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聞き語り記録 
中谷圭佑・SDL2018実行委員長に聞き語る
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08 まとまれない村
   今後のこと 
   

 08 
まとまれない村

佐藤:そうね、日本一って何を基準に評価軸にしているのか。運なら、100選の中から、あみだくじで決めてもいいじゃない。それから一位以外は各審査員は一人選んで個人賞表彰でいい。またはファイナリスト同士で議論し合って、一位は俺だって言い張り続けるのを聞いて、後、投票で決めてもいい。
中谷それ面白いですねふふふふ

佐藤:後語りでずるいんだけど。「審査員に決めてもいただく」っていう構造自体が問題なんじゃない。審査員は何でも知っている、さらに既に高い評価軸が有ると思い込んでいる学生会議が抱え続けているこの問題をどうするのか。審査員はひな壇に飾られる者で、何で、彼らにお墨付きをいただかなきゃいけないのか。
 SDL2018議論の内容を見て、決めようがない、仕方が無いから挙手で決めてしまう。学生と審査員の対話の中から価値を生み出していない。その構造自体がすでに古いんじゃないか。学生の求めている時代の気分と審査壇上の気分が合っていないのではないか。あれはネットで出会い自由に議論が出来る時代なのに時代遅れの形式なんじゃない。
 学生じゃないので、分からないんだけど。有名人に自作について、何か言われると学生が熱くなり舞い上がるのか〜
中谷:それがモチベーションになるのはあると思いますけどね。
佐藤:村に囲い込まれて村人に落ち着く、で、いいのかな。やがて村長さんに成りたい学生もいるだろうかね。


中谷:SDLを実行している側としては、自分で価値を打ち立てて、乱立している状態がぜったい面白いと思うんです。
 ただ、結局実社会に出て、卒業設計ってクライアントが居ない設計じゃないですか。自分自身がクライアントで。実社会に出たときは明確なクライアントが居て。たぶん消費する側からすると、そうなったらたまったもんじゃないなーと思って。そこは一概にいいと言うのは難しいです。時と場合で上手く振舞えればいいんですけど。、
佐藤:建築学会があって、建築家協会があって、建築士会があって設備や構造の会があって、仲が悪いんですよ。2003年にアネハ事件が起きたのは知っているでしょう。一人の建築士の倫理が崩壊し、ソフトを改ざんして計算し、アネハ事件が起きた時に、各島宇宙から8名の代表が国会に呼ばれて意見表明と質疑応答で議論があったんだけど、同じ建築設計関係者なのに、倫理崩壊の問題を自分たちでは話をまとめられないかった。164-衆-国土交通委員会-20号 平成18年05月16 参考人意見1 参考人意見2
 オヤジ達の建築系の人々の議論で話をまとめらられない。政治家が決めてあげよう、ということで罰則強化と、3年ごとの講習義務に落とし込まれた。〇〇学園さんの講義を受け続ける、官僚の思う壷の完成だった。
 山本繁太郎事務次官が脚本をつくり、読売新聞にリークし、大騒ぎに仕立て法改正の筋書きを作ってしまった。建築系の実社会はあの単純な事件に遭ってさえもまとまりがないんで。


 (2003年11月18日スクラップ)

 単なる建築士のモラル崩壊による社会的事件に遭っても、直面しても、まとまらなかった、政治力が無い事実だけが残った。
 仕事を取り合うので建築界の仲間同士は今でも仲が悪いのでしょう。まとまれない人々だっていうことで官僚や政治家に決めていただく、日本の建築士制度上は建築家は存在させず、単なる建築設計業者として処分された。

 学生のイベントでも上意下達のままで、学生が考える論じ方が編み出されてない。「建築村の人々は嫉妬深く、仲が悪くて割れたままで、まとまることなんかできないのではないか」という疑問が浮かびます。
 若い中谷さんたち、SDLなどの場を共有して育っ人々なので、40年後に、議論の仕方や仲間との連携の上手い世界を手に入れたり、作ったりしているのか、そこはどうなるのか今は確かめようがない。私は現状のままで、まとまれない人々の集まりが続いていくという認識です。
 それから世界と日本の状況について最後に聞きたいんです。学生のみなさんはどう思っているのか、学生会議は世界に出張っていくんですか。「日本の学生は建築でおもろいことやってますよ」と日本以外の世界の若者と交流していくんですか

中谷:毎年台湾の学生が来てくれていて。僕らも行っている。僕自身はまだ行ったことがないんですけど。

佐藤:メディアテークの7階で語り合って2時間ほど経ったけど、その間に大勢の学生ぽい外国人の人が行きかい続けていますね。これだけ有名なんだから外国へとSDLも出張っていくような売り込みあって、そこで学ぶのも有効ではないか
中谷ぜんぜんあると思います。それを出来る人間がなかなか出てこない。というところですかね。

今後の事


佐藤:SDL熱中してるけど「大学の勉強、もうちょっと力入れろ」とは言われないんですか
中谷大学からは何も言われないです、言い訳にしてはいけないというのは分かっている。
佐藤:学生会議やSDLに熱を入れ過ぎて留年した学生はいないですか
中谷:うちのメンバーで留年したやつはいますが、これのせいではないと思いますふふふ。僕はちょっと危うかったですそれもSDLのせいではないです。

佐藤:中谷さんにとって去年一年間というのは締めくくるとどんな感じ



中谷:去年、一年間ですか。今までにないくらい密度の年でしたね〜、凄い本当に一年間かけてずーっと集中していたので。
 成功させようというか、それを見ていくと、いろんな処に考える余地が一杯あって。なんでこれってこうなっているのだろうとか、一杯あって。それとプラスとして、そもそも大会自体がものすごく大きいので、やることが一杯あって。ずーっと何か忘れているんじゃないかなーと思いながら毎日やってましたね。
 これは完全に僕が悪いんですけど、スケジュール管理、スケジュール帳を作らない人間で、SDLのときもスケジュール帳をつくらないでやった。あそこまで何をやって、これをやないといけない、ずーと考えながら日々を過ごしていたので。

 実行委員長という立場だと色んな所で、今年も一杯問題が起こったので、協賛対応の問題もそうですし。パンフレット、フライヤーも入稿すごい遅れちゃって。デザインの問題だったりとか、中継会場、エレクトロン・ホールでやるつもりだったんですけど、それが取れなくてどうしよう〜みたいなものとか。

 新しく企画した建築学生サミットも色んなところで色んな問題があって。今年は手を広げたので。それの甲斐が有って新しいコネクションが出来たりと。新しいつながりも増えたりして、自分自身の中で「ああ、やれたなー!」っていうのがあった。本当に密度の濃い年でしたね

ただもう一度やれって言われたらやらないですねーふふふふ

 さすがに何年もあんなことを。それこそちょうど一年前に「実行委員長やりたい」と言ってやったことは間違ってなかったなーと。みんなよくやってくれたなと。

 あとはここからですね、自信も学生会議もこれからですし、これから卒業設計があるので

佐藤:SDLに出品するかもしれない。フファイナリストになってしまうかもしれない
中谷ふふふふ。今までは裏方をずーっとやっていたので
佐藤:学生に3人聞いただけだけど、彼らは修士に進学してました。大多数の学生は修士に進学するんですか。博士課程に進む人も多いのかな
中谷東北大学はほとんど修士課程です。学生会議の東北工大とか宮城大学とか一杯いるんですけど、彼らは逆に就活して就職していきますね。留学で外国に行く人もいるし、院卒の方が就活うまくいくみたいな打算的な人も中にはいるし。人それぞれだとは思います。

佐藤:中谷さん自身はどう考えているんですか、タイムスケジュール作らない人だから無いですか、行き当たりばったりで生きるんですか
中谷日本一には出すと思います。修士も進学しようとはしていて。今も卒業論文と卒業設計と。
 あとは今回の学生会議の建築学生サミットで色んな学生団体の代表が集まったんですけど、そこで話し合ったのが「このまま一回で終わるのはもったいないなー」と思って。今は新しく他の団体を立ち上げて、そっちも今動かしています。

佐藤:建築学生サミットには誰が参加したんですか
中谷:仙台まで自腹で来ていただいて。福岡のデザインレビュー、京都のディプロマ、名古屋のナゴヤアーキフェス、NAFナフと呼ばれている学生の団体、東京が赤レンガと卒、ですね。だいたい2、3人ずつ来ていただいて。金沢の歴コンをやっている団体。あと新潟のセッションうぃやっている団体ですね。
 みんな卒業設計展をやっている団体
で、今や日本中に卒業設計展あるんです。全部でどれぐらいあるのかなー。今回声かけたけど来てもらえなかった名古屋のデザイン女子だったり。広島8大学とかもやっていますよね。北海道でも五十嵐淳さんがやってらっしゃる団体があるはずですね。

 なので15団体とかぐらい乱立しているじゃないですか。規模は大小あるんです。一番大きいのが仙台ということになっておりますね。福岡のデザインレビューが一番歴史が長いです。そこは卒業設計に限らなくって。

佐藤:SDL2019にエールを送っていただいて終わりましょう。

中谷会議のメンバーには「頑張れ、だけど頑張りすぎるなって」まずはちゃんと学生として大学に学費を払っているんだから大学のことをやって欲しい
 これは僕がそういう人間じゃなかったので、反面教師として。

佐藤:長時間ありがとうございました、仙台の街に出て呑みましょう
中谷:はい行きましょう


 中谷圭佑SDL2018実行委員長に聞き語る 最後まで読んでいただきありがとうございました。これでお仕舞です 
 (文責:佐藤敏宏)

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