森田一弥さん渡辺菊眞さんと語る 
2022年1月4日午後1時から

ゲスト
森田一弥さん
渡辺菊眞さん

作成:佐藤敏宏

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ZOOM開場し渡辺菊眞さんと佐藤が雑談している・・・ 11:49

渡辺:森田さん入られましたね。
森田:どうも!
渡辺:あけましておめでとうございます。
森田:おめでとうございます。
渡辺:よろしくお願いします。
佐藤:あけましておめでとうございます。
森田:おめでとうございます。

佐藤:新年そうそう、今日は森田さん准教授就任おめでとう!ZOOMで語り合いをすることにしました。

  森田・渡辺 笑っている

森田:そうですか。

おめでとう森田一弥さん。家屋敷もふえてますね

佐藤:森田さんが准教授に就任されたのを知りませんでした。菊眞さんが11月20日に福島に遊びに来たんですよ。そのとき雑談していたら「森田さんが大学の先生に就任されたんだ」と言うので、驚きまして。博士論文も持ってないはずなのに?教授になったの。
渡辺:森田さん博士論文とってますよ(笑)
佐藤:博士論文を書き上げたこことも知らなくって。聞いたこと無いし、フェースブックにも書いてない。いろいろ知りませんでした。申し訳ないやら驚きました。森田さんから伝授され菊眞さんも博士課程に入学されたと言いますし。

森田:そうです、菊眞さんも博士課程に入学したんですよ。
佐藤:耳慣れない変則的な、社会人のための博士課程取得コースがあったと知りました。森田さんにいろいろお聞きして、記録して周知しないといけない(笑)と思いまして、余計なお世話。で「1月4日に語り合いしませんか」とその場から森田さんにメッセージを入れました。
新コロナの影響で、2021年は俺様ZOOM三昧でした。zoomの切掛けは、布野修司さんに誘われて、初めてZOOMを体験したことです。布野さんの語り合いの内容は1970年代前後の建築専門雑誌の編集者史を本にしようということでの準備会でした。『建築文化』、『新建築』、相模書房の編集者たちに聞き取りで、そこには1970年代に布野さんが本づくりにのめり込んで行く切掛け、布野さんの編集者人生をふりかえり確認するような本づくり史ですね。で、私は布野さんと元編集者が呑みながら語り合った内容を文字起こしをお手伝いしました。いつ刊行されるのかは分かっていません。
そういう手伝いをしていましたら、ZOOMが面白くなってしまいました。要請ですが、世は新コロナの影響で人に会って語り合いができなくなった事もあります。で、毎月4日はZOOMを開催する日に決め、昨年は実施していたんです。

森田:そうなんですか!

佐藤:2020年は20人の方々とZOOMで語り合いしました。慣れてはいませんが見ず知らずの方との語り合いも面白いもんです。貧しい高齢者の俺にとってはZOOMは便利で有効なツールなんだと分かりました。会いに行く移動のための体力消耗もしないし、交通費も要らない。移動のための時間も要らない。始めてみるとなかなか快適な道具です。
でも、今日の森田さんのZOOM画面を見ると新しい家だと思うんですが、森田さんの家に行くまでの道程の様子は家の周りの変化など多くの情報が落ちてしまう欠点もありますね。森田さん今日の画面は新しい家ですよね?

森田:そうなんです。

2017年1月29日 (記録を読む

森田さん事務所薪ストーブ導入
事務所の周りに薪がつまれていた
2007年1月







佐藤:前回、聞き取りに行きましたのは2017年1月29日でした。森田さんはこの家は寒い寒いと、薪ストーブを左官の技を駆使して、設置して一生懸命ストーブに薪を入れていた、家は暖かいのが一番だと言っていました。家の周りも薪だらけでしたね。
森田:そうなんですよ。

佐藤:引切りなしに薪を燃していました。今日は薄着ですね!

森田:そうなんですよ、後ろの絵は断熱材がバンバンに埋め込まれていて見えるでしょう。

 渡辺・佐藤 笑っている

佐藤:木の格子状の中、白いのは断熱材表し仕上げですね。
森田:断熱材なんですよ(笑)、見た目にも暖かいように断熱材が見えるようにしています。
2022年1月4日 森田さんの新居
背景の白い格子状の物が断熱材

渡辺:ふふふふふ。

佐藤:なるほど、よほど寒い家が嫌いなんですね(笑)。今日は真冬の静原だというのに薄着なんだね!
 去年のZOOMでは博士号が無くって慶応大学の教授になった石川初さん、ランドスケープ系の先生です、彼の就任に至る面白い話をZOOMで聞き取り記録を公開しました。石川さんは単著2冊をもって修士課程を経たと認められ、5年の任期付きで雇用されました。5年の間に博士論文を取ると正式な教授として雇用するという条件で専任講師になり、終盤は大学に泊まり込んで博士論文を仕上げたそうです。彼は、スーパーゼネコンを辞し給料が安くなっても先生の道を選んだとのことでした。大学によって博士号の取得と就任の仕方も多様にあるのを知ることになりました。
で、森田さんが博士号を取得していたのですが博士論文を催促するのを怠ってました。博士論文の残部はありますか?

森田:ありますよ。
佐藤:博士に会ったら博士論文いただくことにしていまして、京都圏の方は柳沢究先生、岡田栄造先生、山崎泰裕先生(ネット公開)の博士論文をいただき読みました。博士論文を集める趣味があるんです。森田さんの博士論文のタイトルを教えてください。

森田:僕のタイトルは『時間の設計手法に関する研究
佐藤:なんと訳の分らんタイトルですね!
渡辺:ふふふふ。 森田さん大笑いしている
佐藤:時間の手法ってなんですか?建築とはあまり関係なさそうだけど、そうではないですか?

渡辺:サブタイトルはもうちょっと具体的な話ですよ。

森田:そうね、リノベーションの概念を通してというサブタイトルです。


森田さん家屋敷を買い増す

佐藤:そういうことですか、サブタイトルがないと分かりにくいが面白そうですね。内容については博士論文をいただていからにします。で今日は3人で、お会いしたのは25ヶ月前に高知での菊眞さんの個展での呑み会以来なんです。今日は森田さんが「俺は准教授だぜー」と吹いて、自慢をしていただければありがたいです。

渡辺:大笑いしている

佐藤:つい最近、菊眞さんとは11月20日2泊3日でだべりました。切掛けは渡辺豊和さんの最後の作品である現代イワクラ体験しての語り合いです。菊眞さんの近況は記録してしまいましたので、今日はぜひ森田さんの近況をたっぷり聞かせてください。

2017年1月29日に静原を訪ねて聞き取りしました。その続きで川井さんの聞き取りをしました。あの時です。で森田さんは隣の畑を買ったので、建てるか作物をつくると言ってました。その後事務所のための建築も買われて改装されたみたですし。

森田:そうです、隣の家も一緒に買って。家と畑と倉庫が一体になっていて、今住んでいるのが片方の家です。

佐藤:大阪工業大学の前田先生が森田さんの家で餅つき会に参加した写真を投稿してたので、知ったんですよ。
森田:そうそう。
佐藤:前訪ねた時に住んでいた家の北側の方に像の鼻、L字型のように増築されたのか?と思って見ましたが。そうじゃないんですか?

森田:増築したんじゃなくって、隣の家を買ったんですよ。
佐藤:隣の家で餅つきした、前の家屋敷と似てるね。
森田:そうそう、同じ作りだから。
佐藤:前の家の外にトイレがありました。そこに突き出してL型に増築したのか?と思い込んでしまいました。



 絵:前田茂樹さん2021年12月30日フェースブック投稿より

森田:そうか、そうか。家屋敷を買って今住んでいるのは前の家にL型に増築したような形だったんですよ。近所の家はほとんど一緒の形しています。たしかに見分けがつかないかも知れないですね。
佐藤:で写真を見ると、森田さんが今いる部屋の下に薪が一杯置いてありました。薪小屋ですか。

森田:そう、そう。

佐藤:事務所で使うための薪なのか、母屋で使う薪なのか、今の家と森田さんの暮らし方の様子がまとまりがつかなくなりまして・・・。
森田:どっちでも使っているんです。倉庫が付いてきたんだけど、付いてきた倉庫をリノベして、今は事務所にしているんですよ。今居るところは餅つきしていた二階です。寝床もあるし、ここは台所にあるんですよ。

佐藤:前の母屋にも台所ありましたね。
森田:そうなんですよ。事務所にもキッチンがありますし、我が家にはキッチンが3か所。トイレが4か所。

佐藤:以前お伺いした時は周辺の家屋敷を買って、インターンの学生を住み込みさせるようなお話でした。建築を学ぶ村づくり。そんな腹案があったと思いました。家は2軒になりましたので、建築の学び村できますね。

森田:今はインターンが来たときは寝泊りしたりもしています。今は次男が前住んでいた家で居一人暮らししています。
渡辺:そうなんだ。
森田:家庭内別居。
渡辺:はははは
佐藤:福島の千万家と同じで、離れて住む、暮らし方だね。
森田敷地内別居

佐藤:森田さんは前の家は寒くって寝ていられない、と言ってた。
森田:そう、寒いんですよ。何故寒いか、1階に住んでいるからだめなんですよ。寒い地域は二階に住むべしというのが静原に引っ越してから得た最大の知恵。1階は寒い。
佐藤:息子さん寒い家で一人、修験者のように、寒さに耐えた暮らしをしていると。
渡辺:ははははは。
森田:そうなんです。


 web航空写真地図で見る 千年村 静原






 2021年11月20日菊眞さんとの語り録







2017年1月29日森田さんと語り合う記録へ

■ 餅つきコミュニティーのある場所

佐藤:事務所はもう1軒あるんですか?
森田:そうなんですよ。
佐藤:事務所は道路の際にあったようですが。今住んでするところから見えるんですね。
 PCで森田さん周囲の風景を投影し見せている

森田:ここの戸から覗くと見えます。

    石垣の上に事務所が映し出される

渡辺:あ、この距離感なんだ。距離感は分かってなかった。こんなに近いのね。
佐藤:ジャンプすると事務所に届いてしまいそうですね。
森田:ジャンプできそうな近さなんですよ。石垣の傍を通って事務所に行きます。

佐藤:2022年、森田さんが暮らしている景観や事務所と家の関係が理解できました。2度静原を訪ねて、印象に残っているのは、静原の人たちが森田さんのブログを見て、面白がったり情報交換したり、発信してもらって喜びを共有してる様子です。森田さんが地域の情報を発信してくれていて歓迎されていました。村づくりに貢献している。その地域は千年村でしたよね。

森田千年村ですね。
佐藤:千年村を森田式にバージョンアップしている。コミュニティーアーキテクトとして活躍されていました。森田さんが中心になるのか、村の人と共同でそうなっているのか。どういうふうに展開してくのか興味があったんです。2017年から5年経って、その後の様子はどうですか。

森田:静原に来て、もう10年経ったんですね。

佐藤:森田さんは他所から越境して行って、住みついてた人ですが、もともと村に居る人と組んで活動しないと上手く発展しないと思うんですが、そうでもないですか。2009年8月5日に最初の静原での聞き取り、その時は、村の人と、いい感じで交流していると思いました。年末の餅つきの大会は村外の人だけですか、地域の人たちも来てますか。

森田:地域の人と餅つきは別にあって。我が家でやっているわけじゃないんだけど近所で米を作っている人の所で餅つきをする機会も何回かあります。

佐藤:森田さんは贅沢で豊かな生活してらっしゃいますね。友達とも地域の人とも餅つき大会実践しているんですね。外部の人で餅つきに来るのは近県の人たちですか。

森田:家で餅つきやるときは、京都と近県の友達とだし、地域でするときは京都市内の人たちが集まったり、いろんなネットワークの中で餅つきが行われている感じです。

佐藤:ZOOMでワイワイも含めて色々な人と語り合っていますけれど、森田さんは地域に根付いて豊かに暮らしている一人です。建築と地域を楽しみながら生きている一番豊かな建築家じゃないかなーと思います。他の方々はやったふり観は大振りに見せているけど、内容が伴っているのか?疑問。実際に訪ねると幸せな暮らしなのか?と思うことはあります。
渡辺:笑っている

佐藤:森田さんは宣伝もせず静かに素直に実践しているようです。でいいなーと。

森田:そんなに根付かなきゃとか、別に、強迫観念も無いというか、子供も地元の学校に行っていたし、消防団の活動とかにも入ったり、参加しているからね。よそ者観全然ないですね。

藤:森田さんが世の者を気にせず暮らしているところがいい。外に向けてやったふり万歳で、投稿している情報と比べると断然質が違いますね。
渡辺:笑う

佐藤:森田さんはやってない、と言うが事務所も家屋敷増やしている。餅つきも続いているし。いいなーと思います。

10月4日餅つきの様子
森田さん2009年ブログより

Spring 2019 Kazuya Morita Architecture Studio from morita-arch.com on Vimeo.

Spring 2019 Kazuya Morita Architecture Studi

森田事務所の夏の
暮らしぶりの一端緒がわかります

娘さん 建築家の道へ

佐藤:2007年の時には合格発表待ちだったと思います。建築家の道を歩きだしましたか?
森田:大学院生をやってますね。
佐藤:大学に入られて、5年経ちました。
森田:大学院は横浜国立大学というところを受けて、YGSAですね。
佐藤:スター建築家が一杯いて半年ごとにスタジオ制で4人の先生に学ぶんだったと思います。
森田:2年間で4人の先生について4つの課題をして卒業になる。凄い暇そう、というか、なんだろうな、贅沢ですよね。半年で課題1個だけに集中できるっていうんだから。めちゃくちゃ贅沢。大学の時は滋賀県に下宿させて、シェアハウスで暮らしてました。横浜もシェアハウスに住んでます。(笑)

佐藤:シェアハウス、関西の人は上手のような気がします。亡くなったポム企画のみ江さんの家には泊めてもらいました。彼女は男性も加えてシェアハウスしていました。上手に暮らしていると思ったことがあります。
菊眞さんは著名な建築家の息子さんだし、森田さんも著名なんで娘さんは建築家の道を歩んでいますか。

森田:なるんじゃないかな。それしかないみたい。
渡辺:その道にはいったからはそれしかないよね。
森田:後継ぐかは分からないけど、組織に行くようなタイプの女性ではないですね。
佐藤:建築の話を一緒によく語り合いますか?
森田:よくしゃべりますよ。
佐藤:それはいいね。菊眞さんはお父さんの手伝いしていたけど、ときどきお手伝いするんですか?

森田:手伝いはさせてないです。昨日まで帰ってきていて「課題やらないともうだめだ」と言って。帰っていきました(笑)

森田さん准教授就任おめでとう

佐藤:有名建築家の子供たちは、大変だなーと想像します。菊眞さんが一昨年高知で展覧会したでしょう。お父さんから脱出したのを確認できました。ついでに『感涙の風景』も刊行されたので、菊眞さんを研究してしまいました。お父さんとはまるで違う地平に立ってて、いいですね。似ているように見られがちだけど違う。それが個展を機に分かって、確認できて良かった展覧会でした。親子で建築家をするのは面白そうだなと、僕は羨ましがって聞いていたんです。

ここまで前置きが長すぎたのですが、森田さんおめでとう!祝うZOOMなんですけど。いつから京都府立大先生になられたんですか?

森田:僕は、2020年の4月じゃないかなー。その時は既に新型コロナになっていたんですよ。世の中コロナでたいへんだー・・・みたいなになっていた。そんな状況の時に、御気楽に「僕大学で勤め始めました」なんて言えるタイミングじゃなくって、沈黙していたんです。

渡辺:そんなやったよね。

佐藤:2年間沈黙してたんだね。去年は新コロナとオリンピックでバカ騒ぎしてたし。オリンピック真似て俺金メダルだ、大学の先生になったと言えばいいように思いますが、何も言わないから、知りませんでした。お気楽に言えない気分だったんですね。

森田:お楽に言えなかったんですよ。こないだ菊眞の展覧会に行ったときにはもう決まっていたんだけど、その時もまだ、言えなかったんじゃないかなー。
佐藤:正式に任命通知きてなかったとかですか?

渡辺:僕はもうちょい前に聞いていて、ただ正式に決まる前にあんまり言うと、いろいろあるだろうねーと。言わない方がいいんじゃないって言ってましたね。布野先生とかいるから(笑)本当にややこしくなるから。

森田:フェースブックでも速攻で拡散されるので。タイミングが拙いと。呑み会の時も言わないようにしてたんですよ。(笑)
渡辺:うんうん。それを森田から聞いて、森田さんそれは言わんほうがいいでしょうと、忠告して。ははははは

森田:佐藤さんも居たけど、言っちゃダメだと(笑)

佐藤:俺が聞いたら、直ぐ知らせちゃうよ(笑)おめでとうだからね。ちょうどあの時は、森田さんはぎっくり腰が痛くって、気の毒だったから、胡麻化せましたね(笑)

森田:そう!腰もやばかったんですよ。ふふふふ

佐藤:展覧会は12月3〜4日で、年が明け正月なるとコロナ騒ぎが始まりましたからね。
森田:そうなんですよ。
佐藤:菊眞さんの個展はぎりぎり呑み会できた。
森田:ぎりぎり呑み会できましたよね。

佐藤:森田さんと菊眞さんが二人で語り合うのは川勝真一さんの家で2009年12月12日以来なんです。もう12年経っています。
         渡辺 森田、そうそう


 2009年語り合い記録へ 







 菊眞さん個展来場者聞き取り記録目次へ
■ 賞 四国で弾かれる

佐藤:あの時はアガカーン賞を受賞するのは布野研からだと、言ってました。面白いのはお二人は、東京を中心に活躍する建築家と違って、森田さんは世界を放浪して奥さん見つけて、京都市の北の山の中にある静原という千年村に家を改修して造って、そこを拠点に方々へと越境して建築を造っています。
菊眞さんが実建築を造ったのはアフリカとかヨルダンとかインドとか、日本から観れば建築世界の辺境、よく分からない土地に越境していって造っていました。そうしていつのまにか大学の教員になっていたんです。
おふたりは東京に居る、よくある建築家とか違っていて、世界の辺境の地域、周縁とでも言うか、格差社会が加速してしまったドン詰まりの様子を見て、建物を造ってる。そういう気がしたんですよね。
高知に行っても金峯神社とか、限界集落に建築を造る、21世紀日本の建築賞を総取りするのか?と思ったけど、学会に受けない!

 森田 渡辺大笑いしている。

あれこそ現在の名建築じゃないですか。そう私は思います。学会賞もくれないし、どうなっているのか?菊眞さんなんで学会賞受賞しないですか?

渡辺:応募もしてないこともあります、がははははははは
佐藤:あ、そう。応募しないと賞くれないんだ。
森田:応募しない人にはくれないよね。

 渡辺:はははははは

佐藤:学会賞も自薦なのね。アガカーン賞も自薦なんですか?

渡辺:あれも自薦ですよ。イスラム文化に関わりある事なので、さすがに金峯神社は出せないんですよ。大笑いしている。
佐藤:そうか。
渡辺:けっこうあのハードル高いんですよ。
森田:イスラム圏で建築を造るのは、けっこう難しいっていうこと。

渡辺:まずそこだよね、造っているのはいけるんじゃないかと思うとき、時たまあるんだけど、あれはハードル高いよね。
森田:ハードル高い!ハハハハ。
佐藤:渡辺さんは自薦して賞くださいって言うタイプに見えないからね。一生、学会賞とは無縁だね。
渡辺:いや、いや、今日は森田さんのお祝いなので、こんな話長くするべきじゃないんだけど、金峯神社(かなみね)は作品選奨に珍しく出したんですよ。そしたら四国で弾かれたわけなんです四国の壁というのが有って、全国に行ったらいけるはずなのに四国でまず弾かれちゃうから、ははははは。

森田:瀬戸の海を越えられないんだ。

渡辺:そうそう。でも、彼らには彼らの文脈があって、こんなもの建築じゃないって話になつて。なので、もうちょい、そうじゃない枠組みにしてくれたら、たぶんいけると思ったんだけど。地域には地域のメンツがあってね、そこを越えられない。もうばかばかしくなって。(大笑)












佐藤
:あんなに現在的な社会性を持った建築を造っているのに、学会賞をあげないのはおかしいんじゃないか?と思って見てたけど。四国には壁があるのか、なるほど。

渡辺:四国にはありますね。単管なんかで造りやがってとかあって。けっこう反発を食らうんですよ。地元には反発食らってないですけど、建築家の方に反発食らうので。付き合いが悪いからかも知れませんね。

佐藤:そうじゃなくって、建築の概念が理解できてない、加えて学生との設計施工の神社ですよね、最先端ですよ。

渡辺:はい、はい。
佐藤:材料はロードサイドの建材屋で売っているし、汎用品で建築を造っているので建築と認めたくないだろうね。

渡辺:金峯神社を認めると沽券に関わるみたいな感じではありました。

佐藤:見る目が無い(笑)脳味噌が現在の社会状況に付いていけない人たちが居ると。
渡辺:私は仕方がないかなーと思いまいました。


■ 森田さん新コロナに禍に大学に就任して

佐藤:森田さんも世界を放浪して、京都、大都会の真ん中に住まずに出入りしながら暮らしていますね。府立大学は町の真ん中にあって、川勝さんの家の傍にありますよね。
森田:そうです。平安京の外ですよ。ははははは。京大もそうだし。
佐藤:そうですか。府立大学の建築科の特徴はそういうことですか。
森田:もともとはたぶん、住居学科が、ルーツなんじゃないですかね。

佐藤:東京大学の日本人建築家は辰野金吾から始まり建築学会も辰野さんがつくった。技術要員養成、下請けとして工学院大学をつくって実建築を造ってきた歴史があります。京都大学の先生の技術的支えとして出来た大学はあるんですか?

森田:京都大学は帝国大学として設立されて、工芸繊維大学は西陣だとか工芸のための養成するために設立されて、府立大学は林学部とか農学とか、あとは家政関係です。女性の教育のための学校として、別々にあったものを集合させたのが府立大学です。建築は環境デザインと言われているので、住居系でしょうね。

佐藤:住居学と聞くと、西山卯三さんの流れです?と聞いてみたくなりますが。

森田:学問としてはそういう位置づけですよね。

佐藤:就任して途端に新コロナに遇って、教えることは困難じゃなかったですか。最初の年はどうしてたんですか?

森田:いきなり!オンライン授業しなさい、と言われ。
佐藤:会ったことない学生とオンライン授業ですか!
森田:府立大のサーバー容量が足りないから、顔も写すなって。はははは。
渡辺:・・笑っている・・・そうやつたんや!

森田:これはすごいですよね、誰も学生の顔が見えない中で、学生の頭文字だけが映っている画面に向かって授業を続ける。

渡辺:最初の年がそれねー、それは気の毒だなー。
佐藤:オンライン授業に参加している学生さんは発言はするんですか?

森田:発言をだすことは出来るんです。
佐藤:真っ暗闇の中で授業開き講義しているみたいなんだね。
森田:そうですよ、頭文字が浮かんでいる真っ暗闇に対して講義している

佐藤:就任早々、気の毒なことです。顔無し画像って大学側はやり過ぎでしょう、不思議だな。学生と会わずに教育することは可能なんですか?

森田:(笑)そういう授業をやっていて思ったのは、オンライン授業はチャット機能が使えるんですよ。だから言葉は返ってこないんだけど、チャットに返してくれるんですよ。
佐藤:そうか、学生のログは残るね。
森田チャットでチャンと応えてくれるのは面白かったですね

佐藤:でも不気味ですね、顔は表情豊だから重要な情報の一つですよね。
森田頭文字のアイコンからチャットが送られてくるのを頼りに授業をする、そういう稀有な体験をしました

佐藤:就任して早々、1年間オンライン授業を続けていたんですか?

森田:一年間!そうですね。とういうか今も基本はオンライン授業、です。対面でもやっているんです。けど、学生がオンラインに慣れちゃって
渡辺:そうなんだよな。
森田:家でこうやって、(腕枕の格好をしている)聴いているでしょうね。

佐藤:ベットに潜って聞いてても、オンラインだから先生からは見えない(笑)

森田:何人かの学生は来るんだけど、基本は暗闇に対して喋っている。

佐藤:気の毒な就任一年目でしたね。森田さんは野山を駆け巡り、カヌーで川を漕いだり、最近はサーフインされたり、アウトドアで身体動かして自然と対面する人ですから。
























森田:人が集まるのが禁止されちゃっているからね。解禁はまだ、まだ先じゃないですかね。大学のキャンパスで酒呑むなっていうのが、まずあるんですね。これは布野研出身者としては、布野研で教わったことって先ず学生と酒呑むことだった
         皆 笑う
そういうコミュニケーションを教わってるのに、大学で酒呑めない、人は集まれない。オンラインで頭文字に対して授業するって、もー。

 皆で笑う

今まで学んで来たコミュニケーション方法何にも使えない、ハハハハハ。結構、笑っている状態なんですよね。

佐藤総引き籠り学生を強いられ、学生は仲間と会えない授業をどう思っているんでしょうか?近頃、ZOOMでZ世代の人とも話合ったんです。が、学資ローンを背負っています。卒業するが教育ローンを5〜600万円ぐらい背負っていました。就職して返済し始めないといけないから、丁寧語みたいな変な言葉を使うんですよ、たとえば設計させていただきます。なになに・させていただきます語を盛んに使います。感情を露わにしない、という技を使っていました。怒りの表情も出さない、空気を乱さないような作法を身に付けていました。感情を全く表さずに暮らし続けたら、対話で生きている動物としての人間性は傷つき「病になる」と思いました。多すぎてても少なすぎても起きる関係性の病ですね。
布野研の呑みニュケ-ションでしたら、感情を露わにして、先生に食いついたり、同級生と言い合い、喧嘩を売ったりして、コミュニケーションを身に付けて自分自身が社会化する過程を学ぶ、そしてそれを身に付けていくんだと思います。
で今は、若いのに無礼じゃないないんですよ。この若者たちはどこで礼儀作法教育されちゃって、敬語を詰め込まれた機械人間じゃないかと思ってしまいました。はやり病気、精神を病むだろうなーと思いました。人間の関係の病に罹ってしまって、勉強する学んでる場合じゃないんだろうなーと思いましたが。学生の表情を観ながら授業をするなら病に罹っているような学生を病から開放させる手立ても打てるでしょうが、頭文字の画面じゃ分かりませんね。森田先生それでは困りますね。








布野研、お酒を酌み交わし語り合う講義はこのようなものだったのだろう(2012年11月3日健滋賀大




渡辺:今年も同じような感じなんですか?ゼミみたいなのはどうなっているんですか?

森田:ゼミは比較的人口密度が薄いから。あと密室でやっているので、僕は今年は普通にやっていますね。

佐藤:一方でリアルがあるならいいですね新任そうそう凄い状況下で授業していたですね!新コロナは飲み薬も出来たようなニュースもあります。風邪扱いになるかもしれないですね。早く、対面授業ができるような大学になってほしいです。クラスター発生するとマスコミが一斉に報道しますからね、防御と自粛はしちゃいますよね。

森田:みんなで言っていた。クラスターを出したら問題だよねって、そういう話をづっとしています。大学とか組織というのは保守的ですよね。矢面に立ちたくないと身構えますね。

佐藤:保守的というよりはTwitterで叩きますから、福島県郡山の大学で感染した先生が出たときに自粛警察まがいの市民が出てました。大学に脅しのような電話を掛けてる人が出て、ニュースになってましたよ。大学を叩いて気晴らしする正義お爺さんが出現しましたからね。皆が自粛警察官になるわけじゃけいど、Twitterやニュースで増幅されて、我さきに自粛警察官になっちゃう人がでましたね。でも自粛警察官もさほど出ている訳ではないけど、マスコミとSNSが競争して過大にしちゃますから、恐怖を煽ると新聞も売れます。
大多数の人は普通に平凡に心配しながら暮らしているんだけど、過剰に反応する人も出ちゃうことも事実ですね。
SNSが2010年代に起こした現象に火に油を注いだようなコロナ現象でしたね。新コロナ禍が来てマスコミは視聴率も購読料も上がったと言っている。大学も過剰に反応しちゃいますよね。SNSとコンビニを無くせば昔のような人間関係や社会に戻るとは思いますが、一度利便性を手に入れちゃうと捨てないでしょうし、大学も面白い状況になっていたんですね。

森田先生おめでとうございます!をZOOMで企画したんだけど、森田先生が対面授業、従来の大学の先生のような暮らしぶりをしてない!と、知って、何を聞いたら、話したらいいの?分からくなってしまいました。困る〜。

 みな大笑いする

柳沢究先生は授業やっている、感じがしますが。

森田:最近はやってますね。でも出て来る人数が少ないって嘆いています。

佐藤:現在の授業はオンライン配信と対面を同時に行っているということですか。
しかし、森田家では餅つきオフラインでやってますが。

















感染公表して嫌がらせ 記事を読む 
郡山女子大学(福島県郡山市)では3月中旬、大学に無届けで海外旅行に出かけた教授の新型コロナウイルスへの感染が発覚した。卒業式は中止され、大学や系列高校などに非難や嫌がらせが相次いだ。未知なる事態への対応とともに、心を痛めたこの1カ月余りについて、関口修学長(79)が振り返った。


 絵:サイトより

森田:そう、去年は餅つきやらなかったです。
佐藤:去年は餅つき無しでしたか、それは気の毒に。

森田:去年はみんな、大学で教えている人も多いし、餅つきで感染者だしたら拙いねというので、やらなかったんです。
佐藤:今年はオリンピックで感染者は増えたけど年末に一旦収束したようにみえたので、餅つき再開したと。感染状況のニュースに暮らし方が左右されちゃうんだね。

森田:そうですね、何が変わったって、一人の設計事務所でクラスターが出ようが、どうってことないんだけど。組織の中でクラスター出すのは気になるもんだなーと思ってます。

佐藤:森田ゼミがクラスターを出したら森田先生に集中パッシングが起きてしまいますかね。学内でも起きるでしょうかね。
森田:起きるでしょうね、森田先生研究室でマスクもしてなかったですよ、みたいなこと投稿されたりするでしょうね。(笑)
佐藤:学生の中からも自粛警察官出ちゃうでしょうね。

森田:そういえば森田先生マスクつけたがらなかったです〜、みたいなの誰かにツイートされたりして。
渡辺:そういう処だけ切り取りますからね。他の事を言ってても、そこだけを切り取る。
森田:でも、府立大の好いところは、就任して思ったんです。管理が甘い点です。
渡辺:おー!いいじゃないですか。(笑)

森田:東大とか京大は柳沢先生に聞いても、管理が厳しいんですよ。出張するなとか、何々するなとか。一杯ルールを押し付けてられていますね。私学もいろいろ五月蠅いわけですよ。営業的な問題とか、だけど府立大は管理の隙間にいる感じで、昔の大学の緩い感じが残っていますね。
渡辺:それはいいですね。
森田:いい大学に来たなーと思ってます。
渡辺:それはいいね、我が大学も五月蠅い気がしますね。去年はお正月奈良に帰れなかったからね。

森田:そういうこと無いよ。
渡辺:それは緩いと思いますよ。いい感じの対応。古き良き感じの大学。

森田:校舎もぼろいけど、古き良さも残っている。(笑)

佐藤:建築系の先生は何人いらっしゃるんですか?
森田:13〜15人ぐらいいます。意匠系の人が3人です。

キャリア教育授業 最優先する学生

佐藤:お嬢さんが進学されたYGSAだと有名建築家たちに教わるから天辺に登る圧力が高いと思います・・・・が、府立大の場合はそういう圧は無いんでしょうか?建築家になる人は少ない大学でしょうか。

森田:どうなんだろう。大学に来て初めて知ったんですけど、今大学ではキャリア教育っていう授業があるんですね。
渡辺:ある、ある。

森田:そこは大手の人材派遣会社、就職斡旋業の会社から社員が来て。履歴書の書き方とか、面接の受け答えの仕方とか、そういうことを1年掛けて教えるんですよ。3年生の前期で貴方の人生決まりますよ、みたいなことを真顔で言っているらしくって。

佐藤:道は狭いよと脅して派遣社員に追い込むんじゃないか?(笑)

森田:やばいですよね。
渡辺:府大にもある。うちの大学の授業にもある。大概の大学にあの授業はあるんじゃない。僕が入った時にクレージーに思ったけど。どこの大学にもあるんだと思う。
森田:3年生、大学に入った時からそういう事で洗脳されてて、3年生になったときには就職活動を始めないといけない。そこでいい会社に入れなかったら、人生は闇、負け組かも、みたいな。

渡辺:大学でやることじゃないよね。
森田:びっくり!




戦後日本の大学におけるキャリア支援の 歴史的展開 谷田川 ルミ

文科省キャリア教育とは何か 



 絵:サイトPDFより 

佐藤:人生いまだ道定まらない者としても、人に負け組勝ち組判断する必要があるか?と疑問を感じます。で、森田先生は学部を終えて、1年間世界を放浪の旅をされて。修士課程に入学する前に休学して世界放浪の旅に行ったんですよね。

森田:そうです。
佐藤:菊眞先生はその間、個展の模型作りを1年間したんだっけ?
渡辺:僕は院試を落ちたから浪人してたんですよ。個展の準備もしてましたけど。実際にするのは随分先だったので、院浪でしたね。森田さんは先に受かったので、休学して世界放浪してた。

佐藤:山本さんはおフランス留学。
渡辺:森田さんと山本さんは院試受かってたんだけど、世界に出たんですね。僕だけ落ちたので単に院浪してました(笑)
佐藤:お二人のように自分で勝ち負けに拘らず、自分で人生を決めていく人もいるんですが、学部の3年生から派遣会社まがいの授業受けて、リクルートスーツに身を固めて会社員人生へ、就職試験の勉強するってすこし若者暮らし方としては異様ですね。誰が脅かしているんでしようか?びっくりしますね。世界の激変移行期において日本式キャリア教育で流動化してしまった経済や情報とお金の動きに対応できる人になるとは思えない、オワコンに参加して、どうするのだ(笑)
日本の政治家は文科省乗っ取って、大学独法化、官から民への成れの果てが大学から教員を追い出して派遣会社の授業を受けさせ、世界の競争に打ち勝つって、終ってますね。そのレールにまんまと乗ってしまう若い学生さんは気の毒に思えます。

森田:気の毒なんですよ。
佐藤:キャリア授業真面目に受けて、リクルートスーツに身を固めてんじゃね。世界を放浪せよ!何て言ったら、森田先生は集中砲火浴びるパッシングされるんでしょうね。




森田:おおっぴらに言うと問題になるでしょうね。ゼミの学生が今日面接ですと言って、就職活動のオンライン説明会です・・とか言ったとしますね。はーぁ??大学に授業料払って来ててなんで企業の授業を受ける、そっちを優先するの?と聞いたとしますね。疑問ですよ?と。大学の授業が休みの時にやるべきでしょう、と学生に言ったとします。優先せよと言う先生も居るでしょうし、かなり変な事を言うオジサンに見られますね。

渡辺:マイノリティーになるんだね。

森田:卒業した瞬間から仕事を探し始めればいいじゃん。と言ったとします、だいぶ変なことを言っているオジサンになる。

 みんな笑う

佐藤:この20年間の大学独法化で改革を実施し大学に企業が入ってきて、先生は研究費自分で集めてこい!学生は学資ローンを背負わされて、授業の一部が派遣会社に乗っ取られたような感じに見えますね。被害者は学びに来ている学生たちですね。学生たちは勉強しに大学に入学したんだろうに、何をしたいんだろう?

森田:勉強する時間を削って履歴書を書く練習してるのかな。凄いことが起こっています。
佐藤:自分たちで若者の才能を開花させず、そうして自分自身の未来社会を駄目に導いている気がしてしまいますね。

渡辺:そうですね。




 絵: このサイトPDFより 

佐藤:森田さん大変な事態になっている場所に行ってしまいましたね。

森田:面白いなーというか、最近電車に乗っていても思うんです。貴方の体重がどうこうで、こういう薬を飲みまようとか。英語喋れないと乗り遅れますよ、とか。日本の情報ってとにかく人を不安にする情報で溢れているじゃないですか。そういう空気が大学の中にも押し寄せて来ている。

渡辺:そうですね。
佐藤:自由であるべき大学が未来の、起きてもいない、不安を煽る場になっている、それは拙い。
森田:僕は大学2年生、修士卒業する3月の20日ぐらいまで、何の就職も決まってなくって、左官屋さんに電話して、明日から来いと言われて。就職決まったみたいなもんなんだけど。全然仕事、就職しないと怖いなんて思ってなかった。そういう世界になりつつあるんだなーというのが、純粋に面白いというか、気付いて。

佐藤:世界中を見渡すと、学生たちが就職がなくって恐怖におののいている・・・なんて、ないんでしょうね。
森田:そんな感じないですよ。
渡辺:ないと思いますよ。日本の病です。

佐藤:若者が派遣会社やマスメディアの流す人生の勝ちレールに乗ってないと人生終わっちゃうと思うのも、脅かされ過ぎでしょうね。しょうがないな、人生不安に満たされないと満足できない若い人が多いのかな、現実の日本はいろいろな領域で人手不足です。人口減少で各領域で人手不足で困ってますけどね。 1:00:36

その2に続く 
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