2010夏 ことば悦覧 in うるとらまんchin々 (仮想領域 大坂・京都) | |
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井口純子(いのくち・すみこ)井口勝文(よしふみ) 「こんにちは ! TERAUCHI+八賢邸」を語る 第 1章 新聞作る 「こんにちは ! TERAUCHI」を語る 01 02 03 第 2章 井口夫妻 「八賢邸を語る」 01 02 03 04 第 3章 いろんな話 05 06 07 08 09 こんにちは!寺内新聞 補足 10 第 4章 井口勝文 生い立ち と純子さんとの出会い 11 12 13 |
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第4章 井口勝文 生い立ち と純子さんとの出会い 12 | |
勝文:手放しに拍手してた 佐藤:喜んでね。 そうすると 競争率が大変で無理だった 勝文:無理だった。とても通らない。僕はリアリストだからね。行けそうなのは建築だからね。それともう一つ僕は理系かな文系かなーも〜微妙なとこだったのね。僕自身が 佐藤:なるほどね。 (絵ネットより) 勝文:で高校の時に国語の先生にすっごく良い先生がいて、国語に目覚めちゃってね ですごく好きだったんすよ そんなこともあったりしてね 僕自分が理系か文系かよく分からなかったのね。そうするとね、やっぱり建築だろうな〜と思って 佐藤: 両方 理系文系に掛かっているからね 勝文:そうそう うん 佐藤:なるほど。それで建築行ったと 勝文:建築行った 佐藤:よかったね〜航空宇宙学 難しくて ふふふ 純子さんにも 今日 俺と会ってないよね そこで受かってると ふふ 中途半端に頭が悪くて俺 会えて良かった良かったよね 勝文:まーね、行ってもね、僕の歳だったら月にはとても行けてない 佐藤ふふふ 今でも 行けてない 勝文:泣かず飛ばずで終わってるよ 佐藤:日本の航空宇宙まだまだね 勝文:うん。ダメだからね 佐藤:あーそうだったんだ 勝文: その頃ねやっぱり一応考えてたね。日本の状況ではとても俺が頑張っても レベルじゃないなと はっはっはっはっ 佐藤:あー そうなんですか 勝文:それでやめたね 佐藤: 当時の九州大学っていうのは、入学者は何人くらい入るんですか 勝文:25人 佐藤:少ないね 勝文:25人、建築は少ない 佐藤: 少ないね〜 それで何勉強するの 勝文:入って、・・あのー建築は、図学っていうのをやって 球と円すいを突っ込んだら、どういう切り口が見えるかとかね。あれは基本だと思うね建築の 佐藤:あーそういうのやるの 勝文:うん。あれが基本だと思うね、建築の、空間をイメージするね そういうトレーニングがあったのが建築らしくて。あとは物理でも数学でもね、要するに教養課程の時はなんかあんまりしたくないんだよね 佐藤:あ、教養課程があったわけね。2年くらい 勝文:うん。1年半の間教養課程があって。それは土木と僕は一緒だったな うん 佐藤:あーそうですか。 勝文:うん。そんなんでね、で僕はね、まだその分田舎でしょ、それで建築家なんちゅうイメージは全然無いわけね 佐藤:70年当たりでも 建築家って言葉が流通し社会に無かった 勝文:なかった なんかねチラッとね、週刊誌で丹下さんがこんなことやってるという写真は見たことある 建築ってこんなんかと。思ったけど、建築家っていうイメージはまだないよね 佐藤:ないですよね 勝文:うん。それで、九大入ってもね、僕はもう建築っていったら現場だと思ってたね 佐藤:そうだよね 勝文:うん。だから現場に行くんだと思ってたね。現場に行くならちょっと腕っぷしがいるな〜と思ってね 佐藤:ふふふ 勝文:それで空手をやり始めた 一同ふふふっふうふふふ 佐藤:はははは単純やね〜いきなり。だって鳶・土工とか どやさなきゃいけない ぐわーっと。殴られちゃうからね ぼんやりしてるとね わかりやすい それで体力鍛えて 勝文:うん。だから空手部入って、一生懸命空手 はははは 佐藤:なるほど、4年間 勝文:1年半 佐藤:短いですね それ 勝文:それはね、1年半経って、専門課程に移るわけ。 佐藤:ええ、ええ 勝文:で1年半の間にね、少しは 建築的な本も読もうと思ってね、読むじゃない 佐藤:ええ、ええ 勝文:今でも覚えてるけど、古本屋でねワルター・グロピウスのね、ナントカいう本を見つけてそれを読んだの(絵ネットより) 佐藤:翻訳本ですか 勝文:翻訳本です うん ほんで読んだらね あれ建築ってのは別に現場だけじゃないじゃんって 佐藤:ははははは!空手やめようって! (絵ネットより) 勝文:空手やめちゃってふふふふふ 僕はとりあえず設計の方がいいんじゃないか、と思って 佐藤:俺と似てます 勝文:はっはっはっはっはっ それで専門に移るときに もう空手部やめて 佐藤:現場行くのもやめて 勝文:現場やめて うふふふふふ 佐藤:なるほど。そうするとね、現場コースと設計コースとかあったんすか 勝文:専門に行ってすぐじゃないけど、もう だんだん分かれてきて。4年生になるとはっきり分かれる 佐藤:あ、なるほどね。俺は設計だと 勝文:設計だと うん だからもう3年くらいの時に、もう俺は設計だと思ってやってるから 佐藤:空手 やってたの忘れちゃってる。ふふふ 勝文:ははははは 佐藤:いいね そうなんですか 修士とか博士課程とかってあったんですか 勝文:ああ、ありました。それで僕は、その修士に行きたかったけど、ま、そんな母子家庭で そんなとこまでとてもお袋に言えないもう〜 その頃になったら分かってくるじゃない 佐藤:家庭の経済事情は分かるね 勝文:うん だからまうん。それもね、設計事務所に行きたかったの 佐藤:ああ 勝文:設計事務所に行きたかったけど 佐藤:その頃の設計事務所って、どういう設計事務所なんですか 勝文:それは それは菊竹さんとかね 佐藤:あそういう有名なね 勝文:あーいうところが 活躍してた頃ですよね。うん。だからまー組織事務所も もちろんあったんだけど それでもねそういうアトリエ事務所とかなんかに行くと これまた食えないじゃないですか 佐藤:うん。お金が 急いでた 勝文:だから。母子家庭じゃないですか 佐藤: 母と子は 食わなきゃいけない 勝文:食わなきゃいけない 佐藤:アトリエは できねーや〜って 勝文:うん。とにかく出たら 食わなきゃいけない。出たら食わなきゃいけないんですよ 佐藤:そうか〜。 勝文:それでタケチャンマン 佐藤:理想とりアルの順位がひっくり返るのに 母子家庭っていうのが背景にあるんだね 勝文:やっぱり食わなきゃいけないっていうのがどうしてもありますよね 佐藤: 良かったですよね、それは。ここの土地にはとにかく南向きが8戸 みたいな 対応するのが母子家庭の良さですよ ははははは 勝文:はっはっはっはっは そう 佐藤:そうだよね それでタケチャンマンになっちゃって 勝文:それで 設計がね。比較的尊重されるゼネコンというと竹中だなと 佐藤:でも竹中入る時、私設計 しかやりません、ていうところで入ったんですか 勝文:うん 佐藤:あーそれで通ったんだ 勝文:そして、実際にそうされるかどうかは入ってみないと分かんないんだけど 佐藤:とりあえず口約束で 勝文:そう それで そうなったから良かった 佐藤:おめでとうございました 勝文:嬉しかったですよ それは 辞令もらった時は 佐藤: そら嬉しいですよね〜 最初給料もらった時お母さんに送ったんでしょ 勝文:送りました 佐藤:はははははは そうか〜 へーそれで、タケチャンマン 入って初任給もらって。結婚されたのはいつなんですか? 勝文:えー、、70・・・73年 1973年。 佐藤:入社してどのくらいですか 勝文:入社して、65年入社だから8年経ってか 佐藤:あーそうですか。もう結構ね、 勝文:だから5年経ってイタリア行ったわけですよ 休職して 佐藤:あーそうですか。じゃイタリアで会ったっていうこと 勝文:イタリアで会ったの 佐藤:あ、そう 勝文:イタリアで出会って 佐藤:休職するの、また 母子家庭で大胆ですね。休職したら食えなくなるんじゃないですか 勝文:こ れ が 大胆だったね 今なら出来ない 佐藤: 飛び下りる気分で行ったんだ イタリアって 勝文:あれはね、本当にね〜今考えるとね、よくもあんなことやったなと お袋がね〜、またよくそんなことをね。まぁしょうがないと思ったんだろうね 佐藤:仕送りが途絶えちゃうわけでしょ 勝文:うん全然 途絶えちゃうでしょ だからその時さっき話してた住宅、あのもう公社の住宅に入ってたんですよ 佐藤:あ、なるほど。給料入ってこないしな 勝文:うん お袋の退職金が入ったの 佐藤:タケチャンマン 会社辞めるの〜 悩む よ 給料入ってこない お前母子家庭じゃないの。社長の息子じゃないよ 全然悩みが 山口:ふふふふふ 佐藤: 親死んでから 悩め、みたいなね 母子家庭だしね でも悩んだろうな〜母親も自分も 一緒に食えなくなるわけだからね 勝文:そうそう 一緒に食えなくなるわけですよ 佐藤:これ悩むよね 勝文:うん 佐藤:でも、食えなくても 行っちゃうんだ イタリアへ 勝文:うん、行っちゃったんですよね 佐藤:休職願い出したの 勝文:休職願い出した で、そこで僕を ひいき にしてくれる上司がいて、それを通してくれたんですよ 佐藤:井口行け 竹中の佳き伝統だ 勝文:うん なんか社内 治めてくれて 佐藤:さーすがー竹中工務店。太っ腹だね 勝文:普通だったら 首ですよ 佐藤:そらそうですよ 勝文:辞めてから 行ってくれですよ だ 佐藤:そりゃそうだよね 勝文:うん。それをまーいいでしょう、と 給料はもちろん出さない 佐藤:やっぱり 槇さんが来てるし 勝文:ふふふふ 佐藤:槇先生に教わっているし でも竹中工務店はそういうとこ 偉いなって思うんだよね いい会社ですね 勝文:うん。それは僕はね、竹中はすごくそう 佐藤:今でもそうやってんじゃないすか 山口:今でもやってますよね 佐藤:クビにしないで、まとりあえず行ってこい 勝文:それはしてない 佐藤:してないの 山口:いや僕のでも、なんだろう。あ、なんかえーっと助成金もらって行くのはなですよね。 勝文:うん。それは会社が認めた、会社派遣の留学なんですよ 山口:あ〜 勝文:僕はそうじゃないんですよ。イタリアってのはね、もうなんの役にも立たないとこなの。そんなとこ留学するのは だからその当時でも、アメリカ留学の人は会社がちゃんと金出して行かしてくれるたの。金も出して給料も出し 佐藤:なるほど 勝文:だからそれはもう、行けば金が貯まるくらいだけど。僕の場合はね、違うの。もうそんなとこ行くのはもう、何の役にも立たない。 佐藤:あ、そーなんだ 路外してね それでとにかく ヤケクソで行った感じだけどお母さん生活どうすんの 純子:あははははは 勝文:部屋を貸してる 佐藤:え 勝文:部屋貸してる 佐藤:あ、貸し間か〜 勝文:部屋を。部屋を貸してる 佐藤:部屋。あ、そう。 勝文:うん。部屋を貸したの 佐藤:お母さんの部屋をね シェアハウスだ 勝文:うん 3部屋あったから 佐藤:あ。自分は1部屋に住んどいて 勝文:あははははは 佐藤:賢い母は シェアハウスしてね 状況に対応して 息子の仕送りなくっても私生きてるわって 勝文:そう。なんとかするんですよ 佐藤:あ、それはお母さん食えたけど 自分はどうするんですか。 勝文:僕はね、だからあの・・ 佐藤:貯金があったの 勝文:貯金なんかもう、ゼロに等しいわね そんなもん 佐藤:ヤケクソじゃないすか それ 勝文:だからね、渡航費・・ギリギリの渡航費はあったんですよ 佐藤:え 勝文:渡航費もその当時は今の格安航空券なんかないからね。シベリア経由でずーっと鉄道で行くのが一番安い 佐藤:あー安い 経路で行くと 勝文:うん 佐藤:手間暇かけて 勝文:うん 佐藤:ケツ痛そうだね 勝文:うん ふふふふ 佐藤:お尻にタコできそうだね 4、5日ですか 勝文:ふふふふ だからシベリア鉄道で1週間だけどね (絵ネットより) 佐藤:1週間電車乗りっぱなし 勝文:乗りっぱなし。で、船で行って、汽車に乗り換えて、あとずーーーっと鉄道に乗って行く それでね、貯金の十何万を使い果たしたんだと思う 佐藤: 1ドル 、300円とか400円 純子:360円です (2010年9月 1ドル82円) 佐藤:大変だよね 勝文:で行ったら金無しよ 佐藤:イタリアに着いたけど 銭無し 俺どうすんの みたいな 勝文:それで、だからあの、奨学金をもらった。奨学金試験を受けた イタリア政府から 佐藤:イタリア政府 行ってから 勝文:いや、行く前に それはやっぱりやっとかないとね 佐藤:保険 掛けておいたわけね 勝文:そう。でそれをね、もう奇跡的に通ったのよ 佐藤:なるほど おめでとうございました 勝文:ありがとうございます 純子:あっはっはっはっは 佐藤:で、いくら出たの 勝文:えーっと あの当時でね、9万リラってことはね・・5万4000円かな 月に 佐藤:あの当時の5万4000円てすごいじゃないすか 今で考えると2、30万でしょう 純子:すごいでもないわよね 勝文:そんなでもないよ 佐藤:あーそうなんだ 純子:倍くらいですよ (え ネットより) 佐藤:あーそうなの 勝文:とにかくね、9万リラは、僕はえー3万リラ家賃だったかな で3万リラで食費で、で6万でしょ。で1万リラ、本代で 、で1万リラ交通費か 。なんかそんな感じでやってたね 佐藤:ほー 飯食えるよね 勝文:なんとかね 佐藤:やった〜 勝文:うん。この時もね、すごい僕はツイてるっていうか 佐藤:はははははは 俺ツイてるぜー 勝文:もう世の中。僕の人生の中でね、これほどツイてる時 僕はツキまくってるんだけど 佐藤:はははははは 勝文:最高にツイてたのはこの時 留学生試験受けた時 佐藤:えーなんで 勝文:僕はね、もう今みたいにイタリア語を勉強する機会って無いわけですよ 佐藤:そらそうだよね 会社員忙しい 勝文:もう ほとんどゼロに近い 佐藤:イタリア語は読めないわけね 勝文:うん。ほいでもう独学でやっと やってて ほいで、その時付き合ってた彼女の兄さんがね、 佐藤:その時付き合ってた彼女の兄さんが ふふふ それからどうした〜 勝文:彼女の兄さんが、イタリアに9年くらい住んでて帰ってきた人だったんだ んでうちの兄さんに会ってイタリアの話聞く〜言うから行ってね、正月に。話聞いてね。君イタリアに行きたいのか?ちゅうから そうなんですよつってね それで留学生試験受けんのかっつうから、そうなんですけどなかなか自信が持てなくて、ってね。お前なぁ自信ができるの待ってたら いつまで経っても行けないぞって 佐藤: 良いアドバイスだね 勝文:もう そう決まったらすぐやるんだよ って 佐藤:そこらで急にヒートアップするわけだ ははははは 勝文:意味もなくそこで ピーンと反応して〜 佐藤:反応して 勝文:願書出して はっはっはっは で受けに行った訳ですよ そしたら面接の、そのイタリア語の面接試験に行ったわけ 佐藤:イタリア語、聞こえません っていきなり言ってるわけじゃん 勝文:うん。そしたら今の、九段のとこのイタリア文化会館の古い建物のところだけど ほいでそこにね、受ける人が十何人来ててね。薄暗いロビーでね、待たされてるわけ。で、次そのうち呼び出すわけ。で、入り口に近いところにイタリア人の下っ端の男が、事務官が立っててね はい次 誰さーんってね 佐藤:はい次井口さーん、はいどーぞーみたいな 勝文:こう座ってね。順番待ってるわけ 一人10分か15分くらい、ね ほいで、僕はそいつの隣に座って待ってたの。そいつね暇なもんで、退屈だったから僕に話しかけるわけ 佐藤:ふはははは 勝文:んでね、君名前は から始まってね、どこから来たの?何すんの?どーすんのー?って。んで僕はえ!?え!?え?とか言ながらね〜えへへへへ はっはっはっは 相手わからないよね。 え!?え!?言い出すんだ で、話してた。ほいでもう1時間くらいは話して、もっと話してたかもしれないね。それで順番が。はい次、君だよ って 佐藤:はははあ 勝文:行ったの んで面接の担当の前に来て、はい井口です と。そしたら彼が聞いたのと同じ!君、名前何 一同大 爆笑 勝文:はっはっはっはっは 面接終わって、君、イタリア語うまいね 言われた 一同大爆笑 佐藤:はははははは さっき 入り口で覚えたばっかりなのに〜 勝文:はっはっはっはっは これツイてるでしょ これが僕の一番のツキ そっから僕の人生はもう ガラッと変る訳ですよ それでイタリア行けたと 佐藤:そうですか。それでイタリアで奥さんと、どこでどう出会っちゃったわけ 何しに行った 結果 奥さん見付かったからいいな〜 (30:04) その13へ |
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