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聞き語り記録 | ||
福留愛さん(SDL2018遠方参加者)に聞き語る | |||
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02 福留ファイナリストを語る 自作を振り返る |
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佐藤:SDLに出品して、審査結果はどうだったんですか 福留:100選入って。審査員の呑み会で、辻さんとか五十嵐さんとかが「30選は入っていたんじゃないかなー」みたいな感じでは言ってましたね。 佐藤:丸いマークが何個かついてて100選に入って(25番)リボンが付いてたんだ。35選には入ったのかな〜現段階では不明だと 福留:辻さんは押してくれたって言ってました。後から本が出て分かるんです 佐藤:35選に入っていたかもしれないと 福留:入ってないということにしましょう。ふふふふ 佐藤:エスキス塾は申し込んで受講したんだ。本戦の印象はどうでしたか 福留:作品数が多すぎてエスキス塾は抽選になりました。こういう人たちが選ばれた、ファイナルに選出された作品を見てなかったので、本戦会場で初見だったのです。 とりあえずその作品を理解することから始まるじゃないですか。みんな評価軸が違うというか。それぞれ、抜けている場所が違ったので、誰が一番いいとか、それは予想できなかったですね。 東大の住宅構法の詩学を出した36番君は、いい意味でのオタクツぽい感じで。 基礎の115番さんは凄く真面目に解いていた。着々としっかりリサーチして、根拠が有って。全然違うベクトルで、凄い突き抜けていて、見てて面白かったです。こういう人たちと関われたら面白いんだろうなーって感じでした。 大学名は分からないんですけど、二位だった女の子、建物語の造形力が凄かったですね。五十嵐審査員が「自分にないものを持っている」って。ああいう意味は凄い分る気がします。出来た建物が豊そうだった。空間が豊だったのがいいなーと思いました。 佐藤:敷地が無い点は指摘されていました。物語や言葉を根拠に設計することは新鮮でしたか 福留:そうですね 佐藤:1、2、3位は場所が決まっていない。1位の渡辺さんはコラージュがあったので、具体的な場所は決まっていると思いました。造形的に見てどうでしたか、形とか模型とかでもいいですが 福留:建物語の発想というよりは、完成した模型と断面の模型があったじゃないですか。あの表現がまずめちゃくちゃいいなーと思った。で、その後出来た空間が凄いよかった。私の中では一番いいなーと思いました。 佐藤:4.5Mの立体の中を通過していくと物語が体験できます、という話でしたね。その他はありませんか。 福留:建物語と基礎と、住宅構法の詩学 佐藤:1位の動くについてはどうですか 福留:最後まで残ってた10選の中で・・10選に共通しているものは、プレゼンの模型とパネルのインパクト。それがしっかり有る作品が10選に残った、んじゃないかなーということなんです。 青木審査委員長が「ポートフォリオを一枚も見てない」って言っていたように、審査員は歩いて、3秒ぐらいしか観てない。 辻審査員は「7周した」と、しっかり観てくれている人がいる。それに対して、さらっと観る人もいて。その中でファサードが動くやつだったり、ターザンのパースだったり、頭に凄い残るじゃないですか。ターザンのパースに審査員の方々がコメントされていたみていに、インパクトがあるというか。 佐藤:ターザンは35選に残ってなくって「競り」で引っ張りあげられた。 福留:そういうインパクトに有るものが10選になり、自分には無いって思いました。 (ファイナリスト10作品)
佐藤:332点あるので模型やプレゼンにインパクトが無いと目立たない。 福留:その後、自分が作品を観て。いいなって思うものが一杯あったんです。10選に残った人たちのようなインパクトは皆さん無くって。 仙台デザインリーグの審査方法の特徴として「インパクトを出さないといけない」というのが、あったんじゃないかなーと。戦略的な人はそこを知っている、というか。 私は「ポートフォリオをめくってくれる」と思っていました。で、ポートフォリオを中心にやっていたんですよねー。パネルにも、あんまり情報も入れずに。という状況の中で、あ〜こういうプレゼン、いいなーとか。建物語の断面のプレゼンとかも気になるじゃないですか。 佐藤:黒い楽譜みたいな断面ね。確かにのぞき込んでしまうよね。ポートフォリオをめくれ〜!だけでは観てくれないんだと。模型にインパクトがあって、一発で審査員のハートをつかむ、それが肝だと。そいう感想ですね。福留さんにはそれが無かったと。 福留:無かったです、反省しましたねー。 佐藤:332作品を、ずーらりっと並べるのでお互いの作品に埋もれ、沈没し合うと。 (予選審査の様子 SDLツイッター版より) 福留:エスキス塾で五十嵐太郎さんから、評価を受けたのは、私が2分間一言プレゼン出来たじゃないですか。ポートフォリオをめくって、プレゼン出来たから伝わった話で。 巡回して来て審査員の方々頁をめくってくれなかったので、伝わってなかった!。というのが悔しくって。もったいなーと思いました。 佐藤:エスキス塾に参加してみて、その点に気づいてよかったですね。自分では納得できる作品になっていたんだけど、他者に伝え技術と戦略が足らない 福留:戦略が無かった。 佐藤:その点を知って、制作に取り組んでいれば、もうちょいいい評価を得ただろうと。 福留:そですね。あの人よりは勝っている、そういう気持ちではなかった。自分にはこれが無いんだなーっていうのが、単純に分かった。 佐藤:大学ではプレゼンを比べる機会は無かったですか。講評会はあったんでしょう。 福留:大学では私はA1の30枚手描きで、描いたんです。提出は普通7枚ぐらいなんです。私だけ30枚ばーっと貼って。大学では一番目立っちゃって、一番だったんですよ。 仙台デザインリーグに向けて、私は輸送費が高くなっちゃうので、模型をちっちゃく作ったんですよ。 佐藤:小さく作ったけど、輸送費は6万円かかった。デカイ模型だったら、高額の輸送費になるね。模型の輸送経費を節約するために〜小さく作ってしまった。 福留:ふふふふふふ。大きすぎるとよくないなーと。そういう不自由もあったかなーと、今振り返ったら思います。 佐藤:デカイの出品しても、受け取って展示してもらえるんですか 福留:意外にみんな制限を破ってましたね。1m×2m以内に模型を入れない、制限はあるんです。でもめちゃくちゃ大きいのあったじゃないですか。「こんなに破っていんだー」って。会場に行って思いました。 私は初めて仙台に参加だった。去年とか一昨年、観てる人は、先輩たちの大きい模型を観て、出品している人もいるのかなーと思うんです。 (エスキス塾集合写真) 佐藤:模型を小さくして、運送費を節約したと。で、まま記録を残すと来年からは大きな模型だけになるかな、輸送費高くなるからね。 福留:それはよくないですね 佐藤:以前は600超えの作品が出品されてたそうだから、倍の大きさでも飾れるのではないかな 福留:おっきくし2m×2mの中に収まらないと展示方法を自分で希望できなくなっちゃうんですよ。「机の上に置いてください」とか指定できない。床に置かれているとか、どっちか分からなくなる。当日行かないと。 佐藤:床置き、机置きは出品者が指定できるんですか 福留:基本的には出来ないんです。大きすぎると床になりますね 佐藤:福留さんは、机に置ける模型を制作したと 福留:そうですね、段ボールを使って自分で展示台を作っている人もいましたねー。そういう人たちは綺麗に見えるじゃないですか。元々自分の展示台が有って、綺麗に収まるような模型が有って。そういうところも気配りできていなかった。足りてないなーと反省しましたね。 佐藤:出品してみて、反省、多いですね 福留:反省多いですね、人生反省しまくってます 佐藤:一ケ月経っても、まだ反省している。福留さんにとってはSDL2018はとても意義深かったということでですね 福留:はい その03へ続く |
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