2004年3月27日 石川初さんと建築あそび記録 remake版 2021 
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■ 造園


造園てなにかものが作られるときに思わずそこでバランスをとりに行っちゃうみたいな癖があってですね・・都市的なものを作られる時には 非都市的なものをそこに据えることでそこで辻褄を合わせようとする傾向があってですね・

・だからこういうふうに自然と人工をグラデーションで見る習慣を持っているひとが多いわけです。で例えばこっちは時間が短いとか空間が向こうは時間が長いとか・・要するにメンテナンスの度合いが毎日変わるところから、10年に一回きりから50年に一回から・・ほっとくまで・・自分が日常生活している処から一寸先・・ぐらいに 自然のリアリティーみたいなものを感じていて本当にワイルドな処というのは分かんないとかね。
自然といっても ゴキブリとかミミズとかそういうものは勿論自然なんですけど、なんかイヤだ。 会場 爆笑 でどうも そのグラディションで自然と人工を見るみたいなものに・・造園の人見がちな見方というものいに違和感を持っててですね。確かに


 2020年オンライン授業について
石川初+西村佳哲
















2004年 3月 講演中の石川さん




これれ東京都の現況植生図で、都市があってだんだん自然があって だんだん自然が高まっていくみたいなものがあるんですけれども、
 
これは潜在自然植生図というもので、いまの気候で放って置いたら最終的にどういう植生になるかという推測した図面なんです。これは・・ドイツで定立された手法で それを(宮脇あきら)という人が日本に持ち込んで、日本中のこういうものを書いて 日本植生史というのを出して非常に有名になりまして・・批判も色々と多くて推測したものだから、「全然科学的じゃない」とう話もあったりして、これが変に応用されてですね・・これが「人間の手が入らなかったらこういう自然になるはずだ」という「これが正しい自然なんだ」みたいな・・。会場 ふぃう〜これも尺度にして「いまどのぐらい自然が残っているのか」みたいな、自然の評価の指標に使われちゃったりとか・・森林を作るときに「なるべくこの植生に沿ったモノを植えれば本当の自然に近づくんだ」と・・妙な応用のされ方をして凄く批判も多い・・ものなんですけども・・僕が面白いなーと思うのは、例えば埋め立て地とかですね、そういうモノもフラットに扱っていて、かつ色んな処がそれぞれ、場所に応じて色んな植生の層があるとかというような事とか、こういうモノを一回設定して見ることで、今ある色んなことが全部プロセスに見えチャウという・・・今あるものを透かして これが見えてる感じが 僕はする。







■地形に興味が向いている
私たちはどこにいるのか

違和感のある風景

例えば 街に自然が無いということじゃなくて、街の背後に自然のポテンシャルみたいなのがあって、それが何かの拍子に一寸出てきたときに人工のモノとの対比とか、一寸違和感が生まれたりとか、そういう処にむしろ自然が顔を出してくるんじゃないか・・そいうい処を手がかりにしてしか 実は分からないんじゃないかみたいな・・そんな気がしていまして。
  
こういう 想定していなかったモノとか、自然にとってみれば苛酷な環境だし、舗装にとってみてもコレって問題なんだけど、だけどそういうモノがぶつかっている風景みたいなのに、一種の違和感がある風景みたいなのに 凄く引かれてしまいます。

これは何を撮っているかというと、こっちの植物のほうなんですけど・・・会場 笑い
   
街で普通じゃない・・なんか「あれ・・」って思う植物が結構あって、それが非常に僕 気になるんですね。これは商業施設の前では非常に普通日本には生えていない植物がよく使われるという観察をしていて
 
これはラブホテルの入り口なんですね。
 
これはなんだろう・・カフェみたいなものですけど・・わざわざ その辺には無い・・椰子の木が植えてある。
    
イタリアレストランの前にはだいたいオリーブの木が植えてある。

これは六本木ヒルズの近くなんですけど、歩道沿いに、コニファーという針葉樹の色んな種類が・・
 
一つなんかエキゾチックな連中というのは それぞれ出身地があるんですよね
佐藤 笑い 例えばこういうオリーブなんかというのは地中海性気候から来てる。なんとなく地中海性気候の乾燥したカサカサした感じみたいな・・ 、こういうタイバの森林のイメージみたいなものはこういう人達が背負って来るし。アメリカの砂漠から来た連中はアメリカの砂漠を思わせるような様相をしているし。熱帯雨林のジャングルの下生の連中はなんとなく湿っぽい暑苦しいような格好をしているし。南アフリカの砂漠から来た人達というのはこういう南アフリカの・・南アフリカかどうかニワカには分からないですけど、何となく乾燥した処の出身なんだなーと・・ようはそれぞれ自分が生えていた自然の雰囲気みたいなモノを背負ってくる。
よくこういうのがありますけど、これはジャングルの下であんまり日の当たらないところで水際なんかに生えている、日がサンサンと当たる処より屋内の方がいいと。これは南アフリカだったかなー・・そんなようなこと
   

  
これはサボテンが植わっていたところ。もう一つはですね・参照先というか材料を持ってくる先が違うということが・・
   

  

僕らはこういうふうに植木屋さんの圃場から植物を入手してそれで植栽地をつくる。一方で一般の人というのは花屋さんの店先とかから持ってくる。ストックの種類が全然違うんですよね。それが出会ったときに違和感というか「あれ・・」っていう出来るんじゃないかと。
   
 これはイヌツゲ植栽地の中に薔薇が植わってまして、まだ小さいんですけど、これがもう少し大きくなると、ここで薔薇が咲くと 
 
これは植栽地に向日葵でなんか一寸ギャップ・・ が有ったりすると、ここに住んでいる人というのは思わず「あら寂しいはね・・」って何か植えたくなるんですけど、一般の人達というのがアクセスする植物のリソースというのは花屋なんで、造園屋さんが造った植栽知の論理とはまた違うものがここに生まれてくる
   
これはオシロイバナが皐のなかに植わっている。これは調布なんですけども、植栽のなかに向日葵があって・・向日葵がはるかに植栽を凌駕している。これは僕らが仕事で植えたものじゃないと・・。

これなんかは・・一目見て 僕らは爆笑するものなんですけど・・これもこれも同じ種類なんですね・・明らかにこれは低木として使うモノななので、多分こういう風に切ってあったものを、何かの拍子に伸びたヤツを切り損ねたのが、そのまま伸びて行って・・・ 会場 爆笑 ある時期から、ここを管理している人がこいつを育てる・・ 会場 爆笑 下の方で繋がっているんですよね。街路樹と植え込 みみたいなものが・・一人二役をやっているという・・会場 笑い
  
あれ・・」っていう・・なんか変わった風景をした植物が増えてきた・・背景には都心がドンドン暑くなっているというのが大きく関係している。越冬温度といって、植物にはそれぞれ冬「それ以上寒くなると死んじゃうぜ」というのが経験的に分かっている。夏の暑さより冬の 寒さのほうが効くんですね・・冬が暖かければ夏多少涼しくても熱帯植物というのは生活をすることが出来る。

これは世田谷で見付けたんですけど、この普通に生えているんですけど、アボガドの木だったんですよね。
  
コレは2月の末だったかな・一月だったかな ・・真冬だったんですけど・・佃島でこんなに普通に春のように花が咲いている。これはデュラダと言って熱帯植物で普通は外で育ったりしないものななんですが、麻布十番ですかね・・しかも藪の様に大きく・・

これは冬の月島なんですけど。冬の東京なのにブーゲンビリアが咲いている
  
コレは港区でサボテンで・・これ僕なんかは面白がっているからいいんですけどね。

これ屋台椰子っていうやつでもともと耐寒性があるんですけども・・
 
あと何十年かしたら・・これは花屋さんの店先で夏だけこういう様子なんでけど、明治神宮なんかがこういうような種類で覆われて、並木なんかナイチやマンゴーというそういうのが生えるんじゃないかと・・それはそれで楽しみな感じもします。
 
これは月島で最近はアロエが咲くんですよね。アロエって咲くと本〜当にエキゾチックな感じがして日本の風景とは思えない
  
これはアロエで完全に・・元なにが植わっていたか推測できない・会場笑い
  
これは赤坂のあるマンションで、・・スライドこれもそうですね
 
 これは一寸顔をだして可愛かったので
  
アロエみたいによ〜くみると、よ〜〜みるとすご〜く変・・というかエキゾチックな感じがする植物ったのがあって、里芋なんかもよ〜く見ていると、トロピカルな感じがして・・
 
これはびわの木なんですけど、びわだと思ってみていると、そうでもないんですが、よ〜く見てみると、すご−く南洋風な感じがする。ディズニ−ランドとかではホルモン処理して実は生らなくしたびわを ジャングルクル−ズとかにジャングルのようにして使っているんです。そいうふうに使うと日本の在来の植物というのも熱帯という あ 変わった感じ感じがするんですね。

これは芭蕉っていうもので、たまに日本庭園にあったりするんですね。よく見ると熱帯風な感じがしますね。そういうコンテキストでみると・・
  
これ茗荷なんですけども茗荷も非常に・・あと・八手とか・・
変だと思い始めると、なんかいろんなものが変に見える。元々こういう植物というのはジャングルの下の方で余り日の当たらない所に生えているので、日射量が少なくても育つというか、少ない方が元気な種類もあったりするわけです。空調されているので屋内というのは、水さえもらえればボルネオのジャングルと同じような気候を、僕らは空調によって作り出していると言える。
  
れはよく使われるベンジャミンという木なんですけども、ジャカルタなんかに行くともういうふうに巨大な木になっていて、村の木だったりするものが、日本ではこういうふうに、・・・屋内の飾り植物として・・
  
これは香港カポックという風にして流通しているシェフレラという種類なんですが、これも一寸前までは外に出すと枯れるというのが一応常識だったのですけど、最近では平気でこう、外に出して使われている。シェフレラは元々耐寒が有ったらしく・・
  
これはインドゴムの木だな・インドゴムの木も外でよく育っている、最近では時に東京都内では、これはこっちがシェフレラで、こっちがインドゴムの木
これは高田の馬場当たりに有るんですね・・この大きいのがインドゴムの木で、完全に普通の木のような生え方をしている。
 
これはシェフレラで出されたばっかりで耐久テストが始まった。これは3mぐらい。
 

これは凄かった。これシェフレラですけど10mぐらいあって、実まで生っていて普通の木以上に大きく成っていましたが、この足下を見ると鉢が残っている
会場爆笑
実は屋外に置いてあったんだけど、外でサバイバルを開始して、そこから根が出て・・ようするに根付いた・・というのが分かる。実が生って鳥が食べますから、もしかしたら種から発芽して植生が大きく変わっていくかもしれない。
  
これは赤坂で見付けたんですけど、これも捨て鉢君の一つなんですが、「やけに生き生きと生えてるなー」と思って、足下をよく見てみたら、会場 爆笑 な・「水ー・・」 とここへ到達して・だからまだ元気です。ずーとと見守っているんですけど 、コレから伸びる素材です。

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だからこういうふうに自然と人工をグラデーションで見る

これにはちょっと長い解説が必要なので、後日、付け足します。つづく。