2010夏 ことば悦覧 in うるとらまんchin々 (仮想領域 大坂・京都) | |
HOME 01 たかぎみ江 02 井口夏実 03 江頭昌志 04 満田衛資 05 井口純子 06井口勝文 07 水野大二郎 08 永岡弘 09フォラムin大阪雑感 10 2010夏えいぞうさん家 |
|
2010年7月31日 AM10〜 「井口夏実さん 人生と現在を語る」 文字起こし・文責:佐藤敏宏 (快晴・京都の自宅にて) その 01 02 03 04 05 06 07 ロンドンレポート |
|
その04 | |
佐藤:よくもま〜 日本に戻ってきましたね。戻って来たくなくなると思うんだけどね 夏実:先生と学生がすごく対等な感じで話ができてる雰囲気でしたけどね 佐藤:日本では 学生は研究したいけど、先生が研究したことにして名前貼り付けて、先生の研究テーマを下請けさせる構造でしょう。イギリスはそういう学 生が先生の下請け状況はないでしょう。 夏実:日本の大学でちゃんと勉強してないから、大学の仕組みを知らない ふふふふ 佐藤:よかっったね〜阪大で勉強してなくって 夏実:論文の書き方とかも知らない 結構 細かいこと言われるんだよね 山崎:研究テーマが与えられたり ってのはないってことだよね、自分で見付けてこれるわけでしょう 佐藤:それが普通だと思っていると 日本の大学だと潰されちゃうよ 先生のテーマにそってこそ学生 下請けなんだから 夏実:文系でも、理系の子はたしかにやらされてた研究室の子。文系は細かいと こ つっかれていそうだな〜とは 書いている人見ながら思うよね 佐藤:脱線してたけどもどします。 なんで日本に帰って来たかっていう質問ですけど、楽しく勉強しできる環境なのに、なんで日本に戻って来ちゃうのかなと思って 夏実:研究者になるつもりはなかったと 佐藤:あそうなの 夏実:全然 なかったうん。 佐藤:留学するってことはあったけど。 研究者には なるつもりはなかったけど、アートの面白さとかパブリックスペースで 学問の面白さが分かったら、もうちょっと研究したくなるじゃないですか。2年でいいか〜と戻って来たんだ 夏実:そうだね、お金が無かったしね 佐藤:何年に戻ってきたの 夏実:2000年の春に帰って来ました 佐藤:日本は そうとう 経済もシステムもがへたれて いるときだよね 夏実:うん 佐藤:ロンドンでは その後地下鉄爆破されちゃうからね、ずーっと居たらね よかったね 難を逃れて 夏実:ロンドンで仕事があったら残りたかったと思うんだけどね。勉強しながら 残りたいとは思わなかった 佐藤:なるほど。日本帰ってきていきなり仕事したんですか 夏実:夏に向こうで終わるんですけどね。コースはね。帰ってくるまでにイタリアのミラノにフラッシュアートっていう、イタリアの雑誌なんだけど、現代アートのね。英語で書かれている雑誌があったから そこに居候させてもらって。 佐藤:半年日本とずれているからね 夏実:そうそう、直ぐ帰って来るの 嫌だったし 佐藤:編集の仕事をやってた 夏実:編集の補助みたいなのをね。 佐藤:いいね〜、本作り 楽しいよね 夏実:何かよく分からないまま 行きましたけれどね 佐藤:レポートは書いたけど本は作ったことなかったんだ 夏実:そうそう そう 佐藤:フリーペパーとか 作ったことないですか 夏実:ない ない 佐藤:いきなりプロの場に行っちゃったんだ、アート イタリア本場じゃないですか違うんですか 夏実:違うじゃないかな 佐藤:ミラノにいって雑誌つくりを手伝って、日本で起こる半年のタイムラグを そこで埋め・調整して、日本に戻ってきて、就職したんですかいきなり 夏実:そうなのね 佐藤:どこに入ったんですか 夏実:今勤めている学芸出版社です |
|
学芸出版社サイトへ |
佐藤:なんでまた いきなり 建築系の出版社に 夏実:そうそう、それは前の年の春にね帰国しているときにちょうど募集されていたの。それで応募してたんですよね。 佐藤:建築専門の出版社ですよね 夏実:そうです 佐藤:建築とか都市とかの専門、大学の先生の教科書を作ったりするのがメーインじゃないんですか 夏実:そうです 佐藤:このテーマで書いてくださいみたいなのは出すんですか 企画書を書いてとかもするですか。売れないと飯食えないよね、難しそうだな〜本作りの編集者の仕事って 夏実:難しい 佐藤:大変だと思うな、まして建築系だと読む人が限られてしまうし。あるていど売れる見通しはつけやすいのかな、学生が買ってくれるところがあって。 僕も早稲田授業で3年間ほど本作りを手伝っているんだけど、売り上げあんまり伸びてないような話を聞くから。どやって売るの HP作りましょうとか。直売りの本だけ作っているんだ。建築の本を作るってのは相当大変だろうなと思って聞いてみたんだけど 夏実:売れないですよ うんうん 佐藤:自社で作った本を自社で売ると。 夏実:そうです 佐藤:企画が通れば一杯売れるかもしれないし そういう面白さはあるよね 夏実:うん 佐藤:昔から日本人 文字読む人 少ないでしょう 本読まないいと思うな せいぜい2,3千部ぐらいしか売れそうにないと思うけどな〜 夏実:3千部売れたら素晴らしいんじゃないですか 佐藤:そうだよね、で今は電子書籍だとか、インタネットのタダ漏れ情報が一杯あって、その間で売ると。ネットの情報の流れと 本を作る流れとあって、僕はどっちも大切だと思うんですけども。足下をすくわれる情報も一杯出て来るじゃないですか。それらについてはどういうふうに考えているんですか、両方に足をかかけながら、将来は電子書籍に移行しちゃうよとか、ネットだけで喰っていくぞとか、何かここはオフレコでいいですけど 原稿書いて、電子書籍ソフトに入れれば電子本の形式になって流通させることは出来るかもしれないけど。校正したり編集したりっていう専門的な能力は素人はなかなか出来ないので、プロの編集者の存在価値が高まると思うんですけど みなが本を作り出せばだすほどと プロ編集者が必要とされると思ったりしますけど。 インタビューしてて こういうことを言うのは変なんですけども 親密な個人語りの中心の俺のWEB頁を本にしても売れないです。 50冊売るのは無理ですもの。WEBには合ってると思うけど で、紙媒体で売るため用にWEB頁を編集してないんですよ。 しかも 編集すると紙媒体の価値基準に近づいてしまうので、 曖昧なままで放置してます。 WEB頁の編集術がいまだにわかてないです。編集行為は態度を明確にして 媒体の特性に合わせて 伝わるように全体を構成して部位を切り捨てたり入れ換えたりする作業なので、大変な作業だと思う。で尚かつ売らなきゃいけないから、どうやって全体の流れや対応を 紙媒体の人たちは考えているのかな〜て興味が湧いたんですけど。 夏実:紙もちゃんと売りつづけるはずだし、で電子書籍もね、やれることはやると思うんですよね。取り残されないように。積極的に。コスト掛からないけど 儲けが少ないと思う売り方によっては、売り方が凄く難しいと思うんですけど、中抜きされてもいいのか、直販するのかとかね。でも編集の仕事は絶対無くならないと思う 佐藤:無くなるはずがないし専門性が要。この記録・web頁は 他の人が読んでどうこうっことじゃなくって、俺がここで話したことを記憶できないので、文字に起こしてWEB頁を作っているだけなんです。他者のことはほとんど考えてないから 気楽にドンドン作っているんだけど。 売るとなるとまるで違う世界に移行しなければならない。ターゲットリーダー絞ったりして、その人たちが理解して満足してお金を払ってくれないと成り立たない、ただの自己満足で終わっては本作りのプロにはなれないものね。その辺のところは今凄くスリルがあって、エキサイティングだなと傍観しているんだけど。 俺の記録では本にしたら売れるインタビューイを選んで、人選して聞いて行くよな行為はしたくない。俺がする仕事ではないと思っているのので、売れなくっても記録に残すべき、・記憶されるべき人に会ってみたいんだよね。 売れ筋を読むって 売れるハズの人を落とすってことだし、俺自身がどこの領域にも所属してないエア建築家だから、この場で直ぐ決断して夏美さんのお父さんのインタビュー聞き取り3日間でしても、お父さんには迷惑掛かるが なんにも問題が起きない それに どの領域に所属する気がないから どこの領域からも お金が流れてこないという その場限りの流れにのってスイスイと夏美さんお父さんを聞き取って記録する、そういう態度は 売れ筋考えて作る 雑誌にしろWEB頁にしろ出来ないだろうし すべきでもない。 アマゾン形式の次は この本買うからこの人編集しよう〜なんて作法は 井戸が枯渇しすると思う。本が多すぎるから枯れてもいいという態度もある。 今の日本の本作りは売れる人に出版社が群がり 売れる本のタイトルだけ作っておいて 中身は後でつくる社会になって来るのではないか。確かに売れ筋確保するには安心できるだろうけど。 人間の出会いは天気のようなものだから 本は人の代替物なので 人と人の在り方から言うと。アマゾン手法も売れ筋群がりも目的合理ではあるけれども 人の動物的身心に合ってないと思える。 予想外のことが出てこなくなる、それでもいいという考えはもちろんある、古いオジサンとしては そういう領域には所属さないで、売らない、そして役に立たないようなことを徹底して続けてみたい。きたいなmyWEBの言い訳を言い続けけているんですけど まあ許してください ふふっふふ 夏実:いやいやいいんじゃないですか 佐藤さんは編集者ではないんでしょう。 佐藤:おれは元・建築家・現エア建築家で適当なんですけど建築家になったりしてふふふ 山崎:はじめて 佐藤:ここで私は建築家ですみたいなことを言う ふふふふご都合主義者でもあるんですけど。 建築家って編集者でもあると思いますけども、建材は言葉と物で出来ているからそれを 編集して場の在る物に組み立てていく。編集者なんだけど 発注者に対して1個しか作らない ことが多いけど。少数生産だから 社会にほとんど影響力無いんですよ、無いと一緒ですけどね。 本の編集者の場合は3千人は読むこともあるし、残してて 3000人が10年間で一度ずつ読み続けたら 3万人が読むことになるじゃないですか、本は影響力ありますよね 夏実:3万人ね 佐藤:俺久しぶりに、40年振り ぐらい経ってるんだけど 高校生で買った黒川紀彰さんの行動建築論を手にとってみた。なかなか本は良いなと思いました。 俺が読んで筋入れた箇所も判るし、今読んでも色々な意味で面白い、もう既に歴史的な考え方になってしまっているけど。 希望の持ち方とか 論じ方とか分かりやすくって。読んでしまうだけど 俺が3度読んだとしても読者は発行部数の3倍になっているわけだし。本の編集って面白いと思うな、俺にはできないけど 夏実:そういう本が作れるといいね〜2回読む本ってなかなか無いよね。 佐藤:そうですか 夏実:うん 佐藤:それが普通か 夏実::買っても読まない本沢山あるし 佐藤:ある日突然 古物屋・古本屋で出会うこともあるので 物である本は捨てたものじゃないと思うんだけど 山崎:物として残るっていうのが面白いですねやっぱり 佐藤:my長男が近世史の研究しているんだけど 原本の古文書て虫食いだからだったり してても いろんなことを解読出来るんですよね。 たとえばその時代の人と人との関係だとか 社会的地位だとか家族の状況だとか分かってしまう。虫食い本でも。 物で残すってやはり凄いことだと思う。 WEBデータはまだ始まったばかりだから比べようがない。 アマゾン帝国は民間会社だし どんな横暴が起こるか予想が立たない利益優先でしょう。 扱い方がいまいち分からない 古い・新しいデータも同列にならぶし 時を超えたときに虫食いデータとか出来ないだろうしね、どこ書き換えたか分からないしね 書き換えは後で分かるような表示は出来ると思うけど 夏実::電子書籍になるなら出来ることはやろうという、何が出来るかやってみたい、ちょっと先に外から盛り上げられている感じもしますけどもね、まだ読める本がそんなに無いし。実際使われている訳でもないけど来るぞ、来るぞって廻りから言われてるんだけどね 佐藤:編集の話から色々雑談に成ってしまいましたけど、編集やられて一番問題は現状はなんですか、 夏実::編集の仕事で難しいこと、 佐藤:売れない 夏実::うん 佐藤:本を作ったら講演会開いて各地廻って歩くとか やってますか 夏実::やってます。著者が売るのが一番よく売れる、出版社がいくら宣伝しても、著者が自分で宣伝してくれるのが一番よく売れる、感触がありますけどね 佐藤:それから今建築系の役所の人が 手をかけたいテーマを先取りして本を出していくとかですかね 夏実::まちづくり関係は昔はそうやってやってきたみたいですけどね 佐藤:アートとまちづくりの相互乗り入れが進んでいるから両方に売れるんじゃない 夏実::アートとまちづくりの本も幾つか出しているけど、 佐藤:芳しくないですか 夏実::うん 佐藤:どちらの領域の人も手に取らないってこともあるな 夏実::アートと まちづくりってそんなに巧くいっているのかな。本にしてもね実践の方が大事なんじゃないか、本読んで実践するって感じじゃなくない ですか 佐藤:あそうだよね 夏実::それ読んだからって 巧くいくわけじゃないしね、どこでも。どっかから ぽーんと持ってきて始めるのもあまり面白くなさそうだな〜と思うし。 佐藤:ということは なかなか売れる本をつくるのは難しいぞど 山崎:ふふふふふ 夏実::うん企画を考えるのが一番難しいですね 佐藤:ということで1時間経ったので次のテーマ 現在を語るに うつります 1:07:27 その05へ |