耐震強度偽装問題 審議 内容 を見やすくしてみました   home
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    163-衆-国土交通委員会-11号 平成17年12月14日

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○望月委員 それは考え方の相違でして、もう一度聞きますけれども、これでも構造計算のことを言っていないとおっしゃるのであれば、これだけの鉄筋を減らせばいいと、いいですよ、いいですよ、あなたが一番のトップなんだから、そういうことを言えば、だんだんだんだん下へ浸透していくんですよ。
 そうすれば、木村建設の東京支店長、あなたのところへ何でも相談していると言いましたけれども、仕事欲しさで、総研の内河所長のために姉歯建築士に対してプレッシャーをかけるということもあったかもしれませんよね、それは。あなたの気持ちを酌んで、仕事欲しいから。これは、我々の用語でいくと優越的地位の濫用なんですよ。武器を使わないで、本当に圧力をかける、弱い者いじめ、そして、どんどんどんどん精神的に囲い込んでいく、まさにこれは、私はいろいろ問題があるなということを言わざるを得ない、そのようにとりあえず話をしておきたいと思います。
 時間がございませんので、次に、二〇〇〇年の七月号の「レジャー産業」、このあれを見ますと、長期収入計画の収入の部に「仮払消費税戻入」、まあ繰り戻しですね、戻入、二千九百七十六万八千円とありますが、これはなぜ収入の部に入れているのですか。教えていただきたいと思います。

○内河証人 仮受け消費税が入ってまいります。そして、今度は仮払い消費税を払います。そのときに、そこには仮受け消費税を入れてないんです、仮受け消費税を。だから、そのもらった中から払った仮払い消費税をそこへ置くということで仮払い消費税を収入に上げているんです。

○望月委員 私は、これはいろいろな考え方があるんですけれども、なかなか難しくて、素人にはなかなかわかりづらいんです。
 それで、このことは単なる還付だと私は思っているんですよ、還付だと、税の。それで、このことを、あたかも得するかのように、うたい文句にあなたのところはしていませんか。私は、調査の段階で何人かに聞きましたよ、これを。これじゃ、よく話をしてくると、あっ、これは、何だ、得したように言っているけれども、税金の還付じゃないか、これはだましのテクニックじゃないかなと言うような人がありますけれども。
 まあ時間がないので、この問題は、もうあと五分ぐらいしかございませんので、引き続き調査してまいりたいと思いますけれども、少なくとも、節税効果があるとうたってホテル建設を促している一つの材料のような気がいたしますね。
 それで、最後になりましたけれども、内河所長は、大変これは申しわけないんですけれども、一昨日ですか、何か離婚されたなんというような話を、そんなことを聞きましたよ。これは、なぜ離婚したかというのはよくわかりません。答えてもらえるんだったら、ぜひひとつ答えていただきたいんですけれども。

○内河証人 既に四年前から実質別居を繰り返しています。二年前からは会ったことがありません。食事ももちろんしたことないし、ずっとその離婚の話し合いを進めていたところだったんです。それだけです。それ以上は個人的な問題であります。

○望月委員 別に、それはいろいろな理由があるでしょう、それぞれの家庭。私はプライベートなことまでここに出そうとは思っていませんでしたけれども、別にこれが来年でも再来年でも、こういう時期に誤解されますね。これはよく、離婚されるのはまずいと思いますね、この時期に。これはみんな、いろいろな人が路頭に迷っているとき、あなただけの財産保全だと言われても、まあマスコミはいろいろなニュースをやっていますけれども、許されませんよ、そういうことで、財産の保全というようなことに見られる、これはひきょうなやり方だと見られてもしようがない。
 そこで、一つお伺いしますが、総合経営研究所の関連企業である総研ビーエイチ企画の内村寛さんを御存じですか。

○内河証人 総研ビーエイチ企画の内河寛であると思います。
 はい、もちろん存じております。弟ですから。

○望月委員 最近のホテルコンサルはむしろこの総研エイチビー企画がやっているんじゃないかなというようなところがあります。あなたの資産をいろいろなところに分散をしているような、そんなような、いろいろなところで、気がならない、どうも腑に落ちないというような点が多いですから、やはりあなたもそこら辺はこういう時期ですから気をつけた方がいいじゃないのかな、そういうふうに思います。
 それで、最後に一つ、朝倉育英会を御存じだと思いますが、代表者はだれでございますか。

○内河証人 朝倉育英会の代表者は私でございます。

○望月委員 ネット上は理事長は内河健、すなわちあなたになっておるようでございますけれども、この朝倉育英会は総合経営研究所の最大の株主だ、そのように聞いております。そして、この朝倉育英会が入っているのは奥村税理士事務所だと伺っておりますが、間違いございませんか。

○内河証人 間違いございません。

○望月委員 もしかすると、この先生がいろいろなことを御指南なさっているんじゃないのかななんて、そんなことを考えるんですけれども、まあ時間がないので、余りそういったことの答弁はしません。
 今回の構図をつくってしまった内河所長、被害に遭われた方々の気持ちに立って、あなたの責任ある行動を見せてくださいよ。あなたはカリスマと呼ばれたんですから。
 それから、先ほど木村建設の社長が、証人が、全財産は私は出します、私の家内のものも全部出す、そして命以外は出しますよ、そう言っていました。あなたはどういうつもりなのか。あなたが総合コンサルタントで、あなたがトップなんだから、そのおかげでずっといっているんだから、何も関係ないなんということはないと思いますけれども、どういうつもりなのか、最後にそのことを国民の皆さんに言っていただきたい。

○内河証人 現在のところ、今ある二十四の問題のあるホテル、それが回復をするのにどのぐらいかかるのか、何もかも全然、その耐震強度が何パーというのもまだわかっていない状態で、どのぐらい金が要るのかも何もわからない状態でございますので、お言葉はちょっとできないので、御了承ください。

○望月委員 じゃ、これで終わります。

○林委員長 吉田六左エ門君。

○吉田(六)委員 私は自由民主党の吉田です、六左エ門です。
 質問時間四十分を望月理事と私とシェアして、後ろの方を、私が資格者という立場もありまして、伺うことにしました。結果して、こんにちは、ごめんなさいの冒頭のごあいさつは割愛させていただきます。
 河内参考人に伺いますが……

○林委員長 内河。

○吉田(六)委員 内河証人に伺いますが、あなたは高名なコンサルタントだということは私も知り得ています。ゼネラルマネジメントコンサルタント。先ほどからはや御自身でお断りしておられますから、しかし、再度確認の意味で、建築士の資格はお持ちですか、と同時に不動産取引の関係の資格はお持ちですか。

○内河証人 もちろん、私は大学が経営の方でございますので、建築士の資格も、それから、以後不動産業に入ったこともございませんので、両方ともの資格を持っておりません。

○吉田(六)委員 なぜこのようなことを伺うかといいますと、先ほど、姉歯、木村なる方々からいろいろと、コンサルタントフィーという表現がいいのか、あるいは仲介料という表現がいいのか、なかなかそこのところははっきりしませんけれども、随分大きなお金を一つのプロジェクトなりあるいは企業紹介なのかというときにいただいているわけですけれども、不動産であれば不動産の、弁護士さんであれば弁護士のというルールがあります、コンサルタントというのは、そうしたことに対してどのようなルールにのっとって、あるいは考え方から、ああした七億の建物から七千万というようなものが出てくるのかなと。このことを伺いたいがために、この後ろの方は聞きました。

○内河証人 今七億から七千万が出てくると言われたんですが、どこから出てきたのか私はちょっとわかりませんが、まず、木村建設からとか、ほかからでも、私は建築なら建築の仕事を仲介をしてというふうなことでお金をいただいたことは今まで一切ありませんし、木村からも一切入っておりません。
 もう一つは、コンサルフィーについてですが、今までやってきた仕事の中で、新しいホテルをつくるという話をいただくのに、大体、私が今までネタをいろいろいただいてから、確率が二割です。八割はやっぱりだめだと言って断らざるを得ないので、そのことから考えれば、ある程度一つの事業をつくってあげて、大体……。もうそのぐらいにします。よろしいですか。(吉田(六)委員「いや、フィーの話を。パーセントとか」と呼ぶ)はい。
 パーセントは、部屋の数が大きくなればなるほど割安になる。百室、百二十室の場合と違いますが、例えば三千万、四千万、五千万と言われるような数値だと考えてもらって結構です。

○吉田(六)委員 ここでの話ですから、気をつけてお話しになられているんだろうと思いますので、そのように伺います。
 重複しますが、新聞、テレビにあるがごとく、国交省で十二月の二日記者会見、鉄筋を減らせというのはこれっぽっちもないという発言をしておられます。私は、このことについて少し疑義があります。
 どういうことかというと、先ほど望月理事が御確認をしたこのペーパーですけれども、ここにPホテル、Sホテル、こう書いてありますね。これらは、あたかもがごとくに理解されるんですよ。そして、もう一つは、おこがましい話は後でしますから、もう一つは、やはり「レジャー産業」、月刊誌、二〇〇〇、この七月に、「競争に打ち勝つホテルづくりとは」というインタビューで、あなたはコストを下げる一番の方法として、セメント、鉄筋、鉄骨の量について、どのような構造が安く上がるのか計算をしている、私が鉄筋量、鉄骨量、コンクリート量は幾らと指示をしている、こういう文章、お答えが印刷になって出ていますね。
 これらを見るときに、一つは、徹底した、これはお考えの中にあるものですからね、徹底した、コストをローコストにするという、工期を詰めるという、このことが一つの考え方だと思うんですね。そのためにこうしたことをおっしゃったんだろうと思いますけれども、それが勢い、コンサルタントの立場で、鉄骨量、鉄筋量、コンクリート量、これにまで言及している、こういうふうに大方の方は理解しています。このことについて一言。短くお願いします。

○内河証人 このPホテル、Sホテルは現実のことし建ち上がった物件でございます。それで結果はこうだったということを申し上げて、これだけの差があるんだったら、減っていたらという意味で書いただけです。

○吉田(六)委員 これは、Pホテル、Sホテル、私は現物を確認していませんし、図面も見せてもらっていません。ですけれども、違うものですね。
 そうしますと、それはコンサルタント、経営の立場でそろばんをはじくのは勝手ですよ。ですけれども、それぞれに建物のはり成やスパンやいろいろ違うわけですよ。ですから、一つの目安です。ですけれども、それ以上の何物のものでもありません。もっと言えば、プレキャストのコンクリートの同じ建物を何棟も建てる、こんなときには一つの数字が全部に当てはまります。ですけれども、現場打ちの鉄筋コンクリートの建築をチェックするときは目安であって、残念ながら、これは確証とは言えません。
 ですから、ゼネラルという名前のつくあなたの立場で、あたかもこれが何にでも当てはまるがごとくにこうしたものに左右されることは、工学、建築、そして特に見積もり、積算、こうしたところで地道な苦労をしている人たちにとっては、何とおこがましいんだ、こういう思いでおられるはずなんですよ。
 その延長上が、私は、この姉歯を使う木村、こういう流れにつながってくる。これらはみんなあなたのコンサルティングを受け、指導を受けた人たちでしょう。そして、木村さんとは三十年、そして、実際には二十年くらいは大変な関係、救ってあげた、頭が上がらないという、こうした関係。そして、木村、この人がヒューザーの仕事、シノケンの仕事、いわゆる全部の最終施工をやっている。そして、構造計算も最終的には姉歯が全部仕上げている。これらのグループは、すべてあなたのコンサルティングシステム、考え方、これを踏襲し指導を受けている。一つの宗教のような流れだとさえ私は思うんですよ。このことについてどうお考えですか。

○内河証人 このPホテルは十二階建てです。Sホテルは十一階建てで、私は、これらの両方から聞いたら、十二階建てになるだけで大分鉄筋量もふえるんだな、三十一メーターを超えるとというふうな返答を聞きました。ところが、これは、ことしの二〇〇五年の七月に建ったホテルなんです。どちらも問題点はなくて、ほかの、姉歯でない構造計算でやった物件だったんです、後で調べてみたら。
 だから、一九九八年からおやりになった姉歯さんの偽装が、二〇〇〇年七月の私の文からそういう精神をとられるということは何か違っているんじゃないかと思いますが。

○吉田(六)委員 おっしゃられることは御自由でありますけれども、先ほども、木村の仕事の施工品質監理ですね、施工品質監理書、これなるものに事業責任者としておたくのスタッフの名前が載っているんですよ。
 こういうことからすると、今ここでお話しされていた、コンサルなんですよ、方向と指針と考え方を指導しているんですよ、こうきれいにおっしゃるそれとは別な、全く、ぎりぎりの、そこまで、施工品質監理の事業責任者という立場まで派遣をして、そして徹底した総研イズムというものを推し進め、それを推すがために、最後に木村は姉歯に無理を言い、ああした構造計算をさせる、そしてヒューザーには、木村との関係の中から、こうしたことが姉歯だというところに短絡していくということで、私は、どうあっても、すべて総研、あなたのところからこの思想と今起こっている大変なことは始まった、仕込まれた、あるいは推し進められた、こう感じられてならないんですけれども、このことについてはどうですか。

○内河証人 我々が木村建設、私が行っておりましたが、その当時に、構造を考えろとか、鉄筋を減らせと言ったことも相談を受けたこともありません。だから、そういう思想がよそへ行ったというふうなことは絶対考えられません。木村建設のあの木村社長なんて、そんな悪いことをするようなタイプじゃなかったです。
 ただ……(発言する者あり)はい、もうその辺にします。

○吉田(六)委員 もう時間ですから、最後に申し上げますが、いろいろとお話しされますけれども、実際に、ああしたべらぼうな数の、どうにもならない、そして今すぐあそこを立たなければならない、しかし立つためにはどうするかという人たちが、路頭に迷っているんです。まさに、私は、地震が来たならば、ニューヨークのテロのごとく、瓦れきの中に死屍累々という状況が起こるんですよ。このことにかかわった人たちが皆あなたの弟子だ、こういうことですから、私はこの責任は大きい、こう考えています。この辺のことも、見る人はそう見るんだというふうに御理解をいただきたい。
 時間でありますから、後ろの方が二つ三つ割愛されますが、私の思いをしっかりとここでお訴え申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。

○林委員長 高木陽介君。

○高木(陽)委員 公明党の高木陽介でございます。
 本日は三人目の証人ということで、まず姉歯元建築士、これは偽装の、直接的に構造計算を偽装したという当事者、さらに、その物件を建築した、施工したということで木村建設、そして、そのコンサルをやっておられたということで内河証人が三番目としてきょうは登場されたんですけれども。
 まず、今回、マンションのルートとホテルのルートという形で、大きく二つの物件の偽装が行われてきた。その中で、今回、ホテル関係という、先ほどから何度も出ていた、内河証人が頂点であった、いろいろな指導をされてきた。それは偽装の指導かどうかということをここではっきりとしていただきたいと思うんですが、その上で、まず、姉歯証人との関係について、これは先ほどから何度か出てまいりました。国交省で、会ったこともない、聞いたこともない、こういう話をされて、午前中の姉歯証人では、その答弁では、平成設計の前の社長の葬儀のときに会った。ただし、それは出ていないというお話をされました。
 もう一つは、総研のセミナー、本社で行われているセミナーに姉歯証人がいわゆる講師として行ったという、これをきょうは答弁をされたんですけれども、そういう認識はありましたでしょうか。

○内河証人 確かに、後で聞いたら、新しいドイツから入れる工法をやるときに、構造のアドバイザーが要るというふうなことを言われて、それで平成へ頼んだら、そのときに姉歯がやってきていたと。ところが、それは、Yというもう二〇〇二年にやめた人間がそれをやっておりまして、私はその日は、そのセミナーの当日は出ておりませんので、わかりませんでした。

○高木(陽)委員 それを後で聞いたというのは、姉歯元建築士ですね、姉歯氏がその講師をやったというのを聞いたのはいつですか。

○内河証人 今回、事件が起こって、姉歯と会ったことがないかということで社内の調査委員会で調べたところが、そういうふうなことが初めてわかりました。

○高木(陽)委員 今までコンサルタントをされてこられたホテル、先ほど資料も配付されて、答弁でもありました、二百三十八件やっておられた。そのうち、偽装が行われ始めたと言われる一九九八年以前は百六十三件、一九九九年以降は七十五件ということで、そのうち姉歯関連等々お話をされましたけれども、そのときに、施工する建設会社、これはしっかりと認識されていますか、その二百三十八件。

○内河証人 二百三十八本全部は覚えられません。まず難しいと思います。

○高木(陽)委員 そこで、これは内河証人が持ち込まれた資料ですけれども、偽装前の百六十三件のときに、木村が扱ったのが二十三件、その他が百四十件なんですね。ところが、九九年以降七十五件のうちで、木村が三十件、その他が四十五件という、もう半分近くにまで急にふえている。これはどういうことなんでしょうか。

○内河証人 皆さんも御存じだろうと思います。アメリカ、ヨーロッパでは、ワンフロア階をコンクリートを打つのが大体四日間です。日本では二週間かかっています。これが四日間が当たり前というのが世界の通例でございます。
 そこで、その工法を入れて帰りまして、何件かに教え込んでやった。そのときに、一番早く覚えて、確実に短工期でやる、これは型枠の工法です、というふうなことでやり上げたのが木村建設だった。一番その工期を守ってくれる頼りあるのが木村建設だった。だから、だんだんそっちの方へある程度大きくなっていったというふうなことやと思ってください。

○高木(陽)委員 木村建設がその型枠工法をしっかり身につけて、素早くやった。しかし、その素早くやる過程の中において、今回問題となった偽装の部分、例えば構造計算、これ自体も、いわゆる専門家の方によると、本当に丁寧にやると時間のかかってしまうもの、例えば、一人の建築士がやる場合にやはり一カ月ぐらいかかってしまう。それを姉歯建築士はすごいスピーディーにやる。いわゆるそこに手抜きがあったわけですね。偽装があったわけです。だから、そこら辺の関連性というのもあるのではないかなと思うんですが、その点はいかがですか。

○内河証人 今、ちょっと聞きにくかったところがあるんですが、基礎ということをやるときには、木村でも初めのうちは全部今までの在来工法でやっていました。基礎から上がって、土から芽が出て上へ上がっていく間は、新しいその工法を入れるというふうなことがほとんどでした。だから、基礎の問題ではないと思います。
 もう一つ、型枠という問題で、鉄筋が多いか少ないか、生コンが多いか少ないかの問題と、型枠のこの工法とは全然違うものです。もし必要なら、その型枠の工法のデータはお出しをいたしますし、ビデオまでお出しをしても結構です。

○高木(陽)委員 先ほども同僚の委員の方からありました、SG会の資料で、お手元にもあると思うんですが、このペーパーによりますと、そのPホテル、Sホテル、これは現実のホテルだというふうに言われましたけれども、この最初の二行目のところに「構造設計・設計屋さんの考え方で大へんな差がある現実の話」、こういうふうにあるわけですね。さらには、当研究所のコンサルタントの方が同じく見てくれているビジネスホテルについて下記のように差が出てきました、いわゆる具体的に、鉄筋の量だとか生コンの量、型枠のことで差が出てきたということを指摘されているんですね。
 先ほど、冒頭にもお話しされたように、いわゆる建築の専門家じゃないというお話がありましたね。ですから、そういった問題についてよくわからない、会社の中にもそういう専門家がいないんだ、こういうふうに言いながら、ここに出ている数字というのは、やはり構造の細かい、ある意味でいうと素人から見ても結構具体的だよな、こういうふうに思うんですが、この点はどうなんでしょう。

○内河証人 技術屋だったら剪断とか何や言い出すんですが、私は全然わかりませんので、ただ、実行予算で鉄筋量が出てきたものを延べ床面積でただ割っただけ、これやったら小学校でもできると思って、そういうふうに自分でやって、何でこうなんだろうと。最近またやったホテルを、十一階建てで九十四キロでした。今、十一階で六十九キロ、Pホテルは十二階で百九キロ、これは本当は何なんだといって、私はいろんな建築屋さんになぞかけをやっていたのがこの事件の行われる一カ月ぐらい前の話です。だから、本当のところは、なぜそういうふうになるのかわかりません。
 もう一つは、こんなことで考えてください。はりというのがありますが、あのはり、普通だったら、ツーバイフォーのあれだったら、三センチの、三十センチぐらいのをこう縦に並べるんです。これしたら折れちゃうんですが、こうしたら案外折れないというふうなことで、縦の長さとこれの関係やとか、いろいろあるんじゃないかと思うんです。例えば、柱の間隔を五メーターにするとか。わからないので、自分で一生懸命こういうふうにやったと考えてください。

○高木(陽)委員 私も建築には素人なんですね。ただ、今回の問題が起きまして、国土交通委員会でも現場へ行きました。公明党でも現場へ行きました。そこでいろいろと聞くと、ごく当たり前な形、例えば階数が多くなればなるほどそれだけ重量がかかりますから、下の方の鉄筋をふやさなきゃいけないという、これは素人でもわかる。そういうのをすぐわかる中で、こうやって数字を出せると思うんですね。
 その上で、もう一つ、これもいろいろなところで指摘されたと思うんですけれども、内河所長が、二〇〇〇年の七月号の「月刊レジャー産業」、ここでもいろいろなインタビューをやって、構造の話をされているわけですね。
 今までの、従来の主張である型枠または材料の問題、原材料を外注して、外国から輸入して安くする等々も書かれているんですが、こういうふうに書かれてありますね。「ホテル事業において最も重要だと思われるものはなんでしょう。」内河証人は、「方法や設計、設計のなかでも構造の問題ですね。それと海外の資材の購入です。」と、海外の資材のことを言われるんですが、その後に、「構造的な部分では。」という質問。「これまでたくさんの仕事を手がけましたが、それぞれセメントの量、鉄筋の量、鉄骨の量など平米当たりで「どのような構造がなぜ安く上がるのか」ということも計算しました。」これは二〇〇〇年ですね。もう五年も前にこういうことを言っているわけですね。しかも、今までの場合によっては、私がこの建物は延べ床面積平米当たり鉄筋量幾ら、型枠量幾ら、コンクリートが幾らというようなところまで計算し、設計の指示をしますと言われている、指示を。
 これは、木村建設と、または平成設計等と交流はしているわけですから、具体的な指示をしたことはありますか。

○内河証人 私は、実績を割っただけのを見せて、これで何でこない違うんだ、もっと勉強して研究をしろというふうなことまでは言ったことありますが、ここから鉄筋を減らせということはよう言いません。だって、わからないんですから、本当のところ。

○高木(陽)委員 いわゆる減らせと言うと、やはりそこは専門家の方は専門家の方で、ここは何とかしなきゃいけない。先ほど、篠塚元東京支店長、そして姉歯元建築士、話を聞いていると、まず、姉歯元建築士は篠塚元支店長からプレッシャーを受けた、もっと減らせ、もう具体的に。もうこれ以上できませんと言っても、それでも減らせと言われました。一方、篠塚元支店長は、ここのところをあいまいにしたまま。ただし、いろいろな指示は受けた、指導は受けた、こういう言い方をするわけですね。
 そうなりますと、内河証人が、もっと安くならぬのか、もっとコスト下がらぬのかと、こういう言い方が、知らないうちに、もっと言えば、当事者にとってみればかなりの圧力、プレッシャーになるというふうに考えられると思いますが、どう思いますか。

○内河証人 私は、客観的な数値から、具体的に教えられないので、しようがないからその数値を見せて、こういうふうな差をどこから生まれてくるか、もっと研究してくれぬかというふうなことは、もちろんどこの会社へ行っても言います。けれども、どこをどうしたらというのは、本当のところは実際わかりません。
 それで、私が、そうしてくれ、勉強してくれ言った人間も、なかなか返事してくれないんです。それが現実ですよ。

○高木(陽)委員 やはり総研という、ある意味ではコンサルト業においては、またホテルの業界においてはかなりの数をこなしてきた、そういう経験豊富なその所長が指示をする、または指導をする、何とかならぬのかと。この何とかならぬのかというのは、逆に言えば、プレッシャーになる可能性だってあるわけですよね。
 ここのところの因果関係というのは、またいろいろな形で突き詰めていかなければいけないと思うんですが、もう一つ、これもきょうの質疑で出てまいりまして、これは、内河所長本人がそこの場にはいなかったんですけれども、やはり今回の一つの構図として、組織ぐるみではないかという、こういった疑惑が持たれています。そのときに、一番最初の取っかかりとなった一昨年の横浜の千葉設計での港区の物件の問題、これはホテルじゃないわけですね。ホテルじゃないですけれども、総研の四ケ所さんが入られている。そこに姉歯建築士、そして篠塚東京支店長、まあ役者がそろっているわけです。
 そこら辺のところで、そういった部分での報告というのは、これは受けましたか、受けませんか。

○内河証人 それは受けておりません。ただ、後では聞きました。
 何なのかといったら、大きく分けて、先ほど二つに分けられましたのですが、分譲マンションと、あるいは賃貸マンションです、それとホテルです。その賃貸マンションは我々の仕事じゃなくて、ただ、その工期の早いのを教えてくれというオーナー側からの要請があって、三件連れて最初は行っているんです。木村建設とほかに二人を連れて行っているんです。それがあっただけで、その場で、後で構造計算まで入るような話になったとは知らなかったという四ケ所からの報告は受けていました。

○高木(陽)委員 四ケ所さんという方は、大手ゼネコン出身ですよね。(内河証人「そうです」と呼ぶ)ある意味でいうと、建築のベテランになります。
 そういう方が、これも姉歯証人が述べたことなんですけれども、これを指摘したアトラス設計の渡辺社長が、その場でいわゆる低減の話をされた。これはある意味では法律をもう下回っている、こういうような認識で、これは専門家たち、このそろっていた人たちもそういう認識は持ったであろうというふうに姉歯証人が言っているんです。
 であるならば、四ケ所さんは、これは結構大きな問題なわけですよ、これを報告しない。報告しないということは、それはもうこういったものをずうっとやっていくのか、またやっていっているのか。ここのところが、もしそんなことは一切関知もしていないんだというんだったら、その問題は逆に重要な問題としてすぐに所長の方に報告したり、また、こういった問題で、姉歯建築士、さらには木村建設、そういった問題があるんではないかという、こういう報告があってしかるべきだと思うんですけれども、どうでしょう、そこら辺は。

○内河証人 まず、そのことを後でいろいろ問いただして聞きました。
 まず、先ほど申し上げましたように、賃貸マンションの件は、工期の早い業者を紹介してくれというだけでついていっただけでということが一つです。もう一つは、姉歯さん、アトラスの渡辺社長がおっしゃっていましたけれども、突っ込んだら、はっきりわからないけれどもややこしい返事だったというような意味合いの話をしておられました。文書は持ってきておりませんのでわかりませんが。
 だから、そこまで四ケ所は重要だと思わなかった、計算ミス程度だろうというふうな認識で帰ってしまったそうです。

○高木(陽)委員 ここが大きな問題だと思うんですね。
 これは、四ケ所さん本人ここにいらっしゃらないから、それを聞いたことをそのまま伝えているのかもしれませんけれども、いわゆる専門家、先ほど申し上げたゼネコン、大手ゼネコン出身ですし、いろいろなそういう大きな建物も建ててこられた、そういうような方が横にいて、しかも、専門用語かもしれませんが、低減という形を使ってやった。それをただ単なるミスとしてとらえられるかどうか。逆に、そういうふうにしてしまうそういう体質、これも大きな問題として、いわゆる総研自体も指摘されなければいけないと思うんですよ。
 やはり、かかわった、少しでもかかわった、建築に関して。もちろんコンサルだけれども、経験者がそういうところにいながら、それ以降、結局、もしそこでこの姉歯もしくは木村建設というのが問題であるということがわかっていれば、その後の建設というのはストップされたわけですから。逆に、そういった部分では、四ケ所さん本人の問題という以上に、総研としての、または所長としてのこの責任というのが問われると思うんですけれども、どう思いますか。

○内河証人 当日、その元請の会社を出たときに、四ケ所は平成設計の薮君に、これは大変なそうだからやめたらどうだというふうなことを言ったそうです。そして、今後はもうあれは使うなよというふうなことを歩きながらの立ち話で言って帰ったんで、後は使ってなかったと思っていたというふうな話を聞きました。

○高木(陽)委員 でも、結局は使っていたわけですね。それが、大きなこんな問題にまで、さらに戸数がふえてしまったという。
 ですから、コンサルというのはある意味では業法がない、例えば建築業法だとか不動産業法がない。でも、やっていることは、もうこれだけの、二百三十八件もホテルをつくっている、それの指導者なわけですよ。しかも、その中で、特に総研がかかわった問題が、総研のかかわった建物がいわゆるずうっと偽装されているというこの現実。そういった部分では、きょうは時間が限られていてすべてお聞きすることはできませんでしたけれども、やはりここのところは今後も、いわゆる内河所長として、しっかりと事実を述べながら、そしてまた、その説明責任として、総研がどうかかわり、どういうふうにやってきたかということをもっと明らかにしていかなければいけないということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。