語るねー。創作ノートについて話さなかったし。説明したがりそうだが、プレゼンペイパーないよね。動画を観よ!って感じだった。 その05へ続く |
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