ことば悦覧in東京2010 春版 記録集 佐藤敏宏 刈谷悠三さんに聞く 2010年5月8日 晴れ新宿御苑 (生い立ち 01 02 03 04 05 06 07) (本を作る08 09 ) (RAJについて10 11 ) その08 本づくり デザイン事務所に 佐藤:積極的なんだね、動物的嗅覚が優れているのかな烏を見付けたように、危ないって烏を見て 俺はそんなに危機感なかったけど 刈谷:うふふっふう 佐藤:烏を見て、ここは危ないっと察知したように動物的に自分の暮らしやすい場を見付けてしまっている、選択して生きているかのようなことだね 刈谷:そうかもしれないですね 佐藤:本の話に行きますか それともRAJの話にしますか。塚本研で本を作ってという話まで来たから 刈谷:でもそれは。塚本研に2年いて、アトリエワンに1年いて 佐藤:その後どこへいったんですか 刈谷:その後シュトゥッコ(schtucco)です。デザイン事務所です。 佐藤:デザイン事務所へは どういう関係で入ったんですか。 刈谷:本作りで、経験したことでさらに本に興味が出てきて。で、そのとき編集を担当したのがメディアデザイン研究所だったんですけども。そこの飯尾さんていう方に「こういう道に進みたいんだけど」というような相談をして。で、丁度そのときに秋山伸さんを紹介してもらった。もともと秋山さんの仕事はかなり知っていたんで。INAXのチッチャイ本の、分厚いあれとか、デザインはほとんどそうです。建築関係の本とかかなりデザインされていました 佐藤:隣も飯くいだしたから 烏も飯の数が多くって狙い定まらないだろうから、ここで昼飯喰おう 刈谷:そうですね 佐藤:刈谷さんは動物的感がそなわってて 鋭い! 刈谷:ははははは。飯尾さんが紹介してくれて。 佐藤:烏に飯とられちゃうって状況下で 昼飯喰うの初めて! オモロイねふふう。烏の襲撃ありって想定外だったよ 刈谷:ふふふっふふふ、新宿ですからね 佐藤:池の対岸のアベック、飯喰ってたけど、烏にちょっかいだされ 追い払ってたけど、とうとう 根負けして人間が移動しちゃったよ!ふふふっふ しばし沈黙して昼飯を食う 刈谷:ケンチクナイトそのときに、たぶん知り合ってなかったんですけど藤村龍至さんを初めて見て。 佐藤:平塚桂さんと山崎泰寛さんが企画した 刈谷:そうですそうです、今思えば。 佐藤:段々と〜 皆さん狭いところに集まってきてってる感じがするな〜 刈谷:あ はははははは 佐藤:これしかいなかったのか〜という状況がふふふふふ 刈谷:ケンンチク・ナイト凄い面白かったこともあって。3.5年生のモチベーションが産まれたのかも知れません。 佐藤:なるほど イベント波及効果有りと ケンチクナイトは何時 刈谷:3年生のときだったと思います 佐藤:イベントなど活動してワイワイしているっていうことは重要なんだね、誰かに影響を与えるんだね。議論したんじゃないよね。田中浩也さんとか松川昌平さんとか藤村龍至さんが京都へ乗り込んでいった感じかな〜 刈谷:どっちかというと、若い世代がどういうことをやっているかということを初めて知らせてくれたんだと思います。 佐藤:なるほどそうだったか。 今は本の何をしているんですか 刈谷:本の、平たく言えばレイアウト。 佐藤:企画制作ではなくってね 刈谷:上がって来たデータをどういうふうな見せ方にするかっていうレイアウト。そのデザインなんですけども。もちろん紙の選定であるとか、開き方。構造と構造の検討とか、それから装丁をどうするかとか。本全体の設計をしています。 佐藤:本は物なので懲りまくり系そ、れともあっさり系どちらに行きそうですか。切りも限りもなく何でも、とんでも本まで出来そうな気がしちゃうじゃないですか 刈谷:それも建築と一緒で予算とかの兼ね合いと、本を作るっていうのは建築も敷地があったり、予算があったりというのと同じように、まず素材がある。文章であるとか写真であるとか。 佐藤:コンテンツがありきであって これをどう見せるんだと 刈谷:だから、建築よりもその内容にそくした直裁的な表現ということがある程度求められるかもしれないですけど。だけど もちろん敢えてそれを意図的に外して違う道を選ぶ方法もある 佐藤:また烏が又来たから食い物隠しておこう、饅頭を隠せ! グーグルやアマゾン帝国化の問題はさておき 今年はキンドルとかアイパッドとかの話題が出てきているし、ネット上にも本形式がある。その辺の交錯・交通整理はどうするんですか、全ての領域をこなしながらですか 刈谷:電子書籍の流れっていうのは、あるていど凄い波が来るとは思うんですけども。かといって書籍が無くなるとはないと思うんです。だから両方の方向で、ちょっと違う考え方ですすめていく。 佐藤:ことば悦覧などの行為をWEBで公開しているんだけど、凝り出すときりがなさそうで。刈谷さんとのweb記録もそうですけど、こんな程度でやめちゃっているんです。myHP開いたときから10年間 ずーっと同じでデザイン 凝るつもりも、力も無いんだけど。 刈谷:ふふふいやでも、それこそインターネットの黎明期 僕が見てた、2000年ぐらいのHPの雰囲気がまだ残っているははははははは 佐藤: 最初から 今の形式のままだから ははははははは、それに何か凝ると止めど無くなりそうじゃない。やめどき仕舞時ってのは難しい。もうちょっとデザイしてカッコヨクって思うこともあるけど。とめるの無理なのでデザイン、しない 刈谷:内容にそくしているっていう点ではかなり佐藤さんのHPは合っていると思うんで。良いと思いますよふふふふふははは。基本的に本を作るときでも、内容、いくらでも格好良くは出来るんですけど、良くない内容をカッコヨク作るのは格好良くない。格好良くないものだったら格好良くない遣り方って いうのはもしかしてあるかもしれない。そういう方が興味があります。 佐藤:活動資金かせぐために本作りの、文字起こしバイトしているんだけど、整理編集されて本になってくると理解しやす面もある。しかし語り手の存在の迫力が圧倒的に少なくなっている。ネットで量の紙の枚数のような制限がほとんどない。あるしゅだだ漏れ的に作れるよね。 話そのままだせるす 大きく色つけてここ見んかい!表示できる 峻別しやすいような 読みやすいていうかね 刈谷:ああなるほど、そういうことだったのですか 佐藤:それは本を作る人にとっては禁じ手なんだろうけど。そこまでやると本作りの人の主観が入り過ぎちゃうからね 刈谷:そうですね 佐藤:myHPの記録は 聞き取り記録といえども俺の文章そのまま ということも言えるので勝手に作れる。自在に文字の大小色付けしても問題ないんだけど。刈谷さんの場合は内容を変えるようになデザインは禁じられている、変えてはいけないんだよね、でも装丁の仕方で変わって見えちゃうよね 刈谷:もちろん、もともとコンテンツが持っている力をある方向に拡大、拡張しただけなので。潜在能力をどういうふうに引き出してあげるかっていうことが、役目だな〜って思うんですけど。 佐藤:建築と似ているね、予算があって納期があり、発注者の望もあるだろうし。それぞれの力を統合し作り上げる、この辺でと。でも何時も何時も条件内で目一杯やらないと気が済まないといのはあるんでしょう 刈谷:あります 佐藤:予算が無いからダメ仕上げですよ〜とは言えないものね 刈谷:それは ない 佐藤:職業放棄の発言になるからね 刈谷:もちろん時間的は制約があって妥協しなきゃいけないってことはありますけども。 佐藤:本を作るって都市を作るみたいな感じがするよね、語彙のような建築を作るよりは目配せする範囲が広いというか。文脈つくったり起承転結つかんで どう伝えるか 刈谷:だから、どっちかというと塚本研に最初に入ったときのアーカイブ作りじゃないですけど。どういうふうに整理していくかっていうか。どういう見せ方がいいのか?どう破綻無くできるかとか。そういう凄いニュートラルな状態にもっていくことが出来るのが望ましい。 佐藤:書かれている中身とデザイナーの体質が合わないような場合があると思うんだけど。そのようなコンテンツとの対応は難しそうだね 刈谷:それは仕事の受け方にもよるかもしれない。ただ幸いに前にいた事務所が、基本的に建築関係と美術関係、大きな二つばっかりだったんで。そういう意味ではほとんど興味があるっていうか。 佐藤:音楽は昔から親しんでいたんで どうですか 刈谷:音楽も個人のレーベルのジャケットとかはやってましたけど 佐藤:日射しが強くって頭が熱くなってきたから ちょと日蔭に移動しよう 刈谷:はい 佐藤:烏には襲撃されるは 五月晴れの紫外線にはやられるは 公園内インタビューも 対応がなかなか忙しくって 面白いでしょう ふふふ 屋根の中 建築内は安全でラクチンだけど。アクシデントこれがいいわけでね 刈谷:ははははあはは 佐藤:ターゲットリーダーを絞って作っているのかどうか解らないけど。 刈谷:ターゲットはもちろん編集者の方から聞かさせれて、そういう雰囲気に合わせてあるていど考える場合もあります 佐藤:本は売るために作るわけですよね、WEBの場合はクリックしてもらって銭頂くていう考えは薄いよね 将来課金システムになるかもしれないが 刈谷:ふふふふふふ 佐藤:今後はどうなるか分からないんだけど、基本は送り手受け手の間で金銭を介さない、情報の受け渡し 倉庫の様な場だから。無料が基本に今はなっている 刈谷:だから業界としてはけっこう厳しいのかもしれないですね 佐藤:編集するとかデザインするっていう人にはあまり影響ないんじゃないかと思うんだけどね。本を売って利益を上げて暮らそうという人は大変だと思うんだけど。webでも編集やデザインはプロじゃないと難しいと思うんだけど。今までは編集者やデザイナーの方は物に乗せて読者から料金を頂くような。 売金なのか編集金なのか< 仲介者からの支払いで成り立っていたんだけど。 仲介者抜きは加速されるかもしれない。ダイレクトに著者とデザイナーと読者が結びつく産直関係に変わるかもしれないよね。 同じコンテンツでデザイナーが変わると中身も変わって見えたりして面白いと思う。 だからWEBを使ったデザインや電子書籍のデザイって必要。 デザイナーはますます忙しくなると思うけど、印刷はしないけどデザインしないことには 見られたものではないでしょう 刈谷:webでは 印刷しないだけで、レイアウトデザインは仕事としてはたぶん残ると思う 佐藤:印刷型社会から 電子情報型へと 激しい移行期が始まったばかりだから 刈谷:だからある意味では電子書籍の黎明期に立ち会ってるっていうことが面白い! 佐藤:いまはノートPC持ち歩いているけど 将来は電子紙型になって折りたためて軽くって購入したデータは何でも納まっている媒体を持ち歩きたいもの 刈谷:そういう感じになるかもしれないですね、 佐藤:気軽に持ち歩けどこでのような、どんなに電子化が進んだとしてもデザインや編集の重要性は揺るがないと思う。素人の人がWEBなどに関わることで、見せ方、見せるデザインが重要かを体験して知ってしまうのは 編集デザインする専門家にとっては良い、専門家の価値が高まる 刈谷:そうですね、プロフェッショナルとして 佐藤:窓口がどこになるのか?って問題は残るけど。既存の出版社がやはり統括するようになるのか、電子書籍もコンテンツの量を沢山もっている既存の出版社が窓口になっていくんだろうけどね。そうなると移行に手間取るかもしれないね 11:30 その09 へ |