耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました
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163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日
目次
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○林委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
国土交通行政の基本施策に関する件の調査に関し、建築物の構造計算書偽装問題について、木村盛好君及び篠塚明君の両君より証言を求めることといたします。
この際、証言を求める前に証人に申し上げておきます。
昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によって、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことになっております。
宣誓または証言を拒むことのできるのは、まず、証人、証人の配偶者、三親等内の血族もしくは二親等内の姻族または証人とこれらの親族関係があった者及び証人の後見人、後見監督人または保佐人並びに証人を後見人、後見監督人または保佐人とする者が、刑事訴追を受け、または有罪判決を受けるおそれのあるときであります。また、医師、歯科医師、薬剤師、助産師、看護師、弁護士、弁理士、公証人、宗教の職にある者またはこれらの職にあった者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについても、本人が承諾した場合を除き、宣誓または証言を拒むことができることになっております。
証人が宣誓または証言を拒むときは、その事由を示さなければならないことになっております。
証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または十万円以下の罰金に処せられ、また、宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることになっております。
以上のことを御承知おきください。
次に、証人が補佐人に助言を求めることが許される場合について申し上げます。
すなわち、証人は、宣誓及び証言の拒絶に関する事項に関し、補佐人に助言を求めることができることになっております。
助言は、その都度証人が委員長にその旨を申し立て、その許可が得られた後に認められるものであります。
なお、補佐人は、みずから発言すること及びみずから証人に助言することはできないこととなっております。
次に、今回の証人喚問に関する理事会の申し合わせについて申し上げます。
その第一は、資料についてであります。
証人は、証言を行うに際し、資料を用いることは差し支えありませんが、委員長の許可が必要であります。また、これらの資料は、いずれも当委員会に提出していただくことになっております。
その第二は、証人がメモをとることについてでありますが、尋問の項目程度は結構でございます。
なお、補佐人がメモをとることは構いません。
以上の点を御承知おきください。
この際、お諮りいたします。
証人の宣誓及び証言中の撮影及び録音につきましては、議院証言法第五条の三の規定によりまして、委員長が証人の意見を聞いた上で委員会に諮り、許可することになっております。木村証人の意見は、録音及び撮影は許さないと御決定いただきたいとのことであります。また、篠塚証人の意見は、差し控えていただきたいとのことであります。
理事会の協議に基づき、宣誓及び証言中の撮影及び録音について、これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
それでは、法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めることにいたします。全員御起立願います。
〔総員起立〕
○林委員長 まず、木村盛好君、宣誓書を朗読してください。
○木村証人
宣誓書
良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います
平成十七年十二月十四日
木村 盛好
○林委員長 宣誓書に署名捺印してください。
〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○林委員長 次に、篠塚明君、宣誓書を朗読してください。
○篠塚証人
宣誓書
良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います
平成十七年十二月十四日
篠塚 明
○林委員長 宣誓書に署名捺印してください。
〔証人、宣誓書に署名捺印〕
○林委員長 御着席を願います。
この際、お諮りいたします。
理事会の協議に基づき、木村証人、篠塚証人を同席の上証言を求めたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○林委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
これより証言を求めることといたしますが、証人の御発言は、証言を求められた範囲を超えないこと、また、御発言の際には、その都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。
なお、こちらから質問しているときは着席のままで結構でございますが、御発言の際には起立してください。
それから、念のため証人に申し上げておきますが、本日は両証人が同席の上証言を求めるのでありますから、他の証人が証言をしたことに対し直接反論するようなことは慎んでいただきたいと存じます。証言は、委員長または委員の発言に答える形でのみ行っていただきますようお願いいたします。
委員各位に申し上げます。
本日は、申し合わせの時間内で重要な問題について証言を求めるのでありますから、不規則発言等、議事の進行を妨げるような言動のないように特に御協力をお願いいたします。
―――――――――――――
○林委員長 これより証人に対して証言を求めます。
まず、委員長より委員会を代表して総括的にお尋ねをして、その後、委員各位の発言を願うことといたしております。
それでは、私からお尋ねいたします。
まず、木村証人、あなたは木村盛好君ですか。
生年月日、住所、職業をお述べください。
○木村証人 住所は、熊本県八代市敷川内町九百七十の一。昭和七年三月一日生まれ。
木村盛好です。
○林委員長 職業は。
○木村証人 元建設業、今はありません。
○林委員長 次に、篠塚証人、あなたは篠塚明君ですか。
生年月日、住所、職業をお述べください。
○篠塚証人 篠塚明。
昭和三十五年十月五日生まれ。住所は、熊本県八代市植柳下町一九四五の十二です。
○林委員長 職業は。
○篠塚証人 現在、無職です。
○林委員長 それでは、お尋ねいたします。
姉歯秀次元建築士が建築物の構造計算書の偽装を行ったのは、国土交通省公表資料によれば、七十一件となっております。このうち、木村建設株式会社の本社または東京支店が偽装問題に直接、間接含めて関与した物件があったら、その関与の内容を具体的に御説明ください。特に、姉歯元建築士に対して、鉄筋を減らすよう要求したり、偽装を求めたりしたことはありますか。
また、姉歯元建築士との取引に際し、リベートまたはキックバックを要求したことはありますか。あるとすれば、その時期、金額、具体的な方法及び目的を御説明ください。
次に、木村建設株式会社と株式会社総合経営研究所の関係について、具体的に説明してください。
お二方それぞれから発言を願います。
まず、木村証人から。
○木村証人 今度の偽装の事件につきまして、住まわれた住民の方並びにオーナーの方に深くおわび申し上げたいと思います。
また、姉歯さんとの関係につきましては、余り存じておりませんので……。
○林委員長 リベートまたはキックバック要求はございましたか。
○木村証人 いいえ、私、全然知りません。
○林委員長 それでは、木村建設と総合経営研究所の関係についてはいかがですか。
○木村証人 総合経営研究所との関係は三十年ぐらい前からあります。今は余りありません。
○林委員長 同じ質問を、篠塚証人から。
○篠塚証人 今回の姉歯氏の偽造に関しては、私ども、一切関与はしてないつもりです。
リベートに関しましては、前回、参考人のときにお話ししましたように、私の営業経費捻出ということで姉歯氏より回していただきました。調べましたところ、回数に関しては七回、期間に関しましては十四年八月から十七年八月、約二百二十万です。
その件に関しましては、会社には大変御迷惑をかけたんですけれども、財団管財人の方の方に、姉歯氏より入金された金額を返金させていただきました。
○林委員長 姉歯元建築士に対しまして、鉄筋を減らすよう要求したり、あるいは偽装を求めたりしたことはありますか。
○篠塚証人 偽装に関しては、一切ありません。
鉄筋を減らすとかいう問題は、私どもは、私は、法律内でと経済効果を求めて会話することはございますけれども、強く圧力をかけたという認識はございません。
○林委員長 木村建設と株式会社総合経営研究所の関係についてはどうですか。
○篠塚証人 私は、一応従業員なものですから、一応、総研さんとは建設業のコンサルタントということで指導を受けておりました。
○林委員長 はい、結構です。
以上をもちまして私からお尋ねすることは終わりました。
次に、発言の申し出がありますので、順次これを許します。中野正志君。
○中野(正)委員 自民党の中野正志でございます。
今回の建築物構造計算書の偽造問題、毎日毎日新しい偽装物件が発表されております。まさにマンション購入者の怒り、そして不安、あるいはホテル関係者も同じであります。それ以上に、国民を不安のどん底に陥れた、その罪は余りにも大きいと言わなければなりません。
午前の証人喚問で姉歯元建築士は、自分の悪についておおむねちゃんと語られました。そういう意味では、これから木村建設両人にいろいろな質問をさせていただきますけれども、宣誓書で読み上げたとおりに、ぜひ率直にお答えをいただきたいと思います。
さて、前回の参考人質疑でも感じました、また、きょうの冒頭の言葉でも感じましたけれども、お二人は本当に、マンション購入者の皆さん、ホテル関係者の皆さん、また国民に対して、こんなことをして申しわけなかったという、その思い、その気持ちが全然伝わってこないのでありますけれども、現在の率直な気持ち、ぜひ御披瀝いただきたいものであります。
○木村証人 ただいま言われましたとおり、全国の居住者の皆さん、みんな家に住んでいるわけでございますが、その人たちまで恐怖に陥れたようでございます、いると思います。また、直接つくりましたマンションの住民の方々にも深く深くおわびしたいと思います。おわびいたします。
○篠塚証人 私としましては、購入者の方々、入居者の方々、ホテルのオーナーの方々には、本当、こういうことになってしまって大変申しわけなく思っておりまして、ただ、会社の方もこういう状態にありますものですから、今からのことは管財人の先生方とも相談の上決めていきたいと思っておりますので。ただ、本当に申しわけないことに関与したということは思っております。申しわけありません。
○中野(正)委員 まだ伝わってきませんけれども、質問に入ります。
篠塚さん、森田設計事務所の森田信秀所長、結果的にこの問題で偽装二件にかかわってしまったと大変心痛められて、結局はみずからの身を投げて自殺をされた。大変本当に痛ましいことであります。この件について、あなたはどう感じられていますか。
○篠塚証人 森田先生の方には数件お世話になりまして、案件としまして、ともにお仕事をさせていただきまして、本当に、今回のようなことになりまして、本当は当日お悔やみ等に行くべきなんですけれども、こういう状態で先方にも御迷惑になると思いまして、それは差し控えさせていただきました。仕事としましては本当によくお世話していただき、申しわけないと思っております。
○中野(正)委員 森田先生の御冥福をお祈りをいたします。
十一月の参考人質疑でも、また先ほどの委員長の質疑でも、篠塚支店長は姉歯元建築士に架空の請求書を要求し、個人的な営業経費にした、こういうことでありますけれども、今お話がありましたように、大体七回、合計金額は二百二十万。このことは会社に対する背任行為となるのではないですか。その折々のときのお気持ちはどんなのだったんですか。
○篠塚証人 会社に対しては大変迷惑をかけたと思っております。私の個人的な営業経費捻出という考え方、短絡的な考え方で行いまして、本当に申しわけないと思っております。
○中野(正)委員 姉歯元建築士にとっては、結局あなたは仕事を下さる人、片やもらう人という構図になるわけですね。そういう意味で、結局、安易に姉歯氏に請求をした。私は、姉歯氏に請求をするぐらいですから、あるいはもっともっとほかの業者にもあるのではないかと思うんですけれども、率直にお答えください。
○篠塚証人 ほかにありません。
○中野(正)委員 それを信じたいと思いますけれども、あとは司直の手にゆだねたいと思います。
姉歯元建築士は、きょうの質疑でも、あるいは国土交通省の聴聞でも、データの改ざんを行ったのは、鉄筋の量を減らせという指示や、できないならほかの事務所にかえるぞという話があったのが始まりだと言っております。私はその言葉は真実だと思いますけれども、そのように言ったんですね。
○篠塚証人 前回も申しましたように、そのようなことを言ったことはあるかと思いますけれども、しかし、法令遵守と、私どもは常に経済効果を、経済設計、経済効果を求めるために話をしておりますので、法を犯すということは全く認識しておりませんでした。
○中野(正)委員 姉歯元建築士は、仕事がなくなれば生活が終わっちゃう、それで弱い自分があった、こう証言しているんですよ。なおかつ、毎回言われたというんですよ、篠塚さん。冗談じゃありませんよ。毎回言われたと言っているんですよ。言われたこともあったという表現じゃないんですよ。毎回言われたと言っているんです。
もう一回答えてください。
○篠塚証人 毎回と言われましても、すべてが私が直接担当しているわけではございませんので、案件としまして数件、数はちょっと覚えていませんけれども、すべてと言われると、ちょっと腑に落ちない点がございます。
○中野(正)委員 姉歯元建築士は、鉄筋の量を減らせと言われたのは篠塚さんただ一人だと証言しているんですよ。ですから、あなたとかかわった少なくとも案件については毎回言われているということだと私は確信いたしております。
そして、姉歯元建築士のこういう発言があります、安全性に問題が生じる。これ、篠塚さん、言われていますね、ちゃんと。それで、今、法律の範囲内でという認識だったというお話でありますけれども、どういうことですか。この安全性に問題が生じるとはっきり言われておることは覚えていますね。
○篠塚証人 安全に関しては、言われたかどうかはっきり覚えておりません。ただ、会話の中で、やりとりで、数字的にきついということは言うことはありましたけれども、それはあくまでも法令の内でということでお互い解釈していたと思います。
○中野(正)委員 鉄筋の量を大幅に減らせば法律上違法な建物になるかもしれない、そういう認識すらなかったということなんですか。ぜひお答えください。
○篠塚証人 大幅という、どこの数字が大幅かわかりませんけれども、私どもは、歩掛かりとして、社内とかそういうものの歩掛かりとしての数字を考えた上で打ち合わせをやっておりますので。
○中野(正)委員 姉歯元建築士はあなたに対して、これ以上はできない、こう何回もお伝えしたそうですね。お答えしたそうですよ。答えられたそうです。これ以上はできないというのは、構造上も法令上もこれ以上はできない、そのことの認識は篠塚支店長は持っていたはずだと証言していますよ。どうですか。
○篠塚証人 あくまでも私どもが姉歯氏に依頼していたのは、構造の、構造計算書のプロということで認識しておりますので、逆に言うと、私どもは法律を犯すとは一切考えておりませんでした。
○中野(正)委員 それでは視点を変えまして、姉歯元建築士に対して、鉄筋の量や鉄骨あるいはセメントの量などについて、平米当たりどの程度にするかなど具体的な指示をしたことはありますね。
○篠塚証人 一般的に具体的な数字を話すときはございます。お手元の方に積算対比表というのがございますけれども、これが私どもの会社で、通常、構造計算士、社内でもこのくらいを目標にということで打ち合わせしている内容で、この程度は打ち合わせの内容に出てくるかと思います。
○中野(正)委員 数字を示しませんでしたけれども、例えば鉄筋の量について、姉歯元建築士は、通常は一平米当たり八十キロから百キロ、これを篠塚支店長には六十キログラムに落とせと言われたと証言しているんです。驚くなかれ、一平米当たりの鉄筋量二十キロ減らせとあなたは指示をしているんですよ。しらを切るんですか。今数字を申し上げませんでしたけれども。
○篠塚証人 二十キロという数字は言ったことはございません。お手元の資料を見ていただければわかるように、もともと私どもの会社の方の、姉歯氏以外の設計に関しても、一応六十キロ台、ここ最近は七十キロを下回るというのを大体頭に置いておりますけれども、そういう感じで話しております。ですから、六十から七十を二十キロ減らせと言うことはありません。
○中野(正)委員 普通の構造物でいいますと八十キロから百キログラム、それが木村建設では今の表現ですと七十キロ未満。これは私初めて知りましたが、いずれにしましても、証言ですから間違いないところであります。
率直に申し上げますけれども、毎日毎日業務をされてまして、建築の現場やあるいはお取引先から、どうも木村建設の建築物については鉄筋の量が少な過ぎる、あるいは構造計算がおかしい、そういう指摘、ここほどまであれば、当然今まで何十回となくあったと私たちは推測するんですけれども、ありませんでしたか。
○篠塚証人 何回も言いますけれども、一応この資料をもとに進めておりまして、確認もおりております。現場の方とかほかの方々から私の方にそういうことが耳に入ったことはございません。
○中野(正)委員 いや、大変失礼な話ですけれども、そんな施工では、よく世間様の御理解をいただけたな、熊本県でナンバーワンの業者になられたなと率直に私は感じます。
ある方でありますけれども、木村建設に施工を依頼した会社、木村建設は工期は早いが鉄筋を抜いて相当なコストダウンを図っている、以後取引は中止をしている、そういう会社、幾らでもありますよというお話も聞きました。また、午前の姉歯元建築士の表現の中にも二十回ぐらい、この図面を見れば建築のプロなら簡単に見抜けます、わかります、こういう表現がありました。
どうお感じになりますか、全然苦言も何もなかったというお話でありますけれども。もう施工現場で一人一人、例えば鉄筋屋さんであれ、そんなのすぐわかるはずでしょうに。本当にそうだったんですか。
○篠塚証人 私どもは、構造計算士のプロの姉歯氏に依頼して確認をいただいた案件を、施工をやり、設計をやり、進めております。確認がおりるということの重要性は十分認識しまして、確認がおりたということは安全だということで考えておりますので、法令の中でやっているものだと私は思っておりました。
○中野(正)委員 建築確認申請を出して許可された、ですからそれが安全だということにはならない。ならない。常に検証して、中間検査もあって、しっかりとまず施工者が基本的に安心、安全な建物をつくったのだということでなければならないでしょうに、今、あなたは建築確認に逃げています、構造計算に逃げています。施工者としての責任はどう感じるんですか、それなら。木村社長も一緒に答えてください。
○木村証人 私たち業者は、建築確認がおりたら、これは私たちの商売では憲法以上に大事なものでございますから、これがまさか改造とか偽造とかされていることは全く気づきませんでした。
また、行政、民間の機関も、七十も幾らも気づかなかったような何かやり方で、私たちは本当に確認申請書どおり仕事するのが仕事でございますので。
○篠塚証人 私どもの会社では構造計算のプロというのは雇用しておりませんで、そのために、構造計算のプロという姉歯氏に依頼して構造計算をお願いして進めてまいりました。その上で、確認申請を受理していただき、中間検査等がある場合にはそれに応じて確認していただいていたつもりです。
○中野(正)委員 確認だけしておきますけれども、木村建設、そして木村建設の社長の奥さんが平成設計の社長、午前の質疑では姉歯元建築士は、完全な子会社だという表現でありましたが、そう理解してよろしいですね、平成設計の件について。とりあえず確認します、これからの議論の前に。
○木村証人 登記簿では木村建設の完全なる一〇〇%の子会社でございます。でも、実像は、平成設計は東京に本社を移しまして、その東京の仕事はみんな総研の指示で動いております。
○林委員長 篠塚証人、同趣旨で、同じ質問です。
○篠塚証人 平成設計に関しましては、木村建設の一〇〇%子会社で間違いありません。
○中野(正)委員 今、総合経営研究所の指示で動いていると言いませんでしたか、木村社長。ちょっともう一度確認をさせてください。
○木村証人 総研から仕事の来た場合は、仕事というのは一〇〇%ホテルでございます。そのときは山口代表が総研と打ち合わせして進めております。うちのあれは、ちょっと恥ずかしいですけれども、大体、保証人要員、結局金借り、特に要員だけであって、仕事は全く知りません。
○中野(正)委員 施工の問題については後の時間でまだまだ聞かせていただきますけれども、篠塚参考人、一つここで聞かせてください。
○林委員長 証人です。
○中野(正)委員 篠塚証人、今、あなたにマンションを買うそれなりのお金がある、あるいは住宅ローンを組めるということであれば、あなたが建築したこういったマンション、何としてもお買いになられますか。
○篠塚証人 一応、仮定の話にちょっとお答えづらいんですけれども、今回の事件が出る前でしたら、お金さえあれば買いたいと思っておりました。
○中野(正)委員 全く信じられません。
次の問題に参ります。
今木村社長からお話が出ました総合経営研究所関連で、お話をお伺いをいたしたいと思います。
この総合経営研究所から木村建設は、コンサルタント、いわゆる経営指導を受けていたということでありますけれども、具体にいつごろからどんな指導をいただいておったのか、具体的にお答えください。
○木村証人 三十年ぐらい前から、会社の企業診断をしていただきまして指導を受けています。その指導というのは、現場、現場主任とかいう、そういう総研が出している本に基づいて勉強会を、現場をします、していました。
○中野(正)委員 詳しく理解できないんですけれども、まあしようがありません。
そのコンサルタントの内容として、例えば、具体的な建築方法でありますとか、あるいは鉄筋の量などについての指導というのもあったんですか。社長。
○木村証人 指導というのは、まだうちが小さな会社で何もわかりませんので、現場責任者の実行予算のつくり方が主で、それだけもできなかった時代なんですから、鉄筋のどうだこうだということはありません。
○中野(正)委員 コンサルタントを受けて、具体に会社としてどのような成果があったとお感じになられますか。これは御両人にお聞きします。
○木村証人 コンサル指導に来ていただきまして、私は、建設業というのも余り知らなかったし、来ていただいてからみんなの心も一致して、業績は上がりました。
○篠塚証人 私は、若いころから総研の所長の指導を受けた人間としましては、若いうちはかなり勉強になったと思っております。(中野(正)委員「今は」と呼ぶ)今自体は、もういろいろと私の意見もありますので、いろいろと考えるところはあると思います。
○中野(正)委員 参考人質疑のときに奈良のホテルの案件が出されまして、総合経営研究所に対して平成設計は、二〇%から二五%と言われているんですけれども、コンサルタント料を支払ったと。そのときに、木村建設は総合経営研究所に対して何%、契約に恐らく基づいていると思うのでありますけれども、コンサルタント料というのか、仕事の紹介料というのか、紹介手数料というのか、何%お支払いをされていますか。
○木村証人 ただいま、質問がありましたので、ちょっと調べてまいりました。
奈良につきましては、一%、平成設計が……。失礼しました。工事金の四%が平成設計の受け持ちでございます。その四%のうちの一%を返すと、これは二五%に当たるわけです。これは、総研ではなくて、お手元の資料にあると思いますが、四カ所ぐらいに何か、請求書が来るから、そこに送りました。木村建設としては、総研に対しては今まで一円も払ったことはありません。
奈良の場合は、地元の不動産が、世話をしたからここに三%をやるようにしてくれという電話がありました。それは、そのとおりしております。
○中野(正)委員 木村建設としては一円たりとも差し上げていない、こういうことでよろしいんですね。
それで、追加工事費、それが仲介手数料ということで一千八百万円、こういう金額も示されているんですけれども、これが現実的にキックバックなんですね、一千八百万円。
○木村証人 私は、地元の不動産に三%は払ってくれという、最初電話があったときからそういうことでしたので、会ったこともありませんけれども、ここに、カゴボウというところに千九百五十万送っております。
○中野(正)委員 木村社長、ほかの物件で、この総合経営研究所に対して本当に一円も手数料というか紹介料をお支払いしたことはないんですか。本当にないんですか。それを確認、改めていたしておきたいと思います。
○木村証人 その工事に対するお金は一円も払っておりません。
ただし、東京支店とか本社とかに来たら、コンサルタント料は何回か払っております。最初は頻繁に来ていましたが、最近は余り来なくなりました。
○中野(正)委員 払っているということですよね。お支払いしていると言ったじゃないですか、今。
篠塚参考人、今同じ質問を申し上げますから、答えてください。
○篠塚証人 今社長の方が言いましたのは、工事としての支払いは一円もありません。先ほどから言いますように、総研さんは建設業のコンサルタントなので、コンサルタントとしての指導を、本社だとか支店だとかに来られるときがあるので、そのときの費用をお支払いするということで話している内容です。はい。
○中野(正)委員 この問題に余りかかわっていますとほかの問題できませんから、次に進んでまいります。
さっきの施工の問題で、再び篠塚証人にお伺いをいたしますけれども、今回の事件の、ある意味功労者ともいうべきアトラス設計から構造計算の偽装を指摘された件、この件でお伺いをいたします。
午前もいろいろお話が出ました。東京港区の物件で、平成十五年十一月、横浜の千葉設計事務所において四者会談、五者会談というのでありましょうか、協議をした。ただ、その前から、姉歯元建築士の証言によりますと、姉歯元建築士、篠塚支店長、それから総合経営研究所の四ケ所さん、それからもう一方ということで、数回打ち合わせをしてきていたということでありますけれども、これは事実ですね。
○篠塚証人 十一月十五日の千葉設計さんに訪問した件は記憶があります。この件に関しましては直接私が担当でなかったものですから、そのときにたまたまほかの人間が行けなかったものですから私が行ったということで、その前の打ち合わせとその後の打ち合わせには私は参加しておりません。
○中野(正)委員 篠塚証人、平成十六年の三月にこの横浜の千葉設計事務所においてまた打合会をして、そのときにアトラス設計から、低減という表現で、姉歯元建築士の設計はおかしい、こういう指摘をされているんです。それで、やり直しを命ぜられましたけれども、結果的には、平成設計、一級建築士姉歯秀次、この仕事からおりるということでこの仕事をやめたんですね。その事実は知っておられたわけですよね。
○篠塚証人 三月の打ち合わせには私は同席しておりませんので、偽装云々の話は全く聞いておりません。
それと、私どもの担当から聞いた件では、もともと工期と金額が合わなかったということでこの件は辞退したということで聞いたと思っております。
○中野(正)委員 それは、私は事実と違うと思います。数回も会っているんでしょう、現に、平成十五年のこの十一月前に。それで平成設計も仕事をおりた。ですから、結果、木村建設も仕事をおりた。これはしっかりあなた自身が知っていることでしょうに、中身についても。そんな、下から聞いたなどと言わずに。
普通ならですよ、普通なら、私は、姉歯元建築士が構造計算に問題があって、結果、設計がおかしいということで問題があって平成設計はおりざるを得なかったわけでありますから、あなたは、姉歯元建築士が偽造をしていたのではないということであれば、その前提であれば、姉歯元建築士に対してすごい怒りをあらわさなければならない人なんですよ。違いますか。むだな営業努力をさせて。違いますか。
○篠塚証人 私としては、参加しておりませんし、部下の者からの報告もそういうふうに受けております。偽造云々は、私どもの方には少なくとも入っておりませんでした。この案件に関しましては、総研の四ケ所さんからの指示で動いておりますから、細かいことは私の方には入っておりませんでした。
○中野(正)委員 篠塚証人、本当に逃げないでください。
こういうことでも、先ほど来お話ししましたように、木村建設、一〇〇%子会社の平成設計、同じく営業活動をいろいろされて、やり直しを命ぜられたのを知らなかったとか、構造計算に偽造があったことを知らなかったというのは、私はおかしいと思いますよ。もう一度、お答えください。
○篠塚証人 小さい会社ですけれども、支店ですけれども、案件としましては別々の関係もありますし、すべてが私のところに入ってくるとは限っておりませんので、今回の件に関しては私は知りませんでした。
○中野(正)委員 聞きたいこと、いろいろたくさんありまして。まず、また施工の問題についてお伺いをいたしておきます。
おたくの施工においては、通常一年半程度要する十一階建てビルを半年で完成させる、その早さ、安さを追求していたという報道がありますけれども、姉歯元建築士に一層のコストダウンをもうとにかく徹底、徹底させたと。私は、そのことが、やってはならない、言ってみれば構造計算の偽装へと踏み込ませたと思っております。
例えば、いろいろあるファミリータイプのマンション、一坪当たり六十万円の建設費、建物の骨格である構造部分はその三割程度、十八万円、構造部分で二割の削減を図っても三万円。コスト削減は普通なら内装部分の関連で図るものであって、構造部分に手をつける、こんなことはむちゃだと、どんな建設業者さんも私の取材に対して言っておりましたけれども、どうお感じになりますか。
○篠塚証人 経済設計という分野では、私どもは、基礎から仕上げまで、躯体から仕上げまで一貫してやはり経済努力はするべきだと思っておりますので、その流れでどの協力業者の方々にもコストに関係することはお願いする部分はあったと思います。
○中野(正)委員 一般的には、建設業者さんというのは、何か積算部というか積算課というところがあって、そこでしっかり積算をして工事費、見積もりを合わせる。それで、もうその段階でも、構造部分についてこれはおかしいという気づきは、どんな会社でも気づきますよと。なおかつ、それで気づかなくても、現場の所長が、工事事務所所長が気づくはずです、こういう指摘もあります。
そういう指摘が全然なかったということは、木村建設はやっぱり支店長を中心として会社ぐるみで、会社ぐるみで精度の悪い、しかも安心、安全ではない建物をつくり続けてきたということにほかならないんではないですか。まして、今までの工事を恐らく下請専門の建設業者に全部ゆだねていたということになりませんか。私はどうもそう思えてならない。お答えください。
○篠塚証人 私どもは、構造に関しましては、何度も申しますように、このデータとか社内のデータリストをもとに積算との比較とかは行います。施工に関しても、確認がおりた状態でやっていますので、下請協力業者の方々からの意見というのは、本当、私の方には入っておりませんでした。
それと、丸投げと言われるとあれなんですけれども、各業種厳選して数社の中から選んで、業績、コスト等、今までの関連状態ですね、そういうのを含めて取り決めはしていると思います。
○中野(正)委員 率直に申し上げます。
午前中、姉歯元建築士は自分の悪さをわびられました。まさに悪の張本人は姉歯さん、姉歯元建築士であります。この姉歯建築士が、自分は悪い、ただしこんなことは自分一人ではできない、こう言っておるんであります。そして、固有名詞で、篠塚東京支店長の指示、圧力がほとんどであったと。言ってみれば、悪事の張本人、姉歯元建築士、それと同じく、姉歯元建築士の話によれば、篠塚証人、あなたということになります。
それで、最後に一つ、木村社長にこれはお答えをいただきたいと思うのでありますけれども、木村社長は、金融機関あるいはその他と協議の上、これから、住民への賠償金だ、あるいはホテルの関係の賠償金だ、撤去費用、そういったものは払えない、社長がとりあえず個人保証している銀行からの融資を先に返済して、倒産の道を選んだ、こういう報道が当然あります。要は、巨額の賠償請求を起こされる前にさっさと会社をつぶして、自分の保証債務を減らして逃げを打った、個人資産の保全を図った、私たちもそう理解せざるを得ないのであります。倒産させたのでありますから。
しかし、木村社長本人にはたくさんの個人資産があられるはずなのであります。今、この寒いこれから季節を迎えて、マンション住民の皆さん、あるいはホテル関係者の皆さんに、あなたのその個人の金融資産を幾らかでも反省の気持ちを持って拠出をされるということはお考えになりませんか。やはりあなたには施工者責任としての、道徳的な責任を含めて大きな責任があります。答えてください。
○木村証人 十一月二十一日の手形、熊本ファミリー銀行に手形は九億四千万があって、当座預金は十三億三千六百万を超えていたのであります。それを、あの新聞報道を、あれで見て、もう木村は倒産すると一方的に手形不渡りをして、差し押さえられたのであります。
そしてまた、先ほど言われましたとおり、社会的責任は重々感じまして、四、五日うちに私も家内も全財産なげうって自己破産をして、今まで世話になった方々におわびをしたいと思っています。そしてまた、債権者に対してもそういうふうにしなければ、のこのこと生きていけない、もう後は死ぬだけでございます、全部やりましたから。
そういうふうに思って、それは本当に本当にもう、先ほどから言われますとおり、なぜ見抜けなかったのかという質問がありますけれども、一般的にはだれも見切れないです。
○中野(正)委員 時間がありませんのでこれで終わりますけれども、今までのような答弁は全く私たちは信頼すること、信用することすらできません。改めてまた考えさせていただきたいと思います。
ありがとうございます。
○林委員長 高木陽介君。
○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
午前中に引き続きまして、証人喚問、質問に立たせていただきます。
午前中でも申し上げましたけれども、今回の事件が発覚してから約一カ月、被害住民、そしてホテルの関係者等々、大変な、被害をこうむるだけではなくて、精神的な重圧もあると思います。そういった中で、例えばきょうの朝刊にも書かれてありますけれども、震度五強で倒壊の分譲マンションに住まわれている九棟の方々、計二百九十戸中、まだ八五%に当たる二百四十六戸は引っ越しができない状態でいる。こういう現状で、例えば今地震が起きますと、そういった不安だけではなくて命にかかわる、殺人マンション、このように言われても仕方がないようなマンションをつくり上げたのが木村建設というふうに言われます。
さあ、その中において、まず篠塚証人にお伺いしたいと思います。
午前中、姉歯証人がいろいろと事実を述べていただきました。篠塚証人もまた木村証人もそうですけれども、最初に宣誓書を読み上げました。「良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、」という、ここをもう一度肝に銘じて答えていただきたいと思いますが、まず、姉歯証人の話によりますと、九八年当時に初めて偽装を始めたという、それの物件はグランドステージ池上という話でした。これを担当していたのは篠塚証人だというお話があったんですけれども、その件、担当者かどうか、そのときのまた役職は支店長だったかどうか、これもちょっと伺いたいと思います。