耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました
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163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日
目次
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○篠塚証人 グランドステージ池上に関しては、その当時は支店長ではございません。工務部長だったと思います。(高木(陽)委員「担当者」と呼ぶ)はい、現場の担当はやっておりません。
○高木(陽)委員 さあそこで、姉歯証人は、そこで篠塚証人からプレッシャーを受けた、そこで何度もやりとりがあったというふうな証言がございました。これは前回の参考人質疑でも、どっちがうそをついているんだ、こういうような質疑を私させていただいていたと思うんですけれども、もう一回ここで確認したいのは、構造事務所はおまえだけではないという言葉があった、こういうふうに言ったことは事実かどうか。どうですか。
○篠塚証人 私は常々、どこの協力業者の方々にも、やはりコストとかいろいろ説明する際には、下がらないときにはそういう言葉を引用するときがございます。
グランドステージ池上に関しまして、今おっしゃられたようなことなんですけれども、池上に関して姉歯さんと、姉歯氏と知り合って多分初めてかその数本後だと思うんですけれども、そこまで細かく話す、まだ接点、観点はなかったかと自分では思っております。
○高木(陽)委員 ここでちょっとそごが出てきましたね。姉歯さんは九六年に鉄骨業者の紹介によって知り合った、これは前回の参考人質疑でもそのように木村建設側は証言しておりますけれども、その上で、幾つかの物件をやった後、このグランドステージ池上を担当したと。そのときに、いわゆる最初の計算をしたときに、これをもっと下げろ、こういうふうに言われて、それでもう一回持ってきて、そしてもう一度言われて、これ以上無理です、こういうふうに言ったというんですけれども、例えば、一回持ってきたその計算書について、これじゃコストがまだ高い、もっと下げろと言うことは具体的にありますか。
○篠塚証人 構造計算書だけ見せられても、私は全く構造計算書がわかりませんし、図面を見せられてその場で多いか少ないかというのは私は判断できないものですから、積算云々を上げた状態では、やはり多い少ないは言うときはあるかもしれませんけれども、図面を見せられただけでは、多分私どもの会社ではそれを回答、返答することはできないと思います。
○高木(陽)委員 しかしながら、コストを下げるというのは言うわけですね。そのコストを下げると言ったときに、もう一回書き直してくるわけですね。もちろん細かい構造計算の数字の部分を出されてもわからない部分があるかもしれません。しかしながら、これ以上下げると無理です、これは問題があります、法令上問題があるということを言っている。これはもう業者としての、いわゆる専門家同士ですから、この間の話し合いの中においては、姉歯証人は、明確にそれは認識をしている、これは法令を破ってでも下げなければこれ以上下がらないんだ、もうぎりぎりの構造計算をやっているんだという認識で言っているということを言われているわけですね。
一方、篠塚証人は、その件に関して、それ以上下げろというふうに言ったかどうか、この事実だけを、言ったのか言わないのか、ここだけ確認したいと思います。
○篠塚証人 あくまでも法令内ということで、私どもは常々経済効果を求めております。
○高木(陽)委員 答えになっていないんですよ。だから、言ったのか言わないのか。だから、あなた自身が法令の遵守内という認識を持っていたか持っていないか、それはおいておいて、おいておいてですよ、これを具体的に、いわゆるそれ以上もう無理ですと言った姉歯さんに対して、それ以上下げなさいと言ったのかどうか、その事実があったのかどうかということを聞いているんです。どっちですか。
○篠塚証人 会話の中では、どの案件とかそういうことじゃなく、もう少し何とかならぬかということは言うことはあります。
○高木(陽)委員 九八年のことですからね。今からもう七年前の話になるから、その言葉じりだとかそういうのは覚えていないと思うんですよ。姉歯さんが何で覚えているか。それは、法律違反をした、偽装だからですよ。だからこそ、これは無理なんですというふうに言っているわけです。
それについて、これまでも経済設計をしろということで篠塚さんは言ってきたかもしれない。言ってきたかもしれないけれども、逆にこの部分が、この一線を越えるかどうかということで、今回の事件がスタートしたかどうかという一番重要な部分なんです。だから、ここは正直に、先ほど宣誓でも言った「真実を述べ、」というところで述べていただきたいと思うんです。
逆に、これを言うと、もちろん責任も大きくなるかもしれない。しかし、今回のこの証人喚問をなぜやっているのかといったら、その責任の所在をはっきりする。いわゆる、今までのさまざまな報道等を見ても、姉歯設計士が、建築士が設計をした、偽装をした、ここはわかっている。しかし、それがどういう構造でやっているのかということを明らかにしない限りは、これは原因究明もできないし再発防止もできないわけです。だから、はっきり言ってくださいと言っている。
だから、その部分において、鉄筋の量を減らせと言ったこのやりとりの中で、今まで、前回の参考人質疑でも、それを、減らせと言ったことはあるかもしれないけれども、法令の遵守内だと言いわけをした。言いわけは要らないんです。言ったかどうかということなんです。
もう一度。姉歯さんとのやりとりで、姉歯さんが無理だと言われたときに、言った覚えはありますか。
○林委員長 証人は明確に答弁を願います。
○篠塚証人 明確にと言われましても、会話の中なので、グランドステージ池上のころは、そういう話は全く私はしていないと思います。ただ、あくまでもこれは、その過去の当時のものですから、はっきりした記憶はございません。
○高木(陽)委員 記憶にございませんというのは、今までも、過去の証人喚問でもよく出たフレーズなんですけれども。
じゃ、もう少しそこの角度からまた変えたところで、総研とのかかわりも含めてちょっとお伺いをしたいんですが、先ほどの質疑にも出てまいりました、この問題の発端となった横浜の千葉設計での場面ですね。このときに、午前中の姉歯証人の答弁だと、最初から千葉設計で会っていない。その前段で、いわゆる四ケ所さんですね、これは総研の。それで、篠塚支店長、そして姉歯さん、これで一回、北和建設、設計ですか、ここで会っていて、それで、次は千葉さんのところでやりましょう、こういう話をしたということを、それは事実ですということで姉歯証人は確認をしている。つまり、この千葉設計に行っているときは、もう二回目になっているわけですね。この件について、事実かどうか確認をします。
○篠塚証人 十一月十五日の千葉設計にお伺いした件は、総研さん、総研の四ケ所さんに呼ばれたという点で間違いはございません。その以前のやつは、先ほども申しましたように、直接私が担当している案件じゃありませんので、行ったかどうかも記憶ありません。
私はこの件に関してはもうその後は行っておりませんので、同席されたと、同席したと言われても、そのときの回答等はできかねます。
○高木(陽)委員 じゃ、この件だけではなくて、総研の四ケ所さんといろいろな連携をとりながらやった物件というのは、これまで何件ぐらいありますか。
○篠塚証人 物件に関しては多々あると思います。ただ、何件と言われても、ちょっと、数えていませんので、そこまでは。
○高木(陽)委員 さあ、そういうふうに総研の四ケ所さんがいる、それで篠塚支店長がいる。そこにはコンビとして、平成設計というのは一つの子会社だ、一〇〇%子会社と言いましたけれども、そしてそのもとに姉歯設計士。この三点セットですね。総研、木村建設、そして姉歯、こういう形で組んでいた、こういう件数というのは多々あるということでよろしいですか。
○篠塚証人 済みません、ちょっと訂正させていただきます。私が多々あると言うのは、四ケ所さんだけでなく、総研さんとの関係であるということで話したつもりです。
四、五年前だとは思いますけれども、そのころは、総研、平成、木村という関係はあったと思います。でも、だんだん薄れていったのが実情だと思っております。
○高木(陽)委員 そこで、総研とのつながりというのが、これが一つの疑惑。いわゆるここでいろいろな指導をされていたんじゃないか、こういうふうに言われている。
篠塚証人は、今、あいまいな言い方、記憶にないという言い方で、はっきりと言っていません。しかしながら、明確に偽装は行われた、姉歯証人によって。これを姉歯証人は、篠塚証人からいわゆる圧力があった。
篠塚証人、あなた自身は、自分の発意でこれがスタートしたのか、それとも逆にそういうような、いわゆる上、総研だとか、または、さらにマンションの部分ではヒューザーみたいな売り主ですね、建築主の方から、例えば、コスト削減をしなさい、コスト削減はこうやってやるんだみたいな具体的な提案があったのか、それとも金額的な提案があって、それで、コスト削減をしなさいよ、こういうふうに姉歯さんに、あなたはコストのことでいろいろと言っているわけですね、姉歯さんに。それは自分の発意なのか、それともほかの、第三者、まあ第三者というか、上というかですね、そこから言っているのか。それについてどうですか。
○篠塚証人 コストに関しましては、もう私の役目としまして、常々社内でも社外でも、協力業者に関しても、常々抑える役目だと私は自分で認識しておりますので、それは発言するのはよくあると思います、多々あると思います。それに関しまして、総研さん、周囲からということはありません。(高木(陽)委員「ない」と呼ぶ)はい。
○高木(陽)委員 これ、もう少し、ここは重要な部分なので、しっかり答えていただきたいんですが、姉歯証人は、篠塚証人から、支店長から、そういう鉄筋量を減らせというプレッシャーはありましたと、そこで、ぎりぎりのところだったけれども、さらに言われて偽装の部分に手をつけたという言い方をして、もう一つ、その関連のヒューザー、シノケン。シノケンの場合には、これは丸投げ、木村建設に丸投げですから、そういった部分ではシノケンがとやかく自分に言ってきたことはない。ヒューザーも、直接会うことはないけれども、打ち合わせの中で、ヒューザーは、コスト削減をしろと、坪幾らだと、もう具体的な数字が出た。そうなると、その打ち合わせの中では、鉄筋量は今までの経験からいっても減らさざるを得ない、こういうような認識を示されたんです。
さあ、そのときにですね、篠塚支店長が、このときに、いわゆるヒューザーなりまたは売り主との話し合いの中で、どちらの側からコスト削減というのを言ってくるのか。あなたが主導してやるのか、それとも売り主の方が主導するのか。この点は重要な部分なんです。どちらかちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○篠塚証人 ちょっと回答が難しいんですけれども、コスト削減に関して、オーナーさん、ヒューザーさんあたりから言われることはないと思います。なぜかといいますと、私どもは、見積もりをしてお出しして金額を決めていただくという状態なんで、最初から、例えば、姉歯さんが絡んだ状態の時期的なものでコスト云々というのはないかと私は思っております。
実際、見積もりを上げてからの金額の交渉は、もちろん他社等も含めてあると思います。
○高木(陽)委員 今回の偽装事件というのは、ただ単に鉄筋量を減らせ、そういう問題じゃなくて、やっぱりコストを削減しろという、ここからスタートしているわけですね。十分にコストを、それだけ資金を投入すれば、いわゆる構造設計としては全然問題なかったわけですから。鉄筋量を減らせ、ここの部分で一体だれが主導しているのかというのが一番重要なんですよ、だれが主導しているのか。
姉歯さんがみずから、先ほどの証言を聞く限りにおいては、自分自身が設計をするのをわざわざ減らしていくメリットはないわけですね、プレッシャーがあったからやったと言った。そのプレッシャーの根幹があなたなんですよ。だから、あなた自身がその自分の発露としてやったのかどうか、いや、それとも、そういう今までのいろいろな営業経験からいって、または総研のつながりからいって、そのコスト削減のやり方だとか、それは鉄筋量を減らす、またはコンクリートの量を減らす、そういった部分から学んでいったのか。いや、またはそのコストの部分でいうと、ヒューザーというような、その売り主、ここがもう売らんがためにぐっとコスト削減をした中でやったのかという、ここのスタート時点を確認したいんですね。
そこのところを、篠塚さんとしてみれば、話し合いの中でやったと。共謀共同正犯になるわけです、ここは。共犯になるわけですよ。だから、そこのところは重要な発言なんですよ。そういった具体的な指示みたいなのはあったのかどうか、ここをちょっと聞きたいんです。
○篠塚証人 そういうことに関しては、一切お互い指示はありませんし、指示もしておりません。
○高木(陽)委員 時間が限られている中で全部聞き切れないことがありますけれども、今回の証人喚問というのは、やっぱり事実を解明することなんです。それは、先ほど冒頭にもあなた方が被害者の方々におわびをした、それが本心かどうかわかりませんよ、ただし、現実問題、被害者がいる、不安になっている国民がいる、だからこそ真実を述べることが解明なんです。
例えば、今、刑事告発、姉歯建築士がされている。捜査がこれから始まるでしょう。そして、あなた方も、もしかしたら関与して、いろいろと関係者として関連するかもしれない、関連すると思われているんです。そのときに、後になって、いや、あの証言はこうでしたから申しわけありません、それは絶対許されないことなんですから、いわゆる後々、これからもしっかりとやっていただきたいと思います。
最後にもう一つお伺いしたいのは、法令を遵守して下げろと言った。そのときに、何回か交渉で書き直してくる。そのときに、書き直してきたその構造設計書なりまたいろいろな図面なり、そういう積算書、いわゆる金額も出たようなやつというのは再度見られるわけですね。
○篠塚証人 正直申しまして、書き直させたというのが何件あるのかというのがちょっと今記憶にないものですから。
それと、基本的には私は交渉窓口ということなので、最後の図面の方は、積算が上がった時点の数字だけを把握するという状態であります。
○高木(陽)委員 今の言葉の中で、具体的に書き直させた覚えが、はっきりしないみたいな言い方なんですけれども、したこともあるかもしれない、したかどうか、ここをもう一度聞きたいと思います。
○篠塚証人 正直言って、書き直したというのは本当に記憶がございません。
ただ、他社のやつをよく構造計算をやり直すという作業は姉歯氏に依頼することはありました。
○高木(陽)委員 きょうは何度か、記憶にございませんというような、本当に過去の、出てきた証人喚問のフレーズが出てきました。これはテレビ中継もされていますし、多くの国民の方々がこれをどうとらえたか。また、今後、その食い違いの部分というのは、これは逆に偽証罪の問題となりますし、委員会でもしっかりとこれは告発対象になるかどうかも検討してやっていきたいと思います。
以上で終わります。
○林委員長 下条みつ君。
○下条委員 民主党の下条みつでございます。
まずは、本件は、全国のホテル関係者、そしてマンションの関係、住民の方々に多大な迷惑がかかったという事件であります。私の地元、長野でも、木村建設さん直接が二件、平成設計さんも絡んでおるものがあります。そういう意味では、一刻も早くこの事件の解決をして正常な状態に戻したいという意味で、真摯に答弁していただきたいことをお願い申し上げたいというふうに思います。
まず、篠塚証人にお聞きしたいと思います。
私どもの同僚が午前中に姉歯証人にお聞きしましたときに、鉄骨の削減を何回となく篠塚証人からお願いを受けた、それについては一覧表があったと。一覧表を見せられて、その一覧表について、先ほどちょっとありましたけれども、八十が六十とかという数字を示されてこうせいというふうに依頼を受けたと明確に姉歯証人は答弁をしておりました。
そういう意味では、そのときに、ではその一覧表はあるかという話を聞きましたら、それは篠塚証人がお持ちですと、一覧表について。この辺、事実はいかがでございますか。
○篠塚証人 私が持っているというよりも、会社でやはりまとめる部分がありますものですから、その表がお手元に届いている内容だと思います。
ただ、その時期時期で表は訂正されて、追加されていきますので、その時々のやつで変わっているかと思います。
○下条委員 そうしますと、その一覧表はあるわけですね。これがその一覧表。(篠塚証人「はい」と呼ぶ)
ということは、お出しになったこれが、一覧表として姉歯設計士の方にお出しして、こういうふうにしろよというその表ですか。それを答えてください。
○篠塚証人 ですから、そのままではございません、その時々で変わっていますので。
そういう表を示して、このくらいを目標にというのはあるかと思います。
○下条委員 私が言っているのは、全部をおつくりになっているこの表ではなくて、例えばグランドステージにしろどこにしろ、そのときに一覧表を見せてこういうふうにしろと言われた表を今お持ちでしょうか、会社の方では。
○篠塚証人 先ほども申しましたように、私が直接こういう資料をつくるものじゃないものですから、その時々で従業員のやつを借りたりとかしていますものですから、それをそのときだったかというのは、ちょっと出しにくいと思います。
○下条委員 それでは、その資料をぜひ次回までに出していただくことをお約束していただきたいというふうに思います。いかがですか。
○篠塚証人 私どもの会社がもう破産した、倒産したという状態なものですから、財団の管財人の方に相談した上で、また御報告を申し上げます。
○下条委員 ぜひ、最初申し上げたとおり、またお二人が宣誓書に署名したとおりに、真摯にお出しになっていただくようにお願いしたいというふうに思います。
次に、私は思いますけれども、私も民間の金融機関にいて、支店長だどうだとありますけれども、一般的に、支店長が御自身の意思だけで物事をやるのかなという、単純に私は民間サラリーマンとして思います。
そういう意味では、この一連の、例えば鉄筋を減らせだ、柱は下まで同じでいいだとか、そういう細かいのは僕もよくわかりませんが、その部分について、篠塚証人は、全くお一人でお考えになり、全くお一人でそれを姉歯さんにお願いしということなんですか。それとも、だれかからアドバイスをいただいたり、社長や専務やいろいろいらっしゃるでしょう。だれか御相談一切しないで、御自身だけでやられたんですか。お答えください。
○篠塚証人 相談を全くしないということはないと思いますけれども、やはり、総研さんも含めて、コンサルタント、指導していただいていますので、その中の勉強会を含めてコストダウンという観点からの勉強はしておりますので、助言といいますか、そういう補助は受けている部分はあるかと思います。
ただ、支店に関しての折衝事で重要部分に出ていくときには、私の一存である程度動いております。
○下条委員 もう一度質問をいたします。
鉄骨を減らせと明確に姉歯証人が言われたのは、篠塚支店長から言われていると。その鉄骨を減らせということをお考えになるに当たって、また御指示するに当たって、どなたかから鉄骨を減らせという御指示はあったか、それを教えてください。
○篠塚証人 ですから、社内とか総研さんとかの指導の中で、全体コストを下げるときの必要な部分ということで考えてやる部分はあるかと思いますけれども、それを、じゃ、こうすれば下がるということではないと思います。
○下条委員 ちょっと私頭が悪いのでよくわからないんだけれども、要するに、どの部分の指導を受けたんですか。要するに、総研さんから受けた指導は、鉄骨の部分の量を減らすように指示すると、工期も早いし、また金も軽く済むよ、そういう指示を受けたんですか。それとも、どうか、イエスかノーだけで答えてください。
○篠塚証人 そういう御質問でしたら、ノーです。全体的な指導は受けております。
○下条委員 今ここで押し問答しても、時間の問題がありますので、司直の手にお任せいたします。ここは、もしそうでないということがわかれば偽証罪に問われるということであります。
そこで、時間の範囲内なので、もう一つ、今度は木村証人にちょっとお聞きして確認したいことがあります。
先ほど、私も金融機関に二十年おりましたので、非常に言い方はあれですけれども、個人保証の部分とそうじゃない部分について、これはもう金融機関としては、言いにくいけれども、仲のいい社長の場合は、ともかく個人保証を早くなくして、その部分は自分がかぶらないようにして倒産しましょうということを銀行側から時々アドバイスすることもあるんです。
そういう意味では、社長は、熊本ファミリーバンクですか、銀行と十一月二十日ごろにお会いしたという情報が私どもに入っております。十一月二十日ごろお会いした、不渡りの前日ぐらいにお会いしたんじゃないかと。それは事実でしょうか。教えてください。
○木村証人 済みません、頭のところがちょっと聞こえませんだったものですから……(下条委員「はい」と呼ぶ)頭がちょっと聞こえなかったものですから。
○林委員長 もう一度。
○下条委員 はい。済みません、ちょっと早口になっちゃって。
十一月二十日ごろにファミリーバンクのしかるべき方とお会いしたという事実はありますか。ノーかイエスか、答えてください。
○木村証人 会いました。
○下条委員 なかなかその後のお話はお答えにくいと思います。というのは、言いにくいけれども、計画的に倒産をすると二百七十九条にかかわって詐欺罪になりますから、お答えできないと思いますので。
まあ、私は、その後の話としまして、先ほどの、実を言うと、社長の個人資産を私も範囲で調べると、年収が三千何百万、奥さんのが約九百何十万、そして、ことし、六月決算ですよね、土地や建物を建設会社の法人の方へ貸している分の家賃収入が約千三百何がし入っているということであります。
そうすると、相当なお金が今、実を言うと社長の中に入っているなと、私も金融機関の人間だったものですからわかりますけれども、そのことについて、またそれ以外の部分について、先ほど社長のお口から、木村証人ですね、失礼しました。木村証人のお口から、それはすべて、奥さんも含めて、国民が給与明細の中から税金を出したことによってこの不祥事をみんなが補っているわけです。木村証人だけそれを補わないで、自分の資産だけとっておくわけにいかないんじゃないか、こういう話が国民の声として聞こえている中で、先ほど木村証人は、今あるすべての財産をこれは献上いたしますというお話をいただきましたけれども、もう一度だけそのお答えをいただきたいと思います。お願いします。
○木村証人 私の持っているすべての財産、命以外は全部、着物はいいですけれども、固定資産というのは全部、何といいますか、債権者の方に回すようにして、します、出します、出します。
今準備を進めて、今、あと二、三日と思いますが、それぐらいも覚悟して、こういう、自分がしたのせぬのじゃないけれども、迷惑をかけたのが、日本国じゅうに迷惑をかけたのは事実だから、せめて裸になって、会社もすべて、そういうふうに覚悟いたしまして、二、三日でできますので、済みませんけれども、御了承いただきたいと思います。
○下条委員 大変いい御決意だと思いますが、私は、今ちょっと聞き漏らしたかもしれないんですが、固定資産はかなりおありになると思いますが、一方で、キャッシュフロー、現金含めた部分は今ちょっとお答えいただけなかったと思います。その辺はいかがでございますか。
○木村証人 キャッシュフローといいますか、定期預金も普通預金もすべて銀行から押さえられていまして、持たしてくれません。
また、固定資産ですが、それは全部、市役所に行って調べて、全部謄本つけて全部上げました。
お金は金融機関が握っています、出さないんです。
以上です。
○下条委員 ぜひ真摯に御実行していただければと思います。
国民は、全く関係ない方を含めて、御自身の給与明細の中から皆さんの不祥事のために支払いをしているということでございます。
時間もございます。最後にもう一問だけさせていただきたいと思います。
実を言うと、例えばグランドステージ藤沢の件なんでございますが、一般的に、構造計算書があって、構造図があって、施工図というのが実を言うとあるんです、施工図。構造計算書と構造図というのは設計士がつくるんであります。これはもうプロだからわかりますよね。ところが、施工図というのは建設会社がつくるんですよ。これはもう当たり前の話。
私は、実を言うと、国交省の方からお聞きしたことによると、例のグランドステージ藤沢については、当初は約二八%の耐震強度だったということであります。それをもう一度調べている段階で、いろいろ突き合わせをしたら、その構造図と施工図に違いがあったと。
いいですか。今まで皆さんは、姉歯さんがやった、やった、やったとおっしゃっている。それはわかった。言葉上はわかった。でも実際、いいですか、構造図の、施工図、施工図は皆さんがつくるんだよ。木村建設がつくる施工図の中に、実際は、とんでもない数値になっていた構造図以外に、さらに数%から一〇%以内で、鉄筋含めた、設備は除いた構造部門で数値があらわれているのでこの数値が一五%になってしまったよというふうに私は聞いておりますが、その施工図の部分で、これは木村さんの建設会社がやる話だ。姉歯さんは何にも関係ない。皆さんのやっている施工図の部分でそれを落としたということがある程度出ております。これはいかがですか。御意見をお聞きしたい。
○篠塚証人 私どもも、新聞報道、テレビ報道等で藤沢の件を知りまして、昨日までちょっと私も確認した部分だけでお話しさせていただくと、実際、施工図の中に構造図と違う部分があったということは聞いております。今現在、なぜそういうことがあったのかということの確認をしましたところ、図面的なものの、作図のミスはもちろんあったということで聞いております。
配筋等が逆に正規であるかどうかを今確認中で、その辺は工事中の写真等をお出しできるように、今現在、急遽準備中でございます。
○下条委員 済みません、ちょっと時間が来ましたのであれですけれども、先ほどから言っている話は、姉歯さんがどうだということは言っていますが、実際は、木村建設さん自体がつくったことが、間違いだろうが間違いではないだろうが、一割弱の部分、狂って、抜いているということは現実に出ているんですよ。
だから、その辺についても、今後も、私どもも国民の声の代弁者としてしっかり追及していきたいと思います。
以上で終わります。ありがとうございました。
○林委員長 森本哲生君。
○森本委員 民主党、森本哲生でございます。
きょうの証人喚問は、私にとって非常に残念であります。
それは、私、小さな山の中に住んでおるんですが、今は、我が家が結構、吹きすさぶ風ですき間風が入ったり、これからは、アナグマが我が家へ入って、獲物をとりに来るというような、そんなところに住んでおります。貧しく生活しておるんですが、しかし、そんな中にも、地域の方々が少しでも幸せで楽しい日々をともに私自身送りたい、そんな中で、木村証人の御本を読ませていただいて、非常に感銘したわけでございます。ですから、この会社がなぜこのような事態を及ぼしたのか、非常に私、残念でもあります。
今謝罪をされましたが、住民の方はもちろん、今私が一番大事にする仲間の皆さん、それとともに皆、証人が大事にされておる、その同じ事業主、仲間の皆さんがどれほど今全国のこの事件の中で苦しんでおられるのか。そのほかにいろいろおありかと思いますが、そのこともあわせてお考えをいただいて、そしてこの「「現場力」で勝つ!」この本のような精神のもとで私はいろいろ質問もさせていただきたい。なぜここまで、こういうところまで偽造するまでに及んだのか、それもあわせてお伺いいたします。
○木村証人 ちょっと耳が遠いもんですから、違ったときは、注意してくださったらいいと思います。
あの本のとおり、どうしてここまでのんだかという質問で……。