HOME 佐藤敏宏のことば悦覧録 | 岩堀未来 さん編 茅場町にて 2014年6月7日 01 02 03 04 05 |
05 佐藤:出入り口の縁は古いままで活用してと。扉も新しくしたんですか 岩堀:建具は古いのを詰めたりして、ちょっと工夫して開けやすくしたりして。 佐藤:柿渋かなにか塗っているんですか色が少し違いますが 岩堀:これが元々塗ってあった柿渋だと思います。外壁側は新しくウットロングエコっていう塗装があって。木素材を塗りながら耐候性のあるっていうのを使って。 佐藤:塗装にまでエコが付いていると 岩堀:ふふふ 佐藤:効きそうですね。震災の復興に仕事にも関わっているということですね。ご苦労様でございます県民を代表し御礼を申し上げます。 ありがとうございます。 佐藤:311 以降かわりましたか。 岩堀:人生変わったというほどではないですけど。一つはこの仕事が大きいです。考え方が変わったのは。人の記憶っていうんでしょうかね。そういったものが建築に及ぼす影響っていうのは、ものすごく大きな要素としてあるんだなーと 非常に感じて。 新しい蔵でも 家型にしているのは、完全に理由は記憶だけなんですね。過去に在った蔵の家の形を残したいという、それだけのために家型をやっているんですよ。 片流れでもいいわけですよ。こうやる方が実はコストが掛かっているんですね。ボリュームが増えたりして。それでコストが増えてもその記憶は残したいというのがあって。それからナマコ壁の話しとか。人の記憶っていうものが凄く建築にとって大きなものなんだなーと。このプロジェクトを通して体感した。 佐藤:酒蔵って 一般的な蔵風イメージが強いからね 一般の人はそう思っているでしょうからね。ガラス張りの空調完全に効かした近代的な蔵でも 日本酒に陸屋根じゃー合わないって 常識があるでしょうから 。 一般の人が持っている記憶やイメージを壊さずに引き継いで新築をしていくというの ミッションが岩堀さんの中に入ってきたと。 箱から筒に行き家型に辿りついちゃったと。記憶を保全するためにはこれしかないと。 岩堀:そういうことなんですね。さっき言った筒というか、そういう抜ける空間みたいなものが一つのテーマなんですけれども。 実は蔵改修などでも。意識していて、住宅から公共的なものに来て、今度これは外部空間が非常に抜けの空間に今なって そういう風に整理して作ろうとしていて。これは、4人でやっていますけど。筒と言っているのは僕だけなので。ふふふ僕は密かに思って居る事なんですけど 今後ここが僕の中での筒なんだなーって 佐藤:だからこの筒がもしかすると この蔵や景観の中にもう一度入れ子状にそういう筒が入るって可能性もあるよね。筒が幾重にも成って 町とか 世界が組み上がっていくという可能性もあるということだよね。 古い建築を修繕することによってそちらの方にも目が行くということですね 岩堀:実はその入れ子の話しっていうのは、さすがっていうか。今僕が担当しているのがお店をいま設計をやっているんですね。 実はさっきの写真にもありましたけど、 母屋みたいなのが付いていて。このプランも違うんですけれど。新築で計画設計したプランで。ここを抜くような構造体をよけて 真ん中構造体入れて。これと同じようにシステマチックに壁を入れてですね。お店の中に筒を作っている訳です なので 外部空間の筒に お店の筒が接続しているみたいな。そいう入れ子構造の建築を今後やっていきたいと 佐藤:世界の把握の仕方を岩堀さんは筒を通して 筒という概念を手がかりにして考えていきたいということだよね 岩堀:はい 佐藤:筒の概念展開は基本が出来ているので どんな機能が来てもその形式がそのまま使えるという、岩堀的自分の建築スタイルが一つ出来つつあるということですよね 岩堀:そうですね。そういう意味では 佐藤:箱から脱して筒の家で 難波さんからすこし距離を置いて 岩堀はこのスタイルでいくよと。 それの考え方が復興工事を経つつ 歴史とか町とのつながりとか、外部、周りの環境記憶などを連結させても可能な概念になりつつあるということですね 岩堀:そういうことですね 佐藤:それをどういう風に展開していくか 5年後の次回の聞き取りも楽しみになってきました ありがとうございました 岩堀:こちらこそありがとうございました プロジェクト 筒の家 3 岩堀未来さんのことば悦覧第二回記録以上です 最後まで読んでいただきありがとうございました 次回記録は2019年予定です お待ちくださいませ 文責 佐藤敏宏 |
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