2009年8月2〜9日 ことば悦覧in京都 記録集 home 魚谷繁礼 門藤芳樹 山本麻子 岩崎泰 柳沢究 森田一弥 浅見俊幸 満田衛資 川勝真一 岡田栄造 榊原充大 山崎泰寛 牧野研造 俺クチャー 観客感想 番外編 名古屋 小林聖明 東京 太田浩史 松島潤平 森田一弥さん編 8月05日 Am10〜 晴れ その 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 その07 森田:解体しちゃったですよ 佐藤:もったいない、ここに置いておけばよかったじゃないですか 森田:ここに置けたらよかったんですけど。 佐藤:どうして解体したんですか 森田:当時ここに住んでなくって 佐藤:ああそうか、1年前にここに引っ越して来たと。また作ってください。型枠は有るんでしょう。 森田:型枠もう無いんですよね。また作りますよ・もっと進化したやつを 佐藤:表面はこんなふうにギザギザになっているんですか 森田:これはね、何かトルコの出版社が勝手にこんなふうにやった 佐藤:ああそうか、触ったらブツブツしているから、いいね〜。これはトルコの本ですか。 森田:トルコの雑誌で 佐藤:表紙になってますねトルコでね。いきなりトルコで建築デビューですか。日本の建築メディアはどうでしたか? 森田:日本はあんま載ってないんですよ。日本で載っている処ってあんまり無いか〜。 佐藤:日本はこういう繭じゃなくって透明で、パラパラポlコポコ系とか言われている 森田:何なんでしょうね。僕日本で全然これ 反応無くって。最初のこれアーキテクチャーレビューっていうイギリスの雑誌に送ったら。藤本壮介が大賞を取ったときのやつなんですけど。僕のやつも優秀賞ってので取り上げてもらって。 佐藤:どこにあるんですか 森田:どこかな〜 佐藤:藤本壮介なにで大賞とったの。コンテストがあるんですか 森田:あるんですよ。世界の若手の45才以下の建築家の登竜門みたいな賞で。藤本壮介は北海道のこれで 佐藤:これは精神病院かなにかかな。 森田:そうですね。それで取って。これ東京の永山祐子さんが住宅で入ってて。 佐藤:森田さんが 森田:うんこれで入って 佐藤:これが優秀賞っていうことでね 森田:このお陰で、随分海外の出版社が注目してくれて。 佐藤:ジャンジャン 写真送ってくださいってね 森田:写真送ってくれってドンドン送ってこられて、送ってドンドン 佐藤:写真を送ると雑誌が送られてくると (絵森田さんhpより) 森田:えそういうサイクルが。 佐藤:じゃあもう海外で有名になったから、あと数年後には日本でも有名になるかもしんないね。 森田:どうなんでしょう 佐藤:日本はそういう世界じゃないですか? 森田:そうですよね 佐藤:一回外へ出て評価されないと、自分の眼を信じられないかのような事態になっているから 森田:うふふふふふふ、そうですね 佐藤:変な世界だから 自分から評価し書き出さないからね。外で評価されないとだれも面白いって言い出さない。へえ〜。これだけの数が載ってしまえばね。ほとんど表紙じゃないですか 森田:これで、まあ凄く興味をもてもらえて、 佐藤:へえ〜おめでとうございました、素晴らしじゃないですか 森田:これは通用するんだなってのが分かって 佐藤:よかったね、そうだね。 森田:もちろん京都の技術が下敷きになっているんだけど。 佐藤:英文でそういうことが書いてあるんですか 森田:書いてありますね 佐藤:ああここに載っている、左官でこう塗って 森田:塗りつけている、セメントにそういう藁と同じように硝子繊維を入れて塗るっていう。塗りつける。 佐藤:これは藁じゃなくって硝子繊維、なのね。こねるときに面倒じゃないんですか。まとわりついて来ないんですか 森田:それは配合で巧いことやれば 佐藤:そうなんだ、藁だと5pぐらいと短いじゃないですか。硝子繊維ってどんな状況なのかしらないけど、相当長いんでしょう 森田:結構短いの有るです。これぐらいのやつがあるんで。 佐藤:コンクリリートじゃなくステンレス繊維いれたやつありますよね 森田:あります 佐藤:これをやると型枠さえちゃんとつくれれば、カタチは自在に左官技術で出来るから。塗り壁が本当に自立しちゃったわけだよね 森田:そうです 佐藤:構造屋も、鉄筋やもいらないし、左官技術で建物が世界を制覇できるぞみたいなふふっふふ 森田:そうそう ふふふふ 佐藤:風呂敷でかくなりましたね〜一気に 森田:ははははははは 佐藤:大陸横断風呂敷 森田:大陸いっちゃいましたね〜 佐藤:これはどこででも出来るものね 森田:どこでも出来ます。 佐藤:土ではちょっとむずかしですか。薄くするのが 森田:薄くするのはむずかしいですけど 佐藤:でも雨降ったりするか 森田:でもこれを型枠にして土のドーム、厚みを付けるんであれば、どこででも出来ますよね。うん。 佐藤:時々アフリカのカメルーン当たりに行くとこういうドゴン族のこういうポツパイハウスみたなのあるじゃないですか。そこに森田とか書いてある。これからの新しい時代は森田ドームで行こうと。これ2重になるかもしれないし、断熱も出来そうだし 森田:それでやっているのが 佐藤:一重だと暑くってだめでしょう 森田:もっと分厚くしないとだめだと思んですけど、気候によっては。これはそれを発展させて 佐藤:これ本当にオッパイハウスのようになって来ましたね〜 森田:これは連結させてやるんですけど。これは型枠が空気膜を膨らませてやるっていう 佐藤:なるほどね。 森田:柳沢君も一緒に研究してたんですけど、大学と組んで。 佐藤;これが空気膜東京ドームのような 森田バルーンを膨らませてやるんですよ 佐藤:本当にやったのこれは、 森田:本当にやったんですよ大学で1/3モデルの構造解析やって。破壊実験して。実際にバルーン作って。やったんですよ。 佐藤:これは森田さん塗っているんですか 森田:僕塗ってます 佐藤:ガラス繊維入っているんですか 森田:ガラス繊維はいっているんです 佐藤:CGでなくって本当に作ったんだね 森田:本当に作ったんです、これね5月ぐらいに壊しちゃったんですよ 佐藤:基準法とか色々問題になるのかな。実際に日本で作るとなると 森田:そう、基準法だと認められないんで。仮設住宅。 佐藤:建築センター通せとか言われるんでしょう 森田:うん。恒久的な住宅じゃなくって仮設住宅。 佐藤:仮設ね 森田:うん。もしくは海外。 佐藤:海外には 日本の基準法無いよな〜 森田:はあはははは そうですよ 佐藤:国交省ないしな〜、いきなり凄いことになって来ましたね〜左官の自立から、建築の自立というか 建築が自生というか、自然の茸のように生えて。使えるぞ〜みたいな処へ。普遍的な処へ来たちゃったんだ。 森田:うん。 佐藤:やっぱり5年間左官に拘ってみるもんですね 森田:はははは 佐藤:練習壁に向かって仕事のあと塗りを練習して 森田:練習して! 佐藤:この無駄、徒労は、本当に徒労なのか?みたいな感じでね。このコンクリートボット産まれるの その時は考えてなかったですよね 森田:そうですね。うん。 佐藤:壁だけで自立、左官の技術だけで自立した建築をつくろうっていうのは、どの当たりから 森田:なんか木造の解体とかに行くと。よく外壁モルタルとか塗ってあるじゃないですか 佐藤:えいえい 森田:2pとか3pとか塗ってあるとね。固いんですよ〜。壊してて。これはどう考えても無駄なことやっているな〜と。これだけで充分建物出来るよって僕は解体しながら思うわけですね。 佐藤:剥がすのめんどくさいからね。 森田:めんどくさい 佐藤:これだけで自立するぞ〜と 森田:うん。 佐藤:へーえ〜 森田:型枠さえ、日本の左官技術は木造の軸組に対して塗るってことは 佐藤:解体するっていうことは大陸横断した後 森田:それは左官の修業やっている頃ですよ 佐藤:そうかそうか、それでムカツクわけね 森田:そうです、そうそう 佐藤:世界は 地球はこんなになってないぞと。 森田:あはははは 佐藤:こんなに幾重にも無駄してない!と 森田:無駄してない。うん。 佐藤:日本は無駄する暇があるし、金もあるし、おかしなもんだと思った。沸々と思ったわけだ。 森田:まあ無駄っていうのもあるし、左官技術が結局そういう木造の軸組にへばり付いてる以上、表面のねテクスチャーでしか勝負できないと。 佐藤:なんでそんなに左官にさ〜愛を感じるのか持てるのか?よく分からないけどふふっふ 共にふぉふふふふふ 森田:そう。型枠さえ 自分で 佐藤:金魚も そっぽ向いて、カヌーにはそっぽ向いて、飛行機もそっぽ向いたのにさ〜左官だけなんでさー そんなに拘っているのか?!ここはちょっと聞きたい処だね 森田:カヌーもまだ今でもやりたいですけどね。 佐藤:左官の拘りかと全然違うじゃないですか。 森田:うんうん。あれは何か、世界を見るための手段なんで。船に乗るのはも。見れない視線で見る (型枠の風船が膨らむ ) 佐藤:これはじゃあー世界を旅するための手段だけど、これは定住すっていうのか、、なんていうのかな そこに生えて生き残っていくために、こもっと生えて来て。生き残る手段だね。仮説住居 こういうのを世界中に置いてカヌーで旅して、岸辺にこういのが 生えていて 森田:はははは 佐藤:だれでも泊まって。森田さんの繭だ。 森田:まあ建築にアプローチする手段ですよね。技術も結局。 佐藤:うんうん。 森田:何か設計の技術っていうの、結局設計の方法っていうの、技術だし。色々その本にはコンポジションだったりね〜設計プロセスだったり。色んな処で技術で建築空間にアプローチするわけだけど。僕は技術でアプローチする。とくに一番解ってるのは左官だから。左官でやろうと〜っていうのは意識して。 佐藤:ミニマリストも真っ青ですよねこれならね 森田:ふふはあはは 佐藤:ミニマム建築ぶっ飛んじゃうね。本当にミニマムじゃないですか 森田:うん 佐藤:左官っていうそれだけで出来ちゃうんだから 森田:はい。うん 佐藤:デザインはスッキリ四角とかじゃなくって、デッカイ材木くり抜いたみたいな話だけじゃなくって。それよりは 左官の方が苦労も要らずに、いつでもどこでもコテ一個でみたいな感じで、バルーン持って行ってどんこでも行ける ハンドバックに詰めて持ち運び・左官来ました1週間後に出来ちゃったりするわけでしょう。 森田:うん。1日で固まって 佐藤:あ!!1日で固まっちゃう 森田:固まって、これを抜いて隣にやってドンドン増殖して行くっていうのが これのストーリーなんですよ 佐藤:技術の少ない地方に巨大地震来たらとりあえずこれ作って、1日一個風船何個か作って置けば 森田:そうそう 佐藤:地震来て青ざめて居る暇があったら、これ繭作って、地震のこと忘れましょうみたい 森田:はい 佐藤:地震もまけけず 作ることだ〜と、みんな元気出ちゃうよね、これ作るか〜と、ホットするという。地震もまけないぞ〜とね。 森田:でこで作るのは最低限の薄い3pのドームなんですよね 佐藤:薄いね〜 森田:地方によってはこの上に草葺いてもいいし、土を載せてドンドン厚くして熱環境よくしてってもいいし。永いこと住める仮設住宅。 佐藤:そんな話が聞けるとは思ってなかったな〜面白いな〜。カタチの好きずきとか、何か言われそうだけどね。こうい卵の半分みたいなのは作り易いですか 森田:う〜ん 佐藤:強いんですね、構造的ですか。構造計算やる人も考えているんですか 森田:構造計算の人も一応入ってもらって、このカタチでいける、そのためにはドンだけの厚みが要るっていうのは 佐藤:一番合理的な厚みとカタチと 素材、 森田:このカタチが一番いい 佐藤:卵のカタチに似ちゃうわけだ、あれで何oあるか知らないけど 森田:0.4、1/100なんですよね、ドームに対して。 佐藤:さすが研究している。このドームもそうなっている 森田:これより薄いんですよ。卵の殻よりは薄くなきゃいけないと思って。1.7mで15o 佐藤:そうか、そんな薄いんだ。今は倍の厚さなんだ。違う素材だとなるかもしれない 森田:もっと薄く? 佐藤:FRPとか 森田:FRPだったらもう 佐藤:FRP固まるとき熱でるけどね、模型をFRPやったことないですか 森田:やったことないですね 佐藤:熱と臭いが出る 森田:プラスチック系は手を出したことはないですね 佐藤:カヌーなんか造っているでしょう 森田:そうですね 佐藤:型造って磨き研ぐんでしょうからね 森田:そうですね 佐藤:コンクリートボットに穴開けたというのは、穴が効いてますよね。閉じてたらね 森田:籠もり部屋みたいな。やっぱりちゃんと森の中に居ながらどっかに包まれているっていう。 佐藤:床の丸い木漏れ日のような影と光が、それが宇宙的でね、宇宙が呼吸しているような 森田:これ凄く綺麗ですよね 佐藤:実際は影も光も動くから綺麗でしょうね、東からと西からと反射した光とか干渉しあってキラキラキラキラ、この影がいつも揺らいでいるでしょう 森田:そうですね 佐藤:太陽が動いているから、影が当然動くので神秘的な感じがするでしょうね、たぶん。入ったことないんだけど、そう想いますよ。中に入ると生命の不思議っていうかね。今ここに生きてる不思議っていうのを、この仕掛けで感じることができるんじゃないかな〜。自分で何泊かしたんですか 森田:いや、そんなにながいこと居なかったですね〜泊まるほど。中にいると不思議な感じでしたね。目が回るというか。 佐藤:光が刻々と回転するからね、太陽が回っているから、影は回転するし、浮遊感っていうか、所在ない感じになるのは当然だとおもいますよ。 森田:うん 45:14 その08へ |