森田一弥さん
渡辺菊眞さんと語る
2022年1月4日午後1時から
作成:佐藤敏宏

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学問には二つある

佐藤:素人が大学の外から見て、博士号に取得なしで、建築の教育者になるって変に見えます。論文を書き上あげられないというのは、問題なんじゃないかと思ってました。テーマと追求しすぎちゃって論文がなかなか出せなくなる、社会人博士課程の登場はそういう状況も突破できそうです、歓迎したいです。学部から淡々と博士論文を書きあげて博士になるものも難しいなと思ってみてました。
森田さんは自分の実作をまとめて博士論文を書いたと。多様性に富んでいることでしょう。実作を論じているので当然、今生きている場から書きだすので抽象度は下がりますよね。より具体的になります、同時に生きている社会に影響されますよね。欠点としてはそこはありそうです。その当たりはどうですか。文章を読み込んで論を立てて、仮説を立てて資料を集めて読み込んで自分の結論に至る、それが博士論文の今までの姿だと思うんですが。実作だと社会とべたりとくっつき過ぎてしまうと思います。お金を介して造るから当然なんだけど、目の前に生きている発注者を相手にして造るから当然、今を投影してしまう。博士論文の場合は大昔に亡くなった人のことを研究してもいいわけです。実作で博士論文を書くと時代とその空気をそのまま投影してしまう、そこに問題もあるような気がします。そこの当たりの良し悪しは考えたりしましたか。書き終わり2年経ったでしょうからふりかえってどうですか。




 絵:サイトより  


































 絵サイトより 


森田
:実作で論文を書く時に、難しいなと思ったのは、普通の分析的な書き方ができないわけですよ客観性を保てない。自分がその中にいるので、今佐藤さんが言われた事とも繋がっています。
で、僕が参考にしたというか励まされたのは、日本学術学会かな、こないだ任命者拒否問題で揺れている学会。あそこが出している資料の中に、学問には二つあるような事が書かれていて。分析科学と設計科学というのが世の中にはありますよと。
分析化学というのは既にあるものを研究する学問ですと、それが今まで科学技術をつくってきたマジョリティーとしての科学なんだけれど、実は科学にはもう一つの側面があって、世の中に存在しないものをどうつくりだすか、というものを考える科学もあると。それを設計科学と言って、その分野はまだ未開拓なんだ、みたいなことが言われているんですよね。だから設計科学というのは社会のいろんな条件に左右されながら、でもどういうふうにして、あるべきものを生み出していくのかという事を考える学問。僕がやって来たことはそういうことに当てはまるんだなと。

佐藤:さすが!ポジティブ森田さん。

  渡辺・森田 げらげらわらう

森田:こうこうこういう条件があって、予算はこうで、材料はこうで、こういう条件が与えられて結果的にこういうものが生まれたという事を記述することそのものも、科学になり得るんだという。そういう理解なんですよね、僕は。

佐藤:森田さんのとらえ方は本当にいいね、なるほど。

森田:はははははは。とにかくポジティブにいく。

佐藤:社会人博士課程で生まれる博士が増えるといいですね。

渡辺:あの仕組みで書いている人は、多くなりましたよね。森田さんだけじゃなくって、書いてますよね。

森田:そうですね。

Autumn 2017
Kazuya Morita Architecture Studio
森田さんの事務所の様子の一端が分かります
本を刊行すること


佐藤:森田さんが書き上げた博士論文は本にまとめて出版するとか?予定はあるんですか。
森田:それをやらなきゃと思っているんです。本にしたいと思っていて。
渡辺:それ、僕気になっていたんだよ。本にするつもりなんですよね。
森田:やるつもりなんですよ。なかなか、時間を置いてしまうと、いろいろ気になってしまって。
渡辺:はははははは。書いたことも気になる。
森田:そう一気に書ききって。あそこもう一回やりなおしたなーと。どんどんどんどん遠ざかる。
渡辺:それをやると切りが無くなるんだよね。うん、うん。

森田:松隈先生には論文書くよりも、本を一冊書く方が大事だと言われたので、ちゃんと本を書かなきゃと思って準備しています。

佐藤:じゃ楽しみにしながら、もう本で刊行しましたかと催促のメッセージを送ればいいわけですね。
森田言ってきてください!
佐藤:わかりました。森田さんは本を出してなかったですか?

森田:僕は『京都土壁案内』という本は書きました。
佐藤:塚本先生と出された本ですね。 

 ・・・私的な話に突入・・・なので、省略・・

森田:最近は自費出版があるんですね。菊眞さんは自費出版じゃないの。
渡辺:個人出版、本を出す時に結局は登録する話をすると、勝手にそういう条件になるだけですよね。ISBNとるために、一応。流れじょうそうなるんだけど、それだけだと詰まらないので、出版社立ち上げたと言っているだけなんです。ははははは。

森田:それもありだなーと思って。第三者にリスクを負ってもらうよりも、自分が出版社立ち上げて、自分がISBM付いた本が出版できるんだったら。アマゾンでも売れるし。

渡辺:どこかの出版社で出しても、大概は買取りさせられるので、そうだとすると変わらないところがあります。そういのがあると思います。

佐藤:買取りさせられるんだったら、自費出版して自分で出して売ると。アマゾンでも手売りでも時間掛けて売って行くと。
渡辺:国会図書館とかには別に預けられますし。買取かつ内容にも、いろいろ言われることがあるので、そうだとすると変わらないところがあります。

森田:そうそう。






















絵:森田一弥さんHPより
自分のためのメディア 本について

佐藤:メディアの話になったので、森田さんのHPについてに移ります。昔のHPには近況のことが詳しく書いてあったと思いますが、新HPには近況が見当たりませんでした。

森田;最近はあんまり書いてないですよね。
佐藤:忙しくって書いてる暇がなくなった?
森田:そういう訳でもないんだけど、何だろうな。あそこに、最近はブログを書くというよりはインスタグラムとか、Twitterみたいなもので、近況を報告するみたいなこことをやっていたんですよ。最近あれをやるのはどうなのかなとも思っていて。そんなに、僕はこんなことやっていますよと言わなくても?いいかな・・・という気になります、ふふふふふ。

渡辺
:わかりますわ。
佐藤:いいね!は要らないけど、メモ代わりに使ってます。HPにまとめるためのメモ帳代わり。HPに記録をまとめる前に、気分次第でスマフォだとメモ投稿できますので。それをまとめてweb日記に活用したり捨てたりする資料としてます。
web日記は20年ぐらい続けています。Twitterを使っていて、Twitterは凄いいいな、と思ったのは、東日本大震災に遇ってです。311のその時から頻繁にTwitterに投稿したんですよ。大災害遇って何を俺はする?どういう感情がおきるのだろうか?そういう興味があって災害時の自己観察のために投稿しまくったんですよ。
宮城沖地震来て大変な災害になると頻繁にアナウンスーされていました。サージカルマスクも食い物もストックして災害対応のため準備していました。で災害が起ったら自分のことを観察する道具がないと、あっという間に忘れてしまうじゃないですか。その時々に何を思い活動したり、行動するのか?その記録が要ると思ってました。未知のことなので、詳しく記録するためにTwitterを使って逐一思いの全て記録したんです。後にスマフォが支援品で送られてきたので、動画も頻繁にとりYouTubeにアップしましたら、数万〜20万ビューも観られてした。


 唐桑半島で佐藤が撮った被災地証言 20万ビュー動画

森田さんがTV眺めてばかりで、何もできない無力さをTwitterしてきたので、自分の今までの暮らしをつづければいいのですよ、と投稿しました。それで日常生活ができるようになったと聞かせられたの覚えてます。2つの投稿を紹介しておきます。

■2011年3月14日の例です。
被災情報を垂れ流してるTVの番組は、被災地ではおおよそ役立たない代物ですよ。それを見て一日を過ごしてはいけませんよ。 自分の日常を生きてて 休養し力をためておいてください。必要な時期がきたら その時 被災地で最も有効だと考えた支援をお願いしますので よろしくお願いしますposted at 17:42:25

これを書くのは3度目だ。被災地以外の方は日頃の日常(経済)を生きるべきです。被災していない全員が問題一つに問題集中して行動するのはとても危険です。多様性を保持し暮らしていただきたい!出来る状況なら俺はたまたま近所に被災した独居老人いる原発事故が起きた県内住民だから。活動してます posted at 17:37:06

2011年3月11日から 佐藤の日記へ

佐藤:メモ代わりにSNSは使うのがいいと思っています。で当時の心の動きの記録ツインログを使って、web日記に移動すると一覧性もいいので、投稿は全て残しています。web頁の方が見易いんですよ。SNSをメモ帳代わりに使うと便利です。

今、3・11を語るということで福島県の現職の方とOBの方の聞き取り活動をしています。放射能も沈着した中、どういう状況下で応急仮設住宅を発注したり、民間の借り上げ住宅を25000戸を手配したのか?など聞き取りしているんです。

職員の方も被災しているんですよ。家が被曝したり、半壊になったり、電車止まって通勤できなくなったり、食い物コンビニに無くなって喰うもの無くなって、水も無いからトイレも使えない、電気もない、庁舎も甚大な被害を受けてしまい使えない。被災者のことを助けてる状況にないんだけど、借り上げ仮設住宅ための要綱をつくり上げたり、仮設住宅は発注したりしているんです。で、2021年に住宅課全員で学会賞を受賞したんです。

 職員の被災状況と対応を説明しているが省略・・・ 

あの日の自分の行動と公務員の方々、それぞれの行動の記録を合わせて読めるようにしておくと、被災地において被災した人々の行動が立体的に理解できると思うんです。

話がずれちゃいましたけれども、森田さんに言いたいのは森田さんには昔、以前のHPのような日記を残しておいて日々の雑感をブログに残しておいて欲しいですね。
森田さんが立派な論文を書いても、森田さんがどういう日常から論文を書きあがたのかが理解できない。論文が書かれた時の暮らしや日々の雑感が分かるほうが、論文が自分の事として読み込めると思うんですよ。人間の論文として読めると思うんです。21世紀ならではの論文の生み出される様子を伝えることになると思うんです。

今世紀の森田さんの暮らしぶりを記録するという、少し引いた目で見ると、静原日記と博士論文は対で一つで次の世代に伝えるべきだと考えるんです。そういう形式で残してもらいたい。

森田:なるほど。

佐藤:そのためには、いいね!はどうでもいいから、構わず放置して、SNSは自分が自分を記録するためのメモ帳、一次的な道具として使っていただいて、静原日記を再開し発信してもらいたいという要望はありますね。






福島県・現職員に3・11を聞く2ショット


森田:うーんなるほど。確かにどんどん忘れていくので、記録はしなきゃーという気持ちはあるんです。最近のSNSとか見ていると、充実している自分の見せ合いごっこみたいに見えてしまって。これって自分が調子悪いって出しずらいだろうなーと思うような空間になっているね。

佐藤:若者はリア充な投稿ばっかり見せられているから自分が情けない人間に見えてしまう。リア充人間しかいないなんてSNSがつくる嘘です。へぐりだって投稿して置くのがいいでしょう。

森田:そういうのも見せるっていうことですね。
佐藤:へぐりも見せられる機能は、フェースブックのグループを作って閉じた関係の中に投稿がいいです。いいね話も失敗談もそこにだけ投稿しておく。あとで拾って日記にまとめるのがよさそうです。成功談は公開する広告用と今まで通りの板を使う。範囲をグループ機能で絞ってメモ用と分けると、SNSバランスが保てる。そうすると使いやすいですよ。いいね受動してしまう、いいね病対策として小さなグループを立ち上げて投稿し合うのはお勧めです。でないと、全部忘れてしまいますよ。

森田:忘れますよね。
佐藤:菊眞さんにもこないだお願いしたんだけど、渡辺豊和さんの作品を集めたHPがあったんですよ。今は無いんですよ。

渡辺そうなんですよ

佐藤:あの渡辺豊和さんのWEB作品集を復活して欲しいとお願いしているんです。渡辺豊和さんのことを書いたり語り合ったりするにも画像データが無いと言葉だけだと読んでいる人は理解しにくいと思います。例えば西脇古窯陶芸館の語り合いを現代イワクラと比較して語り合ったんです。その時に陶芸館の画像がないんですよ。Twitterで探して貼り付けたんです。使い時には投稿した人・mizmizさんという方ですけれど、使用の了解を得て、記録に記名して記録をつくってたんです。
森田さんの事をwebで書くにしても、取材しに行けないので、森田さんのHPの中に画像とか文章があると引用して語れるんで、とても便利なんで。聞き取り記録も森田さんとのコラボレーションのようになって厚みが増すと思うんですよ。ただしそれは炬燵でも書けるという揶揄的表現で炬燵記事とも言われます(笑)リアルに出歩いて聞くのがベストではあります。
それから画像には撮影したカメラマンの名前を示すのが礼儀だと思いますので、カメラマンの名前を書いて公開してもらうと、とても有効に共有して記録づくりに活かせますね。

森田さんおめでとうの話から遠く離れてしまって、記録を残し、どう使いこなすと共有し易くなるのかの話になってます。森田さんが使いやすいメモ帳的SNSを使っていただいて、1週間に一度総まとめにして静原日記にして公開しておいていただきたいです。面倒でも静原日記に残してほしいです!そういうお願いをいたします。

森田:習慣づけてしまえばいいことですからね。

佐藤:今日、語り合っている森田さんの家は以前の家にL型に増築して暮らしていると思い込でしまってましたのでが、WEB・日記があると、森田さんは隣の家屋敷を手に入れて改修したんだと、語り合いの前に情報共有できるので、深堀して語り合いできるような気がするんです。現在、話されている家屋敷を手に入れた経緯や工事について何か記録はありますか。

森田:工事中の写真とかは撮ってあります。HPにぜんぜん載せてないです。

佐藤:HPに載ってないのでは、俺が前の家で話していると間違ってしまうのはしょうがないですね。

森田:ははははは。そうですよね。間取り一緒だからね。間違えますよね。
佐藤:前田さんの投稿見て、象の鼻のように長く増築したんだなーと、崖の下に基礎作ったのか?なんて思ってしまいました。隣の家屋敷だったと。
森田ファンとしては、日記情報も載せてもらうと、森田さんまた豊かさ一ランク上げたなと思えます。

■ジェンダーバランス

佐藤:設計事務所のジェンダーバランスはどうですか?女性の方が多いですか。
森田:女性の所員が2人、男性が3人。女の子二人がそろそろ独立してくので、次女の子に誰か来てもらいたいなーとは思ってますけどね。
佐藤:どうしてジェンダーバランスの質問をしたかと言いますと、卒業設計日本一展を見て記録して思ったんですが、実社会の設計事務所とちがって女学生の方が優秀あるいは男学生と同等な出来だったんですね。
渡辺:はいはい。

佐藤:大学では女性の方が優秀な成績だったりするんでしょう。でも社会人になると女性で活躍する人が今までは少ない、男性優位な業界なんだと思います。アンケート調査したわけでもないので、印象ですけども。学生の時は優秀だった女性が社会の中に出ていくと消えていくのは何故か?どこに問題があるのだろうと、思って観ています。
子供を産み育てなければ暮せないからなのか、育メンという言葉も使われていて、男性が育児をするのも多くなって来たとは思います。パワハラ、セクハラされて、加えてブラック糞業界と思って去って行くのか、何か原因があるから、男女比率が転倒するんじゃないかなと。発注者の問題もあるかも、セクハラパワハラなのかな?

森田・渡辺 ははははは

佐藤:女性が才能を発揮しにくい業界なのか?と想像するんですよ。森田さんは娘さんが独立系の建築家を目指しているということなので、ジェンダーギャップを乗り越えて活躍する建築家になってもらうためには、今男性中心主義のような建築家業界に潜在的にあって解決が要る問題を聞いておきたいんです。何か考えていることはありますか。
女性の方を雇っているときのご苦労されている点といいますか、何かありませんか。


 絵 サイトより 
PDFへ

森田
:そんなにないですけどね。男性と女性のどちらが優秀か?というのは働き始めると差があるようには、僕は思わないですね

佐藤:実社会にでると女性建築家は少ないですよね、それでは仕事を得るのが難しい。

森田:なんでなのか?そもそも建築家になることをそんなに目標にしてないっていう事かなと思います。自分の名前で仕事をしたいという欲求をそれほど持っていないじゃないかな。独立して、事務所を辞めてからも他所の事務所が忙しいと声を掛けられたら、そこで働いてますとか。誰さんのお手伝いしてますとか。そういう感じで自分の人生を活かして、逞しく生きていっている。そういう印象は男であれ、女であれ、あります。作家として名前を出したいというのは男の方が助平心があるのかも知れないですよね。

佐藤:男たちは専門雑誌を見続けてそう思わされたのでしょう。今の学生さんはインスタグラムを見て専門雑誌を見ないとなると、男たちからもそういう欲望が消えていきますよね。
森田そうですね
佐藤:専門雑誌によってつくられた近代日本の建築家像は消滅してくのでしょう。新聞などの紙媒体も売れなくなっている。アネハ事件のような事を起こせば有名人になる、事件以外は、今でも載らないけど、建築家が紙媒体に載る機会はますます少なくなる。若い人は新聞読まないだろうし、私も新聞購読してない。
そこで、菊眞さんはお父さんも、お父さん友達もガチガチの建築家像に囲まれて生きていたので、建築家になるのは大変じゃなかったですか。

渡辺:あんまり、皆さんおっしゃるほどは、大変だとは思っていなかったです。学生時代の時は、建築家に囲まれて生きているのが大変だというよりは、とかく建築家は言い合ったり暴れたりしている、者だといういう先入観があったと思います。僕がそんなに暴れたかったのかと言うと、今思うとよく分からいですよ。ははははは。今になって思うと、割とそうじゃなきゃいけないと思っていたような気がします。喧嘩っ早いとか短気とか、あるのかも知れないけど。むしろそういう事が必要だったと思い込んでいた節がある。今になって思うとそう思います。あんなに暴れたかったわけでもなく、ははははは。

佐藤:今流行りに乗ってインスタグラムでいいね!を使っている若者も、実はインスタグラムなんて使いたくないと思っている、みんな使っているからいいね!押すかと。そういう乗りかも知れませんね。

渡辺:たぶん形が変わっているけれど、そういう事はあると思いますよ。僕自身が思っていた思い込みはマイノリティーのありようの思い込みだけど、基本は同じような事だとすると、今は、みんなの行動も、そんなんじゃないですかね。大きくは自分が弾かれるとか、自分だけ違うんだというのが、とても嫌そうなので。今はそれが主潮なんでしょうけども。それは昔からそうで、僕の場合は逆張りの方で、とかく変な奴じゃなきゃいけないという思い込みですよね。ははははは

 三人で大笑いする

というので個性があるのはこんな感じかなーみたいな事で、脅迫観念があってやっていた気がします。ふふふふ、僕自身は不健康だったと思いますよ。森田さんは太陽みたいな様態の前向きさ。すごいなーと思いましたからね。ときどきそういう太陽状態にふれると、そう思いましたからね。

佐藤:森田さんの太陽的明るさ豊かさはいいと思います。
渡辺:そうですよね。太陽王みたいな感じでふふふふ。
佐藤建築家界の太陽王だけど、森田さんは旧来の建築家像からも開放されている。
渡辺:そうです。
佐藤:森田流の自由に豊かに活動している、森田さんの事を知らない人は少ないと思います。森田一弥さんの近況報告へ

森田:大学の時に、渡辺菊眞がいろいろ語る言葉を聞いてですね、僕だったら喜んでいるような事でも、菊眞は烈火のごとく怒っているわけですよ。
  みなで 大笑いする

渡辺:だぶん、そうやった。
森田:この落差が面白く。凄いなーと思って。ふふふふふ。俺だったら褒めてくれてありがとう。課題でも褒めてくれたら、ありがとうみたいな処を、ある種の連中は烈火のごとく怒っているわけですね。褒められたこと事態が頭にくると。

 みな大笑いしてしまう

それを見て、こんなに能天気じゃいけないんだと。そういう見方もあるんだと。見る目を広げさせてもらったんだけど。単純に喜ぶ性根は変わらないですけど。ふふふふ。

森田一弥さん推し曲
バッハ Bach: イタリア協奏曲 Italian Concerto BWV971/グレン・グールド Glenn Gould 1959
ぶつかり合いのなかで差異を学ぶ場が大学

佐藤:ということは学生など若い人が多様な人間に接する機会が今は少ない。菊眞さんだって、情報に影響されて、怒りを演じてみせていた。そうだったわけですね。今の学生さんだってキャリア教育受けて丁寧語を使ったり、インスタグラムでいいね!を押さなければいけないという強迫観念を持ってしまっていて、野生の自由を見うしなっている人が多いようです。
森田さんが自分と変わった菊眞さんその様子を真近かで見ることができない。コロナ時代は情報量の偏り、内容の偏りが両方とも大きくあって、多様な生身の人間に会うのは難しいですね。新コロナ社会の影響は後々起きそうですね。森田さんがリアルな菊眞さんを見て目を開かれたような事は起きにくいでしょうね。

森田:自分の受け取り方はあくまで自分の問題であって、全ての人がそう受け取ってるわけじゃない。そういう場面に一杯出会うので。

佐藤:オンラインだとそういう場面に出会いにくいですね。全ての人が違う反応をして、ぶつかり合う生の場面に出会いにくいですよね。オンラインではポリフォニー的語り合いなりにくい、同調圧ばかりが広まる、それはオンラインの持っている、一つの欠陥にも思えます。

森田:それは何かを強制されているということじゃなくって、そういう風に感じろっと強制されているんじゃなくって、自分は本当のところどう感じて生きているんだと、問い返すみたいな、ふうな姿勢にはつながるし、他の人がそれを必ずしも共有しているわけじゃない。という事にも繋がるし、そういうぶつかり合いのなかで他人との距離観を学べるわけですよね。

私塾的場の再開

佐藤:今コロナ時代なので、学校ではクラスター防御が災いして、会合を開いて多様な人間と出会う場、他人との距離感を体感し学ぶ場にはなりにくい。そのような場になっている。お酒を呑み交わして羽目を外していられない。そういう話があります。Z世代の人たちは酒呑み語り合う、それも相当うざく思うかもしれませんね。
そう思いだしました!柳沢先生たちが神楽岡という私塾を開いて交流していました。大島哲蔵さん経由で菊眞さんは豊和塾から春秋塾という社会人と学生たちが交流する場を作っていました。
ああいう場を復活させて大学では出来ないリアルな人と出会う場を再開したとすると、今の学生は参加するでしょうか?しないかな。

森田:マイノリティーですから、所詮、そこに来るのはマイノリティーなので来ると思います
渡辺:そうですよね。
佐藤:再びそういう場を再開したほうがいんじゃないですかね。
森田:つくった方がいいです。
佐藤:大学だとクラスターつくると責任問われたり、自粛警察がでちゃったりするとまずい。新コロナ社会では私塾の復活再開がいいかもですね。魚谷さんを褒める会が頓挫しているので、4月ごろまずはそこから再開するのはどうでしょうか?

森田:じゃそれ、魚谷君を褒め称え会をやりましょう!ははははは。
渡辺:神楽岡って森田さんが行っていたところですか。
森田:そうそう。
渡辺:ああいう感じでまだやっているの?
森田:いや勉強会は今はやっていない。今は一緒に仕事しているからね。
渡辺:なるほど、なるほど。

佐藤:結婚した人もいますよ。
森田:あそこで結婚したカップル多いんですよ。
渡辺:あ、そう何か、それ凄くない、普通そんなこと無いと思うよ。
森田:職人と学生が集まっていたから、建築どうしだとちょっとだけど。

佐藤:新人賞おめでとうは裏ミッションとして、神楽岡再開をテーマに語り合いましょう

森田;やりましょう、 

・・ということで4月4日、再びおめでとう!拡大版をzoomすることになりました。おめでとう!!  



最後まで読んでいただきありがとうございました。森田一弥さんおめでとう!を渡辺菊眞さんと語り合うはこれでお仕舞です 
作成・文責:佐藤敏宏      01 02 03 戻る   HOME
森田一弥さんに関する 参照文献 『建築雑誌』2021年11月号