HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
内田康博さんに聞く 2017年1月30・31日 京都市内にて その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 |
その07 音03より 佐藤:新築でも町家の形式で作るの 内田:町家の形を踏襲したいということで出来るだけ。これは事務所ですね。ここ1階に客室 1、2です 土間がずーっとあって。こういう町家は無いですけど。一応土間があって座敷があるかたち。朝ごはんぐらいは出すためのキッチン、お茶ぐらいですかね。 佐藤:布団を敷くのは誰がするんですか 内田:布団は敷いてあげているのかなー 佐藤:だれが泊まるんですか 内田:外国の人が多いみたいです 一泊 1万円ちょっととっているみたいです。ちかごろ旅館は京都で足りないから。本当に色んな人が物件探してますよ。 敷地 191u 久しぶりに確認申請を出しました はははは 大変ですよねふふふ 年に1回ぐらいしか出さないので。泣きながら 旅館の確認申請やったことないから 京町家ふうにして、アルミサッシですけれども格子入れて。 佐藤:2階の手すり付ける つけないは 内田:好みですね。これは無いです 外に出ると危ないから 断熱を入れた普通の木造です、在来で伝統方法ではないです。 吹き抜けのところは昔はひぶくろ って言って ここが昔はおくどさんで火を焚いたので煙と熱があがるので 吹き抜けを火袋っていう 佐藤:金沢にの町家改修でもあった火袋か 佐藤:古建築の部屋名機能名すら分からないですね 俺は 内田:最初はわからないですね だんだんと解る 設備は設備事務所に書いてもらいました 佐藤:金物図はずいぶんちゃんと書いているね 内田:構造図 構造屋さんに言ったらつけてくれる。これは完全に在来工法ですから。 佐藤:これだけ大きな縮尺だとこの金物をこういうふうに使うんだねと大工さんも解りやすいね。 内田:そうですね。地質図は近頃 つけなきゃいけないんです 佐藤:地盤改良工事はほとんどしているんですか 内田:2階建ての木造ぐらいだったら、だいたい京都は大丈夫なんですね そうそうこの前、京都景観賞というのを。改修と新築となりどうしで。桜木町も町並みというので。景観賞の奨励賞というのを。 佐藤:賞状はないんですか 賞状ないと証拠にならないじゃない自分で言っているだけじゃだめだ 内田:あったかなー これが改修前の 3軒並んでいる真ん中の家は壊れている、それを新築しようと。 佐藤:景観を復元したかたちになっているんだね 真ん中が新築だと 賞状をさがしている内田 佐藤:平成27年だから 去年受賞したんだ。賞状受けに行ったですか 内田:これは行きましたね。金一封はなかったですね。賞状だけです。 佐藤:景観賞と京都賞は別ものなんだね 内田:京都賞は建築士会がやっているんですかね景観賞は市が。 佐藤:おめでとうございました どこに行ったかわからないじゃなくって飾っておかなきゃだめじゃない 内田:はははは丸めて置いてありました 佐藤:自称じゃないんだから 内田:そうですね せっかくですからね ちゃんと写真撮っておかないとあかんですね 撮ってあるはずなんですけど 佐藤:商売っ気ないからそこがいいんだけどさー 内田:分かるようにしておかないとあかんですね 内田:建築と関係ないのかも知れないんですけど事務所協会で、京都市で色んな委員会があったりして行ったりするんですけど。近頃は省エネ省エネとか言って。 僕はそんなに省エネする必要ないじゃないと思うと、暖房したらいいと。断熱性能高めるのは省エネのためというよりは材料をたくさん使うわけですよね。高性能住宅を作ると。 高性能住宅はたいへん結構なことだと思いますと。それは省エネのためとは言わない方がいいのではないか。高性能住宅を強制するものでもないですよね。 佐藤:法律で決められちゃったからね 内田:だから出来るだけ、ぎりぎりでいくと、京都市はより省エネをしましょうと。太陽光発電つけましょうと言うんですけど。 佐藤:事務所協会でそれを言ったら しらけるんじゃないの 内田:そう。そうなんです。京都府では再エネコンシェルジュっていうのを今やっているですけど。推進しようとしているんです。 その人に再生エネルギ^−って何ですかと。説明してくださいと。結局太陽電池パネルを載せましょうみいたいなことで。 太陽電池パネルは再生でできるですかと。ちゃんと明示してくださいと。みんなで省エネ省エネっていうけど 寿命はあるし。エネルギーの削減にはならないと思うんです。 太陽電池パネルは必要なことはもちろん分かりますよね。必要な時には必要に応じて使うわなきゃいけない。みんなに無理強いすることではないと。省エネだと言って普及させるのは間違っている。 佐藤:油を輸入してるうから 貿易赤字削減のだめなんだろうけど 内田:そういうことは一方でありますけど太陽電池パネル輸入する方はエネルギー消費量は多い。廃棄処分の問題どうにもならないですね。 佐藤:原発もそうだけど後の事は考えず 音頭をとって楽観的にすすめて後は野となれ山となれ方式だと 問題が起きたらだれも責任はとらないと そういう形に太陽光パネルもなりそうだと 内田:そうですね 佐藤:そういう水を差す質問をしてと 内田:嫌がられて 嫌がらないようにやさしく言うんですけど・・ 佐藤:言い方はやさしいけど発言の内容はキツイと。すこし話題をかえますが 町家再生の設計者の基本姿勢は 内田:建物の設計するのに、元になるものが無いと、考えようが無いんじゃないかなーと。で昔から作られてきた建物にはそれなりの理由があって、言葉では説明が出来なくってもこれが一番落ち着くなと。それが一番いいなとー思って作ってきたものだと思うんですよね。ゼロからもっと素敵なものを作ろうと言っても無理じゃないかと。 佐藤:無意識に続い来てるものを伝統というおうとしていると思います。伝統を無かったことにして、新しいらしいものを作ろうとしても何が新しいんだど分からないと 内田:だから見たことが無いものが新しいんだと思うんですけど。いいものなんだとしたらそれを踏まえて、捨てるんじゃなくって。その次をやっていくと。それでないと詰まらないんじゃないかなーと。 佐藤:大学で歴史を学び渡辺さんの事務所で現代建築をつくり、さらに古建築を直す仕事をして後、そう思うのであって、建築を志す若い人にとっては、全般を学ぶ場所すら無いわけじゃないですか 内田:そうですよね 触れることすらない 佐藤:どうするんですか 内田:それこそ、畳に座ったことがないかも知れない。 佐藤:雑誌めくるだけで知って、 内田:それは空疎ですよね 佐藤:では内田さんとしてはどのようにしようとしているのかを言ってください 内田:その積み重ねの上のその次をやりたいと。 佐藤:新しいと言われるものがあるとすれば 積み重ねの上に見えてきたり実感できるものであって、理屈を重ねひねり出して新しいと言うようなものではないんだと。 いいものだったら続いていって、それが新しく更新されていたことになるだろうと・・そういう姿勢だよね。誰が考え出したかさえ分からないけど続いている。それがどうなってできたかさえ意識もしない技術 これが現代建築だと自信満々のおじさんたちが表れて まあ言わしておくかと 内田:みんな諦めてね ふふふふ 佐藤:みんな聞いているだけで、現代建築が続いていかない 内田:だれもが何を目指しているか分かりませんけど。ものすごく素晴らしいものが考え付いて、設計してですね、ずーっと残るんですかねー。 素晴らしいものというのは皆が真似するべきものなの。でないとおかしいんじゃないかなーと、本当に素晴らしいんだったら。 その08 |
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