HOME 佐藤敏宏のことば悦覧録 | 岩堀未来 さん編 茅場町にて 2014年6月7日 01 02 03 04 05 |
02 岩堀:鈴木啓さんは 大学の先輩でもあるんですよ。だから気楽に相談してやっていけるということです。 佐藤:この建築は柱建てなかった意図はなんでしょうか。それぞれの筒を独立集合させなかった意図ですが 岩堀:一つは、大空間にする意味というのは、将来的に変えるかどうかは分からないですけど。変えるかも知れないし。今はお二人でお住まいですけど。一人になったら違う使い方をするかも知れないし。友達と一緒に住むとか。そういうこともあるかも知お今ないし。 ということでここはフレキシブルに大きい空間を作ろうというのが。洗面の筒があって駐車場があって。庭が広いのでにわいじりの道具などを保管して。海があるので釣りをやったりするんで。そういう道具が置かれます。 自由な空間を作るためにまず、このような合成梁が必要だと。 佐藤:単純明快な建築なのか 写真がすっきり撮れてますね 岩堀:そうですね 佐藤:質問のしようが ない 岩堀:ははははは そうなんですよ。だから一つの目標というか、できる限り単純、可能な限り単純化するという。 佐藤:別荘だからか両サイドはガラスにしてるのか、筒を際立たせるためか。塞がす窓に仕立てていますね。見晴らしがいいんですか。 隣から覗かれるとかないですか 岩堀:周辺状況はこんな感じです。これは竣工当時なので。今はゴロゴロ建ってます。 こちら側が町並みのメーインストリートなので。 佐藤:カーテンつけて塞いでいるとかになってないですか 岩堀:なってないですね。これがよかったのは、もともと意図してたんですけど。通りを通りますね、別荘なので知らない人が住んでいるわけですね。ただしまったく知らないっていうのは気味が悪いじゃないですか。人が通と目が合ったりする訳ですね。そうするとそこで「あ!」という感じでちょっと話したりとか。そういうコミュニケーション。が起こって。で隣の人と知り合いになったりとか、少し離れている人と知り合いになったりとかして。お互いに お互いの家を見せ合ったりとか。そういうコミュニケーション。がうまれるので。そういう意味合いもあって 佐藤:生活している気配がお互いに分かるようにするために閉じないと。 岩堀:そういうことですね 佐藤:寝てるところも見えちゃうね〜 岩堀:見えますね ふふふ 佐藤:本当に単純な建築だね 岩堀:こういうふうに完全に閉じることも出来ると。 佐藤:両サイドに窓が開いてますがこれは何か 岩堀:これはハイサイドライトで、こちら側からも光を入れようとして 光が入って と 佐藤:なくっても良さそうですが 岩堀:有ると無いとでは随分違うんです。ここがふさがっているのは、耐力壁なんですよ。 佐藤:そこを開け放つと建物が潰れちゃうんですね そこをがっちり押さえてと 岩堀:だから耐力壁も非常にシステマチックに単純に四隅にあると。 佐藤:ハイサイドが無い方が筒形状が強調されるかなと 岩堀:なるほどね。 佐藤:仕上げはしてあるんですか。 岩堀:・・カラーという植物性の浸透系の塗料です 佐藤:床はコンクリートカナゴテ仕上げですか。 岩堀:モルタル金鏝仕上げですね。 床暖でポリエチレン管の温水パイプが全面に室内に。 佐藤:蓄熱層が150と厚いですね。立ち上がりは時間がかかりますね 岩堀:時間かかりますね。一度暖まるとさめにくい 佐藤:東北並みに〜 断熱も床暖も備わっていていいですね 岩堀:輻射による室内温度のコントロールなんで非常に快適ですよ 佐藤:そうだよね 熱源は油ですか 岩堀:ヒートポンプで温水ですね。深夜電力で温水を作ってと。 佐藤:工事中の時は何ができるんだと いう風景ですね 岩堀:コンビニと間違がわれていました。ふふふふ周辺の人はコンビニが出来るナーとおもっていた 佐藤:プロポーション似てるかも〜ね この建築が筒建築の2番目の作品と 岩堀:で 僕は作品が少ないというか。3年に一個ぐらいしか作ってなくって。ふふふ 佐藤:13年間 my建築作らなかった私が言うのもなんですが よく生きてきてますね〜 建築馬鹿ですかもしかすると 生き方がふふふふ。建築に対し方まじめ過ぎる 岩堀:3年に1個しか作らないってどうなの?ってふふふふ 佐藤:建築の設計では生活が成り立ちませんね ふふふふ 岩堀:で、3つ目 というのがついこの4月に完成したんですよ。住宅じゃなくって・・・資料を持って来ます。 資料を探しに シェアオフィス内をうろうろしている岩堀 デーケアーサービスセンターが3個目です。 佐藤:これからも介護施設の依頼はどんどん増えそうですよね。 岩堀:そうですね。今後 増えて来るタイプの施設で。デーケアーサービスセンターとサービス付高齢者住宅の複合施設。で平屋建て。 佐藤:平面が少し絞ってありますね 目の錯覚ではないですよね 岩堀:これは理由がありまして。こちらがデーサービスでこちらが住宅なんですよね。理由の一つはクライアントが直角は嫌だっていう。そういう話しをまずいただき 佐藤:建築は直角だらけですが 岩堀:このパブリックスペースの所がまったくの四角だったらちょっと均質過ぎるっていう意識がおそらくあって。何かしら歪めてほしいという要望が一つ。それから、もう一つは、住宅側は小さいスペースがあって。で デーサービスの方は大きなスペースが必要なので。 空間機能による空間の大きさに従って膨らんでいっているのが二つ目の理由で。 もう一つは敷地がちょうど斜めに絞られた形状で だから敷地に合わせて。敷地の理由と機能的な空間のボリュームの理由と。それから施主の要望と。それを合わせて微妙に扇型になっているという。 佐藤:この平面形状だと 遠近法が強調されるよね 効いてきますよね 岩堀:効きます。 佐藤:真四角プランよりは 回遊歩行してると面白いですよね 岩堀:そうですね。回廊と書いてあるのはそういう意味なんです。 お年寄りなんで認知症の方とかも ぐるぐる回れる場所も欲しいと言われて。で中庭とって回れるようになっている。 佐藤:公営の施設ですか個人の経営の施設ですか 岩堀:これは民間企業が運営している施設ですね。山梨県の甲斐市です 佐藤:冬期間は寒さ厳しそうですね 岩堀:これは床暖のコストまで さけなくって、入れられなかったんですね。ただし断熱は40ミリのスタイロフォーム。上はスタイロじゃなくってフェノールフォームですね。スタイロフォームより熱性能がよい断熱材です。発泡系の断熱材だと今1番性能がいいですね。それで建物をくるんでいると。 この建物の1番の特徴はパブリックスペースの所の構造が2×12材ってありますよね。既成の材です、あれを370ピッチで並べてます。室内に連続感が生まれます。 佐藤:筒の家の作りからがらりと変わらない点が 信用されますね 岩堀:はははははは その03へ |
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