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 SDL2018一位 渡辺顕人さんに聞き語る
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 08 敷地は在った 
    日本一位決定のとき 



 08 
敷地は在った

佐藤:審査の事に戻るけど。初めて見た事態に対して、人間はそれほど適応力が無いって知っていたし。今は、情報があり過ぎて、無いと一緒な状態になってる。多くの情報を追わずに、渡辺さんは自分の分かることを誠実に実行している。自分で問いを立て自分で答える、訳の解らんあんたの質問に応えたくないと。磯審査員は渡辺さんが自覚してると見抜いて、一位に押していたね

渡辺:審査員の辻さんどんな話されたんですか
佐藤:今日の聞き語りでですか。審査会場でのこと。
渡辺今日、喋ったんですか
佐藤:ここに来る前に話しました
渡辺そうなんですかはははは
佐藤:「SDLの審査会場で違和感を露わにしました。で「辻審査員に聞く(後日公開)のがいいだろう」と思って、先ほど聞き語りを済ませました。
 渡辺さんのように、建築教育や周囲の建築系の人々に対して大きな違和感は持ってない。でも、すこし違和感があり、都会や大学の環境に浸りすぎると、だめだと感じ、故郷に一時退避っしてたり、都会と故郷を行ったり来たりしてていい力の逃がし方、働きからのよい選択です。

 二人とも ぱくぱく ピザを食べている

佐藤:ワイワイするためにデータ作ってきたました。
 学生と審査員が議論するのか、審査員同士が議論するのか、両方なのか、仕分けされてないので 語られた言葉を分解してグラフにしてみたんです。
 先ほど見せたグラフで分かるのは渡辺さんは語らず審査員たちが活発に語ったということだね。富士山の作品は審査員は語ってないってことが分かる

右の表は一位決めの時の言葉数のグラフです。審査員長が当然一番語っている。
 別のグラフでで、学生にしゃべらせているのはだれか作ってみました。辻、五十嵐審査員でした。


 ここからは、渡辺さんのプレゼン記録を見ていきましょう。ここは会場で作ってないでしょう
渡辺作ってました
佐藤:建築の生命化 って、気分的にはどうたったの
渡辺:建築が生命に向かうみたいな、生命化するためには こういう経緯を経て

佐藤:細かいことを語らないけど、模型は動いちゃっている。プレゼン内容に目が向かわず。最初に現れたのがこの断面スケッチかな



渡辺:そのまま。この敷地もテニスコーチの別荘がこの手前に在って、その裏なんです。裏に在る敷地なんです



佐藤:敷地設定してたんだね、やはり。
渡辺たまたま、いい感じで抜けている、なかなかないんで
佐藤:小川が流れていて田園で、右側は川でしょう
渡辺:川です



渡辺:たまたま、在った。
佐藤:プレゼンで写真を見せても「敷地を設定してない」と言い張った。断面もそうだけど とりあえず壁も二重にして、渡辺さんが卒制で外壁を動かしたい、そのために色々後付けしている



渡辺:一応、説明で言っておかないと

佐藤:質疑応答に目を移すと、門脇審査員が語っている。質疑応答の全部をweb公開していいですか
渡辺いいです全然いいです
佐藤:渡辺さん本当に語ってないでしょう〜
渡辺:俺本当にしゃべてない トトロはわかりますね。赤松さんの言っている(動く)のとは違う、どういう意味か解らなかった。

佐藤:プレゼン応答時のこと覚えてないでしょう
渡辺:ぜんぜん覚えてない
佐藤:記録を作って聞きに来たんです

 記録や表をみながら語りあっている

佐藤:スマートハウスのオルタナティブ発言についてはどうでしたか
渡辺:興味あるところではある、合体していくのかなーみたいな
佐藤:興味はオルタナティブになることではないでしょう
渡辺オルタナティブには無い


日本一位決定のとき

佐藤:この投票の結果は覚えてますか
渡辺:覚えてます 覚えてます 


 審査内容を見て語り合っている

佐藤:ここで渡辺さんが手を挙げ、弁明し審査の空気を変え一位をさらいました
渡辺:はははは
佐藤:ここで自覚的に発言したんでしょう
渡辺:まあね 
佐藤:なかなかの芸を披露してくれました。審査経過で語った「360番 私の評価軸 」を再度 ここにも載せます

渡辺
:弁明と、その評価軸の話。で、ちょっとしゃべりたいなーと。なんだろう、弁明というか、なんだろう、まあいいや。
 評価軸の話だと、学生、僕の場合の評価軸をしゃべって置きたくって。

 僕はなんだろう、卒制やるうえで、うーん。卒業制作って結局・実務と全然違うし、そんなの知らないし。はっきり言って

 その中で、なんだろう。建たないものを一生懸命、造んないといけないなーと思って。それは、けっこう大変だなと思って。建たない、アンビルドの中でそういうものにどういう力が有るかというところを考えて、設計に取り組んだんですけど。

 で、それは僕の場合は、建たない建築になんで、どんだけ、可能性を感じてもらえるか、っていうとこでたぶん。でそれは僕の場合はコンピューテーショナルな手法だったんですけど。

 そういう分野って、今回、ぜんぜん無いんですけど、バーチャルとか、サイバーとか、AIとか、そういうのって、全然今建築だけ見てる中だと、出てこないと思うんですけど。そういう提案、来年から出てくれたらいいなーと思って、今はやっているんですけど。

 別に僕は一位じゃなくって、ぜんぜんよくってここで一位とっても、べつに、建築家になれるわけじゃないし建築家って職種もあいまいになって来ると思うんですけど。

 でもその、なんだろうなー。それに匹敵する者には、ここで一位にならなくっても、僕はなりたいなーと思ってます、それでいいんですけど。それだけです、終わりです

佐藤日本一位の挨拶、自分の受賞した感情をかたらず裏方をねぎらってますね。今日の聞き取りで卒業設計に取り掛かった時から日本一位になると思い続けて獲得したという事実だけで充分で、他は語らなくっていい


渡辺顕人
:あ、あ、あ。まずは運営のみなさん、たぶんふふふ、たぶん滅茶滅茶大変だったと思うんですけど。こういう素晴らしい会を一生懸命運営したくださって、ありがとうございます。 学生で、みなさん三年生より下だと思うんですけど、すごいやってくれているのが、本当にありがたいなーと思うので。えーと。はいありがたかったです。お疲れ様です。

 感想は、なんだろう、えーと。たまたま今回は一位になりましたけれども。僕、学校とかの評価軸だったら全然、なんだろう、相手にもならないような、ボロボロにやられて来ている感じで。

 まーそのー。なんだろう。ただでも、どっかではきっと結果を出さないといけないだろうなーっていうふうに思うので。今回、ここである程度、何か残せたのはよかったかなーと思います。

 えーと、まあ、これから卒制をやる三年生は、自分のしっかりやりたいことをやり切れるように頑張ってください。いじょうです。ありがとうございました


渡辺卒制やって終わりになっちゃうので記録があるといいで
佐藤:卒制で終わりじゃなくって、ここから渡辺てき建築の人生が始まったんです
渡辺始まりです
佐藤:いいねー聞き取り語りに来てよかったです。記録をつくりwebアップします
渡辺ぜんぜんどうぞ

 深夜まで呑み続けるダベル二人でありました






 渡辺顕人さんに聞く、最後まで読んでいただきありがとうございました。これでお仕舞です。(文責:佐藤敏宏)

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