ことば紀行 2008年春 home 金沢 ことば紀行 2008 年 4月28〜 5月01日 寺尾ユリ子さん ことば紀行 2時間33分44秒 その01 その02 その03 その04 その05 その06 その07 その08 その09 その10 その06 佐藤:犬飼っていた時は犬のほうが先に枕をして寝ていた、布団の中でも寝る犬だったから。風呂入れたりね。人間のように生活してしまってましたけどね。発情するとよそいっちゃうので捜すのが大変で、20年ぐらい生きていたんですけど 寺尾:長生きだね 佐藤:死んだら火葬じゃなくって、自分で穴掘って土葬にして 寺尾:うちも土葬だけど 佐藤:死ぬ間際が可愛そうじゃないですか、 寺尾:可愛そうなんだけど、うん 佐藤:また飼っちゃうよね 寺尾:飼っちゃう うん うん 佐藤:土葬、あれやったら、かなわんな〜と思って 一人で埋めに行くのは辛いんですよね。みんなで一緒に穴掘って埋めるならいいだけど。動物も人間と同じように別れる時がね 難しいな〜と 寺尾:でも出会えてよかったな〜とね 思うね 佐藤:ふふふふふふふ 寺尾:ありがとう、って感じで。うん。沢山いるけどね、人間も出会えるのって限りあるじゃない。 佐藤:ありますね。 寺尾:やっぱり生きている間に、そんなに、そん中での出会って。気持ちが通じ合えるっていうもの。またね誰もかれもでもないから。やっぱりそういう出会いってなるとね。 佐藤:そうですね、今回の金沢では林野さんだけにしか会うつもりで来てないだけれども 寺尾:うんうん 佐藤:こうやって、ユリ子さんのところにインタビューに来きて出会うと。本当は目的だったんですけども、そんなに広がるはずはないと思っていたんですよ 寺尾:うんうん 佐藤:思っていたし、建築家は建築家の人しか紹介しないだろうと思っていた。昨日の夜ね、パーティーやって喋れってことで。で誰が来るんですか?とたずねたら近所の人とか、色々来るって言うから。もしかすると、とは思っていたので、1日空けていたんです。 寺尾:ああそうなの。そうなんだ。 佐藤:だからまあ、いきなり会いたいんだけども 寺尾:うんうんうん 佐藤:なかなかそれは難しいんですよね。金沢いろいろ歩いて、人を捜してる暇もないじゃないですか。町並みが個性豊かだから、地勢も豊かだし、川の流れや用水の川面をみたりして。人間よりそちらの向いちゃうん。地形は全体に北西に下がっていて、浅野川の行くには転がるように行けるけど、帰り大変だけど。川面の色とか見ててね、そっちばっかり見ているから。街に人歩いているのに興味が向かってないですよ。 寺尾:うんうん 佐藤:人に会いたいんだけども。地勢や地形に沿ってころころウロウロいてしまう。ああこっちころげて、あっち転げてみたいに。2年半前に来た時にそればっかりやっていたんですよ。古図に残っていた町屋敷がどう残っているのか見にたんですよ、江戸時代に作成された測量図が図書館に在って。測量が正確だったので今の地図にぴったり合うですよね。屋敷内に民家が建ち並んでいるんですけども道路と用水のカタチと位置はそのままなんですよね。 長尾:う〜ん 佐藤:ただそれを比較して観察する。ああここ手直ししてるな〜とか、ただ古図と現実を見ているだけなんですけどもね。金沢の性格をちょっと知っていたですけども、今回は、今度は東山の方に行って泊めてもらう機会にめぐまれた。ここらあたり・寺町とは様子が違いますね。 寺尾:違うね 佐藤:そういう違いも判って、建築に関係ないでお喋り出来る土地の人になかなか出会わないですよね。 寺尾:うふふふうふふふふ 佐藤:出会ったとして、それでインタビューに行きますからと言っても「どうぞ」という人と。いろいろ言う人もいるし 寺尾:ああ判ります 佐藤:すぐどうぞと言う、人は少ないんですよ。直ぐどうぞと反応する人しか尋ねないようにしているんです。 寺尾:うんうんうん、判るなんかね。そういう事ってあるわ。私インタビューはしないんだけども。インタビューじゃなくっても 佐藤:相手にしてみれば鬱陶しいですよね。それが普通の反応だと思います。俺はやることあって忙しいからお前の相手をしてる暇はないんだ、忙しいんだよ〜仕事してるんだ〜と。色々言い訳いいはじめたら 行かないです。 林野さんもどうぞだった。応じてくれる人は皆さん戸惑いが無いんですね。戸惑い無きどうぞの場へ行くと、今日のような展開がある。枝葉のように建築関係から離れて、その地域でどういう暮らしをしているのか? ユリ子さんに会いに来たようなものですね 寺尾:ありがとうございます。ふふふふふ 光栄だは 佐藤:寺尾さんのように暮らしている建築家が居ないほうが不思議なんですよね 寺尾:あああそう 佐藤:寺尾さんの家は路上状態になっていて、猫だろうがお友達だろうが生徒さん、誰でもが交流していて、建物の中も外も自在に使ってらっして 交流しているじゃないですか。境界がまるで無いかのように大胆に建築を活用し暮らしている ユリ子さんのように建築の裏表全部使いこなして、境界も無いじゃない。人間に対しても、仕事の領域をしめいしているこの家のなかにも境界が無い。 家を設計した建築家はユリ子さんの事を判ってなかったので階層を1階2階 屋上と分けて作ってしまったけど。使い方でこなしている。 境界なく不明確にずるずる繋がっているほうが寺尾さんの暮らしに合っていたとは思います。 この家は階層性と境界が強く設計されていないからね、合ってないですよね、でも使い方でこなしてしまう。 寺尾:そうそうそう 佐藤:あらゆる処に建築的境界がもうけられていて、ここ寝る処、ここは台所と区分けされてているから、合わない 寺尾;うちなんかアトリエまで布団敷いて寝ているもの、みんなね。溢れてきたらね。ほほほほほほ 佐藤:設計によって作られた境界を生活振りで、取り払い、ユリ子さんは路上変えて暮らしている人だと思うんです。だれでも路上のようにした建築で 布団敷いて寝ましょうと わいわいしながら 寺尾:色んな意味で広がるよね 佐藤:そう暮らしている人が居るとは思っていなかったけども ここ金沢に居た!ははははは 珍しいですよ 寺尾:お布団2個しかないから2人しか駄目よ〜とかさ 別に寝袋引いたっていいしさ〜。だから何人とか言われても、適当でいいじゃないとか言って。大勢来たらアトリエからリビングからさ、寝袋も出して来ちゃってさ ふふふふふ その方が楽しいじゃない ね 佐藤:快楽を求めるのは動物の基本だから、楽しいからいいねっていうのはいい。建築を作ったりすると、理由つけたりして、路上状態がもつ力を削ぎ、境界が強くでる建築にしてしまうんですよね 寺尾:うん〜 佐藤:僕は違うじゃないの〜と思うんで 、何処へでも行って泊まって、どこへでも行っても、お話しを聞かせてもらってるんですけど。意識的にやっている人が居ないからね。ユリ子さんにはあんたが大賞と言って賞状をあげたいぐらいです。たぶん大阪にもユリ子さんのように暮らしている人は居ないと思う。 わかって、このように建築を路上かして使い暮らしている人は居ないと思いますよ。 寺尾:そんなふうにほら言われた事ないから ふふふふふふふふ 分析というかさ、一杯来るけどわわわわーって言って、ふふふふふふふ 佐藤:本当はそれで良いんですけども。僕は建築を作る側の人間なんで 見るとそう思ってしまう、職業病なですね 寺尾:視線が違うものね 判るそれ、アニメーション作ってた時ね、今では職業病なくなったけどね。作っていた時はね、あこれは何コマ撮りをしてるとかね、それを自分で思いだした時に何かかね 、 佐藤:僕も寺尾さん暮らしぶりを堪能して帰ってしまいたいんけど、職業病が身についちゃっているから、ユリ子さんの楽しい生活に全ては浸れないんですよね。 寺尾:そうそう、そういうのってあるよね〜 佐藤:今時の建築家にはつくれない、この暮らしぶり、暮かたですよね 寺尾:ここね〜(中庭部壁)黄色いでしょう。これはね、私が黄色くしたの、最初何だったと思う 佐藤:グレートかそういうんじゃないですか 寺尾:白 このかた何でも無彩色の人なのね。たまたまね ここにヒビが入ったのよ。壁に。私は古くなったから入ったんだと思っていたんだけど、色んな人が来るでしょう、「これは塞いだ方がいいですよ。雨漏りの原因になりますから」って言われて「ああそうなの〜」とか言って、建築を作った人呼んだら、スゴイですねみたいに言われてね。で直すのに見積もり持ってきたのね。結構するのようね。古くなったんじゃなくって、違うかな〜とおもって。「なんで成ったんですか?」って聞いたらさ。「地震かな〜」とか言うのね。能登の地震あったじゃない、そのちょっと後なんだけど、3月の末にあってで6月頃に「そう言えば私地震保険に入っていたわ〜」はははははは 電話して「すみませんけど、地震で壁にヒビ入ったんですけど」と言ったのね「そしたら見に行きます」と。言われて、で「来て下さい」と言って。来たときに何か凄くおかしかったんだね。 「地震保険は火災保険と一緒にしてもらったら困るんですよ、全損で半分なんです」って言うのよ。全損で半分で、一部損壊だとどうたらこうたらと言い出したのね。何かちょっとしかもらえないじゃない「やっぱり2,3千円くれるのかな〜」と思ってね 「見てきます〜」とか言ってね、上ったりしてね、「時間の無駄だったかな〜」と思って、下りてきたら「わかりました〜」と言うのね「78万です」とか言うのね。それって言われたより高いのよ。それも出しているんだけどね、「それは関係ないんです」と言うのね。どういう計算したんだか判らないけど 佐藤:78万円支払うと 寺尾:へー〜 お釣り来るじゃない、こんな珍しい事生まれて初めてでさ〜 1:30:28秒 次の頁へ続く |