早稲田大学
ジャーナリズム研究所

J-Freedom

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■2018年3月5日

花田達朗ジャーナリズムコレクションの刊行開始

先月16日、花田達朗ジャーナリズムコレクション 第2巻 『ジャーナリズムの実践〜主体・活動と倫理・教育 2(2011〜2017)』が彩流社より刊行されました。全7巻で予定される著作集の第1回配本です。2月3日にあった「最終講義」に間に合うように印刷され、当日会場で先行販売もされました。第2回配本は8月に第1巻  『ジャーナリズムの実践?主体・活動と倫理・教育 1(1994〜2010)」の刊行が予定されています。(オンライン書店で買う


■2018年2月15日 所長の伝言
 
大統領の辞任とジャーナリストの「勝利」
 
本欄の昨年12月19日の記事「犠牲者の救済を目指して、権力を撃つ―GIJC 2017 in Johannesburgを顧みて」の最後のところで述べた、ジャーナリスト、ジャック・ポウの闘いはひとまずポウの「勝利」に終わった。南アフリカ共和国の大統領ジェイコブ・ズマは昨日の14日に辞任を表明した・・・(・・・続きを読む

2018年2月13日

ワセダクロニクルが大学から離陸


ジャーナリズム研究所のプロジェクトとして探査ジャーナリズムの研究開発に成果を挙げてきた「ワセダクロニクル」は、その創刊1周年を機にして研究所から独立し、非営利法人(NPO)としての活動を開始しました。同時に、本日新しいサイトに移行し、新しい特集シリーズ「強制不妊」の第1回をリリースしました。

ワセダクロニクルは「大学に拠点を置くニュース組織」(university-based news organization)として昨年2月1日に立ち上げられ、特集シリーズ「買われた記事」をネット発信し、クラウドファンディングや支援者寄付金によって取材活動資金を調達し、探査ジャーナリズムの可能性を内容面と経済モデル面の両方から追求してきました。昨年6月には世界探査ジャーナリズムネットワーク(GIJN)から正式メンバーとしての加盟が承認され、9月には日本外国特派員協会(FCCJ)から「2017年FCCJ報道の自由推進賞」を授与されました。

ワセダクロニクルは今後、権力監視の探査ジャーナリズムによって市民社会に貢献していく「ジャーナリズムNGO」というコンセプトで活動していきます。本日、新しい特集シリーズ「強制不妊」のシリーズ継続のためのクラウドファンディングを開設しました。市民社会に呼びかけ、市民社会の支援を求めていきます。

また、新しい日本語サイトへの移行とともに、昨日英語版サイトも開設しました。特集シリーズ「買われた記事」(Series “Journalism for Sale”)の第1回の英語版を掲載し、更なる翻訳費用の寄付金を求めています。英語版の開設により、国際的に他のニュース組織との連携を築いていくと同時に、グローバルな市民社会に向けての発信が可能になりました。

花田達朗所長の談話 「ワセダクロニクルのテイクオフに心からお祝いを申し上げたい。偏西風に乗って、軽々と地球一周をしていただきたい。探査ジャーナリズムをグローバルな文脈のなかで果敢に実践していく、独立したニュース組織の今後に期待しています。権力は強し、されどジャーナリズムも強し。」

ワセダクロニクルの新サイトと新しい特集シリーズ「強制不妊」
http://www.wasedachronicle.org/articles/importance-of-life/d1/

特集シリーズ「強制不妊」のクラウドファンディング
https://motion-gallery.net/projects/kyoseihunin

ワセダクロニクルの英語版サイト
http://en.wasedachronicle.org/


2018年1月22日
Wasedocu5を開催します
「この日本の片隅で
TVドキュメンタリスト 七沢潔と大森淳郎のメッセージ」
テレビドキュメンタリー作品の上映とトーク
主催:早稲田大学ジャーナリズム研究所 JapanDocs
──────────────────────────────────────
○日時:2018年1月27日(土)11時から19時30分(開場10時30分)
○会場:早稲田大学小野記念講堂
   googleMAP https://goo.gl/maps/dPeZd1D4unF2
   簡易MAP http://bit.ly/2Dhs0rl
チラシPDF→http://bit.ly/2Dg037q
Facebookイベントページ→http://bit.ly/2rltgIy
詳細HP→http://japandocs.org/wasedocu5/
参加費無料/どなたでも参加できます/事前申し込み不要

30年以上にわたり、テレビ(NHK)を舞台にドキュメンタリーを制作してきた二人のディレクター、七沢潔と大森淳郎が2017年に定年を迎えた。
二人の制作テーマは、沖縄、核、戦争と共通点を持ちながらも、七沢は、よりジャーナリスティックに構造に迫り、大森は、心情深い眼差しで撮らえてきた。
同時代にそれぞれの作風を追及した二人のメッセージを、作品と対話を通じて、今ここに読み解き、考える。
【ゲスト】
七沢潔(NHK制作者)、大森淳郎(NHK制作者)  (チラシを拡大して見る


2018年1月20日

明日開催です!

岩波書店『世界』編集部と本研究所が運営するワセダクロニクルとの共催で、連続シンポジウムの第2弾を開催します。
今回のテーマは「タブー」です。

タブーとは何でしょう。誰がタブーをつくるのでしょうか。
ジャーナリズムを取り巻くタブーの正体に斬り込みます。

岩波書店『世界』編集部とは年4回のシンポジウムを共催していきます。多くの方のご来場をお待ちしています。

連続シンポジウム「ジャーナリズム考」:第2回 メディアを覆うタブーを打ち破れ

[主催] 早稲田大学ジャーナリズム研究所×ワセダクロニクル×岩波書店「世界」編集部
[日時] 2018年1月21日(日)13時(12時30分開場)
[入場料] 無料
[場所] 早稲田大学大隈記念講堂(小講堂)
http://www.jsps.go.jp/…/g_110530/data/kikin-kaijo_waseda.pdf

[式次第]
◆開会挨拶にかえて:「タブーとは何か」花田達朗(社会学者、早稲田大学ジャーナリズム研究所所長)
◆基調報告1
望月衣塑子「誰がタブーをつくるのか:メディア企業は記者を守れるのか」
ジャーナリスト。東京新聞社会部記者。主著に『武器輸出と日本企業』『新聞記者』。
◆基調報告2
大石泰彦「ジャーナリストとは何者か:権力監視機能と”マスコミ”、そしてジャーナリズム」
憲法学者。青山学院大学教授。専門はメディア法・言論法。主著に『メディアの法と倫理』など。
◆パネルディスカッション「メディアを覆うタブーを打ち破れ」
ファシリテーター:渡辺周(ジャーナリスト、ワセダクロニクル編集長) パネラー:望月衣塑子、大石泰彦
◆閉会挨拶にかえて:清宮美稚子(岩波書店『世界』編集長)



■2018年1月16日

ジャック・ポウのその後

 本欄に2017年12月19日付けで掲載した「犠牲者の救済を目指して、権力を撃つ」の最後に、ジャーナリスト、ジャック・ポウについて書いた。その続きである。

 2017年11月13日付けのガーディアン紙電子版は、南アフリカ政府のインテリジェンス機関、SSA(State Security Agency)が『大統領キーパー』の著者、ジャック・ポウを告訴する準備を終えた、と伝えている。その記事のなかで、同書の発行者は、「われわれはその本と勇気ある著者の側に立つと、公衆に対して約束する。我が社は誇りをもって、いかなる法的アクションに対してもわれわれの著者を防衛する意志がある。この問題について市民社会グループから寄せられた多くの支援をありがたく思う」とインタビューに答えている。
 同書は10月29日発売以来、南アフリカの書店で2万5000部が売れ、5万部以上の注文が来ており、2004年のニールセン調査の開始以降で最も早い売れ行きだ、と発行者は語っている。


 2018年1月1日

新年おめでとうございます。
このホームページで、こう申し上げるのも最後となりました。

私はこの3月をもって早稲田大学教員を定年退職します。それに伴い、ジャーナリズム研究所所長も退任します。研究所そのものは存続しますが、私の代の第1期は終了して、次期所長のもとで第2期に入ることになります。

2015年の設立以来3年間、みなさまにはご支援をいただき、大変ありがとうございました。日本のジャーナリズムの改善のために微力ながら尽くしてきたつもりですが、状況という相手が大きすぎて、思うようにはできませんでした。あとは皆さんにお任せして、私は大学から引退します。

恒例ということなので、「最終講義」を用意しました。以下の日程で行われます。どなたでも参加できます。

最終講義「公共圏、アンタゴニズム、そしてジャーナリズム」
日時: 2018年
2月3日(土曜日)午後2時30分開場(午後3時より講義)
会場: 早稲田キャンパス 15号館02教室


■2017年12月19日

「所長の伝言」に「犠牲者の救済を目指して、権力を撃つ――GIJC 2017 in Johannesburgを顧みて」が掲載されました。 (伝言を読む)


■ 2017年11月7日

10月15日開催のシンポジウム「日本の報道は何を伝えていないか―ジャーナリズムが殺される国からの報告」は、工藤律子さんと今井高樹さんを講演者にお迎えして、大変興味深いものとなりました。そのときの私の開会挨拶をここに掲載します。

花田達朗     (挨拶文を読む

2017年10月16日

探査プレスのための闘い: GIJNメンバーが日本で受賞
GIJNのサイトがFCCJ賞受賞のストーリーを掲載

GIJN(世界探査ジャーナリズムネットワーク)のサイトトップに、本研究所およびワセダクロニクルのFCCJ賞受賞の記事が掲載されました。記事の見出しは、「探査プレスのための闘い: GIJNメンバーが日本で受賞」です。
https://gijn.org
https://gijn.org/2017/10/13/fighting-for-an-investigative-press-gijn-member-gets-award-in-japan/

記事のリードには次のように書かれています。

「最近の日本の方向転換は、その国の表現の自由の歴史を脅かし、その国の民主的な諸原理を掘り崩してきた。日本の探査報道の伝統は、戦後期におけるおそらく最も大きな挑戦に直面している。
 しかし、希望の徴はある。9月11日、その国の探査ジャーナリズムの、二人の重要なサポーターが日本外国特派員協会によって栄誉を与えられた。早稲田大学ジャーナリズム研究所所長の花田達朗と、ワセダクロニクル編集長の渡辺周は、2017年FCCJ報道の自由推進賞(フリープレスのサポーター部門)を受賞した。ジャーナリズム研究所を拠点にして2016年に発足したワセダクロニクルは、本年7月、日本で最初のGIJNメンバーとなった。」

そのあと、FCCJの授賞理由、花田達朗と渡辺周の授賞スピーチへと続きます。

■2017年10月11日
第3冊目のブックレットを刊行

彩流社から第3冊目のブックレット『探査ジャーナリズムとNGOとの協働』が刊行されました。このブックレットから新しい言葉「探査ジャーナリズム」を使っていきます。

http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2392-4.html


■2017年9月30日 所長の伝言です

 河北新報社編集局報道部長・木村正祥氏の批判に応答する

 宮城県仙台市に本社を置く河北新報社の編集局報道部長・木村正祥氏が、同編集局の『局報』に掲載された「調査報道の担い手」と題する2頁にわたる文章の冒頭で私を批判しておられる。まずそれを引用しておこう・・・・ (・・続きを読む)。

■2017年9月30日

 岩波書店『世界』との共同開催で連続シンポがスタート

本研究所/ワセダクロニクルと岩波書店『世界』編集部は年4回のペースで連続シンポジウム「ジャーナリズム考」を開催していきます。その第1回として「日本の報道は何を伝えていないかージャーナリズムが殺される国からの報告」を10月15日(日)午後1時に開催します。詳しくはチラシをご覧ください。

 (チラシ両面を拡大して見る

■2017年9月13日 所長の伝言

 FCCJでの受賞スピーチ

9月11日に行われた「2017年FCCJ報道の自由推進賞」授賞式での私の受賞スピーチを掲載します。以下、英語のスピーチとその日本語への翻訳です。(英語で読む 日本語で読む

■ 2017年9月13日

 FCCJの「報道の自由推進賞」を受賞しました

本研究所所長の花田達朗とワセダクロニクル編集長の渡辺周の両名に対して、日本外国特派員協会(FCCJ)http://www.fccj.or.jp/ から「報道の自由推進賞」(フリープレスのサポーター部門)が授与され、9月11日に同協会で授与式が行われました。大学を拠点にした非営利のニュース組織による、探査ジャーナリズム(Investigative Journalism )の発信活動と記事内容が日本に駐在する外国人特派員の視点から見て、高く評価されました。


      

        

 2017年8月27

A Real Crisis, a Real Hope

On July 1st I presented a short speech at the conference of Japan Focus: The Asia-Pacific Journal on Contemporary Crises in the Asia-Pacific, invited by David McNeil who organized and moderated the session on the Attack on Critical Journalism and the False News Debatte: Japan, the US and the Asia-Pacific. I carry here the full text of my presentation.

………………………………………………………………
A real crisis, a real hope
 
                                                         Tatsuro Hanada
 
The black ships (“Kurofune”) of Commodore Matthew Calbraith Perry famously forced Japan to open up to trade with the rest of the world in the mid-19th century. Recently another symbolic black ship visited Japan to tell the government and people about international legal standards of freedom of opinion and expression based on Article 19 of the International Covenant on Civil and Political Rights (“ICCPR”), and to open the Galapagos-like conditions of media and journalism in this country.
 
When I read the report by David Kaye, the UN’s special rapporteur for freedom of expression, however, I found that his aim is neither to criticize the Japanese government and media institutions nor to put pressure on them. David Kaye’s academic title is clinical professor of law, director of international justice clinic at University of California, Irvine. That should provide a clue to his mission.
 
He visited Japan last year to examine freedom of opinion and expression as if he were a clinical doctor examining a patient. At the end of May this year, he sent his report - in effect a medical certificate of health - to the UN Human Rights Council. He diagnosed the Japanese media as suffering from an acute lack of independence. The core conclusions and recommendations in his report refer to this lack of independence, aimed at three parties: the Government, media groups and journalists. Specifically:
 
* The Government should develop a framework for an independent regulator of broadcasting media.
* Media groups should publicly reject any form of threat and intimidation of journalists or other professions carrying out investigative reporting work.
* Journalists should assess how the promotion of independent reporting could be furthered by the promotion of associations among media professionals. For that purpose journalists should have greater collective solidarity.
 
I would say in short that what Mr. Kaye said to journalists in Japan simply was, in the words of reggae star Bob Marley: “get up, stand up for your rights!”
 
Among the three addressees of these recommendations, only the government responded - defensively - presumably because it feels under attack by this new black ship. Government officials cannot understand that the UN Special Rapporteur’s report is a medical certificate.  Media organizations and journalists, on the other hand, have stayed silent. 
 
In my view, Japan’s media organizations are not interested in investigative reporting, having given up their roll as public watchdog. Journalists are silent because there is no professional association of journalists in Japan. Indeed, reporters employed in Japanese mass media companies probably do not recognize themselves as journalists, as it is commonly understood as profession. Therefore they can hardly feel that Kaye’s recommendations apply to them.
 
This is a real crisis of journalism in Japan: In mainstream media there is a dearth of watchdog journalists committed to investigative journalism.
 
By the way, I am neither a journalist nor a clinical professor of law. I would say that I am an experimental professor of sociology. As director of the Institute for Journalism at Waseda University I coordinate the Waseda Investigative Journalism Project, which created the investigative news site, Waseda Chronicle in February this year. The Chronicle is a university-based, nonprofit and investigative newsroom, which will join the global movement of investigative journalism. In June this year, the board of the Global Investigative Journalism Network approved Waseda Chronicle for membership. This project is an experiment to develop a new sustainable model of investigative journalism, including content, production and financing.
 
If watchdog journalism cannot find its proper place in the mainstream media in Japan, the function and the sprit of journalism will leave and look for a new home, perhaps online or in a civil society stakeholder such as an NGO. The mainstream media does not have exclusive rights over watchdog journalism. New carriers are emerging in the form of associations. This is a real hope for journalism in Japan. For this hope we need support from global civil society and collaboration with other actors and players in the movement, especially around Asia.


 (チラシを拡大して見る )


■2017年8月23日

 沢田教一展〜その視線の先に

8月28日まで東京の日本橋高島屋8階ホールで、「沢田教一展〜その視線の先に」が開かれています。
本研究所招聘研究員の斉藤光政さんが企画協力されています。私は今日、行ってきました。かなりの人が訪れていました。やはりベトナム戦争を知っているシニアの世代が多かったですが、若い女性を何人も見かけました。故郷青森の風景や人々、ベトナムの子どもや女性などの写真を見ていると、沢田教一が「戦場カメラマン」「報道カメラマン」だったのではなく、ただ「写真家」であったということがよくわかります。
花田達朗 (チラシ両面を拡大して見る



■2017年8月14日

「ニュース打破」と協定を締結

本研究所が運営する「ワセダクロニクル」は8月8日、韓国で大きな影響力がある調査報道団体「ニュース打破」(Newstapa/KCIJ)http://gijn.org/member/korea-center-for-investigative-journalism-kcij/と協定を結びました。
以下の写真は「ワセダクロニクル」の渡辺周編集長(写真右)と「ニュース打破」のキム・ヨンジン編集長。ソウルで覚書に署名しました。
「ワセダクロニクル」は6月29日に世界調査報道ジャーナリズムネットワーク(GIJN)の正式加盟団体 http://gijn.org/member/waseda-chronicle-japan/ として承認されましたが、今後とも海外の調査報道団体との連携を加速していきます。


■2017年8月9日 

 『世界』の特集
岩波書店の総合雑誌『世界』の9月号に特集「報道と権力」が掲載されました。その中に研究所関係者の以下のものが含まれています。

花田達朗「ジャーナリズムと市民社会の再接続 - 『イズム』はいつも居場所を求めて旅に出る」
渡辺周×別府三奈子・対談「プロフェッションとしてのジャーナリストへ - ジャーナリズムの本義に立ち戻るための挑戦」

渡辺周さんはワセダクロニクル編集長、別府三奈子さんは法政大学社会学部教授で、ともに本研究所招聘研究員です。
10日発売と聞いていましたが、昨日から書店に並んでいます。ご覧いただければ、幸いです。

花田達朗

2017年8月1日

 情報流出と内部告発の違い

加形学園問題、防衛大臣辞任と、新聞やテレビのニュースは賑わっている。が、それは記者の「探査」の成果ではなく、政権内部からの情報流出によって引き起こされている。そこで情報流出と内部告発は区別されるべきだろう。どのように? 自己の利益のための情報流出と他者の利益のための内部告発と補えば、区別することができる。この間のニュースの賑わいは、メディアが情報流出の受け皿となって政権内部のコップの中の嵐を実況中継させられている姿だと言える。
その点について、月刊誌『FACTA』の8月号の最終ページ、「from readers」の欄からの求めで、一文を書いた。その横のコラムは招聘研究員でもある宮ア知己さんが書いている。この号から同誌の編集人に就いた。(記事を拡大して読む

■2017年7月26日

 7月29日にシンポ開催

シンポジウム「ジャーナリズムとNGO・NPOとの連携を求めて〜主流メディアを超えたチカラの台頭」を7月29日にワセダクロニクル・ジャーナリズム研究所の主催で開催します。詳しくはチラシをご覧ください。 (チラシを拡大して読む

■2017年7月24日

 女たちの脱基地 

本研究所の招聘研究員の佐藤直子さん(東京新聞編集委員)が東京新聞に「女たちの脱基地〜2017年沖縄国際会議」を3回で連載されました。先月下旬に沖縄で開催された「軍事主義を許さない国際女性ネットワーク会議」の取材報告です。女たちの国境を越えた交流のパワーを感じさせます。まだの方はどうぞお読みください。
   (記事 上・中・下を読む

■2017年7月23日
  ワセクロのブックレット第二号を刊行
7月20日、渡辺周・花田達朗・大矢英代・ワセダクロニクル編著『市民とつくる調査報道ジャーナリズム〜「広島東洋カープ」をめざすニュース組織」を彩流社より刊行しました。定価は1000円。2つのシンポジウムを収録するとともに、書き下ろしの論考を掲載しています。どうぞご覧ください。(本の詳細をみる



■2017年7月2日
アジアプレス設立30年記念イベント
本研究所副所長の野中章弘さんが代表を務めるアジアプレスが設立30年を迎えて、7月22日(土)〜29日(土)の期間、記念イベント「独立系ジャーナリズムはアジアをどう取材してきたか」を開催します
 (チラシを拡大して見る

■2017年6月13日
デービッド・ケイ教授、記者会見でワセダクロニクルに言及

国連人権理事会が任命した「言論表現の自由権の促進と擁護についての特別報告者」、デービッド・ケイ氏(米国カリフォルニア大学アーバイン校法学教授)の目には日本の状況はどのように映ったのか。同氏は臨床医のように日本の言論表現の自由の状況を診察して「診断書」を書いた。「診断書」が国連理事会に提出される前に、6月2日上智大学で記者会見が行われた・・・(・・・続きを読む

■2017年6月11日
安倍首相へのCPJの手紙
6月4日の国際シンポジウム「アジア地域における調査報道ジャーナリズム:その可能性と展望」は無事に終わりました。この会議によって、「可能性と展望」は確実に開かれたと言うことができます。参加者の誰もがそのことを実感し、確信したと思います。そのことを、シンポが終わったときに言葉を交わした人々から強く感じました。何かが始まる、何かが始まろうとしているという雰囲気がありました。これこそが国際的に見られる、ジャーナリストたちによる会議の雰囲気なのです・・・(・・続きを読む

2017年6月1日

CPJとは何か?

6月4日開催の国際シンポが近づいてきた。ジャーナリズム研究所と共同主催者となっているCPJとは何か。

2週間前の、5月17日の東京新聞に小さな記事が載った。見出しは「メキシコ麻薬取材 著名記者殺される」。そのハビエル・バナデスは2011年にジャーナリスト保護委員会(CPJ)の国際報道自由賞を授賞したと書いてある。そのCPJなのである。CPJとは危険に晒されているジャーナリストを救出することを目的とした国際NGOである。(記事を拡大して読む

バナデスの死は、世界中のジャーナリストからの深い悲しみと、闘ってきたジャーナリストへの敬意に包まれた。

例えば、アルジャジーラは彼の闘いを偲ぶ番組を作った。https://www.youtube.com/watch?v=km7TKsY312A
  
CPJ自身も彼の死を悼む映像を発信している。https://www.youtube.com/watch?v=dmY-EzT6VLg

何と、バナデスが殺害される2週間前に、CPJの専務理事、ジョエル・サイモンはPBSのNewsHourでインタビューに答えている。その番組は、5月3日、国連が24年前に「プレスの自由の日」「報道の自由の日」と定めた日に放送されたものだ。日本のメディアでその日のことを報じたものがあっただろうか。それは置くとして、今日の世界では至る所でジャーナリストが攻撃に晒されている。メキシコでは1992年以来少なくと40名のジャーナリストが仕事のために殺されている。エルドラン大統領のトルコでは数多くのジャーナリストが投獄されている。トランプ大統領の米国ではメディアは嘘つき呼ばわりされ、「人民の敵だ」とまで言われている。こうした状況に答えたのがそのインタビューである。ジャーナリストはどうしたらこうした暴力(殺人や投獄などの暴力、言葉の暴力)から自分たちを守ることができるのか。
https://www.youtube.com/watch?v=xaG6t9L_qHw&t=6s

いま、プレスの自由、言論・表現の自由は世界中で権力から攻撃され抑圧されている。特定秘密保護法がすでに施行され、いま共謀罪法案が成立しようとしている日本であるが、その日本のジャーナリストはどうするのか。旧来の「マスコミ」の枠内に留まるのか、「個」としてのジャーナリストとしてジャーナリズムの自己革新に打って出るのか。

サイモンは4日の国際シンポで閉会の辞を述べる。 (花田達朗)


■2017年5月31日

 6月4日(日)国際シンポの開催、迫る

本日、31日の東京新聞に調査報道ジャーナリズムについての国際シンポの開催を知らせる記事が掲載されました。
本研究所/ワセダクロニクルと国際NGO「ジャーナリスト保護委員会」(CPJ)の共催で行われます。ご参加をお待ちしております。
 スクラップを読む 東京新聞web記事

■2017年5月19日

地方紙の眼力ー改憲・安全保障・震災復興・原発・TPP・地方創生』(農文協ブックレット)が発売となりました。花田はそこで、「地方紙の連帯でジャーナリズムの危機を乗り越える」を書いています。地方紙にはがんばってほしいと思っています。もしもその期待が幻想だったということが判明したら、この論考は完全な失敗作ということになってしまいます。そうでないことを願っています。 (本の詳細を見る


■2017年5月17日
国際シンポジウム
アジア地域における調査報道ジャーナリズム:その可能性と展望」を6月4日(日)に開催します。

いま、アジアで活発な調査報道ジャーナリズム、

アジアの4つのニュース組織が一堂に会す画期的なイベント!
 
このシンポジウムでは、日本における調査報道の来し方行く末を確認して足場を固めたうえで、さらにアジア地域の調査報道ジャーナリズムを担う4つの非営利組織が集い、それぞれの経済モデルやコンテンツを紹介し、その持続的発展可能性を議論するとともに連携の方向を打ち出していきます。
 
早稲田大学ジャーナリズム研究所およびワセダクロニクルが、米国の国際NGO、ジャーナリスト保護委員会(CPJ)との協力で開催します。ご関心の方々はどうぞご参加ください。
  (詳細を読み参加する


2017年5月12日 

その訳

「どうしてこの人はジャーナリスト養成教育などというものを大学でやっているのだろう」と思われていた方が多かったかもしれません。その背景のある部分を伝える記事が、2017年5月11日付け朝日新聞夕刊に掲載されました。「一語一会」という欄です。「あなたのためにならないから、やめておいた方がいい」、これが見出しです。ご関心の方は、どうぞご覧ください。 (記事を読む

花田達朗

2017年5月8日  所長の伝言

 マーク・リー・ハンター氏とともに作った5日間終わる

 ジャーナリズム研究所の招聘で来日された調査報道ジャーナリズムのトレーナーの世界的第一人者、マーク・リー・ハンターさんとの5日間が昨日終わりました。公開シンポジウム、ジャーナリスト向けのワークショップ、ワセダクロニクルとの作業討論と、連日にわたって大変濃密な時間を早稲田キャンパスの中で持つことができました・・・・(・・・伝言を読む

■2017年4月20日

渡辺周,・花田達朗・ワセダクロニクル編著『始動! 調査報道ジャーナリズム ー「会社」メディアよ、さようなら』が彩流社ブックレットとして出版されます。これは2月18日に行われた、ワセダクロニクル創刊記念シンポジウムの内容を書籍化したものです。定価1000円で近日中に書店に並びますので、お手に取ってご覧ください。
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-2320-7.html

■2017年4月13日

台湾の非営利ネットメディア「報導者 The Reporter」にワセダクロニクルの立ち上げと創刊特集「買われた記事」を紹介する記事が掲載されました。執筆者は当研究所招聘研究員でもある(立教大学社会学部准教授)さんです。
「報導者 The Reporter」は2015年12月に配信を開始して、すでに1年以上が立ちました。大きな写真を使った迫力のある画面やデザインが特色です。2016年度の調査報道プロジェクトの一つは「血と涙の漁場」で、台湾船籍のマグロ漁船でインドネシア人船員へ不当な労働が強制されている実態を暴露し、改善へと政府を動かしました。ワセダクロニクルはアジアの非営利ネットメディアと連携していく予定です。
https://www.twreporter.org/a/opinion-japan-media-waseda-chronicle

■2017年4月11日

トヨタ財団研究助成ワークショップ「社会の新たな価値の創出をめざして」が開催されます。
詳しくはチラシをご覧ください。 (チラシの詳細を読み参加する



■2017年4月10日 

シンポ「映画監督と時代」第三弾を4月22日(土)に開催します。
木下恵介監督『陸軍』(1944年製作、松竹作品、87分)を上映し、パネルディスカッションを行います。
詳しくはチラシをご覧下さい (チラシを見る
2017年4月8日

 マーク・リー・ハンター氏、来日!
『調査報道実践マニュアル』(旬報社)の著者、ハンター氏をお迎えして、5月3日にシンポジウム「調査報道ジャーナリズム・世界の最前線から
Power is everywhere〜そこにある権力」を開催します。みなさんのご参加をお待ちしています。
 (チラシの詳細を読み参加する

■2017年4月1日
The Japan Times の本日付けの紙面に、ワセダクロニクルを含む、日本の調査報道をめぐる状況のレポートが掲載されました。
渡辺周編集長が大隈銅像の前で凛として立つ写真がトップを飾っています。よく見ると、その背後に3人の人が背中を向けて逆方向へと歩いています。多くの人が歩いて行く方向とは違う方向を見て、毅然として立っている編集長の姿はワセダクロニクルが日本のメディア状況に対してとっている立ち位置を象徴しているように思われます。
 (The Japan Timesの記事を読む
■2017年3月25日
『原点 THE ORIGINー戦争を描く、人間を描く』(岩波書店)が刊行

招聘研究員の斉藤光政さんが安彦良和さんとの共著『原点 THE ORIGINー戦争を描く、人間を描く』を岩波書店から出版されました。帯には、「ガンダムの源をさぐって――」「『アリオン』『虹のトロツキー』『王道の狗』、そして『機動戦士ガンダム』――独自の世界を切り拓いた安彦良和の軌跡を辿り、作品をつらぬく思想の原点に迫る」「入魂のルポルタージュ×初の『自叙伝』!」とあります。斉藤さんは地元青森県出身の、さまざまな人物を描いてきました。手に取って、ご覧ください

■2017年2月8日  インタビュー

探査衛星「ワセダクロニクル」の渡辺周・船長のインタビューが東洋経済オンラインに掲載されました

「1つ誤解をしてほしくないのは、メディア同士でたたき合いをしたいわけではない。既存メディアvs.新興メディアというとらえ方もしてほしくはありません。今回、誰が犠牲者なのかといえば患者さんです。調査報道の目的は、犠牲者を救うことであって、メディアをたたくことではない」と語っています。どうぞ全文をお読みください。http://toyokeizai.net/articles/-/157401
 (切り抜き記事画像を見る

■2017年2月1日

ニュース速報

2017年2月1日午前7時23分、探査衛星「ワセダクロニクル」を搭載した新型ペン・ロケット「WIJP」が早稲田大学ジャーナリズム研究所の屋上から打ち上げられた。轟音は発せず、クリックのかすかな音が響いただけだった。探査衛星は無事に軌道に乗り、直ちにもろもろの権力空間の観測を開始し、今後探査ジャーナリズムの役割を果たしていく。

「ワセダクロニクル」の衛星信号は、http://www.wasedachronicle.org で誰でも直接受信することができる。

打ち上げ成功を受けて、ジャーナリズム研究所の花田達朗所長(69)は、「満を持した打ち上げで、探査衛星による観測の成果を期待している。権力空間の構造解明を通じて市民社会に貢献していきたい」と語った。

■2017年1月12日
1月9日付けの『文化通信』、1面に花田所長の「新春インタビュー」が掲載されました。大見出しは「これからは地方紙の時代」となっています。
『文化通信』は週刊の「メディア産業の総合専門紙」です。 (記事を拡大して読む
■2017年1月1日    所長の伝言
新年あけましておめでとうございます。
今年も早稲田大学ジャーナリズム研究所をよろしくお願いいたします。

研究所はジャーナリズムの改善を目標に掲げてきました。その改善のやり方として、以前からのジャーナリスト養成教育の活動に加えて、ジャーナリズム実践の活動に自ら参加していくことにしました。非営利のニュース組織を立ち上げて調査報道ジャーナリズムをウェブ上で展開していくというグローバルなムーブメントの一角をここ日本で担おうとしています
・・・・・・・続きを読む

 ■2016年12月12日
書評第1号が『東奥日報』(青森市に本社)の12月7日の文化欄(11面)に掲載されました。 ご覧ください。

 (記事を拡大して読む



 ■2016年12月6日
ご案内した新刊書2冊がアマゾンでは「一時的に在庫切れ:入荷時期は未定です」と表示されています。
購入されたい方は以下の注文書をご利用いただき、お近くの書店か、または旬報社にご注文ください。

注文書を開く→→ 調査報道ジャーナリズムの挑戦
             調査報道実践マニュアル 
             日本の現場

    

2016年11月25日   <シンポジウム>開催案内

   ジャーナリズムにとって「公平・中立」と「公正」とは何か

偏向しているのは誰なのか。沖縄の新聞への「偏向報道」批判に反論し、ジャーナリズムの原点を問い直す!
          
日時
:2016年12月8日(木)18時30分〜21時 場所:早稲田大学8号館B102教室(地下1階) 
*入場無料。事前のお申し込みは不要です。
主催:早稲田大学ジャーナリズム研究所 
協力:早稲田大学グローバルエデュケーションセンター 


<パネリスト>
普久原均(琉球新報編集局長)
宮城栄作(沖縄タイムス東京支社報道部長)
寺島英弥(河北新報編集委員)
マーティン・ファクラー(元ニューヨーク・タイムズ東京支局長)                             (チラシを拡大して見る

特別報告・沖縄で考えたこと
ジャーナリズム演習ベーシック履修学生(早稲田大学全学共通副専攻ジャーナリズムコース)
<司会>
野中章弘(早稲田大学ジャーナリズム研究所)


2016年11月21日
        25日(金)には書店に行こう! 
 
調査報道について、旬報社より2冊の本を同時に刊行します。今週の25日(金)が発売日です。その2冊とはー

花田達朗、別府三奈子、大塚一美、デービッド・E・カプラン著『調査報道ジャーナリズムの挑戦ー市民社会と国際支援戦略』旬報社、定価1700円。

マーク・リー・ハンター編著『調査報道実践マニュアルー仮説・検証、ストーリーによる構成法』(高嶺朝一、高嶺朝太訳)旬報社、定価1500円
旬報社のサイトで目次や著者・訳者の紹介、「はしがき」を読むことができますので、右の画像をクリックしてみてください。

表紙のデザインからもお分かりのように、この2冊はペアーとして企画され、急いで出版されました。何のために?
世界で調査報道ジャーナリズムがムーブメントになっている今、日本でもそのムーブメントが起こってほしい。それを促す一石を、いや二石を投じたいがためです。2冊とも私たち、作った者たちの自信作です。

調査報道が置かれている国際的、国内的な状況と果たすべき使命を見極めたうえで、調査報道を果敢に実践し、またそれを積極的に支援する時、それが今です。ここがロードス島だ、いまここで跳べ! 

調査報道はジャーナリストのためにあるのではなく、市民社会全体のためにあるものです。この2冊を手にしてほしいのは、ジャーナリストのみならず、学生、NGOやNPOの実践家、そして「マスコミ」やジャーナリズムに不満で、批判してきた一般市民の方々です。

さあ、25日には書店へ!


2016年11月1日


本研究所招聘研究員のマーティン・ファクラーさんの論文が『コロンビア・ジャーナリズム・レビュー』に10月25日に掲載されました。同誌は、米国コロンビア大学ジャーナリズム大学院が出しているジャーナルで、ジャーナリズム分野では世界で最も影響力の強い雑誌と見なされています。論文タイトルは“Sinking a bold foray into watchdog journalism in Japan”。「日本で果敢に開始されたウォッチドッグ・ジャーナリズムの敗北」。多くの賞を獲得した「プロメテウスの罠」を生み出した朝日新聞特別報道部の、いわば「栄光と悲惨」がよく描かれています。記者クラブ依存の発表ジャーナリズムからの脱却を宣言した「脱ポチ宣言」に始まり、その成果が認知され肯定され賞賛されていくなかで、やがて原発「吉田調書」報道のスクープとその記事取り消し事件へと向かう経緯、そして日本のメディアの調査報道からの後退。そうした状況のなかで早稲田調査報道プロジェクトが立ち上がる、そういう流れが明快に論述され記録されています。それが『コロンビア・ジャーナリズム・レビュー』の読者に読まれることは、日本のジャーナリズムが「ガラパゴス」状況にもはや甘んじてはいられないという事態を生み出すことでしょう。 (記事全文を見る

 2016年10月12日

 野菜でつながる-新宿・神楽坂 お好み焼き屋店主の半生-
 
T.K.さんによるメディアミックスによる記事を公開しました 
 (記事を読み観る

 2016年9月30日 参加者を募集中です!
 若い記者の皆さんへ、そしてこれから記者になる皆さんへ
10月9日(日)、10日(月祭日) Jカフェやります!
 詳細を公開しました。(詳細を読む

2016年9月24日

本研究所編『日本の現場 地方紙で読む2016』が早稲田大学出版部から刊行されます。10月5日発売予定。
地方紙18紙の36本の連載企画が収録されています。
ここに、今日の日本のジャーナリズムを支える、地方紙の底力を見ることができます。ぜひご覧ください。
http://www.waseda-up.co.jp/journalism/post-734.html  (チラシを拡大して見る


■2016年8月18日
 「新聞が売れないのは、インターネットのせいではない

パナマ文書日本担当アレッシア・チェラントラさんが語る調査報道の意義・・・
 (・・記事を読む

■2016年7月31日 所長の伝言 その2
 相模原市の障がい者施設「津久井やまゆり園」で、7月26日未明、元職員の26歳の男性が施設利用者の19人を殺害し、26人に重軽傷を負わせた。そのあと、自首して逮捕された。
容疑者は2月に事前に永田町の衆議院議長公邸を訪れ、大島理森議長宛の手紙を公邸職員に手渡していた・・・  (・・・伝言を読む

■2016年7月31日 所長の伝言 その01
過ぎ去った4月の出来事について、遅ればせながら、ここに資料を収容しておきたい。
国連人権理事会から特別報告者に任命されているデービッド・ケイ氏(米国カリフォルニア大学アーバン校教授)が4月11日に来日して、日本における言論表現の自由の状況を調査し、暫定的調査結果を公表した・・・ (・・記事を読む


2016年7月24日

3年前、本研究所の前身であるジャーナリズム教育研究所は2冊の本をセットとして早稲田大学出版部より刊行した。『レクチャー現代ジャーナリズム』と『エンサイクロペディア現代ジャーナリズム』である。刊行後、書評紙『週刊読書人』の依頼で、その主要執筆者4名が座談会を行い、それが紙面に掲載された。そこで私たちは、なぜその2冊の本を刊行したのかという背景と動機を中心に語り合った。この国のジャーナリズムの問題状況を語り、その改善の方向を示したつもりである。その座談会は「ジャーナリズムの自由と未来に」と題されて掲載された。まさにそれこそが、私たちの動機だった。

私たちはあれから3歳、年をとった。その間に、日本のジャーナリズムにおいて「自由」は拡大しただろうか。「未来」は開かれつつあるだろうか。私たち4名のうち誰一人として、3年前の座談会で述べたことを修正しなければならないと感じる者はいないだろう。つまり、何も変わっていないのである。いや、残念ながら、むしろ逆の方向に進んでいると言わざるをえないのである。自由は外からも内からも抑圧され、未来は開かれようとしていない。犠牲者は日本の公衆(パブリック)である。私たちの出版行為に対して、共鳴板はないのか。世の中に、それに共振する周波数はないのか。日本の公衆(パブリック)は犠牲者に甘んじるのだろうか。

このホームページの世話人の佐藤敏宏さんからの提案を受けて、その座談会の紙面を再掲することにした。いま、再度、「ジャーナリズムの自由と未来に」を問いたい。

花田達朗
       (記事を読む)

■2016年7月20日 Wasedocuフェス2016開催レポートを公開しました
テーマドキュメンタリーが語る原発と戦争
日時:2016年6月30日(木)〜7月3日(日)


(レポートを読む)


■2016年7月3日 所長の伝言

研究所では調査ジャーナリズムに特化したメディアをネット上に立ち上げるべく鋭意準備してきました。今年の3月11日にデータジャーナリズムのサンプル版をアップしましたが、調査ジャーナリズムのプロダクトは夏以降にリリースする予定です。そのプロジェクトの案内チラシを作りましたので、ここに掲載します。ご覧ください。ご支援のほどお願い申し上げます。 (チラシを見る


2016年6月12日   Wasedocuフェス2016を開催します

 「ドキュメンタリーが語る原発と戦争

日時:2016年6月30日(木)〜7月3日(日)
場所:早稲田小劇場どらま館

4日連続で、
映画・テレビドキュメンタリー作品の上映とトークを行います。
詳しくはチラシをご覧ください



2016年5月31日 ドキュメンタリー映画アトムとピース〜瑠衣子 長崎の祈り〜』の学生試写会は盛況のうちに終わりました。その前日にたまたま米国のオバマ大統領の広島訪問がありました。このイベントには多くの取材陣が訪れ、5月28日(土)21:30のNHKニュースでも報道されました(ニュースへ (注)・一定期間を経るとリンク切れになります)  
 (以下NHKweb記事 切り抜き)
 

2016年5月20日   開催チラシを更新しました。 参加者を募集中です! 

6月4、5日(土、日) Jカフェ開催!

 パナマ文書の日本担当、イタリア人ジャーナリストに聞く 
 前NYT東京支局長とTBSキャスターが「危機の正体」について対談

 

若い記者の皆さんへ
  6月4、5日(土、日)、Jカフェやります!

早稲田大学ジャーナリズム研究所のJカフェ、ことしも開きます。
今回のテーマは「ジャーナリズムの危機を感じますか?」。
ジャーナリズムをめぐる状況はさらに厳しさを増しています。ジャーナリズムどころでないと言わんばかりに経営危機を強調する会社や、ジャーナリズムから紙面ビジネスへの転身を図ろうとする会社もあります。そんな中、社内でジャーナリストとしての足場を確立することが可能なのでしょうか。
組織を超えて語り合えば、悩んでいるのが自分だけではないことが分かるかもしれません。
今回は外国からお客さんも迎え、魅力的なセッションを2つ用意しました。
日本のジャーナリズムを客観的に見るということは、自分たちの仕事を客観的に見ることも意味します。自らの足場、座標軸を確認する一助になるかもしれません。

日時: 6月4日(土)13時〜18時 そのあと懇親会
     6月5日(日) 9時〜13時
会場: 早稲田大学早稲田キャンパス内
対象: 入社して10年目くらいまでの現役記者、ディレクター
持参物:自分の書いた記事、または作った映像DVDを2点。自信作でも問題作でもOKです。
参加費:実費(懇親会費。3000〜4000円程度)

【4日
13:00  花田達朗所長あいさつ。
13:10〜1620  現場のいまを語ろう。
16:30〜1800 「パナマ文書とグローバルな調査報道ジャーナリズム」
イタリア調査報道協会(IRPI)創設メンバー、アッレシア・チャラントラ。司会は花田所長
18:20〜  懇親会

【5日】
09:00〜10:30 「ジャーナリズムの危機を語る」
前NYT東京支局長、マーティン・ファクラー
TBSキャスター、金平茂紀

10:40〜12:30 グループ会。各自の記事や映像を題材に討議します。
12:30〜    全体会。横の連携に向けて。

ファシリテーター 七沢潔(NHK)、依光隆明(朝日新聞)、替山茂樹(テレビ東京)、マーティン・ファクラー(前ニューヨーク・タイムズ)、金平茂紀(TBS)、渡辺周(前朝日新聞)、沼口祐季(日本経済新聞)、以上招聘研究員。ほかに、花田達朗所長、野中章弘教授

主催:早稲田大学ジャーナリズム研究所
申し込み、問い合わせ:依光隆明 t.yorimitsu☆kurenai.waseda.jp (☆=@)


2016年5月13日その02 
国際平和映像祭応募説明会を開催します
日時:2016年5月13日 18:30〜20:00
会場:早稲田大学 16号館304教室
参加費:無料
内容: 国際映像祭(UFPFF)とは
     「AFP通信賞」についてなど
  (チラシ両面を見る

2016年5月13日その01

 胡傑監督 来日!!!
「中国・歴史の闇を記録する〜文化大革命から50年」
ドキュメンタリー映画「林昭の魂を探して」上映と監督トーク
5月27日(金)18:30〜21:30 入場無料
早稲田キャンパス 3号館404号教室
主催早稲田大学ジャーナリズム研究所
                         (チラシ両面を見る
2016年5月4日その03

若い記者の皆さんへ
  6月4、5日(土、日)Jカフェやります!

早稲田大学ジャーナリズム研究所のJカフェ、ことしも開きます。
今回のテーマは「ジャーナリズムの危機を感じますか?」。

ジャーナリズムをめぐる状況はさらに厳しさを増しています。ジャーナリズムどころでないと言わんばかりに経営危機を強調する会社や、ジャーナリズムから紙面ビジネスへの転身を図ろうとする会社もあります。そんな中、社内でジャーナリストとしての足場を確立することが可能なのでしょうか。
会社員として生きるのか、記者として生きるのかを一人一人が鋭く問われる時代なのかもしれません。社の論理で生きるのか、ジャーナリストとして生きるのか、と言い換えてもいいと思います。もちろん二者択一ではないでしょう。が、さまざまな場面で選択を迫られるように思います。
社にいるから記者であって、社を辞めたら記者ではない。しかし社や先輩の考えに従うだけでは記者をする意味がない。ではどうしたら……。会社の枠内で悩んでいると、おそらく出口が見つからないまま煮詰まります。組織を超えて語り合えば、悩んでいるのが自分だけではないことも分かるはずです。
疑問に思っていること、行き詰まっていること、組織への絶望感、いろいろな思いがあるでしょう。とりあえず語り合ってみませんか。

日時: 2016年6月4日(土)13時〜18時 そのあと懇親会
          6月5日(日) 9時〜13時
会場: 早稲田大学早稲田キャンパス内
対象: 入社して10年目くらいまでの現役記者、ディレクター
持参物: 自分の書いた記事、または作った映像DVDを2点。自信作でも問題作でもOKです。
参加費: 実費(懇親会費。3000〜4000円程度)
【4日】
 13:00  花田達朗所長あいさつ。
 13:10  現場のいまを語ろう。→現在、内容を詰めています。「聞く」のではなく、「話す」会にしたいと考えています。
 18:00  懇親会(大学近く)
【5日】
 09:00〜10:00 マーティン・ファクラーさん(前NYT東京支局長)と金平茂紀さん(TBS)が日本 
        のジャーナリズムの危機について話し合います。
 10:00〜11:30 前半グループ会
 11:30〜13:00 後半グループ会
      前半、後半とも班に分かれ、各自の記事や映像を題材に討議します。
 12:00〜12:30 全体会。まとめ。

ファシリテーター:七沢潔(NHK)、依光隆明(朝日新聞)、替山茂樹(テレビ東京)、金平茂紀(TBS)、佐藤直子(東京新聞)、マーティン・ファクラー(前ニューヨーク・タイムズ)、渡辺周(前朝日新聞)、沼口祐季(日本経済新聞)、以上招聘研究員。ほかに、花田達朗所長、野中章弘教授など。

主催:早稲田大学ジャーナリズム研究所
申し込み、問い合わせ:依光隆明 t.yorimitsu☆kurenai.waseda.jp (☆=@)

2016年5月4日その02
          学生特別試写会(5/28)のお知らせ
ドキュメンタリー映画『アトムとピース〜瑠衣子 長崎の祈り〜』

 “原子力”あなたはどう考える? 主人公・松永瑠衣子さん他をゲストに迎え、 トークセッションを開催!


早稲田大学ジャーナリズム研究所とアークエンタテインメントは、5月28日(土)に、ドキュメンタリー映画『アトムとピース〜瑠衣子 長崎の祈り〜』(94分)の学生特別試写会及び、「原子力と日本の未来を考えよう」をテーマとしたトークセッションを開催いたします。

7月に実施予定の参議院議員選挙は、選挙権の年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられてから初めての選挙となります。東日本大震災から5年余、原発の再稼働が始まっていますが、原発を稼働させることの意味、日本の未来を一緒に考える機会にしたいと思います。

『アトムとピース〜瑠衣子 長崎の祈り〜』は、長崎の小学校の教師で被爆3世である松永瑠衣子の旅を追ったロードムービーです。広島・長崎に原子爆弾が投下されてから71年。唯一の被爆国であり世界の核廃絶をリードすべきはずの日本は、史上最悪の福島原発事故を起こし、それでも再び原発を動かそうとしています。 「長崎を最後の被爆地に・・」 放射能の恐ろしさをいちばん知っていたはずの日本人が、なぜ福島の事故を起こしてしまったのか?なぜ今も原発にこだわるのか? 瑠衣子はこの疑問を胸に、福島・青森の原子力の平和利用の現場を旅します。そして、日本が大量のプルトニウムを保有していることを知る。いったいなぜ? そこには重大な秘密が隠されていた・・・
http://atomtopeace.com/
https://www.facebook.com/atomtopeace/

渋谷シアター・イメージフォーラムでの6月公開を前に本作の特別試写会を行い、原子力についての識者を迎えお話を伺い、議論を深めたいと思います。奮ってご参加ください。
参加ご希望の方は、お名前、年齢、連絡先を明記の上下記アドレスまでお申込みください。
atompeace0528☆gmail.com (☆=@)

【学生向け特別上映会&討論会】
【対象】どなたでも参加ください。18歳、19歳の新有権者歓迎! 【料金】無料
【日時】5月28日(土) 開場17:30 上映18:00〜19:35 トーク&質疑セッション19:40〜20:30
【会場】早稲田大学 小野梓記念講堂 http://www.waseda.jp/culture/facility/ono/
【主催】早稲田大学ジャーナリズム研究所&アークエンタテインメント
【お問い合わせ】株式会社クロスメディア「アトムとピース」事務局 tel:03-3585-8800
※当日はイベントの様子をレポートするマスメディアが入る予定です。
※予約をいただいた方からの入場となります。満席の場合、予約のない方の入場はできなくなります。あらかじめご了承ください。
以上
2016年5月4日その01
 シンポジウムのお知らせ 映画監督と 監督と時代 5月22日 13〜17:30 早稲田大隈小講堂にて
                   
 (チラシ裏面も見る

2016年5月2日  所長の伝言 

最近の全国紙の動向を見ていると、ジャーナリズムの顔をほとんど失い、情報産業としての顔、ビジネスとしての顔がひときわ強調されるようになったと思われる。その点では全国紙同士の間に違いは見られなくなった。違いが見られるのは地方紙と全国紙の間である。そこで、私は『いいがかりー原発「吉田調書」記事取り消し事件と朝日新聞の迷走』(七つ森書館、2015年3月刊行)に収録された拙稿「『吉田調書』記事取り消し事件」の論理的解剖」のなかでカットした文章を思い出すのである。依頼した原稿が予想以上に集まったので、紙幅が膨らみ、ゲラ段階で自分のところを2割ほどカットしたのだが、カットされたなかに次の箇所が入っていた。それをここに陽の目を見させたくなった。それは本の41ページ末のあとに置かれていた。

 付言しておけば、朝日新聞や有力地方紙以外の、ほかの記者クラブ・メディアには少なくともジャーナリズムとしては(ビジネスとしてはいざ知らず)もっと希望がないのは言うまでもない。その点ではジャーナリズムとして日本の地方紙には優れた実績とともにまだ十分な潜在力と可能性があることを強調しておきたい。日本の新聞の景観・風景はいま山脈の形をはっきりと変え、ふたこぶラクダの形をしてきた。朝日新聞がこういう事態になってくると、そして全国紙(中央紙、在京紙とも呼ばれる)を初めとした、首都に本拠地を置く全国カバー・メディアが与党色を強めてくると、ここで地方紙ジャーナリズムが在野精神を発揮して一層がんばらなければ、地方と「地元」の世論が中央を動かし、中央の独走・暴走を制御していくことはできないであろう。名ばかり「地方創生」の中央支配を組み替えていくことはできないであろう。地方紙ジャーナリズムにはただがんばるのではなく、明確な方向性をもって展望を切り開いていってほしい。ジャーナリズムの山脈の「山が動く」情景を見たいものである。 (花田達朗)

2016年4月20日 今年度のJカフェの日程をお知らせいたします

若い記者、ジャーナリストの皆さん! 会社や職場の日常を離れて、たまには大学の教室で思いっきり自由に話してみませんか。同年輩の仲間の悩みや喜びも聞いてみませんか。研究所招聘研究員で、ベテランのジャーナリストたちが耳を傾けます。会社や組織の枠、そして地域の条件を越えて、横の繋がりを作っていきませんか。「ジャーナリストであり続けるために」、この場所に立ち寄って、志のバッテリーを充電してみませんか。

本年度の開催スケジュールは次のとおりです(突発事件などの事情で変更することがあります)。
第1回 2016年6月4日
(土)5(日)
第2回 2016年10月9日
(日)10(月・祭日)

場所は早稲田大学の教室を使用します。
申し込み、詳細問い合わせ先
依光隆明(招聘研究員)宛てにメールでお願いします。 t.yorimitsu☆kurenai.waseda.jp  ☆=@

2016年4月16日
今夜、『スポットライトー世紀のスクープ』(トム・マッカーシー監督、2015年製作)を観てきました。もうご覧になりましたか。
事実に基づく映画です。舞台は米国東海岸のボストン・グローブ社で、時期は9.11のあった2001年。ということは、同新聞社がニューヨーク・タイムズ社の100%子会社になった1993年よりも後であり、ボストン・レッドソックスのオーナーに売却された2013年よりも前のことになります。その紙面に「スポットライト」という欄をもつ調査報道部の記者4名+デスクと、ニューヨーク・タイムズから派遣された新任の編集長がカソリック教会の神父たちによる児童への性的虐待を暴いていく物語です。司祭個人の問題から教会システムの問題へと捉え方が深まっていくところが圧巻です。アカデミー賞の作品賞と脚本賞を授賞しました。

この映画で調査報道記者たちがVictim(犠牲者)の側に立っているのが印象的です。それは「パナマ文書」でICIJがそのサイトに「Victims of Offshore」(オフショアの犠牲者)というアニメ動画をわざわざ掲載して、提示していた視点と同じです。そして、強者が不正や悪事を行うとき、それを個人のレベルを越えてシステムの問題として捉えている点でも両者は一致しています。権力とは個人のレベルを越えたものです。こういう視点をもっていることこそが Investigative Journalism の本質だと思います。

新宿の映画館で、午後8時50分からの回で観ました。土曜日の遅い時間だったせいか、観客に私の世代はほとんどおらず、ほとんどが若者でした。入りはよかったです。こういう映画に関心をもつ若者を大勢目にして、明るい気持ちになりました。スクープが掲載された新聞が輪転機で印刷されていくシーンは、どの映画で見ても感動します。(花田達朗)


2016年4月7日


昨年7月4日開催の研究所開設記念シンポジウム基調講演の英訳「Power and journalism in “Jipang”: From Galapagos to Rhodes」を掲載します

 (講演録:日本語版も読む
2016年4月4日
東京で見る新聞では、今日の朝日新聞と東京新聞(共同配信)の朝刊にICIJ(The International Consortium of Investigative Journalists)のプロジェクトパナマ文書によるタックスイヘブン(租税回避地)に関する調査報道記事が掲載されています。朝日新聞記事を読む) (東京新聞記事を読む

今日が解禁ということで、ICIJ自体のサイトでも記事が大きくリリースされています。
https://panamapapers.icij.org/?goal=0_ffd1d0160d-4ddea55429-100373257&mc_cid=4ddea55429&mc_eid=eff04bbf3c

そこに掲載されている動画「Victim of Offshore」は特に興味深いものです。公衆に対して、問題は何かを伝えるための表現方法の工夫が凝らされています。それも重要ですが、もっと重要なのは何を訴えたいかという、その視点です。脱税によって、それが世界中のさまざまな種類の権力犯罪(戦争犯罪を含む)の背景となっており、その権力犯罪によって多くの犠牲者が生まれているのだという視点が示されています。その犠牲者たちのためにこそ、このファクトを暴くのだという構え方が表現されています。強者の側に立つのではなく、強者によって犠牲となった人々、つまり犠牲者の側に立って強者の不正を暴露するのだという精神的構えです。その立ち位置があって初めて、Investigative Journalismなのだと私には思われます。


 
日本の朝日新聞と共同通信の記事にはいまのところ、脱税というお金の問題という視点だけで、権力犯罪とその犠牲者という視点は伺えません。これは金持ちや権力者が単にお金でズルをしているという個人的・表層的なレベルの問題ではないはずです。日本の両メディアが続報を出すかどうか、注目しましょう。

ICIJのサイト:
https://www.icij.org/index.html

最初に「パナマ文書」を入手した南ドイツ新聞のサイトも大きく展開しています。
http://www.sueddeutsche.de
その国際版(英語版)です。
http://panamapapers.sueddeutsche.de/en/

花田達朗

2016年3月31日
アジェンダー未来への課題』第32号に「ジャーナリズムを経済的にどう支えるか〜2011年税制改革大綱への疑問とともに〜」の記事((2011年春号16−25頁)を再掲します
特集は「マスメディアの行方」です。 原稿は2010年11月27日(土)に大阪で開催された「Journalism Festa 2010〜デジタルメディアでジャーナリズムは進化するか?」の壇上で話したこと、さらにそれをきっかけに考えたことをまとめたものです。(花田達朗)
併せ読んでください。 基調講演録「ジパングの権力とジャーナリズム-ガラパゴスからロドスへ」
■2016年3月23日 「野球少年

プロ野球選手を志願する部の先輩にスマホで密着。スポーツ科学部3年のY.I.さんが制作した動画+写真+文章によるマルチメディアコンテンツ。学生ならではの記事です 

■2016年3月17日 
“Japanese TV anchors lose their jobs amid claims of political pressure”, in The Guardian, February 17, 2016 (・・記事を読む

2016年3月11日

本研究所は「早稲田調査ジャーナリズムプロジェクト」を立ち上げました。そして、その発信を東日本大震災からちょうど5年を迎えた日、3月11日に開始します。今日がプロジェクトの誕生日です。われわれはフクシマの出来事とその事実および本質 、その過去と現在を決して忘れません。フクシマのアクチュアリティが失われることはありません。われわれはジャーナリズムとしてそのアクチュアリティを追求していきます。

このプロジェクトの英文名称は Waseda Investigative Journalism Project(WIJP) 、ウェブサイトは http://wijp.org です。このWIJPは、データジャーナリズムと調査ジャーナリズムの成果物を順次発信しつつ、今後成長していきます。発信組織の詳しい概要はWIJPのサイトの「About」をご覧ください。

なお、今回のデータジャーナリズムのコンテンツはイタリアの調査ジャーナリズム・ネットワーク、Investigative Reporting Project Italy(IRPI) https://irpi.eu との提携関係のなかで行われており、イタリアのメディアにも掲載されます。

WIJPは今後とも国際的な連携・提携を進めるとともに、国内メディアとも連携・提携を計っていく計画です。
この生まれたてのプロジェクトにみなさんのご支援とご協力をお願いします。
2016年1月24日

2016年1月16日の日本経済新聞・文化面の記事で、Wase-Docuの活動が取り上げられました。ご覧ください。

 (大きな紙面を見る)

若い記者のみなさんへ
2015年11月21〜22日ジャーナリズムカフェを開きます 参加ください 場所:早稲田大学内   (詳細を読み参加する

■2015年10月28日

Wasedocu4(Wドキュメンタリーカフェ)

メールでの事前申込制です!
ドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』先行試写会(30名募集)のお知らせ

■日時:2015年11月15日(日)13:30開場/14:00上映開始/15:50トーク/17:00終了予定
■場所:早稲田大学小野記念講堂(27号館小野梓記念館地下2階)
 http://www.wasedabunka.jp/about/access
■トークゲスト(予定)
 安田好弘(弁護士)宮崎学(評論家、ノンフクション作家)
 阿武野勝彦(本作プロデューサー)土方宏史(本作監督)

■応募方法
1 件名は、「ヤクザと憲法先行試写会申込」と記入。
2 本文に参加者の氏名(氏名の読み)を記入の上、下記のメールアドレス宛へ送信ください。
*1件のメールに付き、1名のお申し込みです。

smw151115☆japandocs.org (☆=@)
メールで受信後、受付確認のメールを差し上げます。
締め切り:2015年11月07日(土)18時
参加者へは2015年11月10日(火)中までにメールでお知らせします。
応募多数の場合は抽選とし、当選者のみにお知らせします。 (詳しい内容を読む
 

■2015年9月4日       (開催当日の報告書を読む) 

Wasedocu 3 を2015年10月1日18時に開催します。
上映作品はNHK-ETV特集『薬禍の歳月ーサリドマイド事件・50年』です。
本年度の放送文化基金賞テレビドキュメンタリー部門最優秀賞と演出賞を受賞しました。

トークゲスト 増山ゆかり(サリドマイド被害者『薬禍の歳月』出演者)
        石原 大史(『薬禍の歳月』ディレクター)

 詳しくはチラシをご覧ください





2015年8月25日         (開催当日の報告文を読む)                         

女性ジャーナリストによる報告と座談会「忘れ去られた人たち〜パレスチナ・イラク・シリアを伝える」を開催します。無料。

日時:2015年9月5日(土)14:00 開始
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス 3号館601教室
主催:早稲田大学ジャーナリズム研究所
協賛:早稲田大学グローバル・エデュケーション・センター
   全学共通副専攻ジャーナリズム・メディア文化コース

登壇者:玉本英子(ジャーナリスト)
    古居みずえ(ドキュメンタリー映画監督)
司会:稲垣えみ子(朝日新聞記者)

古居監督のドキュメンタリー作品『ガーダ〜パレスチナの詩』が上映されます。同作品は第6回(2006年度)石橋湛山記念早稲田ジャーナリスト大賞(公共奉仕部門)を受賞しました。


                                                        (チラシ両面を原寸大で見る



2015年08月03日
2015年7月29日開催のドキュメンタリー映画『天皇と軍隊』先行試写とトーク のレポートを公開しました
 (詳細を読む

     


2015年07月14日
所長の伝言更新しました。「琉球新報から依頼の寄稿原稿を書き、それが今日の新報の文化欄に掲載されました。」
                  (記事pdfを開いて読む

■ 2015年6月24日開催のWasedocu1「沖縄戦70年 テレビは何を伝えたか」開催レポートを公開しました

■ ■第2回Wasedocu 『天皇と軍隊』先行試写会&トーク 開催します
日時:2015年7月29日18:00開場 18:30上映20:30終了 場所:早稲田大学早稲田キャンパス (詳細を読んで申し込む



2015年07月06日 

研究所開設記念シンポジウムにおける

花田達朗所長の基調講演録「ジパングの権力とジャーナリズム-ガラパゴスからロドスへ」を公開しました


2015年07月06日 
研究所開設記念シンポは盛況のうちに終わりました。多数参加いただきありがとうございました。
      

【設立記念イベント】 2015年7月04日                     原寸大のチラシを見る
 
早稲田大学キャンパス 8号館地階 B102教室
13:00〜16:00 

設立記念シンポジウム「ジャーナリズムと権力
基調講演:花田達朗
ジャン・ユンカーマン監督『日本国憲法』再編集版の上映

パネル討議:
萩原豊(TBSテレビ「NEWS23」番組プロデューサー・編集長)
マーティン・ファクラー(ニューヨークタイムズ東京支局長)
森まゆみ(作家)
ジャン・ユンカーマン(ジャーナリスト、映画監督)

司会 野中章弘(アジアプレス代表、早稲田大学大学院教授)



      
 
 2015年6月03日
 

 当日のレポートを読む 

 ■
  長編ドキュメンタリー映画沖縄 うりずんの雨』完成記念 先行試写会+監督トーク・イベン
 ジャン・ユンカーマン監督作品(上映時間2時間28分)  製作・配給:シグロ  〈入場無料
日時:2015年6月10日(水)17:00 入場受付開始
              17:30 上映開始 20:00 監督トーク(司会:野中章弘)  20:30 終了
場所:早稲田大学早稲田キャンパス 小野記念講堂(27号館小野梓記念館の地下2階)
主催:早稲田大学ジャーナリズム研究所(連絡先:hanada☆waseda.jp  ☆=@ )
あなたは沖縄のことを知っていますか? 沖縄の歴史と現実は人間の尊厳とは何かを問いかけています。
参加希望の学生は下記の申込書に記入してください。入場券を差し上げます。
当日は入場券が必要ですが、席が余った場合には入場券のない学生にも先着順で入場の機会があります。
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『沖縄 うりずんの雨』完成記念/先行試写会+監督トーク 参加申込書

     学部/学年:

     氏 名:



  七つ森書館から出版

 
   


  

2015年4月15日

『いいがかりー原発「吉田調書」記事取り消し事件と朝日新聞の迷走』の書評が京都新聞の4月12 日紙面に掲載されました。