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    163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日

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○林委員長 馬淵澄夫君。

○馬淵委員 民主党の馬淵でございます。
 内河証人に、この時間をいただきましてお聞かせいただきたい点、多々ございます。
 きょうは朝からこの証人喚問、尋問を繰り返させていただいておりますが、先ほど木村建設、木村社長並びに篠塚支店長、お二方からの重要な証言もいただきました。
 先ほど、木村社長そして篠塚支店長から、平成設計の業務についての証言をいただきました。総研の指示で一〇〇%動いているんだ、そして、その総研の仕事がこれも一〇〇%近くであると。総研と打ち合わせをして仕事をする、これが平成設計の山口社長の仕事であると。こうした総研と平成設計との関係というものを明確に証言としていただきました。
 また、私自身がこの審議の場で、木村建設の方々がつくったと言われている施工品質計画書、この中に書かれている事業監理者という意味を、どういう意味かとこれもお尋ねをさせていただきました。これは、篠塚支店長から、その当時のその仕事の仕組みの中でいえば、事業の中心となって総研さんが監理者となっておられる、このように篠塚証人は証言をされました。
 そして、先ほど、我々議員の仲間の質疑に対して、内河所長は、ホテル経営の社長の代理人としての仕事を仕上げることが御自身の仕事であるんだと、こういうお答えをいただき、恐らく、私が引き出した証言に対しての内河所長の一定のその反論であると私は理解をいたしました。
 さて、この総研グループと呼ばれるホテルの建設に関するスキーム、私は、この参考人招致の中でもたびたび、総研さんが中心になって、利回りを一二%以上確保するためにコストダウンを図っていかねばならない、そして、そのためにはフルターンキー・システムで物事を進めていかねばならないんだということの訴えを、既に消されたホームページのキャッシュから引き出し、この場でも、総研さんのビジネススキームとして、総研スキームとしてお伝えをしてきました。
 そこで、内河所長に端的にお尋ねをいたしますが、総研さんとしては、このホテル建設の計画については、総研グループとしての組織というものの認識はございますでしょうか。端的にお答えください。

○内河証人 コンサルタントというのは全体をコーディネートすることでございますので、確かに全体に指揮を及ぼさないと進みませんので、そうあると思います。

○馬淵委員 それは、組織をつくって動かしていくという意味でしょうか。

○内河証人 どんな組織ですか。済みません。

○馬淵委員 総研グループホテル建設の計画をしていくという意味での組織です。

○内河証人 ちょっと理解ができなくて申しわけがございませんが、相手のオーナーの方が仕事が事業としてやっていけるように、あらゆる意味でバックアップをいたしますよということなんです。

○馬淵委員 そのバックアップというのは、設計会社や施工会社には直接かかわるということでしょうか。

○内河証人 契約上は、全部、オーナーと設計会社、オーナーと建築会社が直接契約いたしまして、だから我々は、それを細かく、彼らの設計の中身をということよりも、それぞれが独立してきっちりとやってくれるということをコントロールをするということの方が大きいだろうと思います。

○馬淵委員 今のお答えは、総研さんのホームページの中に、会社概要というところで、ホテル指導部の契約形態ということで改めて御説明をされていますね。総研は、あくまでホテル経営者の開業運営の指導をホテル指導部が行っているんだ、契約形態そのものはホテル所有者が設計会社や施工会社と行うんだ、そこは切り離されているんだ、こういう御説明をされていますね。
 そして、それは確かに契約の形態ではそうかもしれませんが、しかし実際には、施工の現場では、私がお示しをしたこの施工品質計画書の中にあるように、現場においては、直接的に施工会社や設計会社に指示、指導するような形にはなっている、この図面ではそうなっている。
 そして、それに対しては篠塚支店長は、実態的に、篠塚支店長のお言葉では、私がこれについてお尋ねをしたところにおきましては、支店長は、そのような形になっていると思われる、総研さんが中心になっている、そう証言をされました。
 ここの部分は先ほどの説明とは食い違うことになりますが、お答えいただけますか。

○内河証人 建設業の現場の人は、例えばホテルは、夜間になりますと廊下の電気が二系統で一系統を消しておくとか、いろいろそういうふうな、ホテル運営として特殊な必要欠くべからざる事項があるわけです。そういうことを我々がいろんな意味でやってあげるということが一つの大きなポイントでした。

○馬淵委員 お答えになっていないと思いますね。
 私がお聞きしたのは、契約実態は明確に分かれている、それはよくわかります。しかし、現場の指導も含めて、電気を消す話ではないと思うんですね、これは。いいですか、これは責任と権限ですから、電気を消す責任と権限をここでゆだねている話ではないはずなんですよ。今、十分なお答えをいただけませんでした。食い違っています。
 そこで一つ、平成設計の組織図というものが私の手元にあります。平成十五年の五月の二十六日現在です。この平成設計の組織表、これは先ほど来、木村社長が、木村証人がはっきりとおっしゃったように、一〇〇%木村建設の子会社ですから、平成設計は社長がだれであろうが、木村さんがその最も上位にいるという組織表です。会社にはどこでもあるかと思います。
 一番上には、最高顧問として木村建設株式会社の代表、(代)として木村盛好、代表取締役ですね。そして顧問、そして社長は奥様の木村ひとみさん、平成十五年当時ですから、常務取締役として、先ほどお名前が出ている薮さん、そして山口時也さん、常務取締役お二方ここに載っています。平成十五年当時、平成設計が木村建設と一体となって、言いかえれば、木村建設の意向を受けてしか動かない組織表があります。
 そして、この組織表は平成十五年の五月の二十六日現在なんですが、それと並んで、SGホテル建設計画組織表というのがあります。これは、平成設計の中で総研グループのホテル建設を行うときに、平成設計がどういう形で動いていくかということを組織にあらわしたものです。
 その一番上には、きょうの木村証言のとおりに、総研の内河健氏の名前が載っています。そして、その下には、東京では山口さん、八代、熊本ですね、ここでは薮さんのお二人が総研の窓口になっておられる。そして、それぞれ、計画、現調、これは現地調査、事前協議、そこには平成設計の幹部の方のお名前が入っています。
 注目すべきは何か。この実施設計のレベル、そこに入ると、意匠と構造と設備になります。三つの部門に分かれます。このSGホテル建設計画組織表の中で、意匠は平成設計さん、そして構造には姉歯設計と明確に書いてあります。平成十五年五月の十三日、平成設計の組織表と、一〇〇%総研の言うとおりに動くと木村社長が、その会社所有者である木村社長が証言として明言された平成設計の仕事をしていく仕組みの中では、総研の内河さんがトップに立ち、その構造設計は姉歯さんが真っ先に来ています。
 平成十五年の段階でこの組織図があって、この組織表があって、仕事が行われていた事実があります。内河さん、内河証人、これについてどのようにお考えになりますか。

○内河証人 私は、その組織表があるのは知りませんでした。
 まず、ただし、仕事はほとんどが我々のホテルをそこへ渡してやるので、渡してもらわないと彼らは仕事ができないのでそういうふうな表現をしたのかもわかりませんが、内部を動かすこと、給料を払ったりいろいろなこともあるでしょう、そして内部で、どこへ設計を、構造を出すとかいうふうなことについても、我々は一切手を打っておりません。

○馬淵委員 いいですか。山口時也さん、社長ですね、もうつぶれる直前までだったわけですが、山口さんが平成十五年に平成設計に入社された。それは先ほどの話にあったように、古川さんという前社長が急逝されたからなんです。そして、山口さんがこの後を受けた。そのときには既に姉歯さんまで構造設計で一気通貫で、内河さんをトップとして姉歯さんまで行く構図はでき上がっていたとおっしゃっています。
 さて、御存じないとおっしゃる。あくまで平成設計の組織表だとおっしゃる。これは今そのように御証言をいただきました。しかし、私は繰り返し申し上げているように、状況でいえば、木村建設、そして平成設計、これらの内部資料が語るように、まさに総研スキームとは、利回り一二%をオーナーに訴え、そして建設のコストダウンあるいは設計のコストダウン、そして、繰り返しこの場でも皆さん方が使っていただけるように、内河さん御自身の言葉で語られた「レジャー産業」でのあのインタビューの言葉、構造が問題だというところにまで踏み込んでいらっしゃるからこそそのような安価な建物ができたということを喧伝されている。
 まさに総研スキームは、総研内河さんをトップとして姉歯さんまでつながる一気通貫のモデルがあるからじゃないんですか。内河さん、お答えください。

○内河証人 私は、人を入れるのも何もかも、一切相談を受けたことはありません。だから、その組織表で私が権限を持っているとは思っておりません。

○馬淵委員 次の観点でお話をします。
 組織のお話を今させていただきました。私は、参考人質疑でお金の流れの話をしました。そして先ほど、木村建設社長並びに支店長から資料の提供もいただき、私が指摘をした木村建設からの総研へのキックバックではないかと言われる仲介手数料、それについての意味をお答えいただきました。奈良ではカゴボウさん、そして先ほど新たに御証言をいただきました、北海道札幌です、札幌のエビスビルさん、安藤さんですか、これらに関しては、総研グループの一員だと木村さんはおっしゃいました。
 お尋ねをします。
 これら丸安エビスビルさん、そしてカゴボウ加護野さん、あるいは有限会社内河なるこれらの方々は、どういう役回りの方なんですか。

○内河証人 このホテルを受注をする、我々総合経営研究所としての受注をする、それまでに、いろいろな不動産会社やとか、それから調査やとか、いろいろそういうものを探して持ち込んでくれたと言われる人たちの、いわゆる持ち込んでくれた人たちのそれぞれ集まりのメンバーです。だから、それらには、今の大きく動いているTとかSとかいうホテルチェーンがありますが、ああいうところでも全部不動産業者からもらうというふうなことですから、それらと同じような方式で、その会社が持ち込んでくれた物件に対していろいろやったわけです。

○馬淵委員 それをなぜ平成設計さんがお支払いになっているんでしょうか。

○内河証人 ちょっとそれは平成設計は払っていません。(馬淵委員「払っていますでしょう」と呼ぶ)あっ、はい。はい、はい。はい、わかりました。

○馬淵委員 平成設計あての請求書が出ていますよ。先ほど木村証人が出されました。

○内河証人 それはわかりました。
 それは、物件を持ち込まれたのに対して、だめだとかどうだか、全部自分で調査に行けませんので、かわりに調査に行ってくれたり、資料を集めたり、その市の状況を調べに行ったりしてくれたりした協力者であるというふうに思ってください。

○馬淵委員 エビスビルの安藤さん、カゴボウ加護野さん、これらの方は総研の方ですか。

○内河証人 総合経営研究所の人間ではありません。

○馬淵委員 なら、お尋ねをしますが、カゴボウの加護野さん、内河さんは御存じでしょうか。

○内河証人 知っております。古いつき合いだった人です。

○馬淵委員 平成十六年、昨年です。八月の六日に、内河さんは、加護野さんとホテル指導部小林さんとともに、奈良のホテルのその土地の所有者の方に、建設計画がまだできる前ですが、お訪ねになられていますね。

○内河証人 日にち、月は覚えておりませんが、何度か奈良へは参りました。(馬淵委員「内河さんと加護野さんと御一緒ですね」と呼ぶ)はい。

○馬淵委員 そのときに、内河さん、加護野さん、小林さん、お三方、総研としてお見えになった、こうさまざまなところで聞いております。加護野さんは、株式会社総合経営研究所開発事業部の名刺を持って訪ねておられます。
 総研の方でないとおっしゃった。しかし、内河さんは、小林さんと御一緒に総研の加護野を連れていっています。これについて、どのようにこの事実についての矛盾をお答えいただけますか。

○内河証人 我々は奈良県に余り人間関係がありませんので、彼に名前を一緒にしてついていってもらうということをやりました。

○馬淵委員 一緒についていっていただいたということだけでしょうか。

○内河証人 そのほかにもいろいろと奈良で、いろんな、この件について六、七件の方とおつき合いがありまして、その人たちのだれかがまとめて、この話をだんだんにまとまっていったというふうに聞いております。

○馬淵委員 この件でまとめたうちの一人だ、こういうことでよろしいんでしょうか。それ以外に加護野さんとのかかわりというのはないんでしょうか。総研としてお答えいただけませんか。

○内河証人 余り、特にどういう関係ではないと思っていますが。

○馬淵委員 私は、総研さんがどういう仕組みでこの総研スキームをつくっておられるか調べていく中で、数々、いろいろな場面にぶち当たりました。そして、そのたびに、この国会で事実を明らかにしてほしいという国民の声を受けて、私はここで説明をしてきた。総研さんの反論を受けるたびに当然ながら壁にぶち当たるわけですが、だんだん明確になってきました。
 加護野さん初め、こうした方々が五、六名いらっしゃる。総研の中には、全国の中でブロックごとにこうした方々がいらっしゃる。こうした方々は、いわゆる地上げ、土地を手当てする仕事をされて、その土地の手当てをした場合には三%の手数料を支払うということを内河さんと約束されたと聞いていますが、その事実はいかがですか。

○内河証人 その方々と三%の契約をした覚えはありません。

○馬淵委員 契約は口頭でも成り立ちます。契約書を交わしたわけではありません。そうした約束をしたという事実はいかがですか。

○内河証人 これらのこういうふうな持ち込み物件については、大変な手間がかかるもの、いろいろありますので、必ずしも三%の話を必ずするわけではありません。

○馬淵委員 今、この加護野さんの件、あるいはエビスビルの安藤さんの件、こうした方々がたくさんいらっしゃるんだというお話もありましたが、そうしたところ以外のおつき合いではないんだ、総研グループとして総研の仕事をされているわけではないということの先ほどの証言でよろしいんですね。確認です。よろしいですね。
 さて、私がお聞きしている限りでは、日常的には、いわゆる総研の一員としてその会員企業に対して経営指導を行っている、そして、その経営指導料の四〇%がフィーとして入ってくるという証言を聞いていますが、事実でしょうか。

○内河証人 我々の総合経営研究所の中には、正社員と嘱託社員がおります。その嘱託社員はもちろん、今おっしゃったように、その専門分野で指導に行きます。もちろん、その四〇%が本人の給料として与えられていくということは間違いありません。

○馬淵委員 では、再度お尋ねします。
 先ほどの加護野さんやエビスビルの安藤さん、加護野さん、結構です、加護野さんについてはいかがですか。

○内河証人 加護野さんは、一部確かに動いてくれています。四〇%の給料も得ています。

○馬淵委員 先ほどの御証言と違いますね。
 内河さん、全国民が見ています。事実を語ってください。私がお尋ねをして、その事実を御提示をした段階で証言を変えられるのは、まさに、私がそのことを言わなければ偽証をするのと同じことではないですか。
 内河さん、真実を語ってください。私が事実を突きつけなければ、あなたは語らないんですか。明らかに先ほどの証言と違うお話を今されましたよ。いかがですか。

○内河証人 ほかに関係がないのかと言われたことは、そのことではないと思って返事をしたんです。

○馬淵委員 心から真実を語っていただきたいと思っています。
 私自身、何度もさまざまな場面でお話をしています。我々国会議員は、事実を明らかにし、そして、それを立法に資して、あるいは行政の措置を監視するために、この国会の場で、皆さん方にお越しいただいて、その究明、解明をやっています。あなたが、わからなければいいとしてそこにうそを重ねてしまっては、何一つ見えてまいりません。
 それでは、今のお話の中で、それを勘違いされたということでありましたが、私は今の御証言をいただく中で、総研グループというものが、まさにその仕組み図、組織表で示したように、総研内河さんがトップに立ち、木村建設、平成設計、そこまでを一体として、そして構造設計は姉歯さんというところまで一気通貫の組織表があり、さらには、全国の営業は、それこそあちこちで地上げできるような土地がないかと走り回った方々に対して仲介手数料三%、また、それ以外にも、地域の会員企業への経営指導、四〇%のその指導料のキックバックによってグループを構成されている。総研自体はわずか二十数名の会社かもしれないが、こうした仕組みがあるからこそ全国に二百件以上ものこれらの仕事がされてきたということが、私は、この状況あるいは突きつけた事実の中で明らかになっていると思います。
 その上で、お尋ねをします。
 先ほど来、内河証人は、技術的なことについては何もわからないんだ、だから、鉄筋量も含め、あるいは現場での技術の指導などということはしない、あくまで自分たちが経験をしたデータの蓄積の中で、そのデータをもとにして、もう少し努力をしたらいいんだという努力規定、努力目標という指導をされた、こういうふうにおっしゃいました。
 一切技術的なことがわからないということでしょうか。総研の今のスタッフの中では、技術的なことを語る方は一人もいらっしゃらないということでしょうか。

○内河証人 現在、総合経営研究所の中には、一級建築士で資格を持っている人間が五人おります。それから、土木の一級土木施工管理技士を持っている人間が五名おります。あとは全部素人です。建築というふうなことはわかりません。だから、それらの人間は、我々ができ得ないような細かいある程度のことをするために、技術者を入れて、技術者をコンサルタントに育ててきたのが今までの総合経営研究所のやり方である、そう思っていただければ結構でございます。

○馬淵委員 少しわかりにくい御説明なんですが、先ほどは、技術者はいない、経営指導なんだ、こういうお話でしたが、一級建築士もいれば一級土木施工管理技士もいて、技術的なことについてのバックアップをやらせている。どういうことでしょうか。技術がわかる人間がいるということじゃないんですか。もう少しわかりやすくお答えいただけませんか。

○内河証人 一級建築士といっても、今いろいろ討議をされているように、意匠だとか、現場をつかさどる、それから構造計算だとか設備だとかあるようですが、うちにおる人間で、自分でコンピューターであの構造計算をいらえる、また、あれを見てわかるよりも、現場をさわってきた人間の方が基本になっていますので、わからないというふうなのが本音じゃないかと思います。

○馬淵委員 いや、そういうお話をされると、全国二十七万人一級建築士の方が本当に怒りを持って、所長の言葉に対して、今もうテレビの前で握りこぶし、それこそ握り締めているかもしれません。一級建築士の方々が、例えばこれは構造を専門にされている方であれば、コンピューター云々ではなくて、当然ながら、鉄筋やそのコンクリート断面によって、その応力がいかなるものになるのかとかということについては計算をされますよ。コンピューターがなければできないわけではありません。
 そして、今のお話の中でもう一度確認をさせていただきたいわけですが、総研の中に構造についての技術を語る方はいらっしゃるんですか、いらっしゃらないんですか。コンピューターがさわれる、さわれないではなく、私の質問にストレートにお答えください。

○内河証人 どこまでその構造がわかるのかというふうなことになってくると、私は自信がありません、何とも申し上げようがありません。ある程度がわかるのかどうなのかも、私が自分でわかっていれば確かめられますが、なかなか本当に、もしそれらが理解をできるようになったらつかまえていたろうと思いますし、例えば日本ERIやとかああいうふうなところでも、もっと早くにつかまえられていたんじゃないかと思うんです。
 私らとしても大変残念でしようがございません。ただ、なかなかつかまえ切れなかったが現実やと思っています。

○馬淵委員 見つけられなかったがをお聞きしたわけじゃなくて、私は、技術がわかる、少なくとも所長が、証人が信頼してこのことについては聞こうと思う技術屋さんというのがいらっしゃるんですかとお聞きしているんですよ。端的にお答えください。

○内河証人 安心して構造について相談できる人間はおりません。

○馬淵委員 安心して構造について相談できる人間はいないという、そういう今大事な御答弁をいただきました。
 さて、午前中の証人喚問で、姉歯元建築士、姉歯証人にお話を私は十分間だけお聞きをしました。その中で姉歯さんが、姉歯証人が総研とのかかわりについて、総研本社は、二度しか、会ったことがあるが、それは、二度会ったことがある者が一人いるという御説明でありましたが、そうではなく、姉歯証人の言葉で言えば、数回、五、六回、四ケ所さんとお話をされているという御説明でした。
 そして、この四ケ所さんという方はどういう方でしょうか。先ほど、チーフコンサルタントだというのはお聞きしました。どういう御専門の方でしょうか。

○内河証人 四ケ所というコンサルタントは一級建築士です。ただ、どこまで世間に通用する構造がわかるのかというふうなことについて、私が確かめようがないんで、わからないんです。

○馬淵委員 自分が社長をやっていて、そしてチーフコンサルタントですから、幹部だとおっしゃった、先ほど。それがどれぐらいの力量があるか自分には確認できないからわからないんだと、こうおっしゃいますが、これ、こんな会社の経営の実態ってあり得ますか。それはもうお答えいただかなくて結構ですよ。ごらんになっている国民やこれを見ている関係者すべての方が、今何をおっしゃったかということをしっかり受けとめられていますよ。
 そこで、一点。今、構造に関して任せられる人間は一人もいないんだと、こうおっしゃいました。総研が、この構造にかかわる問題として鉄筋量を、あるいは断面を、構造計算というその技術的な観点から指示をしたということはありませんか。

○内河証人 私は断じて一切あり得ません。

○馬淵委員 内河さんがないということについては、先ほど来繰り返しお聞きをしました。総研という会社を背負っている人間、これが指示しているという事実はありませんか。

○内河証人 もう一度おっしゃっていただけませんか。

○馬淵委員 会社の方が指示しているという事実はありませんか。

○内河証人 今の四ケ所も、ふだんは全部経営コンサルタントとして出ていき、コストダウンやとかいろいろの、海外資材をどうするかいうことを教えに行っているんで、それが専門で教えているわけじゃありませんので、それははっきりと、わからないとしか言いようがありません。

○馬淵委員 私の手元に、平成設計あてに四ケ所猛さんの自筆のメモがあります。日付は言えません。あて先も物件名もお話しするわけにはまいりません。四ケ所猛さんの直筆のメモです。ここにこのように書いています。
 下記の件を検討願います。平成設計株式会社○○殿。今の構造設計で鉄筋の使用量が百十九キロパー平米になっている。八階フロア、八FL、八階くらいであるもので、多くても七十五から八十五キロパー平米でおさめてほしい。続きます。くい本数、一本でも少なければ喜ばしいことです。続きます。一フロア、二フロアの柱寸法、千掛け千、三十六―D三十二、三十二ミリの径の鉄筋三十六本、大き過ぎる。これを大阪の、このヴィアイン新大阪のもので千掛け千、二十から二十二本で径二十五で済ませている。階高、スパン同じである。もう少し経済的におさめようとする気持ちで構造担当者は設計してもらいたい。
 指示じゃないですか。指示じゃないですか。
 そして、その裏づけとして、四ケ所さんの自筆の構造計算の手書きのメモがついてるじゃないですか。ずっと三枚続きます。指示してるじゃないですか。総研として幹部が指示している事実があるじゃないですか。答えなくていいです。時間も余りありません。
 総研グループがこうしたスキームを使ってコストダウンをどんどんどんどん目指していく、その中で、しわ寄せが行くのはどこに行くのか。構造だということは所長が一番御存じであることは、二〇〇〇年のインタビューで明らかである。そして、その組織図は明らかに一気通貫で姉歯まで通っている。さらに、こうしたことを裏づけるお金の流れもある。指示も、あなたの幹部と呼ぶ四ケ所さんが出している。自分は知らない、手を汚さずで、それがあなたの言う経営ですか。迷惑をかけたとおっしゃったが、あなたはこのことが予見できるのではないですか。お答えください。

○内河証人 その件については全然知りませんでした。

○馬淵委員 余り時間がありませんが、大きな責任を負われているということを心して受けとめてください。こうした偽装させる仕組みを生み出してしまったこと、それが総研スキームです。
 さらには、私はもっと大きな責任が国にもあるとも思っています。こうした建築制度を今日までそのままにしてしまったという大きな反省も必要だと思っています。しかし、現実に、姉歯証人、姉歯さん一人がその偽装を行ったことのすべての罪を受ける。そうではなくて、利益一辺倒を追求をしてきて、あなたも一二%もうけられる、皆さんどんどん総研グループの仲間として入ってくれれば、三%だ、やれ四〇%だ、利益を追求し続けて、その行く先は何か。リスクを、それこそホテルのオーナーやホテルの宿泊客、果ては、さらにそのビジネススキームが延長していったマンション、その住人にまで押しつけていった、その張本人はまさにあなたになるじゃないですか。四ケ所さんのこの事実は、あなたは責任をとるべきなんですよ。
 かつて、非道取り立てとして、目玉を売れ、腎臓を売れと言った会社がありました。日栄という会社です。社員が逮捕されて、社長は知らぬ存ぜぬ。しかし、その社長も大きな道義的責任をとることになりました。
 あなたが経営指導をする立場ならば、経営者として、このことの事実を受けとめて、すべてをなげうってこのことに対して取り組むべきじゃないんでしょうか。一言そのことを私は内河証人に申し伝えます。一言だけ内河証人、お答えください。

○内河証人 その書類については私は見たことがないんで、早急に、すぐに調べて御回答を申し上げます。

○馬淵委員 時間が過ぎましたので、終わります。以上です。

○林委員長 穀田恵二君。

○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。
 愛知県岡崎のサンホテルの建設に絡んで聞きます。
 内河証人、あなたは、岡崎市の渡辺良江さんに、東海銀行の紹介でビジネスホテルの建設を働きかけたことは事実ですね。