2022/10/7〜8日 辻琢磨さんと1泊、2日間すごし語る  @静岡県浜松市 作成:佐藤敏宏
01 「403作品巡り 」
02  奥様のシャアオフィス 
03 辻さんの家で(1) (2) (3) 
   (4 運動会の朝 辻家改修について) 
04 洪水の跡地めぐり〜保育園の運動会


02 奥さまのシェアオフィス 街角製本所@「みかわや」

村上亜沙美さんの仕事場でワイワイ (注:佐藤ひとり語り)
  シェアスペースの名は「みかわや」という
 みかわや・WEBサイトへ FBへ 

佐藤
:ここでしゃべりましょう。
 会場笑
佐藤:住人なわけですよね。(辻のシェアオフィスは別の場所にある)
村上:竹山君!(竹山友陽さんは辻さんと高校同級生)

・・・がやがやワイワイ

佐藤:竹山さんはここで一緒に働いている人ですか?
村上:そうです。いろんな人が集まっています。
佐藤:シェア事務所を見てきているので・・奥さんも本を制作している?

:これを作ってます。

佐藤:「みかわや」の内容と奥さまの製本所の話はZOOMで少し聞き記録してました。(2021年4月12日ZOOM記録)

:ZOOMでやりましたか? 記録は三回ぐらいですか?
佐藤:川勝+辻さんの学会イベント反省会もZOOM記録もつくった。

辻:
そうか。川勝さんとの反省会・・??

佐藤:辻さんも道に迷っていろんな活動しているから記録してる。

 会場大笑い

佐藤:何かするたびに聞いて記録していたかも・・・おまえもういい加減にしろ・・という感じかな?

村上:一回限りじゃなくって、長期的に聞くっていうのは斬新でした。はい。

佐藤:そうですか・・・今年は我が家の外にでて聞き取り活動15年目です。以前は家ができたときから多様なゲスト呼び、1984年から「建築あそび」を開いてました。・・・「ここらで大阪系は聞き取りやめよう・・」と思って今回は気合入れて活動中(笑)活動してきました。大阪聞き取りの最初は15年前で、5回の聞き取り記録を作るつもりで始めたんです。
けど2011年に3・11に遭いまして5回は果たせず・・・大阪はもういいかと。「もう大阪は来ないぞ」と思って行ったら皆から愛されちゃって、来ないって言うわけにもいかないな・・・と。そう思って帰ってきたんです。この場所いい感じだから一緒にしゃべりましょう。

・・みんなで喋り場を作り始める・・



2021年創刊号『みかわや』
浜松市中区尾張町





村上:記録は何かで見ることができるんですか?
辻:佐藤さんのWEBサイトで(笑

佐藤:最近作業が遅くなっているけど。ちょくちょくweb記録はアップしている。アップして23年ちょい。24年かな・・。
村上:編集もされないんですか?
辻:ほとんどベタ起こしの状態でアップ。

佐藤:加筆など編集したかったら、してもらっていいですよ。

村上:ここでやる。
竹山:写真撮りたいからここでやる。
村上:写真撮る?

佐藤:「校正したり、加筆していい」と伝えても多くの人はそれをしないんですよ。
村上:そのままの方が面白いからじゃないですか?
佐藤:「絵つけたり、見出しつけたりして校正してよ・・・」とURL記録を送る。何カ月も放置している人がいる・・・待つの面倒くさいので「校正無しで公開・載せるよ!」と伝えます。今はそうされると思っている人が多いかな。

竹山:いいな・・・俺もそうやって言いたい!

佐藤:あとで問題が発生しても 文責:佐藤・と必ず記述しています。なので「佐藤は耳が遠くなり聞き間違いしてるんだよ・・・」と言っておけばいい、と伝えてもあります。

:大笑い

佐藤:そういうことが起きてから修正するかも
(注:花田達朗先生との聞き取りは全て花田先生が校正している。森純平さんに松戸・パラダイスエアーを聞くなど・・・多数)

俺のWEB録をこっそり見ている若い人は多いんですよ「読んでます・・」と耳打ちで伝えてくる。そういう初対面の若い人は多いですね。

・・とういうことで福島市からやってきました佐藤です・初めまして。

絵:『街角製本所』 2020年9月1日発行より
村上製本発行所 WEBへ
 
 どんな本でも「1冊」から政策を承ります。思い出のフォトブック・自作の製本・芳名帳・エンデングノート、オリジナル手帳やノートブック・作品集など、あなたの大切な本をつくります

 asamimurakami.com


 町角にある「みかわや」全景 絵:WE地図にて
 
村上:よろしくお願いします。
佐藤:ここは、最初の辻さんの仕事ですか・・違う?
辻:これは全然違います。一番最初、ここができる切掛けになったリノベーションスクールというのが浜松のワークショップ。

佐藤:そうか、ここと木口100円の共同店舗名前なんていったか?
辻:みかわや」と「ニューショップ」です。

佐藤:「みかわや」と「ニューショップ」はいいね。
辻:
佐藤:他の店舗は旧来型でしょうがねえ・・・など・・。
辻:げらげら大笑いしている

佐藤:今までの店舗と、質は何も変わらん(気候変動、猛暑に連日襲われる、資本主義に疲れた)21世紀だぜ。

 会場 大笑い

佐藤:どこが新しいんだか?分からない。俺は公共圏(花田達朗先生が日本語つくる)パブリックス・フィアー活動をベースにして生き、活動してきた。公共圏概念は花田先生に会って教えていただきました。先生との出会いで自分の活動の意味やベクトルは整理し易くなりました。そうして自己流無学で生きている人間なんで、失礼な事をたくさん言うのです。

ここの場所は「浜松市的なパブリック・スフィアーが生れる、よいスペースですね。店舗もあるのかな・・皆で共同して運営し場を作っている。根本は、集う人たちの精神の中に公共圏概念がインプットされているんで活動が成立し継続する。そして更新し続け新しくなっていく。

ここには、村上さんの製本所、作家もいて、隣には人が住んでいる。共有する場もみんなで維持している。これが21世紀の日本の暮らし方だと思う。(毎日ではなくっても、公共圏概念にもとづいて、その意識でこの場を定期的に維持運営していることが肝心)

「ニューショップ」では木口1個100円ショップ、小さい公共圏活動をまま実現している。ただ境界がよくわからないし物販の知識が少ないので、将来の展開は少し気になるね。

ここは食堂もあり、子ども食堂なのかな?不明ですが・・多様な活動の場に転用したりして運営している。「ニューショップ」は家賃均等、1小口100円で基本料加算し小さな店舗の集合を同じ場を共有・運営維持していく。それは新しい形での商業経営弱者ための公共圏だと思います。囲い込んで巨大に店舗をつくる形と逆ベクトルの店舗づくりがいい。それぞれの出店者が切実な思いで出店し、売れなかったら明日死んじゃう・・個人の切実さの集合熱は感じられた・・・そう見える店舗づくり。

商売の起源にもどったかのような、それこそが現在的で新しい公共・パブリックだから。といっても行政が係わる、補助金漬け、誘導規制するスタイルの集合ではない自由さが見えました。{ニューショップに浜松市が運営に関わっているのか不明)


子供食堂:失われた30年を経、経済格差が世代に引き継がれることで貧困層が固定化し、子供の食事内容が栄養のバランスを欠くことで心までも不安定化し育つことをこども食堂を開所してすこしでも成長に不可欠な栄養分とカロリー摂取を支援しようとするボランティア活動・・・大人の貧困には年越し派遣村などもある。
北九州における「抱僕」の活動は就職斡旋+居住支援など包括的に行っていることで、行政含め多くの人が注目している。



辻:どら焼き、食べよう。


 
絵:みかわや製本コーナーで集合自撮り写真する (左から、佐藤・辻・竹山・村上)

佐藤
:大阪のお土産です。数が足りないかな・・?
村上:みんなで食べましょうか、食べましょうよ・・。お茶だします。

佐藤:
俺、お茶のみに来たんじゃないから、そういう事しなくて・・・お話しましょう。
辻:コーヒーください。

佐藤:俺はカフェインだめ。
村上:ノー・カフェインありますよ。
佐藤:それだったらいいです。でもお茶なんか飲まずに話している方がいいじゃない。

辻:まあまあいいじゃないですか!
村上:喉が渇いちゃうから。
佐藤:俺に飲ましたいわけね。

竹山:お酒にします。
佐藤:酒!呑むと昨日のように10時間ぐらい喋るからやめておこう。

 会場 笑う

佐藤:お酒は危険だよ。昨日は大阪の柳原照弘さんの事務所に6人集まってもらって、ワイワイ。6時から呑み始めて・・。

辻:何これ、封筒になるんだ!?こう切れば・・・。(製本所の紙を手に取っている辻)

佐藤:はさみで切ると模様がでてくるようになると。俺はどら焼き要らないので、どうぞ皆さん食べてください。村上さん、いなくなったな、俺は村上さんの仕事ぶりを見に来たのに。
辻:ま、今日は家に泊まるから幾らでも時間はあります。

佐藤:今日は「奥さんを幸せにしろ!」と言いにきただけだから・・。結論はそれだけ。

竹山:続けてくださいよ!辻さんは何回目4回目インタビュー、僕はしっかり読んでますよ。
:4回目ぐらいかな・・?
佐藤:記録、目的は辻さんをターゲットにして聞いているのではなくって、時々「学会」とか変なイベントに巻き込まて活動しているから、おかしな事をやっているな?と思って聞いていたの。「辻さんの生い立ち編」はZOOmでしたけど、一度だけ記録しました。

辻:そうですね。(生い立ち語り合いは2021年4月12日)


辻琢磨さんを観察記録すること


佐藤:
だから辻さんの生い立ち語りの一部だけ知っているんです。

辻:仙台日本一展審査員(2018年SDL審査員)と パラレルプロジェクション(2021年・学会活動)と ZOOmで・・・(ワイワイ)。


佐藤:
それも記録し公開している。辻さんは高校で村上龍の本にかぶれて・・

会場大笑い

竹山:いいですね。
佐藤:「教養、無い」と辻さん自分でしゃべっている。
辻:教養ないですよ。
竹山:いいですね!

佐藤:でも建築のことだけはやたらに熱い。これは大学の毒が回っているだけなんだけど。

 会場大笑い

佐藤:あそこの毒は長引き、地方の人によくない。薬じゃないんだもの毒なんだもの・・・俺から見るとね。大学から名誉棄損で訴えられるかな?まいいや。

辻:

村上:これを普通に流すんですね(公開)

・・・塩屋での話をしている佐藤 ・・・

会場 大笑い
 

辻さんが見てきた建築家たちの背中って何よ

佐藤:・・・・脱線したけど、そんなことで塩屋の報告終わり。

辻さんと会ったのは、若い建築家たちのグループの集まりで偶然、会った。イベント会場で、ラウンド・アバウト・ジャーナルというイベントを開催し銀座にある衛生陶器屋さんの展示場内だった。会った時、辻さんは文字起こしやっていた。

辻:
藤村さん。

佐藤:そうそう、建築系のトークショ─をやって、その日のうちに文字起こししてフリーペーパーを発行する。その日のうちに、会場に来た人に配る。
村上:へーえ。

佐藤:若者が建築の社会をよくし、次の何かをつりだしていくだろう・・・という仮定で若者を観察し記録していたら、建築系まわりの社会をさほどよくしていない・・20世紀型の従来の普通の建築家になってしまった。

会場 笑い

文字起こしの裏方をしている辻さん


2008年1月27日の佐藤の日記
絵:ラウンドアバウトジャーナルで配布されたフリーペーパー第一回2008年1月26日銀座にて配布

ゼネコンや衛生陶器メーカーなどの資本に背負われてた建築系メディアが衰退する中、無名の若い建築家たちは自らイベントを企画開催し、そこで語られた内容を当日フリーペーパーで配布する。アクロバット的な技を行使し衆目を集め、自ら建築家と成る、集団セルフ・プロモーションイベントを見せつけた。同時にバブル世代の背中をみていたロスジェネ世代による最後の建築イベントとして記憶されているだろうか。

ほぼ無名の彼らは自身と仲間の名を広めるため、衛生陶器屋さんから支援を獲得しイベントを開き、その場の言葉を当日編集し配布した。

紙媒体をつくりセルフプロモーションすることはコルビュジェ以来続いている建築家の正道行為である。資金と会場を陶器屋さんに頼ってしまった点は衰退した建築メディアに似ていた。一つの大学の卒業生たちが集団でそれを行うのは稀なことだった。卒制延長の無名建築家若者たちのセルフプロモーション活動と捉えておこう。

(東工大卒生が打ったイベント、その後、日本一展などの場が生まれたことで、個々人の建築熱はそれらに吸収されて沈下して動きがないのかもしれない)


あの日2008年から15年過ぎたが次の世代の建築的セルフ・プロモーション活動はまだ佐藤には見えていない。個展を開いたという話はほとんど聞かなくなったので、コスパと言う輩が多いなかにあては個人が社会に自腹を切って何かを行う、そういう動きが生まれ難い社会になったのだろうか?・・・SNS全盛となり建築家の熱も日々大衆熱に消されるなかでセルフ・建築メディアも役立たない、無力と思っているのかもしれない。引き続き観察観察いていたい。




ライブ・ラウンド・アバウト・ジャーナルのあらまし

佐藤:
新しい価値の社会に生きるんじゃなくって、既存の既得権益の社会に登用されたらいいなー・・・。自分たちが見てきた天辺の人に成り代わりたいだけだった。背中を見ている奴らに降壇を願い自分たちの生きる世をつくるのだろうな・・・と思ってみてたら、違った既得権益の椅子を得る行為に見えた。建築は古来金持ちや権力者によってなるのだからが、彼らのセレブ集団の保守的活動で面白かった。

辻:

佐藤:先に走っている、建築・権威者のコピー生きをしちゃうのね、日本では平凡な20世紀建築家は少ししか存在できないんだけど、家庭が裕福な子は挑むわけだ。今はSNSに、WEBに世界中の凄い情報に溢れているのだから、そういう20世紀的建築家の生き方じゃない暮らしを発明できると思っているけど、難しいのかね?

辻さんはロスジェネの下なので、まさかそういう人間には成らないだろう・・・・と思って見ているんです。

村上:定点観測されているんですか?

佐藤:そうです。見ているんです、どうなっていってもいいんですけど。俺、中学で土バイトし始めて建築の現場に立って以来、土方、下請け職人から現場監督、発注者、建築家などを・・・長年、建築人を単に見ているのが好きなんですよ。

辻さんは悩む男なので「凹む・・」とか言ってました。なにに?凹んでんいるの・・・それは分かりません。妻子がいるのに凹んでいる場合ではないだろう!凹み好きやね、辻さん・・・。

 会場 大笑いしている

:竹山さんは高校から知っている。

佐藤:これからは何かする場合は凹んでから始めると凸になるんじゃない。

会場 大笑いしている

辻:たしかに。それはいいかもしれない。
佐藤:凹んだり反省する必要はない、淡々と活動を重ねるだけでいい。

辻:直ぐ反省するんですね

佐藤:
それはよくないね。建築つくりは頼む人があって、おれたちは彼らのお金使って好き勝手に使いきり・・造っているんだから、反省したら地獄だよ。そう演技すべし。

辻:確かに、大笑い。


(絵:自力で空き店舗を再生させている、工事途中)
村上亜沙美さんが主宰する「街角製本所」のある場所は「みかわや」と称し、尾張町にあった空き店舗、三河屋の屋号と建物を受けだそうだ。竹山友陽さん、村上理沙美さん鈴木陽一郎(デザイン担当)さんなど仲間多数で不要な物の片付けから始め、内装工事や什器のセットまでおこない、町の空き家再生にチャレンジし2022年に至っている。街角食堂、街角野菜市、古道具市、家具作り相談所、スポーツメネージメント事務所、みかわやLab、みかわやポットキャストなど多数を運営している、多数の人々が関わり集い暮らしている21世紀日本の地方に相応しいまちづくりの一例と言える。村上さんはその一角に「街角製本所を」もうけ、製本教室などもおこないながら各地に出向き製本の面白さよ技術を伝えてるという。

佐藤:
好き勝手建築を作るぐらいでちょうどいいんだよ、精神のバランスが保たれる。建築家が発注者からありがたくなんて思われてないよ。そう思っているなら建築メディアの演出した毒と嘘に冒されているんだよ。

建築造りで近隣も施工者も含めて建築家の名前なんて覚えていないよ、で、建築関係者は尊敬されてない。これを肝に銘じよう。「設計料までとりやがって・・・」。建築ができ上ると「こんな建築、俺でも考えらえる・・・」そのように発注者は言うし思うよ。

俺は大学で学んでる建築家様とはだいぶ違う世界を見てきた。建築に関して世の評判、依頼する人たちの不安など、建築造りの場と姿を見ている。設計図を抱え占い師に行くのは案外辛いがたびたびあった。で俺は発注者から悪口言われて一人前だと思う、そこが辻さんと俺は違う。
辻さんは紙媒体で広報された尊敬される建築家、学生に憧れられる建築家先生の姿しかみていないのではないのか?そういう人は希にいるのかもしれないが、世間にはほとんどいない、設計図納品業者だよ。間違えてはいけない。

18才でゼネコン設計部に入って、現場監督からもこっぴどく虐められるなど、営業マンは利益ださない設計すると怒鳴り込んでくるなど・・散々・・・ひどい目に遭ってきている。けどそれが面白かった。

それを避けるためには、大学仕込みのプライドを先に凹ませ、社会と組合うことかと。制作品ができた瞬間に忘れてしまう。自分のための記録だけ残しておくこと。「金はなんぼでもだす、世界一美しい建築つくれ!」と言われたら、ぼんくら建築家には創れやしないぜ。

辻:・・・・大笑いしている。

佐藤:建築仕事で凹む必要はない。設計仕事が来なくなるだけ! 俺は今日、何をしにここに来たのか忘れちゃった・・・・・??

辻:家にきてもらって一泊する・・。

佐藤:そうだ、そうだ、辻さんの家に泊めてもらって、辻さんが生きている浜松はどういう場か?体感するんだった。まさかこのように、高校同級生である竹山さんにお会いできるとは思っていませんでした。奥さんには会えるだろうなとは思っていました。

もしかすると奥さんと別居中だったりするかも知れない・・、追い出されているかも?聞き取りしていると奥さんに追い出されている男、いるんですよ。

・・・事例を挙げている佐藤・・・・。

村上:いい奥さんじゃないですか!

佐藤:そうなの、奥さんの存在大きい。分かれて都合のいい女性に、抱きつく建築家野郎も多いかな・・・?辻さんの奥さんは優しそうだから、辻さんは幸せになれるよ。設計やりたくないときはここに来て製本所、現場の掃除だよ。

辻:大笑いしている。

村上:この前かちょっと前か、佐藤さんに会ったときかな。オンラインのインタビューかな・・・何か悩んでいる時があるのか?悩んでいるのか分からないけど。そしたら「奥さんの製本の手伝いでもしろ!って言われたんだよね」と言って、それで軽くなって、そんな感じがしたから。

佐藤:
その通りだよ。ここに来て掃除すれば辻的悩みは蒸発するよ。誰かが編集した建築の二次情報に埋もれていず、この場を掃除したり、家で草むしりながら子育てしたりするほうがいいよ。そうすると今、造らなければならない建築がこの床から浮かんで出てくるよ。雑誌は辻さんには関係無い別世界を読むことになる。だから凹んだり混乱するんだよ。有名建築家?を媒体が演出しつづける、建築的有名資本主義に巻き込まれ利用され疲弊するだけだよ。

辻:そうですね。

佐藤:浜松市で淡々と日常を生きる人が、50年ぐらい先にも生きている建築をつくるんだから。今販売されてる過去建築の暮らし方、そういう建築情報知って作っても役に立たないですよ。

ここもそうだけど、それぞれの人が独立して生きる場を継続させ、人の自由とその活動と行為を保証する場づくりがいい。あっちで食堂やったり、別々な仕事をしているが、集まって場を共有しながら負担を減らし生きる。新しい暮らし方を発明したり手がかりを床の中から見つけていくわけですよ。

雑誌などの教科書にはない個人の暮らしの中に、言葉の中に発明のヒントがある。凹まずここに戻って掃除している。

公共系の言葉は誰でも彼でもひっくるめて好いことしようとするから、ろくな場しかできない、普遍的であるがどこにも無い(笑)行政から生活のしかたを示されても面白くないし、遊びもないんですよ。答えがあるかのように上から目線で誘導してやったふりしている輩に騙されるな!

自分の暮らしのベースは何か・・・それを考えて活動する人も少ない。家成さんは、この場の人と、人のように集い生きているし、そこには切実さもあり、その場所で考え合っているので、周りのみなを元気にしちゃっている。

で頭で考えてもできないので、まずは奥さんの製本を手伝え!というわけです。

辻:そんな大きいことは僕もできないですね。


村上さんの仕事ぶり@街角製本所 村上さんは古い空き家の記憶を自分が育った家の記憶と縫い合わせるかのようにし製本所を運営し始めたことが分る小冊子『街角製本所』を2020年9月1日、初版50部を刊行している。


佐藤:専門に仕事を持っている人を1年間でも手伝っていると今、ここで、やらなければいけないことが分る。それは当たり前のことで雑誌の中に答えがあるなんて思うのは大学・病だよ。

目の前の暮らしの中にしか辻さんに必要な答えはない。ここにしかない。こういう場から次の建築が生まれるよ。次の暮らし方というか・・・一人一人自立している、しようとしている。お金は無いから一緒にシェアして、これが10階建、2階建、横倒しでもいいんだけど、その方が楽しい、遊べる暮らしかたじゃよ。

巨大なビル造ってもシステム人=機械みたいな人が労働するために使っている(資本主義に使われている)機械化(フォーディズムに冒されたような)された人間。そこに吸い込まれるのは人ではない経済のシステムそのものだね、リクルートスーツを身にまとう学生さんが溢れている。

辻:ここは建築家があんまり係わっていないから・・・いいのかもしれない。

佐藤:建築家なんてやめてしまえと最初から言っているじゃないかい。

 会場 大笑い

佐藤:大学でお勉強したなんていう過去は棄ててしまうのがいいよ。建築家ってろくでもない20世紀型・オヤジ脳をもち夫婦関係を持っている野郎が多い。俺の上の世代の、偉い建築家先生たちはセクハラパワハラアカハラ全部やってきているんじゃない。そういう人間に21世紀のに生きる若い家族持ちは憧れてはいけません!

辻:尊敬はしてますね。

佐藤:そういう奴は奥さんの尻に敷かれてぺちゃんこになってから建築つくればいいんだ。
辻:大笑いしている

佐藤:
尻に敷かれ続けると想像力膨らんで誰も考えないような建築思いつくこと間違いなし。

辻:なるほど。

佐藤:大学の先生や助教に凹まされて、最低の「どん底野郎ども」と言われたらしいんだけど、そこで凹んではだめなんだよ。こいつら学生から学費巻き上げて生きている糞野郎だと思って凹まない。現代は何か悩んでいる人多いのかな・・大学のことはさほど分からないよ、若い建築人をこき使ったり凹ませるなんて建築界の大損失だよ。・・・・賞の話をしている・・・・
 会場大笑い

辻:もらった気はあまりしてないです。
佐藤:辻さんは雑誌がつくりだす建築的有名資主義の悪循環に巻き込まれてしまった。

辻:いいじゃないですか!

佐藤:俺だけだね、こんな酷い言い方するのは・・・・失礼なお爺さんだよ。

辻:大笑いしている。別に失礼だと思ってない。


アニメ 就活狂騒曲2013年公開










佐藤:
建築系媒体のつくる幻想の事実を言っているだけだ。ニュー・ショップのように作り直せばいいだけ。

竹山:100均(家賃)

佐藤:あの店舗の在り方はいいと思った。作っている人の顔も売っている人の顔も見えない有名ブランド品並んでない。10p角100円均の家賃。無名性というのかそれもいい。建築家はすぐ雑誌に顔をだして俺がやったと他人の稼いだ金を使いので日頃の劣等感を晴らそうとするが、ニューショップにはそういう情報が現れていない。太陽の塔みたいに一つの商品に多数の顔が付いてないと安心できない社会が続いたのだから、方々に良いかを見せるのは芸人がする芸だ。

法隆寺や東大寺に行っても、造った人だれだ?なんて世界中からやってきてる観光客は誰も気にしてないよ。重源が再興したなんていうのは、重源の人生も少しの人しか知らない。

辻:それはそう思います。

佐藤:圧倒的な物の力があればいい。建築家きりの気にされていると思いこませるための情報を加工して売っている奴がいるんだよね。有名建築家とツアーも仕込まれてので単独旅行がおすすめだね、で、建築は人間の暮らしの背景でいいんだ。造った人が誰か?・・・なんてことは建築を使う人にはどうでもいいことだ。でもキチンとつくるのがいい。雑誌に載らず自分で発信したり本を刊行した方がいい。媒体や建築普及活動している輩に近づくと呼びつけられてタダ働きさせられて忙しくなるだけだよ。日当も原稿料も払わないでしょう、知らんけど。

そういう雑用するんだったら息子の運動会のお手伝い、してるのがいい。雑用せず生活せよ!

辻:
明日、運動会に行きましょう!

佐藤:行きます。辻さんの暮らしぶりを観にきて体験しにきたんだから。「家族との生活を大切にしろ」と言って歩き回って(笑)

安倍総理は手製の銃で仲間から撃たれ亡くなった。米国隷属てき追従と宗教団体の手先国家日本・・・暴かれてしまった。戦後日本の実像が明かされてしまった。
もう、身近な人と共に自分たちで暮らしをつくり始めるしかないよ。政府は私物化されているので、ぼんやりしていると戦争に巻き込まれて死ぬよ、殺されるよ。ここからが始まりだよ。政治家とか建築媒体が何か教えてくれるなんて思うのは間違い。

ここは奥さんが(村上)製本所を作って、凹むやつと結婚して面倒見ているのか?建築家なんてよくない野郎だとは思わなかったですか?村上さんは建築好きなのかな・・。

 会場 大笑い



家賃は1個口100円+維持費
多数の店(25店舗が同じ場所にある。
辻:職業がですか?

佐藤:辻さんはいいやつなんだけど、日本の自称建築家ってよくない奴多いですよ。大学で毒盛られ20年近く痺れちゃってる辻さんだ・・・。
村上:痺れがまだ続いている。

佐藤:俺が浜松に来てこれだけ言っていれば、痺れはもう少しで切れますよ
村上:1週間ぐらい居て欲しいです

辻:笑う

佐藤:1週間いてもいいけど。聞いてきた中身を文字起こしするよ。

辻:我が家でやってもらっても問題ないです。

佐藤:浜松を体験しながら文字起こしするのもいいな。最近は1日45分しか文字にしないことにしているんですよ。以前は1.5〜2時間ぐらい文字にしていたんだけど。聞き取りに来る前に「どういう場所か・どういう人たちと暮らしているのか」など準備したりして、聞くじゃないですか。聞いている場でもまとめ方を考えて話していた。家に帰って「しまったここはもっと毒づいておけばよかった」と失敗したな・・・。

村上:反省するんですか?

佐藤:反省する。その時は加筆したりして誤魔化す。加筆するとメリハリがでるんですよ。相手が浮かび上がるように加筆するのがいい。応答が浮かびあがるように立体的化できるといい。読む人がいるか?そこは興味がないし調べたことはない。メリハリある方が俺には読みやすい。20年前、今は東大で先生やっているアホに「佐藤さんの活動はコスパ悪い」と言われた(笑)

村上:佐藤さんのいままでのインタビュー、読ませてもらって・・・竹山君もそうかもしれないけど「面白いよね」と言っていて。面白さの意味が分かった、凸凹しているんですよ。インタビューってだいたいスルーっと読めて、どんな人かな?・・が分るけど。逆に聞き手のパーソナリティーが出てくるんで、どっちに集中していいのか分からない。

佐藤:ほとんど広報だから、すーっと読めるように加工する。本当は俺が言いたいことを彼に言わせる。

 会場 爆笑

 
絵「みかわや」さんWEBより。
左:村上さんが主宰する「街角製本」右:食堂

辻:佐藤さん側の発言はけっこう編集していますよね。
佐藤:加筆修正してる。
:こっちは生で喋っている。
佐藤:主役は生で俺は脇役。生が浮かび上がるようにしている。

会場 笑い

:それでかなり研ぎ澄ましていますよね。質問で。

佐藤:間違いはそのままのことも多い。WEB記録は誰が見ても間違いがあるのが楽しいじゃないですか?ベクトルは間違えてないか?要注意だ。字が一個や二個、間違えてもいいい。

:間違えているのもバグっちゃって・・・いいやとなるんですよね。だいじょうぶ。これで出してくださいと。

会場 笑い。

辻:もう駄目だ!これはと思って。

村上:今日はお会いできてよかったです!

佐藤:どうもありがとう。他者による二次情報は大方、間違えてたり加工してあるもんだよ・・と伝えたいし。あまり整えないようにしています。俺の記録は売物でない。間違いあるんだぞ・・を・・・共有してから始めるしかないとは思う。

俺20年ぐらいジャーナーナリズム研究(東大新聞研究所所長、早稲田大学ジャーナリズム研究所)している花田達朗先生と友達関係が続いていて。で、いろいろお手伝いしたりしているんです(─現在はWEBの間貸しを受け花田情報を積み重ねている─)

日本のマスメディアは文字の間違いは少ないかもしれないけど、内容は世界ランクで最悪の部類だ。それを何とかしなければと20年ぐらい・・・ずっと共に活動しながら紙媒体やマスコミの問題点を聞いている。新聞や公共放送見ている人は「彼らは正しい、お前は馬鹿だ」と言うだろうね。

20年前に警鐘をならしていたが、今、日本のマスメディアでモロに問題が出て、起きている。新聞とかTVが広告主に依存・配慮して筆を自主規制しているから世の中がおかしく、民主主義のもとでも政治や社会全体が歪んでしまう─民主主義は政治家や金持ちが自在に手を突っ込み危険な使われる方をする─今のようになってしまうんですね。

同様に、建築系雑誌の多くは質の悪い広報誌だったから、へんな建築家ととりまきが蠢くわけです。言論やメディアが不健全だと今日のように社会が歪んでしまう・・・・まじめな辻さんを凹ませるんです、事実です。










2023年から花田達朗先生にWEB間貸しをしている佐藤
建築系・毒が最初から無かった家成さん


辻:そこを経由しないで建築をやっている人は誰がいるんですか。

佐藤:建築雑誌の文章を読めない人がいいね。単にこつこつ仕事している人。居ないと思うでしょう、昔会った家成さんだよ。彼は自分で「馬鹿だ」と言っていたよ。

辻:家成さん最近建築メディア病というか、そっちに評価されていますよね。新建築にも出ているし。

佐藤:新しい仕事をした人は媒体・自分たちが壊されるから、怖いから家成さんを巻き込もうとしているんでしょう、読み手も同じ心境だ。自称・本流建築系の人々が取り込むための手を替え品を変えた、家成懐柔作戦だと思ってました。そのうち彼らは賞を与えるでしょうね。

建築媒体は、主にその関係者は日本のどこにもない建築家幻想で稼いで生きてきた。建築家も演じたし大学の教員もそういうことに加担している。差別意識が助長されきっている。変わった処から出て来た家成さんは建築系の先生ではないけど、家成さんの特異な才能を建築系人々はとりこんでしまい安心したい「家なりおまえも仲間だと・・」。最初に手をだしのは藤村さんだったと思う。そして自分たちの流れに家成さんを整えようとして、主導権争いに家成さんは巻き込まれる。根っこが違うから思ったほどなびかず好き放題するでしょうそれが家成さんだ。

有るの既得権権威者たちは、建築権威を拡張しながら建築の世界を誘導・コントロールしようと、次の若い人を巻き込み取り込む。建築業界なんだから夢意識・有意識でも当然そういう活動する。特に藤村さんは政治的活動をすると宣言していた。それを家成さんは分っていて活動しているから「ほなら、受けて置こうか・・」と遊びながら付き合い楽しんできている、生きてきていると俺は想う。

現実は見てもわからない。映画作って、観客に理解できない演劇を上演してる。アーティストの下請けをやり、「千鳥文化」に住む人々を支援している。ついでに建築にも関わりつくる、俺が知っているだいぶ前から、同じ態度で活動しているだけだ。

建築脳の人々は家成さんのような多様な才能を取り込んで自己化、自分たちの領域を更新しようという態度だと理解してる。自分たちで今世紀に合った建築家像を創りだしたいんだけど西欧建築家の猿真似100年(─速水清考、著『建築家と建築士─法と住宅の百年』参照─)する。家成さんたちは違法のような建築をつくるし、昔からの大阪らしい根性がある不動産屋さんからも評価が高い。

東京系建築家には家成さんのような振る舞いはできない、大阪のような建築・風土がないので家成さん的な誕生は皆無・無理でしょう。

彼は自ら、施工チームを持っている。古来からの建築の作りかただよね。大学の先生や大方の建築家はゼネコンに御すがりするし、施工チームを維持できない。で工事はゼネコン任せだ、ゼネコンの技術の上で建築家遊戯しているように見える。

家成さんなど一部の人は施工チームを持っている、自分たちでつくるなどノウハウを持っている。重源を持ち出すまでもなくそういう姿が建築家の原点。

辻:うん。

佐藤:俺は施工チームを福島で持たなかったけど、ゼネコンの株主にはなって造った。で、株主はゼネコンを動かすことができるよ、持ち株会社だけだけどかなり使い手あった。

俺、18才から10年間ゼネコン育ちだから、裏というかゼネコンの本音を知り尽くしているし、悪い手口もたくさん経験してしまった。で、戦略的に建築株主になってしまった。

会社は株主のものだからね。株主になってしまうとゼネコンは使い易いよ。同時に株主ゼネコンが持つ技術と職人に制約されることも生れる。

佐藤24才のゼネコン設計部での仕事を紹介しよう。(大学にはない放置という教育の場)

左絵:ゼネコンの悪を全て知った場所でもある。

発注者と会社のほとんどの設計部員の関係が悪くなり、ペイペイの佐藤だけが残った。で、24才から28才まで俺一人に仕事が放り投げられた。基本打ち合わせから企画、実施設計など1人で全てこなした。

敷地が2.5haあるので見て歩くだけで1時間以上かかってしまう。図面も描くし許可も一人で提出しつづけ・・・泣けたよ。

千葉県内にある洋菓子工場と各種福利厚生施設を造った。排水処理施設、井戸新設、福利厚生施設、独身寮など一気に設計した。
一人ででかい工場は辛い

50年過ぎた現在も工場は稼働し製品は東京でも販売中だ。
泣きながら1人で開発許可申請工場立地法、建築確認申請、現場監理、発注者との交渉。全て放り投げられ預けられた。でも会社始まって以来の高い利益を上げ、ボーナスは俺だけ人の2倍支給された。生産は50mのラインが4本、マイナス25度の冷凍庫も内包

千葉県土はローム層なので、春秋の嵐で細かい土が舞う。それをふせぐための密閉作法もすさまじい、吸気と排気術は難しかった。

佐藤:家成黒子説に関係するけど建築家界は日本史上も昔から建築家は坊主だったり黒子だ。または土をいじるので賎民扱いされ差別視されて来ていた芸能の民だ。

でそれが嫌なんだろうね日本に実態のない建築家像に隠れたがる、ヨーロッパ並み(そんなのあるか?)の媒体上の建築家像に憧れているんじゃないかな?

で21世紀はつくる時代は終わったのに、まだまだ新しい建築家スターを生み出したい。(速水先生著によると西欧でも建築家の正確な実態は無い・・・そう書いてある)

辻さんも先生になったらスターを求められる。学生集めるために人気タレント・人気者を演ずる、それを大学から強いられ演じるしかなくなる。
長年やっていると自己中毒になる、それが大人の生き方だと勘違いするしかなくなる。

:それはちょっと嫌ですね。

佐藤:大学に行かずに奥さんの製本所ここで庭掃除するほうが建築心には効くよ。

辻:大学はすぐ辞めれないじゃないですが。

子育てあれこれ

佐藤:そうだね・・俺の友達今年大学を辞めたの二人。彼らは辞めて自由の身。50才すぎた「放置してても子供は勝手に育っていくだろう」と1人の先生は語っていた。子供の才能を信じているから決断できる。

自分の子供の才能を信じられない親は、あれこれ指示して五月蠅い。

辻:それだな・・。

佐藤:親二人にぎゃーぎゃー親の価値を押し付け続けると人間じゃなくなってしまうよ。

辻:それだわ。

佐藤:子育ては難しい、いろんな体験させたり、いろんな場所に行って見せたりなどし本ではとらえきれない世界を見せる。親が本気で子供を信頼しないとね。最初に信頼と寛容がないと正常に育たないよ。

辻:それでも子供は悩むしね。

佐藤:子供が悩んだら「その時は俺が助けてやる・・」それだけ言ってればいい。子供の隠れた才能を見つけて支援してやることが親の役割で、価値を押し付けて自分の二世を人造的につくるなんて馬鹿だ。子供は親とは違うそれぞれ違う才能持って生まれてきているから、育てながら観察しつづけないと子供の才能は分からないよ。

この子が夢中でやれることは何か?を見つければそれでいいんじゃない。でも、子供がその事に夢中になることで社会の子供とズレて不幸になるよ。世間から呆れられてしまう。不登校になったりもする。虐めらもする。

そのとき親はどうやって守り育てるか?社会性を持つまで見届け支援してあげる。変な事ずっとやっているとそれで生きていけるようになる。プロになる、ここは微妙なところ(笑)気ちがいと、さほど変わらないからね。人はみな変わっているのが正常だ。自己規制し育てることばかり・・大人はいろいろ言い訳見つては押し付ける。親の思うような子供をそだてようとする。そこがおおいに間違い。我が子を自分に合った機械にしたいのかね。

欲望が次々に湧いてくるから子供だって悩みは尽きない、それを理解してないと親にはなれない。強権を発動する怪獣としか子どもの目には映らない。

子供も壁にも当たるし、変人扱いされるし、こんなに規制が多く蔓延している世でやりたいことやるのは苦しいはずだ。子供の欲望だからいろんな壁に何度も当たる。当たらない子供は天才だと思うほうがいい。子供が欲望を捨てて座禅し始めたら世捨て人だ。そういう生き方もあるけどね。なら、猫とか犬とか何も仕事しないんだけど生きている。あういうふうに成った方がいいと思うよ。

辻:いいよね、羨ましいよね。

佐藤:かれらは口を利かない言葉を発しない音だけ発する。言葉を使わない。生きているだけの生を生きるのは人間には難しい。犬猫は生きる達人だな。

辻:本当にそう思うね。 

佐藤:子供が大きくなるときに悩みを持つのも人間らしいとことだよね。一緒に悩んであげればいいんじゃないの。

:思いますね。

佐藤:たいへんだよ。子供と一緒に悩むの。大きくなると社会との間で悩むことになる、これは相当大変です。辻さんの子供はまだ小さい。でも才能は出てきてるんじゃない。何か夢中になってやる。辻さんは夢中になること無かった感じがする。

辻:あんまり無いです。

佐藤:だから大学に入って毒に冒されて巻き込まれちゃう。

   辻・村上笑う

村上:そうなんですね!

佐藤:自分でやりたいことがある学生は「大学の先生は阿保だ」と思っているじゃないですか。
辻:なかった。

佐藤:義務教育素直に受けちゃう人は大学に行っても毒に染まってしまう。個性を持たせないように長い間・・・教育する。で、会社に入っても使い易い人機械、会社(システム)人間にな.ってもらう・・。

辻:そこは順当に育っちゃったね。

佐藤:だから非常にやばいんですよ。媒体に騙され易い理由はそこだね。俺は小さい時から大人は出鱈目だ、信用するのやめよう・・・と思って生きていた。小学校1年生ぐらいから思っていたよ。

辻:どういう教育でそうなるんですか佐藤さんの親たちは何をやっていたんですか。

佐藤:
両親は時代遅れ(日本政治が捨てた)の農業だ。俺はTVが世の中に普及する、その時に小学校へ入学した。白黒TVだけど。家族が言っていることとTVが言っていることが違うな?・・・と。どっちが正しいのか考える。先生も言っていることが違うな?みんな言うこが違う。

TVで言うことも当たっている場合もあるし間違っている場合もある、教育ではなくTV情報と身の周りの情報を比べてみていたのが大きい(─小学4年生で同級生一同と先生の授業をボイコットし・・・大問題となったこともあった。後にその先生の住宅を設計した─)

辻:本当に村上龍を読むまで気づかなかったですね。

会場 笑い

辻:20才ぐらいまですくすくと育ってましたね。

佐藤:日本マスメディアの流す情報は危ないです。あれは人間によってつくられた二次情報で溢れているから要注意だ。一次情報を自分で集め加工し自分で作って二次情報を流すほうが精神衛生にいいですし、楽しいし。

辻:そうですね。

佐藤:俺は作家じゃないから小説も書けないので、他者の話を聞いて脚色して記録する。

辻:(大笑いしている)、あれそういう事なんだな。

佐藤:詩だったら以前から書けた。詩は聞いたり読んだりしたので面白いね。老人になってきたので文章も書けたらいいね。

辻さんの批評を架空の3人で語り合うような内容はできそうだ。作った記録を売物にしようと思ってない。観察している観察記録をストックしているだけ。辻さんがどういう建築人生を歩むのか、見ているだけ。だから売物にまとめる気が起きない。

家成さんは突然カンパしてくれた。「銀行に振り込みますから・・」と言ってきた。謎。

辻:大笑いしている。

佐藤:なんで金くれるの?若い時に俺にいろいろ作品を見せた、プレゼンさせた。そこであれこれ言って、あれからずっと見ているからかも。それがヒントになっているらしいようだ。「建築やっちゃだめだ」「アートの裏方やれ」と最初から言っていた。そうして生ききたら「千鳥文化」のような次の理想の都市を支援し出現させてしまった。持ち主にも評判がいい(持ち主は千島土地さん)

:フィクサーですね。

佐藤:なんたって、作っている人、使っている人そこで商売している人が幸せが近づけばいい。そういう人間関係が起きればいい。

家成さんたちは設計者でもあるけど前面に出ない、同じ店子に居る。一緒に借りている人々、相手に合わせて素直に活動しているだけだ。建築費の予算も無いのも凄くいいよね。自分たちで身体動かすしかない。奥さまが「アートの批評家で大学の先生やっている」と言っていたな。コワイそうで恐妻家らしい。怒られちゃう尻に敷かれる。

日本は男性社会で世を悪くしてきたから、この仕事場で奥さんの尻に敷かれるのいいんよ。そういう影響があって変わった建築を生み出して来た。これからは磨きがかかる。土井さんという若い後継者がいて家成さんの次を背負うと思う。

辻:土井君か。

佐藤:建築的スターじゃないけど俺が考えている建築家スターになる。重源とかお坊さんが理想としてあるだけの像だけど。重源のような坊さん建築家はいろいろ所有してない、で貴重な建築は残している。何も持たないのが鍵だと思う。

ところが家族、奥さんと子供をもち家土地持っていたら重源的な建築家になれない、現在の世に必要不可欠な建築をつくる建築家にはなれない。資本のための建築家にしかならない。おれはそう思う、だから奥さんを手伝えと言うんだ。

辻:もっちゃっているな・・
佐藤:妻子をもって家・土地もって建築造り続けると何かできるか?俺が見に来るから無理せずやってみたらいい。いろいろと持っていると自我が出過ぎるものだね。

この場所は自我を出せないから、いい感じなわけ。既存の壁もそのまま活かして内装に使っている。それもいい。

俺が今年見たベスト建築と言っているのは東の森純平、西の家成俊勝この二人は今の巨匠だね。森さんはラブホテルを改修してアーテストinレジデンス(AIR)にかえて、町の人たちと協働して外国からも多数のアーティストを滞在させ制作させ続けている。(森さんとの語り合いの記録を読む


絵:ラブホの2部屋をぶち抜き事務室兼制作室になっている
花田達朗、中村睦美、黄色のシャツ背中が森純平さん
 話合っている場の反対側では外国から来た作家が制作している下図絵参照



辻:松戸だっけ。

佐藤:JR松戸駅のそば。パチンコ屋の上階、元・ラブホを改修し、現在アーティストinレジデンス。あれは街角製本所さんの内装と同質なんだ。ここが松戸のAIRの機能に欠けているのは制作する場がここしかない。
村上さんが製本しているこの場と松戸の場を比べてると空間構成は同じ。 外国人が多数同時に同居している。制作する作家が混在している。打ち合わせテーブルの他に制作用テーブルがあって・・・・打ち合わせしながら、あるいは飯を喰いながらでも制作現場を見ることができる。そこに制作した作品を展示する。

松戸のAIRの場合は村上さんのように1人じゃなくって、何人もの、世界中の制作者が同時に、ここにいて制作と展示している。ここでもう1人の村上さんが制作していると松戸のAIRと同質になる。



パラダイスAIR元ラブホの内装をまま残し作品がその中に展示されている。


パラダイスAIRが入る建築の外観
下部は元パチンコ屋さん

松戸駅傍にある


「街角製本所」から生れた手づくり本と人形

村上
:いいですね。ここは今日は食堂の日ですけれど金土曜が食堂で、食堂が無い日は・・・。
佐藤:制作したり売ったり、売るだけ?
村上:ここで制作しています。
辻:製本でそっちを使う時がある。

佐藤:村上さん自身が制作しているんじゃなくって教え子が制作しているということですか?
村上:教え子はいないですね。
佐藤:すべて製本スペースになってしまうということですか?
村上:そうです!

佐藤:製本一色にならず、他方で他の制作している方が次の世らしいが、一歩としていいね。

大竹:隣に大学生が三人住んでいるんです。静岡大学へ行っている、その三人の存在がデカくって。「シェアハウスしたい」と言って、たまたま来た。

ここじゃなくって、隣が洋服屋さんだったので「そっちでだったらやっていいよ」と。その3人が住み始めた。その後に僕らがやるみたいな感じだったです。その三人、面白くって今日も一人が今から「レモンサワー屋」を始めるんです。夕方から。

佐藤:
レモンサワー屋を学生が、学費を稼ぐためにやる?
竹山:アルバイトですね。自分で稼いでいる。もう1人も変わっていて彼は今上で陶芸やっています。土いじっている。

佐藤:場を共有して立体的に制作現場があると面白。ところが基準法だと用途区画とかいって業種別に防火区画して区切ったりする。あくまでも住宅をシェアして制作するスタイルだ。

いろいろな職業が混じり合って、暮らしもあって、人生賭けて暮らしている。その人が同時にいれば、これが次の世の姿なんではないか?・・・と、俺は想うんだ。

「千鳥文化」で既に実践している(畑もある)ここも似てるとも言える。今ここには多様に入っていないし、空間が複雑に組み合っていない。千鳥文化は1人1人のスペースが狭く複雑に組み合っている。なにはともあれ多数の人と暮らし、ここはいいね・・・共感が生れればすこしずつ変わるね。

会場 笑い

佐藤:千鳥文化は2階建でも同時に人々が生きて働いている。遠くから眺め内部が見えたとすれば、2023年の人間標本箱のように表れてしまう。21世紀現在のいろいろな暮らしぶり、活動ぶりが見える。モダニズムで作ると銀行の人だけとか、教員だけとか、工員だけとか学生だけとか、均質にしてしまう。コスパ、効率よく・・・という大義名分で戦争してでも儲ける資本主義とくっついて、合わないやつは切り捨てて知らん顔、貧相な場になった。人が生きることがシステム機械に成り下がる・・・非人間を続けるので、心が病む人が多い。

辻:そうだね。


佐藤:1960年代に批判されていたことをまだ続けている。その人らしい暮らし方で、社会参加のありかた、経済活動もあるはずなんだけど。優劣つけたり売上高で競わせたり、そんなことするから、型で押して同じような考えで町をつくるから、人は消費機械になるよね。失敗し続けて更新し続けて生きて行けばいいだけ。失敗無しでうまくやろうなんてのは、むしが良すぎる。明日とか次は生きている人の誰も知らない。

学校での教育も悪いけどアメリカのダニ野郎が日本人を煽っている、CIAのエージェントであった中曽根が始め小泉・竹中改革で日本の中間層は蒸発した。あの新自由主義政治家たちはも悪いですよね。

米国の手先になり金儲けして勝手にふるまえるやつが日本では社会的地位を確保でき、見下す、偉いという単純な価値はよろしくない。1人1人の生が充実することが重要じゃないですか。千鳥文化の人々は儲かってそうにないんだ、けど自分の暮らし方に誇りをもって生きているのが伝わる。

村上:それは同意します。
ガヤガヤわいわい

佐藤:誇りをもって一生懸命に生きている人々。もしかすると1週間分しかたくわえがないのかもしれないけど、今ここに賭ける。生の切実さがあるね。高度にシステム化された世で機械にならないためには、自分が人間性を手に入れる、そこしかチャンスはないんじゃないの?・・・。親が子の人間性を破壊されないよう見守るしかない。危険が襲って来たらその場から逃げる。


■村上さんの活動 浜松市「街角製本所」

村上
:話がかわりますが、この時間帯になると小学生が通。そうすると本を作るの見ていってくれる。

佐藤:扉開けておいて手伝わせればいい。

村上:「なにつくっているの?」と最初の頃・・・言われて「本作っている」と言うと「本って作れるんだ!?」と。

佐藤:窓の中に窓つけて、子供が開けられるようにすれば。そうすると会話できるじゃない。

辻:ここは開けておいたほうがいい。

村上:そうすると子供が見ていってくれる。

佐藤:全部開け放つと寒い?

村上:紙が飛んでしまう。幼稚園もそこにあるので、信号で止まっている幼稚園生が見てる。
佐藤:小さい子どもが作っている人間、大人を見るというのがポイントだね。何かで悩んでいたら、悩んでいる大人の姿を見せるのも同じ生きる教育。

村上:デザインの事務所とか本を作っているのはパソコンでやるなら2階でもいいんですけど、ここに居ると隣が歯医者さんがあって、そこに通ているおばさんが「私も本作れるの?」といって、丁度できた。

佐藤:さすがだ!奥さんの方がやっているね、まちづくりしているね。

辻:そうですよね。最近は・・・町なにも作ってないです。
村上:別のおばさんが普通の叔母ちゃんなんですけど、自分で絵も描いて、オリジナルの本を今まで原画で作っていたんだけど「それをたくさん作って個展で売りたい」と言って。そいういの作って。

佐藤:村上さんの方がまちづくりしているじゃないか!

辻:知ってます(笑)自覚してます。

村上:そしたら「全部売り切れたちゃやったから次、新作を作りたい・・・」と。
佐藤:凄いいね、老人にも生きがいを発見させちゃって次の希望まで与えてしまっているね。元気になるね、制作現場を見せていることが重要なのね。自分にも作れそうだと思わせる。気になる窓が設えてある。

村上:そう。で、お礼にお人形をくれるんです。(笑

佐藤:次々に連鎖反応が起きるんだね。人にやる気を起こさせている。

村上: 製本教室やっているというのもそれがあって・・・(多くの人が本を)自分で作れるようになったらいいかなと。

佐藤:村上さんは人を育てる名人だね。なんで建築系の人は頭でっかちから始めちゃうんだろうね。俺は工業高校卒だから、大学教育されてないので知らん。中学から土方バイトで現場に入っていたし、教育毒が回ってる間はまったく無かった。ゼネコンの設計部に突っ込み、世にある現実の建築と関わった。だから身体の中に最初から建築毒が無かったよ。

自分で設計した家を建て、家族と暮らせば「建築」はそれでお仕舞でいいと思っていた。で、今と違って住宅金融公庫があって金利は5%ほど、銀行は8%ぐらいの金利。
「独立した直後、自分の家を設計し造った・・・これで終わったなと。50歳になったら遊んで暮らそうと思って、そうしたら、いろんな人に出会い「場づくり」さらに興味が湧いて、突然、家人が病になってしまい遊んでいたので病対応の時間をたくさんとることができました。

遊びながら暮らすって難しいですね。周りは皆さん働いている人しか居ないんだもの。

俺は今日は辻さんの建物を見に来たんだけど、こうやって日常も3人で、あるいは仲間で、年に3,4度定期的に話し合ってはどうですか?お互いの話を聞いてみたらいいじゃないですか。


辻:時間がないです。

佐藤:時間が無い、じゃ行きますか。続きは辻さんの家でワイワイしましょう。

・・・急いで辻さんの息子さんを保育園に迎えにでる・・



  03 辻さんの家で(1)へ続く