「Fukushima Gofuku Remains」       (2023年5月5日〜) 

鈴木達治郎氏講演録 「原子力平和利用と核不拡散─プルトニウム問題を考える」

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米MOX燃料諦めプルトニウム希釈処分

アメリカはです、お手元に残念ながら、配布しちゃいけないと言われたので、配布していんですが、ついこの間(2016年3月3日朝日新聞)3月3日の新聞に出てた。

アメリカはモックス工場を作って、核兵器から出て来きて、解体したプルトニウムをモックス工場を作って燃やして廃棄したんですが、高くなっちゃってとてもじゃないけど、やっていけないとあきらめちゃったんです。


  

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 私のコメントなんですが。言えないので文章はここに書いてある。(文章をみれば明らか)ついこの間、オバマ政権はこの予算打ち切りを告げ、「捨てる」ことにした

 捨てるってどういうことか、プルトニウムを捨てるってどういうことか?



なかなか、難しいですが。技術的にはプルトニウムそのものはやはり、核兵器に使われるので、なかなか分離できないように安定化した、セラミックに入れるとか、して・・して地層処分。

 もう一方の・・は私が参加している専門家グループの例なんですが。地層処分普通300mぐらいなね。・・・・超えている。5km、10倍ぐらいの深〜い、穴を掘ってそこにストンストンとという方法も。これだと、なかなか掘り出せないということで、技術開発をやろうとしています。 

出所:Frank von Hippel, Gordon MacKerron, 「MOX利用に代わる道;分離プルトニウムの直接処分オ プション」 (田窪雅文訳)、International Panel on Fissile Materials (IPFM)、2015年4月。 http://kakujoho.net/npt/lttr_moniz.html#moxal

で、私はプルトニウム問題は日本だけではなくって、イギリス100トンフランスは60トン、アメリカも60トン以上あるし、ロシアも60トンぐらい。だから核兵器国の多いんですが、このプルトニウムをどうするか・・・と。
プルトニウム在庫に関するパグウォッシュ会議の議論

 国際的な安全保障の課題なので、一緒になってやったらいいんじゃないですか、と提案しています。

 特にイギリス・フランスはアメリカに声を掛けてですね、専門家で集まって、まず技術開発からやっていって最終的には、・・ なかなか動かなプルトニウムは。輸送するのが大変なんです。だからその国で出来るだけ処分するような、方法が考えたらどうですかと、

 パグウォッシュ会議でも、去年この問題が課題になって、・・「民生用、軍事用を問わず全ての国において、再処理プルトニウムの分離中止を提言し燃料サイクルの多国間管理も検討する・・・ これ以上増やさない

原子力を推進して「原子力が必要だ」と言う人たちも、サイクル、あるいは「サイクルも必要だ」と言う人たちでも、世界で250トン以上の民生用プルトニウム軍事用も含めたら500トン。もうこれ以プルトニウム要らない、というのが正直なですね。とりあえずいっぺん止めましょうよと。いう宣言ですね。


「パグウォッシュ会議」参加者ら首相に再処理中止要請 (kakujoho.net)
statement_final.pdf (wordpress.com)
再処理を続ける法律をつくる日本政府

一方ですね、驚いた事に

 さっき言いましたように、経産省、電力さんも、日本政府も・・・・柔軟性という言葉を入れたんです。

 私、再処理、柔軟重要だと思ったんですが、何とびっくりしたことに、こういう制度を今入れようとしています。

 電力会社の自由化で再処理を止めるかもしれない、高すぎてですね。(再処理を)止めないようにしましょうと言う、そういう制度を作った。新しく認可法人を作って、そこにお金を出させる。こういう制度を、これ中間報告で出て来た、中間報告だから最終報告まで、まだまだ期間があるのかな・・・と思ったら、中間報告のまま、閣議決定しちゃった

 それで急いでいるみたいなんですね。もう法案が出来ています。法案を読んだんですが、びっくりするほど、再処理を継続する。今の原子力発電所を運転したら、その瞬間に、出て来る使用済み燃料の再処理状況を計算して、そのお金を、その時点で既に電力会社は認可法人に拠出する義務がある、お金取っちゃうですね。




 (プルトニウム)産出せざるを得ない。燃料を再処理する計画、これしか読めない。これは矛盾していることですね。

私はいろいろ反対している
んですが、ちゃんと総合的な、もし法律に入れるなら、せめて評価を確保してください、第三者機関で。 あるいは自由化になったらイギリスでやったよりは柔軟に再処理するかどうかは電力会社の自由です、どちらでもいいんです。 

国はどっちでも受けられるようにしますと決めたんです。それが私はせめて、電力会社が判断にまかしたらいいんじゃないですか・・と言っているですが、これもなかなか認められない。今の法律だと国会を法律が通ってしまう可能性が高い。もう崖っぷちなんで。そうすると再処理は未来永劫続く、ということになりかねないですね。


 どうやって止めるか?というときに、私が個人的に提案しているのは、第三者機関による、査察の強化テクノロジー・アセスメント(TAというのを、これは私の専門としても研究やってる 。原子力委員会に行く前はテクノロジー・アセスメントという、日本に根付かせようという研究をやっていたんです。

政府の科学技術基本計画、一番最新の2015年、にも書いてあるんです。

 ただ意識は有る政府の中にですね。「これをやれば、どういうことが出来るか」と言うと、さっきクローズアップ現代「信頼きる科学技術情報がない」まさにそれをやろうということですね。事実をきちっと整理してですね、分かってないことと分っていることをきちっとやる。そういう、これをしかも推進・反対はない。

第三機関でやるのがTAの仕事であって、そういう機関は日本で作ってほしいと、いうことです。

 これも手元に無いですが日経新聞に1月20日に書かせていただいたんですけど、国民の信頼のためには、こういう機関があるべきだというのがこれに書いてます。で、プルトニウムも早く処分する必要がある。ぜひ関心があれば読んでいきたい。(記事を拡大して読む




資料1-2 (cao.go.jp)


 これも手元に無いですが日経新聞に1月20日に書かせていただいたんですけど。国民の信頼のためには、こういう機関があるべきだというのがこれに書いてます。でプルトニウムも早く処分する必要がある。ぜひご関心があれば読んでいきたい。(記事を拡大して読む


■人間性を忘れない政策と研究

 これは最後のスライドです。いろいろこういう議論を研究していると、さっき言いましたように科学者は合理的に考えるのが一番大事なんです、当然ながら。

ところが政策を議論している時に、実際に私は福島の方々とお話した時に、合理性で話しても、当然ながら、自分の人生を奪われた方々関係ないですよ。
 そこで思い出したのがこのリメンバー・ユアヒューマニズムという、ここの言葉なんですが、結局、心が通じる政策でないと、実現はできない。ということなんですね。

 原子力政策も核兵器の問題もそうなんです。これパグウォッシュ会議、ラッセルア・インシュタイン・マニフェストの一番の重要なメッセージなので、これを私はいつも頭に置いて研究してます。これを最後のスライドにして今日のお話を終えたいと思います。

どうもありがとうございました。


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第147号 原子力委員会メールマガジン−原子力委員会 (aec.go.jp)
IPFM_Report_2009_WEB.indb (fissilematerials.org)
対立を越えた対話 事例としての「パグウォッシュ会議」 記録も読む