HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
内田康博さんに聞く 2017年1月30・31日 京都市内にて その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 その8 |
その03 佐藤:内田さんこれからですね いままで寄り道しすぎてたんじゃない感じだね 内田:町並みを景観どうのってあるじゃないですか 町並みってどう思われます、そんなの無理じゃないかと思ってました 佐藤:景観とかでしょう 観光用ですか 内田:でも整えないとと 佐藤:整えるって 意味が分からないけど 形だとか素材だとか色だとか暮らし方だとかそれらの組みあわせ、それぞれなのか、何のことを言っているかによる んじゃない。定義がないと分からないね 観光用だったり資産価値アップのためか など、テーマパーク化なのかな 内田:どうしらいいのかと。なんのことを言えばも 解らなくって、結果的に好い町だなーととなるには どうしたらいいかという このあたりだとマンションばーっと建って、町家と交互に在るわけですよね。これでいいって言えばいいけど。いいのかなーっと言うといいのかなー ふふふふ もっと、どうにかできないものかなーと 美しかった町並みだったのに。都市が。 佐藤:難しい問だね 人の健全な営みてのが大切なので。昔に戻せっていうのもね、条例がある町なら言えるけど 内田:そういう特別な地域はあるわけですけれど。特別な地域じゃなくって、どんな地域でも用途地域があって高さ制限があって。 京都だとだいたい15mで抑えて。大きな通り沿いは11階建とかあるわけですけど。日本中の普通の町だと11階なんて当たり前だけど。 京都だと高く見える それでも高いなーというので大きな通り沿いは11階で30mかな。 ちょっと入ったら15mで抑える3、4階建ぐらいに、それでも4階建くらい建つから。昔の2階建てと比べたら高い 最終的に5階建てみたいになるのが理想的な町かと。何を求めてるのかと 佐藤:日本は空気で決まる国だと言われていうので空気つくるしかないんじゃないかな 渡辺さんは「新しく作る建築は地底に下げる建築に」って提案もあったけれど現実的ではないし。絶対的たかさね 内田:高さを決めなくなきゃどうにもならない 佐藤:所有地を自由に使って悪いのかって空気もあるし、建築素材も古建築が出来た当時と比べると多種で多様にあるし。地産地消の建築を作ってないし。設計者だって自在に素材を使って設計するし。専門家を縛る空気が文化になってないし。古い形式だからいいよねでは説得できない。 内田:改修なんかしているとついつい、昔のいいよねと。言うわけじゃないですか。そうだなとも思うんですけど。それだけでも通じないかも知れない。 佐藤:町家古くっていいよねだけでなく専門家は別な言葉を作って伝え広める努力を続けないと 伝わらない。気分を言われても「そうだね」ってしか言えない。まだ未来に届く言葉にできてないだろうな 内田:そうですよね、 でも誰かが決めないといけない。どうしたいいんだろうなーと 佐藤:いいじゃないですか、悩んでください。木造建築自在すぎて 作り方も多種多様で 難しいなーと思うよ。学ぶ場も少ないし。木造を設計し続けてきてないし。誰でもどこでも作ることが出来た昔の木造建築の事態は凄くその時代に合理的だったんじゃないかと想像するしかできない 内田:たまたま再生研やっていて、作事組ってのがあって、そこに入れてもらって。そこで棟梁塾ってのが始まるときで。誰かにそういうちゃんと教えないといけないと。設計者なりに。職人さんも、若い大工さんも知らないと。ほかの色々な職人さんも同じで。知っていることをみんな教えるようにしようと。作事組っていう団体に集まったところの職人さんはベテランなわけですよ。 ベテランだけども、古い建物の改修方法とか、いろんなことを知っているけども。それらをまとめて伝える場所は無くって。 自分の工務店の中の大工さんにもちゃんと系統立ててまとめて伝える暇なんか無くって。 そういうのをちゃんとやろうと。で作事組の棟梁塾っていうのを作った。大工さんは むかしからこういうふうにやっていたと。左官屋さんはこういうふうにやっていると。瓦屋さんはこうやっていると。 作事組っていうのは再生研の系列でやっていたんですよ。そこで流れるままにというか。面白そうだなと思いながら。なにか知らないけど「やれ」みたいな感じで。それが一番勉強になった。現場だけちょこちょこって行くっていうだけでは、よく解らなくって。 ある程度まとめて。1時間とか2時間とかでも、まとめて、そういう話を聞くと。ああなるほとと。 佐藤:仕口とか継手のところ見えないし 初めてだったら解体しても解らないじゃない、場所による継手の使い分け方とかも 内田:改修するときに、現物をたまに抜くことがあって。それを観ているうちにだんだん、とだんだん納得していくみたいな。なるほどこんな感じかと。 強い強いと言ったって、弱いところもあるしとか。だんだんわかってた。動くように出来ていると。 佐藤:すこし動くとそこから力が抜け地震力が弱くなるから 内田:そうそう、鳥取あたりの民家だと凄い太い柱で、凄い太い差し鴨居。線が2本入っていると太い柱が割けると。だから二本入れたらだめだと。京都では一本しか入れないと。 固め過ぎたらだめみたいな。逆に風が吹いたら2本ないと倒れるのかも知んないけど。いろいろ事情があって。 そういうのをじわーっと聞いていると、面白いなーと。 京都では京町家を直す仕事はまだあるから。 改修して、どこ直したのか分からない。元の通りになっている。どこ直したんですかって言われるのが快感みたいな。 とも にははははは 元の大工さんの仕事がいいので、直す仕事に自己主張がないのがいい。ふふふ。もとの大工さんがいい、そこがいい。 加嶋 章博先生を待ちながら延々と建築談議がつづいていた 加嶋にも途中から参加いただき 延々と建築談議がつづいていくのであった 翌日10時〜作事組などについて再度聞くことにして 別れた 深夜であった その04へ |
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