耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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    163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日

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○内河証人 もちろんお会いをして話しましたが、私から働きかけたのか、向こうから持ってこられたのかの話は、ちょっと私の記憶の定かではありませんが。

○穀田委員 今、二つ言っているんですね。東海銀行の紹介で一緒に行かれましたね。

○内河証人 はい。そのとおり、参りました。

○穀田委員 これは大事なことでして、あなたの建設のパターンというのは、一つは、セミナーをやる、こういう形で広く顧客を募る、同時に、不動産やその他の状況を知っている銀行を通じてやる。先ほど東海銀行と言いましたが、旧東海銀行の問題です。
 そこで、私は支配人でオーナーの渡辺さんにお会いし、直接話を聞き、資料もいただいてまいりました。
 実は、これは構造設計概要書です。このすぐ最初のページに構造設計概要書、「構造設計者氏名 姉歯秀次」。さらに、いわゆる構造計算書にかかわる利用者証明書、これですね。契約証明書。これにも「契約者氏名 姉歯秀次」。全部書いています。これを改めてこの問題が起きたときに、発覚したときに見た渡辺さんのショックはいかばかりかと私は思うんです。
 そこで、証人は、雑誌「レジャー産業」で、二〇〇〇年七月のインタビュー、構造設計士に通常七十万の坪単価を六十万に下げる工夫を提案してきたと述べています。
 実は、もう一つ資料がありまして、ホテル事業概算計画書、これはあなたが示した増築計画です。これによりますと、やはり建築費については三億三百万、そして延べ床面積は五百二十坪。つまり、これを計算すると、坪単価が五十八万三千六百円で建設することになっている。こういう指導を行っていたことも事実ですね。

○内河証人 そのとおりです。

○穀田委員 この物件を施工したその会社はどこですか。

○内河証人 お持ちのは増築計画だろうと思うんですが……(穀田委員「こっちのはね」と呼ぶ)はい。(穀田委員「もともとのやつ」と呼ぶ)もとの一号館、あれは名古屋の建設業者やったと思います。

○穀田委員 名古屋の工務店で、浅井工務店という名前ですね。

○内河証人 そのとおりです。

○穀田委員 あなたは先ほど来、発注者の意向、発注者の代理ということが基本だ、常にその意向に従い努力をするということを再三申し上げています。
 しかし、この例について言いますと、私、聞いてみますと、オーナーの渡辺さんは地元の工務店に最初お願いした、ところが、総研のあなた、証人の強い指導で、それを申しわけないということで断らざるを得なかったと私に語っています。それは事実ですか。

○内河証人 地元の企業に出したいという話は私の記憶の中にはありません。

○穀田委員 私が聞いてきました。それは二度三度にわたって地元の工務店ということでお話をし、岡崎の工務店のお話もした。ところが、地元ということを余り言われるのでということで、名古屋を持ってきた。これが地元かと思ったということを渡辺さんは証言をしています。
 そこまで実は証人が固執したのは、自分の息のかかった工務店が必要だからです。建坪の単価を、坪単価を六十万以下で実行する工務店でなければならないからです。
 そして、証人が、先ほど述べた雑誌「レジャー産業」で、建築コストを削減するには設計の中でも構造の問題が重要で、建築物の坪単価を安くするには構造設計士に工夫してもらうことだと言っています。
 結局、コストダウンのかぎである構造設計について、皆さん、だれもが注目しているように、あなたはこれほどまでに言っているわけだから、結局、だれが建築士になっているかについて最大の注意を払うのは決定的事柄ではありませんか。そのことに注意を払わなかったというのは解せません。いかがですか。

○内河証人 先ほどから申し上げているように、型枠の工法があります、早い。その工法で六カ月でできるところへ出してもらった方が、六カ月間商売が余計できるというふうな話をしたことはあります。

○穀田委員 それを聞いているのではなくて、あなたがこの構造計画について注意を払うということが、あなたの事業の核心部分なんですよ。息のかかった工務店を使い、そのことを従う人でなければならないから、したがって、その中心部分である構造設計の問題について注意を払わないはずないんですよ。
 午前中の証人尋問で姉歯さんはこう言っています。構造断面が最初から小さく、無理がある、総研、平成ラインのプランはそれがパターン化されている、こう言っているわけです。
 これほどまでに実は、あなたが行っている仕事の関係は、構造設計の問題から先ほど一気通貫という話がありましたけれども、とことんまでここの問題に注意を払って、しかも現場にまで出かけてその問題を注意をしている、これが実態なんです。違いますか。

○内河証人 私は、ホテル指導部の人間が現場へ行って、建築のことをわからぬし、全部ホテル屋さんばかりですから、私はそこまでやっているとは思わないんですが、自分がついていってやってないんで、ちょっと返答に困っております。

○穀田委員 あなたはいつも、自分が行っているか行っていないかという話にすりかえるんです。違うんですよ。総研という会社がぐるみでやっていて、先ほどあったように、一級建築士の四ケ所さんなどを初めとして行っているんですよ。それでできないはずはないということですよ。
 そこで、聞きます。
 平成十六年三月八日、マンションの耐震強度の問題で、関係者が二回目の協議を行っています。総研の四ケ所、平成設計の徳永、姉歯建築士、千葉設計の二人、アトラスの渡辺の各氏です。
 姉歯氏は、単純な計算ミスではなく、低減と語り、意図的な改ざんを行ったと理解してもらったと語っています。そして、渡辺さんは、私のこの間の参考人質疑の中で、構造計算の偽造によって耐震性のない建物ができるとして、その重大性を皆さんに指摘したと言っています。一級建築士である四ケ所さんがその問題をわからないはずが、その重大性がわからなかったとあなたは今でも思っているんですか。しかも、そういう重大性を報告しなかったということは不思議に思いませんか。

○内河証人 ホテルを指導している人間がそんなことができるはずがないんですがね。
 ちょっと、こんなことで聞いてください。うちは、ホテルの指導部と建設業の指導部があるんだ。ホテルをやるときにはホテルの連中だけでやっているんです。四ケ所は建設業指導部ですから、建設業へ指導に行ったときにはそんなことを教えているかもわかりませんが、実態はちょっと、その指導部の違いのために、私はホテル指導部ができるはずがないような話が今聞いたので、頭を悩ませているところなんだと思ってください。

○穀田委員 頭を悩ませているなんという話じゃないんですよ。人の命がかかっている問題を、今ごろになって頭を悩ませているなんということはだめだと言うんですよ。
 大体、そのときにあなたはこう言っているじゃないですか。大変なことになる、使うなということまで指示しているんでしょう。四ケ所さんが、そういうことについて使うなと指示しているんでしょう。その後使っているじゃないですか。そのことについて、報告も受けず、そういうことも聞きもしないシステム、それがあなたの会社だということですよ。まさにそういうものを見逃すシステムだったということですよ。以上じゃないですか。

○内河証人 今おっしゃられたように、四ケ所が一たん、あれは納期もまともにいかないだろうからもうやめさせろというふうなことを言ったというふうなことですが、あくまでも、先ほどの組織でも言われていますが、我々は、そこまで全部変えたのかどうなのかというふうなことは言えるような、そこまでの緊密な会社ではありませんので、断っていたのかどうなのかもわからなかったというふうに私は報告を聞いております。

○穀田委員 そんなあほなことありますかいな。コンサルタントというあなたの業務の中では、建築から開業から、その後の営業まで全部指導すると書いているんですよ。ということは、その間のすべての問題についてあなたが責任を持つということなんですよ。いいですよ。
 そして、じゃ聞きますけれども、まさにマンションやホテルの安全を損なってコンサルタントは成り立たないんですよ。しかも、そういう指摘を受けた後、あなたは、あなた方の会社は、羽村市駅前のSGホテル、さらには奈良市三条本町SGホテル、こういうものを全部やっているんですよ。正す機会はあったということなんですよ。そういうことをしなかった。まさに総研が会社ぐるみでそういう偽造を行ったと断ぜざるを得ない、このことを述べて、終わります。

○林委員長 保坂展人君。

○保坂(展)委員 社民党の保坂展人です。
 先ほどから証人の話を聞いていますと、ホテル事業部の人間がという言葉がたくさん出てきましたが、私も何人かのホテルを建てたオーナーの方のお話を聞きました。証人自身が、事業計画書、市場調査、こういうのを持って実際にホテルのオーナーに後でなった人に説得をして、何度も通って、いわばその物件を建てたということはあるんじゃないですか。

○内河証人 そのとおりでございます。

○保坂(展)委員 もう一度ここで聞きますけれども、あなたは本当に、平成設計やあるいは姉歯建築士の手がけた建造物について、例えば耐震の強度に問題があるんじゃないかとか、あるいは鉄筋が少ないとか、だれかに聞いたことやあるいは報告を受けたこと、本件発覚前ですけれども、ないんですか。もう一度、正直に言ってください。

○内河証人 私は、他の人から注意を受けたり、そういうふうなささやきをもらったことはありませんでした。

○保坂(展)委員 証人は、そうやって一番最初の立ち上げのときだけではなくて、いわばオープンする直前であるとかそういうときにも来て、監督に対して、こんなんじゃだめだと言って大きな声でどなったりしていたというような話も聞いています。
 構造設計を姉歯氏がやっていた。図面を見ればすぐわかるわけです。本当に知らなかったんですか。

○内河証人 ホテルの指導部の人間は、平面だとか立面ぐらいのを持ってきますが、構造計算書はうちのところへは入らないようになっています。だから、我々は構造計算書を見たことがありません。

○保坂(展)委員 先ほども、きょう、この場に出てくるに当たって、本当は社内で、どういう文書がつくられたのか、そして、本当に例えば鉄筋の量だとかそういうことを減らせというようなことの指示をしていたかどうか、本当に点検されましたか。徹底して調査されて出てこられましたか。

○内河証人 弁護士さんを中心にしながら各人から全部聞き取り調査をやってもらって、社外の方に入ってもらってそれをやるということを行ってまいりました。

○保坂(展)委員 このコンサルタント料なんですが、例えば十階建てのホテルを建てるに当たって、これが百二十室規模、三千五百万円とかなり大きな金額ですね。この三千五百万円の中で、これを三度に分けて支払う。そしてその中には、最初のプランニングの段階だけではなくて、設計仕様の指導、工事施工の助言、指導、こういう内容が入っているんじゃないですか。

○内河証人 ただ表面だけで高いと言われたら、それは考え方の違いやろうと思います。
 例えば、海外からの資材を入れたり、海外からの工法を入れたり、それらの調査に大変かかるものだと思っています。(保坂(展)委員「答えてください」と呼ぶ)はい。(保坂(展)委員「工事に対して、発注していたかどうか」と呼ぶ)工事に対して……(保坂(展)委員「工事に対する助言、指導ですね」と呼ぶ)はい。
 まず、例えば、それぞれの部屋の中で、ベッドを置いて、照明をどういうふうにするとか、暖冷房をどうするとかいうホテルの使い勝手の方は指導いたしますが。

○保坂(展)委員 先ほど来出ているインタビューでも、これまでたくさん仕事を手がけてきましたけれども、セメントや鉄筋や鉄骨の量など、どのような構造がなぜ安く上がるのかを計算しました、こう言っているじゃないですか。私がこの建物を、鉄筋幾ら、型枠幾ら、コンクリが幾らというところまで計算して指示をしますと言っているじゃないですか。これは、じゃ、こっちのインタビューの方が違うの。これ、はっきり言ってください。

○内河証人 設計屋さん……(保坂(展)委員「私がと言っているじゃないですか、ここでは」と呼ぶ)私が設計屋さん及び施工会社に直接それを言うことは絶対ありません。(発言する者あり)ちょっと待ってくださいね。だけど、私は、うちのメンバーによく、高くなるからやってくれよ、一々私がその各社と全部やるわけではありませんので、うちのメンバーには指示をすることはあります。

○保坂(展)委員 本日たびたび問題になったこのメモですね。これはセミナーで配られたのかよくわかりませんけれども、ここにはやはり、設計を見てこれを構造上問題があるとすぐ見て手を打っていれば安く、下げられたのにと、こう書いてあります。
 それで、これらのメモですね。証人がセミナーで配付されたり、先ほどビデオをお出ししましょうという話ありましたね。そうしたら、セミナーのビデオやあるいはテープ、記録もあると思います、会社に当然、コンサルタント業ですから。そういうものを、いいですか、この際、当委員会にきちっと出してください。

○内河証人 セミナーのビデオはありません。先ほど言ったのは、その早くできる工法のビデオがあるということです。そして、減らせられるんだ言ったけど、ここに書いてあるのは、もし減っていたらといって書いてあるんです。

○保坂(展)委員 そうじゃなくて、大変なお金を、コンサルタント料を取って、セミナーを開いて、こうやってコストダウンできますということをやっているわけじゃないですか。全国を飛び回っているわけでしょう。海外にも行っているわけですよね。そういうコンサルタントとしての自分の主張ですね、見方、まさに総研とはこうだと、考え方だというものがあるでしょうと、これを出してくださいという要求です。
 さらに一点だけ聞きますけれども、海外にもたびたび出張されたと聞いておりますけれども、いろいろな備品の調達ということもあったでしょう。ただ、海外の事業者に対してコンサルタントをして建物を建てたということはあるんですか。

○内河証人 海外でのホテルを建てたりとかいうふうな、建物を建てたりということは一切ありません。

○保坂(展)委員 それでは、先ほどの資料ですね。ビデオがないならテープでもいいです、あるいは書いたメモでもいいです。こういったメモは最近つくられたかと思いますけれども、もっと、ここ例えば三年間やってきたメモをしっかり提出していただけますか。

○内河証人 ええ、もちろん提出をさせていただきます。

○保坂(展)委員 コンサルタントというのは、顧客の立場に立って、そして、ホテルをつくるということは、それを利用するあらゆる人の立場に立っていいものをつくるという仕事ですね。ところが、私、聞いた方は、もうはっきり言ってだまされたと怒っていらっしゃいます。当然ですね。建ち上がったホテルにはもう客も入れない、これをどうやって補修すればいいのか何ら具体的な指示もない、こういうふうに聞きます。
 コンサルタントというのは、立ち上げ、そして、でき上がったらお金をもらうけれども、じゃ、これだけの欠陥ホテルをつくった、このことに対する責任、これをどういうふうにとるつもりですか。

○内河証人 今のところ、どこまでいわゆる補修をしなけりゃならないのかというふうなことを、今、調査をするべく努力をしている最中です。そして、その結果がわかれば、最大限、我々としても、それらが早く動くように努力をしてみたいと思っております。

○保坂(展)委員 証人は、公開の席で、私は三十億、あるいは三十五億ですかね、そのくらいのお金は持っているんだ、こういうふうに聞いたという方がいる。本当ですか。もし持っているんだったら、その私財を被害を受けた人にしっかり使うという覚悟がありますか。

○内河証人 三十五億持っていれば、うろうろしておりません。そんなものは持っていません。

○保坂(展)委員 いや、持っていませんじゃ、そういうことを聞いたという人がいるということで聞いたんですね。言っていないんですか。(内河証人「はい」と呼ぶ)
 では、今ある資産をしっかり使って全力でやるという、先ほどの木村建設の社長のような覚悟はあるんですか。

○内河証人 できるだけ、我々としても、皆さんの御迷惑のかからないようにやるということはお約束をできると思います。

○保坂(展)委員 終わります。

○林委員長 以上をもちまして内河証人に対する尋問は終了いたしました。
 証人及び補佐人は御退席くださって結構でございます。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十七分散会