2017年10月03日 松島潤平さんに聞く 港区内の事務所にて |
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8年前の記録 2009年8月9日 松島さんに聞くへ 代々木にて |
01 ■ 三つ子のパパとなり 佐藤:おひさしぶりです 松島:8年ぶりです たぶん 佐藤:松島初建築・キリンの現場でも結婚式でもお会いしてますが、聞き取りは8年ぶりですね。その後、思わぬ展開になってますね 松島:そうですね! 佐藤:半年ほど前に京都で聞き取りしていたら「松島さんのところに三つ子がうまれるんだよ」と聞かされました 松島:先にお聞きになっていたんですか 佐藤:しばらくしたら松島さんFBに三つ子の写真が掲載され、これは建築設計どころではないぞ。おめでとう!!!の三階建!がやって来た〜 (絵:松島潤平さんのFBより ↓) 松島:どこへ行ってもその話ですよ今は。ははは、門脇さんなんかは「これで松島は子育てに目一杯で設計できなくなって、ざまーみろ」と言われましたよ ははははははは ■ 子育て記録係 ほしい! ■ 佐藤:そんな事にはならないよ松島さんは ははははライバルだと思ってたのかな・・・ 松島:そう思っていただけるだけありがたいです。話題はそればっかりですね。 佐藤:子育て奮闘記を書きあげるしかないじゃない。 松島:そうですよねー 佐藤:いよいよ夢の印税生活へ 印税左団扇でバサバサと。 松島:妻のインスタグラムが物凄い人気で! 佐藤:毎日子育ての様子をアップしているの? 松島:毎日じゃないんですけど、見ると1500いいね付いたりするんです 佐藤:建築設計業界を越えて、三つ子をどう育てていくのか?って若い世代に大きな話題を提供しちゃったね 松島:いやいや、日本人口爆上げ隊ですけどね。 佐藤:潤平さんのことだから子育て記録もきちんと作っているだろうし 松島:いやー〜、もうちょっとちゃんとした形でやりたいですけどね、 佐藤:雑誌社と提携して進めたらいいんじゃないの 松島:そういう編集者の方いらっしゃれば・・・。三人一気に生まれて育つと、怒涛のように妊娠期から新生児期が過ぎていっちゃうから。これ記録しないと本当に忘れちゃうなと思って。子供に兄弟がいると子育て体験をトレースするから、何か記憶が残るのかなーと思ったんですけど。一気に三人なんで、ちゃんと記録しないと。 佐藤:傍に記録係が要る感じだよね。おせっかいしてくれる人が現れるといいね 松島:こればっかいりは自分で記録した方がいいんでしょうね ■三つ子だ!!!って いつ分かったの 佐藤:三つ子が生まれるってすぐ判ったんですか 松島:本当に、すぐわかったんです。初回検診に行ったら、医者が変な声だして「あ!」とか ははははは それはネガティブに受け取ってしまうじゃないですか。そしたら「三人いますね」でも、ちょっと現実感なかったです。今でも夢だと思ってますけど ふふふふ 佐藤:三人一緒に生まれてくるのかよ〜!?って思うよね 松島:そうなんですよ、だから怖くって。三つ子妊娠したって言えなかった。三が二になるかもしれないし。一になるかもしんないし。そういうリスクが高かったので。本当に身近な人にしか言わずに。ちゃんと生まれるまでは慎重に情報を統制しないとねって話合ったんです 佐藤:そうだよね。信じられない、今でも夢の中〜 松島:今でも夢の中だと思ってます ははははは 佐藤:子供は一日でも早く欲しいと思ってたんですよね 松島:もちろん、もちろん。三人産むって下手すると10年掛かるじゃないですか。一気に済んでよかったなと、もうこれで死んでもいいなと はははは役割を一応果たしたと思った 佐藤:俺も。子供が三人成人したとき 「俺はもう死んでもいいぞ、動物として役割終わったなと」思ったね。松島さんは子供を育てからじゃないと言えないよ 松島:もちろんもちろん。 あとね家の親が70歳超えてだいぶ老けてきているんですよね。そこで孫が出来ると、ちょっと生命力がアップするわけですよ。子供と親の両方に生命力を与えていく繋ぎになるんだ!と。 うちの両親なり妻の両親なりの反応を見ると「本当によかったな」と思いますよね。 佐藤:自分だけじゃ、やっぱり実感が湧かないよね。周りの反応大切 ふふふ 松島:人を通じないと分からない。うーん。 ■ 三人の子育てって目がまわりそじゃん 佐藤:三人いっぺんに抱っこしたり頬ずりするってできないよね。 松島:そうなんですよ。親の手から一人余るって、けっこう大変、なかなか難しいですよ 佐藤:俺も真ん中が娘で、三人いるんだけど、同時に育てる事ってイメージできないのね。 松島:でも効率的な部分もあるんですよ。三人いっぺんに育てるって 佐藤:そうかね。子供の下着とか見に回りの品々・色々いっぺんに要るじゃない。我が家は順次お下がりで育てたけど。三人に同じもの着せようと思うと買えそろえたり、一緒に離乳食あげたり、風呂れたり、思っただけでも目が回りそうだよ、想像しただけでグラグラするよ 松島:周囲の友達もみんな出産ブームで、本当に日本の少子化って信じられないんです。そういうお下がりが山のように家に集まってくるんですよ。 佐藤:それはいいねー 松島:すぐサイズオーバーしちゃって、使える期間すくないじゃないですか。でも捨てるのは忍びないって。いい送り先が見つかった〜ということで、どんどんと来る。涎掛けとか何百枚あるんだ感じではははは。ありがたいです。けっこうそういう意味では、周りがみんな活性化しているって気がしますけどね。 佐藤:とはいえ、物は集まるとしても、世話を手伝ってくれる人がいないと、子育て生活が成りたたないですよね 松島:そうなんですよ。それもねーミラクルが起きて〜。何の奇跡か、妻の両親が大阪なんですけど。4月から東京に転勤になったんですよ。超〜偶然!で徒歩3分ぐらいの所に住んでもらって。おばあちゃんというか妻のお母さんが我が家に出勤するかのように毎日来てくれて、今日もこれから、いらっしゃると思うんですけど。 佐藤:いいなや〜〜結婚式の時にお会いしたけど。奥さんのお父さんって松村先生のお友達 松島:松村秀一先生の親友です。機械工学ですけどね。灘高校出身で、その頃から松村先生と親友です。建築の仲間じゃないんですけどね。 佐藤:らっきーなんだけど、血縁関係支援で、子育てはよかったのかなー、旧来あった子孫育てモデルでよかのかなー。現在の地縁血縁が薄れていく社会にそう子供を育てる他のモデルも野次馬としては あってほしいんだけど 松島:もちろん他者の支援もあります。港区はすごいんで!港区の子育てヘルパーさんが1年何百時間って決まっているんです。そういう人を、効率よく呼ぶための設計は済ましてあって。週に何回、この日に呼んで。で、家事を手伝ってもらんですね。子供の世話じゃなくって、ご飯を作ってくれたりとか、家事のヘルプをしてもらうのは毎週2、3日やってもらってるんです。 ■ 睡眠不足になるよね 佐藤:家事ヘルプあり、それもいいなや〜〜。赤ちゃんは言葉を持ってないので夜中にお腹空かすと泣いて要求するじゃない。自分の生きる環境を快適に整えて欲しいときも同じだけど。三つ子だとバラバラに幾つも要求が発つと、それを世話する親は睡眠不足になると思うんですが。寝る時間はどうやって確保しているの。何しろ一人っ子の3倍泣くよね 松島:でもねー、三人同時ってあんまりないんですよ不思議と。連動しないんです。これは本当に不思議で。隣でぎゃんぎゃん泣いてても平気な顔して寝ているんですよ。泣く時間は近いんですけど。最近は結構寝てくれるようになりました。4,5ヶ月目ぐらいまでは、3時間おきに授乳しないといけないから、初期は大変でしたよ。毎日交代・交代で、当番決めてちゃんと寝る人を一日交替でやって。僕はその日は3時間毎に起きて 授乳! ■仕事はどうやって こなしているの 佐藤:そういう中で建築の仕事をどうやってこなしているんだろうと。やっぱり野次馬は聞きたくなるよ 松島:最初は本当に寝不足でしたね。 佐藤:寝不足って・・・結婚式の前の日に「生い立ち紹介ビデオ」を徹夜で作ったお二人だから、でもね一日ぐらい若いから寝なくっては、いいとはいえ子育ては毎日だよ、寝不足になるからなあ〜 松島:はははは、そうなんですよ、1日おきに寝る。でもねー1日ゆっくり寝れるって凄くメンタル的に楽で、妻もそれでずいぶん助かったと思うので 佐藤:若い二人なら、1日は48時間であると考えれば対応可能かもしれないけど、仕事が重ると辛いようにも思います。奥様は仕事に再度就いたのですか 松島:今は育児休暇中ですね、一応復帰予定ですけど。3月生まれなんですけど、次の3月から保育園に入れて。年度末まで育休ですね。 佐藤:それは凄いね、「三つ子のパパ・ママ仕事しつつ子育て奮闘記」、建築作る物語より、その話のほうが日本の若い人のためには影響を与える大変重要な話なんじゃないですかね。 松島:確かに制度的な話とか社会的な話とか福祉的な話とかは・・ 佐藤:子育て問題よりも、団塊世代が75歳迎える2025年があり高齢者対策が目立って語られているが、若い人だと学費ローン背負って世に出ちゃたよ〜問題など語られている中に、松島夫妻三つ子を育てる奮闘記は要る要る。 仕事がじゃんじゃん来ちゃって、財布もハッピー建築家物語では、現在の子育て問題を顕在化させ共有されるべき問題解決にはならないような気がする 松島:建築仕事はなかなかねー、年金とかいう話ではなくって自分で積み立てて、そういうタイミングで貯まったものが使える 佐藤:三つ子一気に離れ離れの大学に入り博士を目指すとなると、えらいことになるなー、潤平パパにも最低でも学費無料化!必要だ、これは普遍的に無償化は要る ふたりで はははははは 松島:学資保険的なものはやらざるを得ないですね、20年先の時代にはどうなっているか分からないです、そしたらお金が余ればギターでも買って笑て暮らそうと思いますけど はははは、まずは目の前の飯を食わねばならんので。 佐藤:ご夫妻のご両親は元気そうに見えましたが 松島:うちの両親は長野県で二人で暮らしているので、例えばどっちかが倒れた時とか本当にどうなっちゃうのと、シビアに 佐藤:老・老介護問題だね 松島:僕の祖母が92歳でこないだ亡くなったんですけど。それこそ老・老介護で、70超えた両親が92歳のおばあちゃんを世話する。そういうのを地元に残してね、こつちはこっちでやっているって、どうなんだろうという気はしてしまいますよ。 佐藤:戦後に、経済成長して手に入れようとして来た核家族で持ち家制度の集合暮らしは破綻しているからね。対策は放置されたままだ。820万戸の空き家の使い方と、孤立し続けてある老人の暮らしをどう支えるか問題は未解決のまま時が過ぎてきているし。血縁・家族で支えようとしても無茶だし、問題はわかっているけど対応できる仕組みがまだできていないの・・でじゃーどうするの問題だ 松島:過渡期なんでしょうね。佐藤さんだってお子さんたちは別々に暮らしていらっしゃるんでしょう 佐藤:一番下の次男は2年ほど前に戻ってきて家から通って働いている。超氷河期と言われた時期に世に出た上二人は仙台とドイツで、それぞれ暮らしているけどね。 松島:戦後目指した社会に歪が起きている気がします 佐藤:個人が生まれてから老人まで、一人でも幸せに生きていける仕組みを作り継続していけるのか。家族を離れて支え合いの領域を作り、その領域を継続して運営し続け、そこに参加する者が支え合え続けられる共助社会になるのか、その問題のような気がします。血縁家族にアウトソーシングして政治は目を向けず自助型を押すのか、尻に火がついてるんだけど その2へ |