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2017年10月03日 山川陸さんに聞く 新宿御苑にて |
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08 佐藤:山川さんは大学卒業即独立系建築家の道を進んだだわけではないので独立系建築家になるのかは未定だけど 山川:最近ちょっと考えているのは転勤族だったから、横浜が一番長いけど、ローカルって感覚じはしてないんです。唯一定点として自分の中であるのが、三重県の熊野で。熊野は父方の実家が在って。父方の実家は何十年もそこに在るんで。花の窟神社、熊野古道の終点になっている世界遺産の神社が在るんです。そこの近くですね。そこだけは実感を持っている自分の田舎という感じがしている。 佐藤:修験者の血も流れているってことですか 山川:だだの農家です。ボランティアでその神社の店を手伝ったりしている。山川の親戚はほぼ熊野に集中しているんですよ。世界遺産にもなったし、毎日ものすごい数の観光客は来るんです。80超えたような祖父母が炎天下の駐車場の誘導をしたりとか、無給で売店の売り子をしているような町なんで。本当にただの住宅地が過疎化してるのとはちょっと違う。 祖父母は熊野の出身なんですけど、父親を産んだ頃は祖父母も転勤していた頃で八戸にずーっと居たんですよ。父親は八戸で高校まで育っている、東北出身なんです。田舎は熊野です。 観光という意味では確実に盛り上がっているし、今後も衰退しないコンテンツを持っている町なんですけど、人口が高齢化して運営している人たちが居なくなってきている。だけど自分が熊野のそこに住むかといわれると、不便さも色々あるからそういう実感はない。とはいえ愛着のある町である。 そういう状況に陥っている場所で出来ることが有るのか無いのか、これから助手をやっている2年半ぐらいの間、考えたいなーと思い始めました。 熊野は観光産業としては盛り上がっているので、観光客とか来ないような過疎の村の人からしたら、チャンスが凄い転がっているように見えてるはずなんですよ。今どの町も若い移住者を呼び込むために何が出来るかと考えるんで。そういう観点から見ると何もやっていないのが不思議だし、何かやって移住者が増えて、一回持ち直すことはいいことだけど、それが根本的な解決になっているのかとうのも分からないんですね。 佐藤:経済成長しないので観光客に来てもらって立て直そうという考えで多様な政策や議論が日本各地で起きているんだけど、そこに暮らす人・住人に豊かな暮らしを与え続けることになるのかね。そこの問題が議論されずに観光客が大勢おしよせて来れば全て好くなるという、急造の信仰は新自由主義的なので地域い合っているのか、どうなのかね 山川:一日だけしか居ない町の住人みたいなものを上手く育てていくという方向に突破口があるような気持ちでいます 佐藤:田舎暮らしの人と都会の人々とで疑似親戚関係をつくりあげ交流を再生させるってことかな、逆に都会の高齢化経済落ち込みの場合はどうなるんだろうね質が違うかな 山川:ぼちぼち年度内に、まだ祖父母が住んでいるんで、熊野と交流してみようと思っているんですけど。藤村研の助手であり、モクチン企画の仕事にも参加している状態のうちにやった方が色々好いことあるかなと。 もちろん人は好きなんだけど、50年後は観光客しか居ない町になっている可能性があるわけですよ。そこに住民票がある人や実質居住している人が居ない町になっている可能性もあって。その時に入れ替わり立ち代わりだけで成立している町というものが可能なのか。そこは考えるべき事項のような気がしています。 移住者とか定住者とか分母として全ての村が人で一杯になるということは二度とないじゃないですか。人口が減る一方なんで。そうすると定住人口が維持されることよりも、常態としてそこに人が居るていうことを重視すると、観光客というものをどう捌けるかと。 佐藤:宗教都市のように千年単位の時間過ぎてきた高野山の高野町とか。住人と観光客の関係はどうなって続いて来たんだんだろうね 山川:そういうところは親いですね。それに当たる研究するのも面白いですね。熊野古道というのはそういう場所ですしね。 佐藤:貴族たちが古道を通いつづけた孤絶の地だから魅力があり続けるってこもありそうだよね、住人や観光客が居ないほうが神秘性は増すのではないか、その両者のよき在り方の位置取りがわからないね 山川:完全に人が居なくなってしまうには時間が掛かるから。 佐藤:住人が暮らしてない広大な修験的テーマパーク、入場料で維持管理費を捻出するってことなのかな。福島県にもある尾瀬の入山料みたいになるかな。生活臭が無い場所の魅力もあるので人が居ればいいってもんでもなさそうだよね 山川:きっと現実の世界だから、デズニーランドみたいにフィクションに全てが従属してるわけではない。うまく折り合えがついているんですよねきっと。布団や洗濯物が干されてしまわない、そういうを知らないと過渡期のデザインは出来ないですね。 佐藤:見た目に激変させる見た目革命は一時的な受けや見栄を切るのが好きな人にはいいんだろうけど、暮らしている人は少しずつ・徐々に変化す方が対応し易いのではないかな。保守的な構えが続いて時間を縮めてみると革命も出来ているみたいな継続性がよさげですよ 山川:人間の体がこうである限りは、建築の劇的な革新っていうのは起きないのかなと。 佐藤:革命を起こされても困る 山川:びっくりしちゃうし。次に建築革命が起きるとしたら、無重力空間に出るときかなーという気もするけど。それもたぶん地上にある建物のバリエーションにしかならないですね。 人間の体がこのままなのだから。体が球体になるとか、そういうぐらい極端な変化じゃないと、前があって後ろがあって上下があるっていうことが、建築のすごいルールのような気がするので。そこまでの革新は生きている間にはおきなそうだなーという気はしますね。 佐藤:21世紀初頭におきているIT革命によって原点である人と人のありかたの見直しが迫られて、今後どうやって、よき隣人との関係を継続していくのか再確認の場に立っているっことで、そこからいろいろ始めるということを自覚し出したと。総選挙のように人における高度情報化の共有の仕方の問題もうまれてきてる、金持ち暇人を雇ってフェークニュース多量に流しているのを知らずにSNS使っているとねー 山川:最近、友達と話していてツイッター、FB、インスタグラムと。なんとなく流行りが。インスタグラムは写真投稿なので文章を書かなくなって。建築家も現場の写真をアップして。配筋検査中とかアップして終わり。以前みんながテキストサイトで色々書いていたようなSNSとは雰囲気が違う。写真ばっかりも飽きがきているのでまたブログとかになるんじゃないか。 佐藤:共有サイトは掲示板だたけど、匿名性の掲示板が生まれ大爆発サイトの2ちゃんが大流行りし匿名で誹謗中傷、罵詈雑言の吐合でしたね。国境を定めたFBだけど、村化してきて風通しが悪いよね。 芝生に長時間座っているので、ここらでお仕舞にして 次回には情報ツールと人間がこの5年でこんなに関わったの話から始めることにしましょう 山川:最近、新建築掲載された仕事の話をしたいと思います 佐藤:腹がへったので新宿御苑から喰い物屋に場所をかえましょう 二人でとことことことこ 新宿駅の方面に歩き出す 09へ |
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