HOME 作成 佐藤敏宏 |
聞き語り記録 福留愛さん(SDL2018遠方参加者)に聞き語る |
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04 福留さんの作品 |
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佐藤:まど・みちおさんのための場、窓の宇宙 場所から解放する美術館というタイトル。 ここからは福留さんがSDL2018に出品された作品につて語り合っていきましょう。どうぞPC開いてください。PCに、蝋燭がたくさんでてきました 福留:蝋燭です。どうしようか〜。 佐藤:今日は時間制限ないです。エスキス塾の10倍で20分、100倍で200分はワイワイできます 福留:やったー。まずタイトルが 佐藤:覚えているのは表紙です 福留:表紙ですか、これですか 佐藤:表紙と平面が印象に残ってます。特徴的な平面図で、既視感が無いんです。 21世紀美術館を基盤にし、楔状に突き刺して。というか金沢のそれは、パブリックと展示場がくっきり街区状に分離して立ち上がってます。 福留案は街区も通路も建物も崩れてしまっていて、方向も定まらないまま地と図が混在・混合している。どちらの場も通路でもあり展示場でもある。そういう建築が提案されていました。階層を溶融させてしまい、混在させることもできているんだなーと受け止めました。金沢に近い直径は104mにした理由なんですが。 |
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店員:食事の用意ができました 佐藤:PC開いてていいでしょう 店員:大丈夫ですよ 佐藤:ここで銀のスプーンが並べられる、箸があるといいね。 店内はジャズが流れる。食器が並べられていく 佐藤:ようやく銀のスプーンが揃いましたね。ふふふ 平面は面白いなーと思いまいした。模型をちら見したときは、屋根ですが、なんか変だなーと思いまいた 福留:屋根ですよね。 佐藤:21世紀美術館のように、104mにしている、の?(金沢は113mらしい) 福留:104mはまどさんの生きた年数なんですけど 佐藤:金沢の直径104m。あれは俺が捏造しちゃった記憶かもしれない 福留:はははは 佐藤:21世紀美術館と同じ大きさじゃん!と瞬時に思い込んでしまいました。まどさんは104m歳まで、長生きしたんですね。で直径104mにしたんだと 福留:はい 佐藤:規模の根拠は、何に見出して描き出し始めるのかです。福留さんが建築を作り始めるときに、規模の根拠が無かったことが明かされました。もっと巨大にしなかった理由はなんでしょうか 福留:あーあ〜 佐藤:104mって実感ありますか。 福留:私の中では104mは巨大っていうイメージがあって。 この美術館で、詩が描いてあって、天井の高さとか、周辺との関係とか考えた時に、このプロポーションが凄い、丁度良くって。この敷地を先に選んでいたので、本当に川の線形に沿っているんですよ。 |
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(Wikipedia より) まど・みちお(本名:石田 道雄〈いしだ みちお〉 1909年〈明治42年〉11月16日 - 2014年〈平成26年〉2月28日)は、日本の詩人. 25歳のときに北原白秋にその才能を認められ, 33歳のときには太平洋戦争に召集された。 詩作りは20代から始め、以来生涯にわたって詩を作り続けた。 創作意欲の源は、政治・行政・教育・経済・戦争などに対する不満である[1]。 「ぞうさん」や「やぎさんゆうびん」などの、そのおおらかでユーモラスな作品は童謡としても親しまれている。 表現の前に存在があるという意味で「存在の詩人」とも称された[2]。 |
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佐藤:敷地はどこですか、壁の高さは15ぐらいですか 福留:高さは8mぐらいです 佐藤:思ったより低いね 福留:もっと大きかったんですけど、下げて。敷地は周南市の敷地で。まど・みちおが生まれた家があって、ここが徳山駅です。でここが通っていた小学校が在って。通っていたお寺が在って、ここに川が流れていて、この川で遊んでいて、ここの敷地が気になっていたので。ここがいいなーと 佐藤:ちょうと丸く、蛇行している敷地が在ったんだ。測ってみたら104m、はいりそうだったと。なんとなくそれがが一直線上にならんでいくと。関係が北東の方に軸が延びて、ならんでいると。 福留:色々と並行して考えいた結果、 |
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佐藤:まどさんの実家のそばに計画したと。地元に建てるんだと。地形を観て「ここに建てよ」という神のお告げが降りてき 福留:町に美術館が在るんですよ。「まど・みちお」コーナーが、ちっさい部屋に詩と絵画が飾られているです。 見学に行っていたので。「この周辺に まどさん個人の美術館をつくる」っていう計画、自分の中の必然です。 佐藤:ぞうさん、ぞうさんと歌いながら地図を観てたら、ここだと気づいたと 福留:そうです、直感です。 佐藤:作図したんじゃなくって、川がほぼ丸く渦まくかのように、周防灘に向かって流れて行くんですね 福留:そうなってます 佐藤:直径 104mだったと 福留:川のぎりぎりまで建て物が建っている状況で。 佐藤:敷地に行ったんですよね 福留:はい 佐藤:堤はなかったんですか 福留:あんまり無いですね、穏やかな川で、すごい浅いんですよ。 佐藤:エスキス塾では、民家がいっぱい在って、周りと齟齬があるんじゃないかとの指摘がありましたね (敷地周辺の様子) 福留:模型を見ると、この建築と周りの環境というのが、周りの住宅が2階建とかで、高い地面に対して低い敷地の所なので、スケール・ギャッ、プがあるように見える。巨大な宇宙船が降りて来たような感じになっていて。ある審査員に怒られたんです。 佐藤:怒る必要はないんじゃないかな、高さを低くおさえて屋上公園にしちゃうとか、気になるならですけど。周囲になじませる手法を指導すれば良さそう。地下に少し埋めても、いいわけでしょう 福留:はい、そう、なんですよ。「地下に埋めるとか、もっと低くしてもよかったんじゃないか」と言われて。断面で観るとちょっと崖に埋まっているんです。そこが足りてなかったのかなーと。 窓を作るので地下に埋めたら窓が採れなくなるんですよ。それが凄い自分の中は悩みで。この先に景色が無いと |
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佐藤:建築中心主義者ね 福留:いやいや、そういう事は無い。 佐藤:既存の住宅街とバランスが悪と言われて、一工夫し悩んだと 福留:悩みました 佐藤:悩んだけど、巨大な壁と窓を作って、セットしたと。 福留:ははははは (敷地周辺の様子) 佐藤:方位から考えると、朝日で巨大きな影を落とし続けるようでもないしなー。東側が高いんですよね 福留:はい 佐藤:近隣の住宅と福留さんの美術館がガチになっているのは気になりましたか ランチが運ばれてくる 佐藤:だらしなく食いながら語り合いましょう 福留:ふふふふ 佐藤:お腹すいたねー いただきまーす 福留:まどさんの世界と、世界観、まどの宇宙とか言っているので。どちらかと言うと、外見も馴染んでいるよりは、あっと思うような印象があってもいいんじゃないかなーとたぶん心の中では許していたこともあって。 佐藤:じゃ指摘されても、スルーしていいんじゃない 福留:そうですね 佐藤:これでいいんだと言い張ればいい 福留:でも、ある審査員からはアウトと言われました。はっきり言ってくれて面白いなーと。 佐藤:SDLでは審査員の価値観を受け取る必要なね。地方の住宅街に、住宅以外の機能を入れ込むんだから違和感が起きるのは当然で。どう馴染ませるか、齟齬をどう解釈して存続させるか。馴染んでない方がいいかもしれないよ。何でも馴染めばいいとは思わない。円柱の外観でさほど目立たないんじゃない。 福留:馴染むということが建築の外観だけで、馴染ませるということは、あんまり意味がないのかなーと思っていて。用途とか、中に入った時に体感する空間とかの連続性の方が。 佐藤:そうだね。今日も、このレストランに着くまで、野球場に入って船着き場を逍遙したりし、都市を彷徨う、その楽しみ方の方がいいよ。都市を多層に色々体験してここに辿り着いたように。 同じように、美術館の隣の住宅のおじさんが、居場所や当てもなく楽しみに行く所がなくって、まど・みちお館に迷い込んで佇み・鑑賞したり・ぼんやりしたり、してていい。ふと他者の人生に迷い込んで一日を過ごすって、住宅と無関係じゃない方がいいと思います。美術館だから目的を持ってる人が行くだけって・・・・ 住宅の傍に詩人の記念館が在って終の居場所になってる〜って悪くないよ。馴染んでないのかなー。 詩はありがたい行為で、庶民との暮らしとは切り離れた、別の世界であると捉える姿勢の方にこそ権威主義ふうの問題があると思うんだけど。 福留:この周辺の入り組んだ地形にも応じてたりして。これが周辺の写真なんですね。周辺の造形の在りようが、私が作っている空間に近い。というか、リバーエッジが大きい、そういう地形になっている (敷地周囲の地形など状況を映し込んだ、写し建築設計であることが分かる) 佐藤:周囲の地形と福留建築は応答し共振し合っているんだね 福留:その辺もプレゼンテーションが悪かったのかなーと 佐藤:エスキス塾でリバーエッジの写真は見せてなかったですよね 福留:はい 佐藤:周辺の形状や路上と川の形状などを「屋根なし福留建築」と読みかえてもいい。川がつくりだす迷路的建築と、まどさんの詩が合成されて建築の体験になるんだね。 福留:窓が採れない 佐藤:天窓っだから、窓はある 福留:天窓 いい〜 佐藤:天井高さが8mだから、詩の書き込みの上に、高窓があってもいいし、周りのまどさんが活きて来る、家並や風景と、まどさんの作品が同列に並んで見えるように、仕立てたいんすよね 福留:はい 佐藤:見上げると、まどさんの生きて来た、地元の風景が並んで見える。下は川の流れのように、とうとうとまどさんの言葉が流れて行く。夢かと思って目を擦ったら、まどさんの詩。とめどなくとうとうと流れ続けている 福留:それいい 佐藤:言葉の上を彷徨う、それでもよかったよね その05へ続く |
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