HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
伊藤立平さんに聞く 2017年2月01日京都市内にて その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 |
その7 佐藤:目の前の酒で言えば 工業製品である醸造用アルコールたっぷりの安い酒と、極度に精米して手間暇かけてつくりあげる美味しい日本酒と、両極あるんで。地元では知っているけれどもよそにも売るために戦略をたたて媒体を駆使するでしょう。展示会やったり海外に売りに出ていくんじゃないかな 伊藤:ピンポイントで街の中でつくるような濃い関係がですね、SNSとか使ってできるのは凄くいいと思うんですけど。大規模モデルに後戻りするっていうか、広葉樹材を売れ行きがいいので、大量に供給しましょうみたいなモデルだと一瞬で破綻するんですよ。 SNSがより身体化して、身近すぎるものになるほど、より地域みたいな話と世界みたいなのは割と近い関係が。隣近所に木を頼むみたいな感じで 佐藤:新潟県の錦鯉のようなイメージかもね。生産地に行くと世界中の錦鯉好きが買い付けに来ている、あんな感じかな。日本では一般家庭の庭には錦鯉いないけど。世界の大金持ちで少数の鯉好きの家の庭の池には錦鯉が泳いでるようなイメージかもね 伊藤:そうかもしれないですね 佐藤:特殊な広葉樹材があるんだけど、遠い所から家具職人が買い付けに来るってイメージかな。ポピュラーな材になってしまうと供給できなくなってしまうので、閉じてもいないと成り立たないと、微妙ですね。 製材所の将来の運命は置いて、伊藤さん自身はどうなのっていくの?その話に移りましょうよ。伊藤ビジネスモデル創出に話を移しましょよ。あまり考えてないということで今日はいいかな 伊藤:ふふふふ。宿題ということで。 佐藤:一緒に悩んでる 伊藤:不思議な感じ、悩んでいるというか、これからどうしていこうという人と一体化してしまう ふふふふ。一体化してしまいどこからが建築なんだみたいな事思う。けっこう切実なんですよね。 佐藤:相談受けていると自分の仕事を忘れてしまい自分の悩みのようになっていくと。伊藤さんがどうなっていくのかは観察し続けないと分からない、まだ始まったばかりだ。8年前と変わって独立して悩んでいるという現状を記録しておきましょう 伊藤:悩んでますねー。 佐藤:悩みは死ぬまで無くならないので、悩んでください 伊藤:もうちょっと経済的にましになればいいかなー ふふふはははは。遠すぎるんですよ。 佐藤:遠くの人にだけ依頼されているので交通費に食われて飯代なくなちゃいそうだよね 伊藤:でも地元にもいくつかあるんですよ 鎌倉にも 佐藤:大阪からは遠いけど、鎌倉へも高速バスですか 伊藤:新幹線ですね。大阪から福島に行く間が鎌倉。鎌倉から山口に行く途中が大阪とかそういうイメージでいるんです。途中下車みたいな感じです。 佐藤:山口では設計料もらったんでしょう 伊藤:はははは 工事費も上がってしまったなかで、社長さんも苦しかったと思います。 佐藤:道楽と思って活動しているの 伊藤:道楽とは思ってない、とりあえず持続はしたい。お金もらうと義務が発生するじゃないですか。ある時まで本を出さなきゃいけないとか。とりあえずパース3枚つくらなければいけないとか。 お金もらってないうちの方が自由に提案できる 佐藤:さすが芸術家の息子 自由に提案し続けたいんだな 伊藤:その方が楽しいですけどね。 佐藤:自分が楽しいことが優先なんだから道楽っていうんじゃない、ちょうどいい本を持っていた これです。漱石の『私の個人主義』を読んで悩んでください、相手の要求に応えるから対価が支払われるのがお仕事。伊藤さんの場合は相手が要求してないのに考えるので対価が支払われない、それが面白いのどんどん活動しちゃう。で道楽ということにしておきましょう。 伊藤:うちの嫁さんからはチャチャ入れって呼ばれているんですよ。でも求められていないのはあるかも知れません。 佐藤:お金を介さないと良き友達がたいくさんできるよ。自由があれば何かが生まれて来る苗床でもある、それは解る。それを人生の楽しみとして続ければいいんだけど。嫁さんが生活を支えているんだね 伊藤:嫁さんが一心同体で、稼がなきゃいけないんですけど。 佐藤:あらら、嫁さんも巻き込まれているの〜 伊藤:巻き込まれてます。たいへんやばいんです。経済的に 佐藤:経済力が無い男は捨てられるだけだから安心したまえ 伊藤:はははは。そうですね 佐藤:昔も今も日本では女性が男性を選ぶ要点は「金を稼ぐ男」が第一位だよ。結婚しても3組に一組はわかれちゃうんだから、あてにはならない要点だけどね 伊藤:限りなくはいってますね 佐藤:次回 会うときは一人暮らし それもいいなー 伊藤:ありえます。今存続しているのは電車が近いからかも知れません。電車の音で消されて喧嘩がヒートアップしてないからかも知れません。 佐藤:本当は致命的な事を言い合ってるんだけども10分おきに電車の騒音に消されて〜互いの耳に入ってこない!いい環境で暮らしているね 伊藤:ははははは 佐藤:聞かないことはいいことだ〜電車のガード下で暮らすってのもなかなかだね 伊藤:そうですね 新しいモデル 佐藤:危機的関係なんだけど都市の騒音が危機的な関係から救いだすと 新しいコミュニケーションのありかた 危機的になりそうな人はガードの下でくらし 再生したら戻る、都市騒音を時々入れて暮らす新モデルだね 伊藤:なるほど、それを実践していると。 佐藤:面白い暮らし方だね ここでやめようか 伊藤:はははは 佐藤:まだ何か付け加えますか 伊藤:鎌倉でやっている、地元の建築家と一緒に、江ノ電が近くって横須賀線が近くって、モノレールが近いので、それらに囲われた領域を色々やっていきましょう。町を盛り上げていきましょう。 町づくりというか、鉄道の沿線の生活スタイルが社会の変化で変わっているので、これからどういう沿線の環境をつくるかみたいなのを一緒に勉強会、やっていまして。鎌倉藤沢リングプロジェクトという名前で何人かでやっているんです。 プレゼンを頼まれてもいないのに、こういうのやりたいんですよって 湘南モノレールの社長さんが代わられたので、そこにプレゼンに行ったんですよ。そしたらヒットして。湘南モノレールをこれからどうしていくか話をしてたっぽくて、話を聞いてもらえ。プレゼンのチャンスをもらえて。駅舎やってます 佐藤:やるんじゃないか 伊藤:やってますけど お金ではなく。ちっちゃい駅の改修ですよ。スタディーはかなりやりました。 地元でジメジメというかねちねちというか、やり始めています。これを面的に広げる、江ノ電とか横須賀線とかつなげてやっていくみたいなことをやっています モノレールは通勤の足ではあるんでよ。ですけど売りが考えられてないと。無理やり仕事作っている感じ。 佐藤:次回は金持ちになっていてくれるといいかも 伊藤:奥さんがまだ居ることを祈って 佐藤:そうだね縁があるんだからね。今日はありがとうございました 伊藤:ありがとうございました 伊藤さんは大阪から駆けつけ、想定以上に話をし続けるのでありました。ここまでが伊藤さんの近況です、2017年の伊藤立平さんに聞く最後まで読んでいただきありがとうございます 次回聞き取りは2022年です お待ちください |
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