HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
細尾直久さんに聞く 2017年2月02日京都市内にて その1 その2 その3 その4 その5 その6 その7 |
その3 佐藤:モジリアニは早死にして奥さんが後追い自殺したんじゃなかったかね 細尾:30ぐらいで亡くなってますよね 佐藤:作品の精神性じゃなくって質感が好きだと、質感追及をしてたんだと 細尾:適当に遊んでましたから、僕の担任がね、美術の教師、東京芸大出て間もないぐらいの、30ぐらいの彫刻家の方が来られてて。年も近いから、芸大上がりのアーテストやから他の先生と全然違うんですよ。で、凄い好きになっちゃって影響を受けて、その時初めて美術の面白さがようやく解った。オモロイなーと思った、それが最初でしたね。 船越桂とかの教え子的な感じやから。 佐藤:船越さんの人物みるとどこにも居ない人間だけどアクチャルな病を表現しているように思えてしまいますよね 細尾:します 先生はブロンズとかだったんですけど、今の時代に普遍的な、オーソドックスな作品。今も頑張ってやってらっしゃる。 佐藤:清志郎の僕の好きな先生の世界だね 細尾:あれ聞いて分かるわーと思いましたものね。他の先生にできない話もあるし。 佐藤:兄弟でもないし、おじさんでもない身近な他者が要るんだね。悩み相談に乗ってくれる他者。美術は答えの無い世界だからいいよね 細尾:影響も受けましたし今でも交流してますね。人生に何人か恩師みたいな方いますけど、その内の一人ですから。 佐藤:男子校って女の子を好きになり、無いですか 細尾:おくての子が多かったんですよ。ガリ勉も多かった。はっきりはわかないですけど彼女がいて女の子と遊んでみたいな子はいない。 佐藤:6年間が過ぎいよいよ大学受験だよ 細尾:僕はそこで躓いてました。最初文系でいこうかなーと思ってたんですけど。本も好きですし。美術が大好きやったし、アートも好きやったし、食べることとか、仕事とかだと心もとないなーと。 一方で社会的なことやったり、経済であるとか、世の中のシステムみたいなのには興味があったんですね。どっちもいけるかなーというので建築いこうと思って。苦手な理系に移転したんですよ。 思春期によくあるこじらせる感じで、不良とかではなかったんですけど。ぐたぐた時間過ごしまして。2浪したんですよ まわりがねー京大受ける人が多いですよ。東大、京大、1年目はどうせ落ちるんやったら阪大受けてましたねー。へへへへ。暗黒時代の記憶って飛ぶってほんまやなーと思ってて。覚えてないんですよ。 佐藤:いいねー 細尾:よっぽど暗かったんでしょうね。深刻ではないんですけどモラトリアムの浪費ってやつですよね。絵も描いてなかったですね。今から思うと贅沢病ですけど 鬱ぽかったんですよね。 佐藤:睡眠とれずに病院に行ったとか 細尾:病院には行ってなかったですね。暗かったですね。 佐藤:お祈りもせず 細尾:ははは僕は信者ではないので。逆に今十字架に頭さげられないんですよ。 人が入ってくるとねー支配、被支配の関係になっちゃってるから。それがねー許せないというか、不潔な感じがあって。仕方がないんですけどね。内面に関わることやから。逆にそういう学校へ行ったから思うのかも知れないですね。 無神論ではないですけどね。僕は坂口安吾を読んでますね。大学で安吾に目覚めちゃって「こいつは凄い」と思っちゃって。堕落論ですね。坂口安吾はねエッセイとかの方が好きですね。 佐藤:背景ゴミだらけの写真ありますよね 細尾:無頼って感じのね はははは。 佐藤:まだ大学に入ってないね 細尾:2浪の果てに身を持ち崩して、近畿大学に入ったんですよ。とりあえず大学に入らなきゃとうことで。高校に入りましたと報告へ行ったらねーおめでとうと言われないんですよね。お前もっと勉強せよで終わってまった。ふふふ 学校的には京大何人とか、早稲田何人とかが営業になりますからね。ちゃんと仕事して認められたいものやなーと思いましたけどね。 うだうだした時間が長かったので。 佐藤:近大は偏差値低いのかな 細尾:低いですよ。いいところも一杯あるんですけど。 近畿大学にに入ってカルチャーショックやったですよ。日本は総中流とか言っているから 僕は中高一貫校なんでスポーツ部員でも普通に小説とか読んでいるし。受験勉強もしているから、小林秀雄とか読んでいるし、近畿大へ行ったら全然違った 読んだこともないし、乗りが違うので最初びっくりしちゃって。 京都で「大学」って言ったら京大とか同志社大学とかが大学ですと。大学へ行ったら立て看板がばーんとあってみたいな、何とか反対みたいなやけど。近畿大学は全然違って。 その4へ |
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