ことば悦覧in東京2010 春版 記録集   

  佐藤敏宏 刈谷悠三さんに聞く 2010年5月8日 晴れ新宿御苑

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 (RAJについて10 11 ) 

 その11
 
佐藤:新しいメディアの出現に対して賛否があるけど、既存媒体で利益を得て暮らしている人は駄目メディアと言うに決まっているんだし、既存媒体があることによって食いっぱぐれている人は可能性を高らかに言うに決まっているので、その賛否に惑わせてしまうと 可能性を見失うよね

刈谷はははははは

佐藤:LRAJ2010で立ち上がった議論の場ってチームラウンドアバウトメンバの金儲けの為にはなってない。それは既得権益から離れた自腹のような行為で 自由で危険性を孕んだ場であるという意味は大きい。そこを注視されてないし無視されて話して来たけど。既存の権威的な集合ではないっていう点。そういう場だから新・旧メディアの参加が一気に出来たて試行錯誤ができたんだだと思うだけどね。大方建築の媒体って権威つくるための手段で 過去の情報を扱って生きていたゆわゆる建築系プロから言わせれば暴力的な場であるよね

刈谷:そうですねふふふふふふ
佐藤:LRAJ2010は新旧メディアの実験場であったし、フリーペーパーの役割が終わったようなことを各自のブログなどで書いちゃう、乱暴で過激さがあったよね

刈谷:編集を本当に生業としている人にとってはかなりふふふふふ なんかしゃくに障る奴らって感じだと思うんですけどねふふふふふふ
佐藤:しゃくに障らない、触っていただかないと新旧は交代されないんだと
刈谷:そうそう、そういう意味で良かったな

佐藤:編集するっていことは権威を出現させ補完するため媒体をつくることであり、それを有りがったがって凡庸な者が買うという構造だったけど。ツイッター・ユーストリュームがあの場に出現したことで 既存メディアが請け負わされていた権威性は欺瞞がバレテしまったと。権威を作り生み出すために筋立てし編集されてたということがばれた。そして編集しても権威を獲得できないだろう、建築系の大多数の人々にとっては既存編集行為は意味が無いんだ、むしを害悪だと感じてしまったと
刈谷そう

佐藤:過去の建築的界隈で編集する態度が 人間の未来に対して有効なのかどうか問われてしまった。戦争や加害行為の記録 恥部の記録と記憶は 未来の人々の対して傷つけ合う生活を脱するために有効だけど。権威付け建築系編集は有効じゃないよね〜??。権威付けされた言説は残さなければいけないんだろうかと 。議論も閉じた世界での議論であったとうことも、新しいメディアの出現によって暴かれたと

刈谷:そうですね
佐藤:だからようやく始まるんですよね
刈谷始まりとしては、LRAJ2010の活動はかなり有効だった


佐藤:LRAJ2010の場はツイッターが出て、ユーストリュームが出て、即日フリーペーパーが出て、それぞれが持ち帰ってブログやHPでのアーカイブ記録も作られ、原始の時から繰り返される 生身の人間同士が話し合うっていうベーシックな対話もあった。その場の後ろでフリーペーパつくるためモクモク編集している人々も居る

刈谷ふふふふふふふふふ
佐藤:情報を扱う全体を観ることが出来た。観客もして、会場に来れないユーストリューム観客もいても。 LRAJ2010の場の状況は記憶されるべきだと思った、ドキュメンタリー演劇としてみても面白い状況だな〜と思ってLRAJ2010の裏方記録を作りながら思いましたけどね

 上空をヘリコプターが飛んでいる ぶるぶるぶるぶる

佐藤:LRAJ2010に対してシャクにさわっているようでは次の時代は担えない。世界は作れないよね
刈谷:ふふふふふふふふ

 上空をヘリコプターが飛んでいる ぶるぶるぶるぶる

佐藤:新しい道を拓いた人がお金持ちになることはないんだけどね〜ふふふっふ

  上空をヘリコプターが飛んでいるぶるぶるぶるぶる

刈谷:でも今年、思ったのは、ユーストリュームツイッターを導入したことによる、そちらの方が伝えるのに適しているなっていう部分がはっきりした面と、印刷をしたほうが良いというところが 何となく、それぞれの役割が見えてくる。バーチャルで可能なこと、リアルで可能なことが、例えば新聞を広げて見るっていう。アクセスの早さっていうか
佐藤:一覧性のよさだよね
刈谷:一覧性とか、並べて読むとか
佐藤:記事の優位の順 判別もかな。ツイッターは書き手の感性によって内容が変わってしまう、同じ事態が 異なる言葉で語られ集るよね。同じ事態にたいして多様な言葉が有る善し悪しはあるよね

刈谷:だけどツイッターはツイッターで、その場の雰囲気を示しているし聴衆が頭で思っていることがダーッと見えてるっていうか。そういう微妙なところは凄いいいな〜と思うですけど。実際のレクチャーの内容を観るのはたしかにユーストリュームが良いし。だけど後から補完するための資料としては印刷物が良いし。で一覧性という意味でツイッターと同時に見れるっていう。物理的な一覧性とか、隣に置いて見るとか。

佐藤:それらの良いと取りの融合媒体が出て来るよね将来は。一覧性もあって検索も出来て、アーカイブ性の信頼も高いというような。この10年で夢のようなメディア激変を経ているんだけど今後10年でもっと変わるでしょう。ネットが無くなることはないだろうが情報を作ることが創造行為になるでしょうね。そしてこの利便性を手に入れてしまったからね とまらないね

刈谷:これは流石に止められないでしょう
佐藤:コミュニケーションで記憶力の優劣は必要なくなるんだものね〜 刈谷悠三って検索すると2010年5月の新宿御苑で俺と話していた、天候だとか烏の襲撃だとかの記録が出て来るんだものね
刈谷ふふふふふふ

佐藤:次に会ったときに今日の記録の ここをもうちょっと膨らましてワイワイしようとか使い方もできるし、キンドルやアイバットのような技術を持ち寄り 見せ合いながら話し合いができるし

刈谷あはははははは
佐藤:紙媒体って情報の更新に向いてないじゃない
刈谷:そうですね
佐藤:文化財的 匠ふうの情報が印刷媒体になるのかね、電子書籍で散々やって共通の記憶すべき情報だと認め合ったら、紙に印刷するようなことになるのかな〜ふふふ 印刷媒体は国の予算で処理しよう、みんなの記憶すべき情報だとか言い合って
刈谷:ふふふうふふっふふ

佐藤:昔は石に文字を彫り込んで記憶したんだけど持ち運び不便だし、数千年は残るだろうけど。そこに行かないと読めないんじゃ不便すぎる。木簡では重たそうだ、どんどん軽くなって実物から離れて利便性が増すのは紛れもないメディア現実の流れだし。今ある各種媒体のいいとこ取り を刈谷さんが発明してくれれば

刈谷:ははははでもアイパットとかそうなりつつありますよ
佐藤:買って持ってますか、もう?
刈谷:いやいやまだ発売されてないですよ。でもアレはちょっとした革命にはなりますよね


  以上 刈谷悠三さんの記録を読んでいただきありがとうございました
 これで 20105月8日 刈谷悠三さんに聞くの記録は終わりです。

  文字起こし・文責:佐藤敏宏  公開2010年5月23日