2010夏 ことば悦覧 in うるとらまんchin々 (仮想領域 大坂・京都) | |
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井口純子(いのくち・すみこ)井口勝文(よしふみ) 「こんにちは ! TERAUCHI+八賢邸」を語る 第 1章 新聞作る 「こんにちは ! TERAUCHI」を語る 01 02 03 第 2章 井口夫妻 「八賢邸を語る」 01 02 03 04 第 3章 いろんな話 05 06 07 08 09 こんにちは!寺内新聞 補足 10 第 4章 井口勝文 生い立ち と純子さんとの出会い 11 12 13 |
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第 4章 井口勝文 生い立ち と純子さんとの出会い13 | |
純子:遊びに行ってたんです 佐藤:あーそうなの。へー それでどこでどーやって会ったの 勝文:あんた 言いなさい 純子:ふふふふ 佐藤: イタリア行って 勝文:うん。イタリア行って。それでまあフィレンツェで、フィレンツェ大学にまず籍を置いて。それで非常にうまいこと僕はツイてるからね。ツキまくってるからね 純子:ふふふふ 勝文:ふっと入った本屋で、すごい本を見つけて。それはね、500分の1でね 佐藤:「ナミアミダブツ」みたいなもんだよね、ツイてるって 純子:そう。なんでもついているの 勝文:小さな、日本で言ったら村みたいな小さな町ばっかりを集めて実測した資料の本があったんですよ。それがフィレンツェ大学のエドアルド・デッティという教授がやったやつだったの で、デッティさん尋ねて行って、そこで色々聞きながらその町を全部フィールドワークで見て歩くというような 佐藤: 都市設計の勉強したわけだ 勝文:勉強したんだよ 佐藤:そらーやっぱり歴史かなわんと思うわな 勝文:もう、それはね、もうほんとに徹底的に隅から隅まで見て回ったの 小さい町だから見えるしね それが僕の今のベースになってるね 佐藤:こんにちは 寺内にもさ、反映されてるわ 純子:ふっふっふっふっふ 佐藤:なるほど。そう思うわ。いきなりコーポラティブハウスつくって 新聞作ってまちづくりに参加する ってやらないよな普通は なるほど 勝文:んで同じ同期の留学生の仲間でね、これがもうエリートでね。慶応大学の経営学かな。経営の先生の息子で板垣君っていうのが来てたんですよ 彼と僕はすごく親しくてね、仲良しで色々つきあってたの 彼の恋人だったの 佐藤:あ 勝文・純子:ふふふふふふふ 佐藤 良い話だな 純子:違うんですよ やっぱり男と女の出会いっていうのがあるじゃないですか 佐藤:赤い糸ね うんうんうん 純子:でね、やっぱりすれ違っちゃったんですよね 彼とは 佐藤: 元彼と 純子:そう 佐藤:あ、なるほど 純子:あのーなんていうかしら。誠実さとかいろんなもん 見極めるじゃないですか 佐藤:誠実さ圧倒的にあるからね 純子:そうです。もう誠実の塊みたいな人ですから あはははは 佐藤:はははは 誠実の塊か いいな〜 井口誠実塊 あははは なるほど 純子:それでね、 男の人っていうのはね、浮いた凧みたいに、 自分のこと 佐藤:浮いた凧だけど 誠実 純子:おんなじように浮いてるんだけど やっぱり誠実さっていうのはね 佐藤:圧倒的に。この人は誠実の塊だからね 純子:うん それで 佐藤: 動物的に選んだのは正しかったんだ 純子:そう 正しかったと思いますよ 佐藤: すばらしい パチパチパチ 純子:あははははは 佐藤: 選ばれたんですよ へへへ 選んだ理由をどうぞ。 純子:それでフィレンツェのね、レップブリカ広場っていうね、有名な広場があって そこで出会って 佐藤:なるほど 純子:うん。それが初めての出会いでね 佐藤:そうですかー そう言ってますけど修正してください 勝文:いやま 出会いはそうですね 佐藤:へーそれで、選ばれちゃった井口さんとしてはどうなんですか 勝文:いや 選ばれたかどうかね、まだ分かんないですよ カミさんは、三岸節子さんていう絵描きさん 知ってるかな 佐藤: 知ってます知ってます 勝文:彼女のところに 佐藤:あーそう 勝文:うん 行ってたんですよ。 佐藤:旦那さんなんでしたっけ 純子:好太郎 佐藤:好太郎 知ってますよ 勝文:うん だから、ちょっとやっぱり違ってたんですよね 住む場所も、やることも 佐藤:なるほど。こっち建築だし、こっちアーティストだし 勝文:うん 佐藤:金持ちだね。純子さんのおうち 勝文:僕はその時 そう思いましたよ〜。 純子:あっはっはっはっはっはっは 佐藤:おいらは 奨学金でやっと しのいでいるのに わははははガヤガヤ 勝文:片道キップで 帰りの切符買うため イタリアで稼がないと帰れない あっはっはっは 佐藤:片方は 絵描いているし 純子:いやいや。その出会った時もね、レップブリカ広場は こうやってあの当時はまだ車が通ったんですよ。で、その日曜ですね、大きな車に私は三岸先生の車に乗せてもらって、ギリシャ旅行から今の・・なんだ。あの 、向うの・・アフガニスタンじゃなくて・・ 勝文:ブルガリア 純子:ブルガリア、じゃない。ブルガリアじゃない。ギリシャ・・ブタペスト・・じゃなくって・・あっちのあの・・ 勝文:ルーマニア 純子:ルーマニアじゃない 山口:オーストリア 純子:違う。ほら、えーっと 山口:ハンガリー 純子:ハンガリーじゃない。ギリシャの手前の、何だった 勝文:ギリシャの手前 ルーマニアでしょ 純子:ルーマニアじゃない 佐藤:まーあのあたり 純子:あの当たりを旅行して 勝文:バルカン半島やな 純子:うん、そうそう。旅行して帰ってきたんですよ 勝文:チェコ 純子:違う ・・そしてその時に大きな車に乗ってね帰ってきてね、そりゃーお金持ちじゃないとできないような〜 はっはっはっは 佐藤:ふはははははは 純子:先生の車ですもんね 相乗りして 勝文:でっかい車で来てるわけですよ 佐藤:先生の車なんだって 純子:ええ、そうなんですよ そうそうそう 佐藤:ビビっちゃうね 純子:うん。そんでもう、そのボーイフレンドと一緒に乗ってて、井口が町を歩いてた時に、あ、ちょっとこの車停めてください、僕の友達がいるから歩いてますからって 勝文:全然 僕も初対面なんで 佐藤: へへへ へへ なるほど 純子:それが最初の本当の出会いですね 佐藤 そうですか、おめでとうございました 勝文・純子:ありがとうございます あっはっはっはっは 佐藤:そこに行くまでは純子さん、生まれたのどこですか 純子:私神奈川県です。 佐藤:神奈川県。神奈川県のどこですか? 純子:神奈川県二宮町っていうとこ。中郡二宮町っていう 佐藤:あのへんじゃないですか あの小田原のすぐ 純子:そうです 佐藤:あーあの辺て暖かそうでいいとこですね 純子:そうです。温暖なね。いいとこです 佐藤:あーそうですか。そこでずっと生まれ育って 純子:二宮で生まれて育ちましてね、えーっと小学校中学高校まで大学まで、平塚というところ 佐藤: 湘南ガールですね 純子:うん 平塚で育ちました 佐藤:へー 普通の少女だったんですか 純子:そうですよ。うん 佐藤:イタリアのことは どこで勉強したんですか 純子:えーっとね、それは大学に行ってからですよ 佐藤:大学どこ行かれたんですか 純子:あのね、あそ美って言って、女子美っていう 佐藤:あそ美っていう 女子美に行ったの 純子:そうです 佐藤:あーそうなの それで美術してたんだ 純子:そうですね。 佐藤:あーそう。 純子:うん その時に三岸先生と出会いましてね 佐藤: お弟子さんになって、イタリア行かなきゃダメよ 純子:いや、そうじゃないです。私はね3年の時に、大学3年の時に美術研修旅行っていうのでね、ヨーロッパ研修に行ったんですよ 佐藤:1960年代の日本ですよね 金持ちですね ははは 1ドル360円時代に 研修旅行ですよ 勝文:分かるでしょう 純子:必死で貯めたんですよ だから 佐藤:貯まらん 庶民には わかるよ金持ち ヨーロッパですでに研修してんだから なるほど 純子:ええ。それで帰ってきた時に、私の先輩のデザイナーで、今は女子美の同窓会長やってるんですけど、佐藤和子さんがイタリア語教えてあげる、と 、と 佐藤:なるほど。 純子:うん それで 佐藤:それが元彼だったんですか 純子:いえいえ。それはね、大学の先輩でね。やはり政府留学でイタリアに行って、デザイン勉強して、 向うの方と結婚して、イタリア政府のえー・・領事館かな あれは。領事館勤めでお帰りになってたんですよ。で、結婚した後、子供もいるし、何か学校のことに尽くしたいと 佐藤:うん うん 純子:でイタリアに行きたい人はイタリア語勉強しないといけないから、もし行きたい人いたら、私がイタリア語の手ほどきするからいらっしゃいと 佐藤:佳い人脈があるね〜 なるほど 純子:それが 帰った時にばったり出会って 佐藤:あーなるほど ラッキー、純子さんも運が強いね 純子:そうそう 勝文:ははは 純子:うん、そこからですよ 佐藤:運が強いな 運使い果たしてんじゃねーの ははははは 勝文:もう 運 無くなってる 佐藤:なるほど 純子:それで、イタリア語勉強し始めましてね。で、そしたら三岸先生も、イタリアに行ったの、そういうことで、向うのヨーロッパの美術の話とかね。いろいろと情報交換しながら 佐藤:なるほど こんにちは寺内新聞はここだったのか〜 勝文:ここだったんだですよ 純子:あっはっはっはっはっは 佐藤:なるほど それで出会って。ラブラブな関係なんて いきなりならないでしょ 勝文:うん・ 佐藤:イタリアで結婚したの 勝文:いやしてない 純子:えーっと、そうですね。私はそのまま、先生と一緒に出会った後は 佐藤:すっかり忘れて 純子:いや 忘れたんじゃないのふふふふふ 佐藤:忘れてるよね 勝文:全然 忘れてるよ 純子:忘れるわけないですよ もう 〜南フランスの方のね、カーニュ・シュル・メールっていうところに先生と一緒に行って、何ヶ月か過ごしてたんですけどね。なにしろ言葉が、フランス語はやってませんからね、不自由なわけですよ。手取り足取りしてくださるんだけど、自由が無いというね 佐藤:へ〜 純子:それでイタリア語だったら、ま 教わっていましたし、その前の年に少しイタリアに居たんですね 佐藤:ええ 純子:うん でイタリアの方が私にとっては 佐藤:合ってると 純子:うん。合ってる、というので。先生に断って、あーもう一度イタリアに行きたいと 佐藤:だんだんこう、偶然 イタリア派が出会う 赤い糸だね 会ってからだんだん重なってくるわけだ。グッグッグッ、と 純子:それでイタリアの方に 佐藤:グッグッグッ、と。結婚するような磁場が働いて 純子:あ そうですね 佐藤:ね。なるほどね。後付けですけどね なるほど そういうなんかエネルギー働かなきゃそうなんないよね 勝文:うーん 佐藤:それでイタリアで結婚しようと思ったわけですか 二人は 純子:じゃありませんね 佐藤: なるほど 勝文:もう全然ね、イタリアはイタリアでね、帰ったらもう 佐藤:すっかり忘れて 勝文:という感じだったの お互いに、別にそういう、自由じゃない 佐藤:金持ちだし、俺は母子家庭だし 純子:そんなことありませんよ 佐藤:はははは 純子:あー建築をする人なんだ、という 佐藤:母子家庭の お母さんが 姑さんなのね それ大変そう 勝文:それ全然考えてないんだよね 佐藤:あははははは それ、めっちゃ大変そう 純子:いや 佐藤:金持ちの娘と 母子家庭のお袋さんで ドえらい大変だな〜 あはは それは針のムシロでなくて 針の布団だな 純子:うふふふふふ いや大変とは思わないけど 、なんて違うんだ なんでこんなことを言われるんだろっていうのは分からなかったの 佐藤:それ、わかんなくていいですよ 金持ちの娘なんだから 純子:ふふふわからないのがね 苛立たしかったね 佐藤 :南無阿弥陀仏 まだ身につけてないな 勝文:あははははは 純子:いえいえそれは最近ですよ 佐藤:あーおばあちゃんに教わった あそうなんだ それで 勝文:僕なんかね、僕も結婚ていうのは考えてなかったんですよ そんなにね。そんなにというか全然ね 佐藤:考えれないすよね。お母さんのことしか 勝文:帰ってからまた会社に戻れるかどうかもよく分かんないし 生活の目処なんて まだ立ってないしね 佐藤:まとりあえずお母さん、二間貸している 状態だし 勝文:どうなるか分かんないう ふふふ とにかくわかんないですよね それで帰りの旅費をとにかく貯めたわけ 佐藤:帰りの旅費貯めた ふふふふ奨学金もらいながら 勝文:奨学金もらって、後半はミラノでジャンカルロ・デ・カルロ都市建築設計事務所で働きました 事務所に勤めて んでね、要するに500ドルが目標だったのその時 佐藤:ああ 勝文:でその500ドルていうのはね、とても切符なんか買える値段じゃない 要するに陸路で帰る あの当時はヒッピーがたくさんいて。ヒッピーがインドとヨーロッパの間で 佐藤:旅して 勝文:うん ヒッピーロードですよ 佐藤:うんうん 勝文: ヒッピーロードを帰るつもりで、500ドル貯めたの ほんで、彼女は帰りの航空券持ってるわけですよ 佐藤:金持ち 空を飛ぶ ふふふふ 純子:ふふふふ 勝文:そう。来る時に往復の切符をもってるわけだから。僕は来る時にそんなん 佐藤:片道だけの鉄道の切符 住む世界が違うね 勝文:そう ほしたら 何を思ったか彼女も 佐藤:ヒッピーロードきちゃった 勝文:一緒に帰ると 佐藤:ふははははははは いいね〜 純子:あのね 生活費でね 片道のね切符を売っちゃったんですよ ははははは 佐藤:ふはははははは 貧乏の世界に降りて来ちゃった金持ち娘 売っちゃって 純子:多分 売ったわよね、あれね 勝文:売った売ったね 佐藤:先 食いしちゃったんだ 純子:そう 佐藤:あーそうか そこでさ、結婚生活 人生を旅しちゃったねのね〜 二人でいいね〜 荒っぽいけど 新婚 旅行だね 純子:そうそう だからミラノにデカルロさんの事務所に行くということで行った時に、私もローマ二行くかミラノに行くかというので考えてたんだけれども、一緒に行ったんですよ 佐藤:なるほど ヒッピーロード一緒に旅するのはね、それはもう人間性 露骨にわかっちゃうもんね 勝文:もうね 他の人との結婚なんて考えられなくなっちゃったのよ 佐藤:いいですね〜 ふふふふふ 純子:うっふっふっふっふ 佐藤:パチパチパチ 貧乏はいいね〜 人間モロだしだ あはははは 勝文:あははははは 純子:ほんとにね お金無かったんですよ 佐藤:それで帰ってきてすぐ結婚したんですか 勝文:うん すぐ結婚した 佐藤:おめでとうございました ということで、 みんなのこんにちは!寺内 新聞の 誕生の源が分かり おもろいね そうか〜なるほど 純子:シルクロードを越えてね、乗り合いバスで 砂漠を渡って 佐藤:どのくらいかかったんすか、そのヒッピーロードってのは 勝文:11月にイタリアを発ったかな。えー2ヶ月かな 純子:うん 佐藤:2ヶ月で どう行くんですか、ヒッピーロード。イタリアから始まって 勝文:イタリアからギリシャへ船で渡って、でギリシャからトルコへ入って、でトルコをずーっと行って、シリアを、ここでシリアを横断するんだけど。でイラクに入って 佐藤:イラクですか。 勝文:今のね、あのイラクですよ 佐藤:アフガニスタンとかどうすんの 勝文:アフガニスタンも通りましたよ 佐藤:すごそうだな〜 勝文:イラン、アフガニスタン 純子:イラン、イラク、アフガニスタンを通ってパキスタン通ってインドまで来たの 佐藤:インド。中国に行かなかったんだ 純子:中国は通らないで 佐藤:南に一回戻るんだね 純子:そうです 勝文:インドからは飛行機で帰ってきた 佐藤: あ、そうかインドまでヒッピーロードしたんか 勝文・純子:そうそう 佐藤:なるほど 人生の縮図したんだね 純子:だから あの、シルクロードを 佐藤:一番過 酷なおいしいところだけ ヒッピーロードしたんだよね 勝文:まぁそう 今考えたらね、よく女連れであんなとこ行ったな〜と思うもん 若いから出来たんだよな 佐藤:よく襲われなかったね、夜道に 勝文;そう。何やられてもおかしくなかったね 純子:売られそうになりましたよ ね イラクで イラクの夜で うん 幾らで 勝文:あれはね 奥さん売れっつって来たね 佐藤:いや それはあるよね。彼の地では普通そうだ 勝文:うん。そらーもう遺跡だから辺鄙な所に行くわけでしょ。僕たち二人だけになっちゃうところに、そこら辺で作業してる連中がいたりするわけでしょ 佐藤:危ないね 勝文:イラクイランの国境なんてね、国境警備のポツーンとある警備所を通過するわけ 佐藤:危ないよね 考え過ぎか 勝文:うん。何やられても分かんないよね 佐藤:わかんないよね 勝文:よくあんなとこ出来た〜と思うんだよ 今は うん 佐藤:苛酷なヒッピーロード 二人はお互いの人生しちゃったんだ そりゃ結婚するしかないわな ふははははは そうかーなるほど 大体わかったな 山口:わかりました 佐藤:ありがとうございました (46:04) |
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以上で 井口純子さん 井口勝文さん の話は終わりです 長い記録を読んでいただきありがとうございました 文字起こし 山口陽登 ・web頁作成・文責 佐藤敏宏 |
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