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聞き語り記録 中谷圭佑・SDL2018実行委員長に聞き語る |
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SDL2018記録一覧 | 01 02 03 04 05 06 07 08 | |||
01 中谷圭佑さん 仙台建築都市学生会議 02 運営資金 問題・各種 収入金のあらまし 支出金のあらまし 03 記録の継続性について 04 審査依頼あれこれ お祭りみたいな感覚 05 SDL2018について 失敗することに成功した プロセスが面白かったらいい 転戦し続ける学生 06 実行委員長の意図どおり 予選得票数は単なる目印 07 審査員の代理戦争 SDL課題あれこれ 08 まとまれない村 今後のこと
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01
佐藤:中谷さん、SDLの正式名称とそこでの役割名を教えてください 中谷:仙台建築都市学生会議(以下:学生会議)のせんだいデザインリーグ2018(以下:SDL2018)の実行委員長をやらせていただいていました 佐藤:SDL2018を開催するため、裏方をする学生さんが集まって会議を積み重ね決定戦を実行された委員長だと。 学生会議とSDL2018と分けていただいて、交わらないように話していきたいのですが、混じり合ってしまうでしょうけど。まず学生会議のあらましから聞かせていただけますか。 その後で、SDL2018=せんだいデザインリーグ、卒業設計日本一決定戦の事につてい話していただくことで進めていきたいと思います (絵: 中谷さん提供 胸にSDL2018 ) 佐藤:本題に入る前に中谷さんの事聞かせてください。中谷さんはどこで生まれたんですか 中谷:生まれは愛知県です。名古屋と豊田市の間に在る東郷町という小さな町です。 佐藤:企業城下町傍の小さな町から東北大に入学された理由は 中谷:一年間浪人をして。ちょうど大学のレベルで、自分が受かりそうなレベルの中で東北大学の建築学科が面白そうだなーということで。 佐藤:最初から建築学科を目指していたんですか 中谷:そうです。建築をやろうと思っていて。 佐藤:名古屋にも東京・関東圏にもたくさん建築系の大学はありますが。 中谷:あくまでインターネットで調べた情報なんですけど、偏差値が載っていたり、塾の先生に相談させていただいたりして。「どうやら名古屋は土木とかは強いけれども、あんまりデザインという感じではない」と。「東北に行ったらどうやら五十嵐太郎先生が居る」と。 僕の母親がずーっと芸術家をやっていまして、アーティストとして活動してて。五十嵐太郎先生は2013年になりますが「あいちトリエンナーレ」のキュレーターをやっていらっしゃった、凄い有名な方です。「あぁ、それだったら行ってきなさいよ!」という許可が出たので、遠路はるばる仙台にやってきました。 佐藤:デザインで建築意匠家を目指すんだと。博士号も取得予定ですか 中谷:意匠で、割と歴史的なものにも興味があったんです。で東北大を受けて、仙台に来たんです。 佐藤:高校生なのに、五十嵐研のこととか、建築史家とか意匠系とか詳しく分かったね 中谷:親が理解あり、環境がよかったのと、浪人中に図書館で。デザイン系の仕事に就きたいんだけど、あくまで工学部だろうと。「それなら建築がある」となって、建築のジャンルの本を片っ端から、ざーっと色々読んで。これならと。 佐藤:浪人の自由な時間が効いている。一時、浪人するって人生にとって重要だね 中谷:重要ですね 佐藤:工学部も建築系の先生も多様だし、自分に合わない大学に行ったら不幸かな?。それも勉強かな。 中谷:浪人時代は「どこがいいかなー」とか、「こういう人がいるんだ」とか図書館の本ばかり読み漁って調べたりしてました。 佐藤:ストレート入学、一般の高校生時代は建築系の詳細を調べたりしなさそうだね。 中谷:受験勉強で手一杯ですね。1年目は東京工業大学を受けて、見事にばーんと蹴られて。もう一年間、受験勉強をやってみて、東北大に来たんですね。 佐藤:東工大卒で、世に出て建築系で活躍してる人多いようで、たくさん出会います 中谷:受験のレベル的には東工大が少しだけ上だったので。
佐藤:学生会議には東北大に入って、1年生のときから関わったんですか 中谷:最初からではなく、夏ぐらいからです。東北大学で、トンチク杯っていうのが毎年、合同批評会があって。1年生のときに「もうそろそろだ」と思って、行って観て。その時の懇親会で、石田先生と話していたときに、前の実行委員長の本田さんに紹介していただいて。「来週の水曜日に学生会議あるから、来なよ」って言われて。そこから入った感じです 佐藤:呑み会と交流は危険だけど、人生にとって大切だね 中谷:ふふふはい。僕は元々SDLとか学生会議を知らなくって、トンチク杯懇親会が切っ掛けで入って。 佐藤:トンチク杯は学年・無関係で入れるんですか 中谷:設計は二年生からで、観に行くぶんには誰でも行ける。その年は終わった後に会場に食事が一杯あって。みんなで食べたり先生たちと話しながら交流してて。誰でも参加できるのかなー。その時は、1年生は僕だけだったんです。みんな喋っているけれど、誰も知らない状態の中で、びくびくしながら、ふふふ。 佐藤:入学早々から積極的に行動したんだ。先輩や先生の胸を借りるというか、門を叩き入ちゃうというか 中谷:おかげさまで今こうしています。そのままずーっと学生会議には行くようになって。 佐藤:学生会議はどういう構造、どうと組織なのか教えてください 中谷:学生団体ということで、4年生になると卒業になるので東北の各大学の建築学生の1年生から3年生までですね。東北大学、東北工業大学、宮城大学、宮城女子大学、東北学院大学、仙台高専もはいっていて。最近だと山形大学から来てくれている学生もいて。 (絵:学生会議ブログ2017年4月5日より) 佐藤:仙山線か高速バスで、山形からも学生会議にやって来ると。 中谷:毎週水曜日に、ここ、せんだいメディアテークのスタジオbをお借りして。だいたい夏は6時ぐらいから9時まで。SDLが近づくと延びていきます。いつもは8時ぐらいには、前期は終わるようになっていて。色んな学生がレクチャーをしたり、前期は1年生を連れて仙台の町を散歩して紹介したり。 あとはアーキ・バトルというイベントをやっていて、要するにプレゼン・バトルみたいなことをやっています。で、テーマを決めて、「どっちのプレゼンがよかったか」みたいなことをやってます。 あとは模型のワークショプだったり、即日設計だったり。どうしても大学の1年生が「まだまだ大学で建築の事を学べない」そういう学生もいるので、学生のために色々なレクチャーを実施します。イラストレーターとか、スケッチアップみたいなソフトのレクチャーもやったりしています。 (絵:学生会議ブログ2017年4月16日より 西公園で花見) 佐藤:専門学校じゃないから、CAD・BIMは大学では教えないんですか 中谷:東北大学は特に、設計のそういうものは「自分で習え」みたいな。一応授業はあるんですけども。スケッチアップとかは本江先生が教えてくださったりして、とはいっても何から何まで教える感じではないので。 なので学生のコネクションの中でお互い教え合って「こういうパースの描き方あるよ」とか「こういうダイアグラムの作り方あるよ」とか。 佐藤:学生会議の場は建築に入りたての学生にとっても、有益な学びと遊びと、親密に交流できる、大学の域をこえた生活の一部の場でもあるんだね。 中谷:そうですね、あとは大学生らしいイベントを色々。キャンプに行ったりとか、夏は建築ツアーを毎年やっていて。皆でお金出し合って旅行に行く。僕が行ったのは去年は金沢に行って、21世紀美術館とか観に行って、その前の年は青森に十和田湖だったり、青森県美術館を観たりとか。 建築ツアーに向けて、担当の学生が調べて、プレゼンをして、「今年はここに行こう」と決めて、毎年30人ぐらいで行く。 うちの団体は僕の代の年が1年生ががーっと増えて、140人ぐらい居たて半分ぐらいが熱心に来てくれていて。 (絵 学生会議ブログより 2017年9月5日から7日建築ツアー 21世紀美術館) (絵 学生会議ブログより 台湾ツアー ) 佐藤:入学直後に、いきなりレベルの高い議論の場に入るより、まずは入学したての学生さん同士が、親密に語れる場はありがたいでしょうね。呑んだりもするんですか。 中谷:毎週、ご飯には行っているのかな。要所要所のイベントが終わったら、一緒に呑んでみたいな。即日設計が終わったら呑みに行こうとか。 佐藤:誰か講師を呼んでレクチャーすることもあるんですか 中谷:そうですね。僕が実行委員長の代に、阿部仁史先生から「昔やっていたハウスレクチャーをもう一回やらないか」ってお話を頂いて。それで、ハウスレクチャーというのをやらせて頂いてました。今年が第三回目になるのかな。第一回の時はUCLAから阿部さんとか、ジェフリー・イナバさん、とキビ・ソタマさんという方がいらっしゃてレクチャーをしていただいて。冬にも、二年生の次期執行部がメインとなって東北大の先生方や宮城大の中田先生、堀井さんとかをお呼びして、レクチャーみたいなことをしていました。 講師は自分たちで決めたり、たまたま「海外からこういう人が来るから、せっかくだからやらない」って言うのがあって、「じゃーぜひやりましょう」となって。今年の夏も企画は動いているみたいですね。 佐藤:阿部仁史さん繋がりで、海外の建築系の方ともつながり、活動出来ていると。仙台にある大学同士が閉じてない、いい感じなのかな。学生会議は自主トレの場だから、履修しないと単位もらえないとか、縛りは無い。学生が自由に意思決定ができると。色々イベントを開いて、その後反省会や記録をまとめたりするんですか、評論するとかもする 中谷:後で、場を設けて評論という感じではないんですけど。呑み会とかしながら、「あれはああだったね、これはこうだったね」という話はします。 佐藤:140人が出入り自由に活動してて、建築系の学生さんは引き籠ってないんだね (絵 学生会議ブログより 通常会議 2017年11月1日) その02へ続く |
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