ことば紀行  2008年春   home 

         金沢 ことば紀行  2008 年 4月28〜 5月01日 
  寺尾ユリ子さん ことば紀行  2時間33分44秒
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 その05 

寺尾:でちょっとバイトみたいなので、例えばこういうのとか作るじゃない、自分ではこれが良いかな〜と思って作ったら、「この鳥は黄色はだめだよ」とかさ。グラフィックだと、それぞれの何っていうのかな 表現じゃないじゃない。純粋に表現だけしてたら怒られてしまうじゃない。
佐藤:使用用途があるからね

寺尾:用途があるからね、うんで食器だからどうのこうのって、例えば街のデザイとかしてもね。色は換えられるはさ〜字は大きくされるはさ〜
佐藤はははあはは
寺尾:それでいて、何か出来てみても これ私が作ったって言いたくない〜い。これって嫌だな〜、「これ私のセンスじゃない」とか思ってね。で「何かこんなの嫌だな〜」とか思ってた時に、授業で色々やるのよね。

アニメーションの授業があったわけ。アニメーションというと、みんな「漫画か」と思われちゃうんだけど、漫画じゃない。漫画じゃないアニメーション。その時に自分でも覚えているんだけど。16oのフイルムで撮るんだけどカメラがドイツ製でその頃50万ですとか。ハッキリ覚えてないけど、言われて。私にしてみたらとっても高かったのね。でアニメ台ね上げたり下げたりとかね、色々カメラ、それが特注で20万とか何かとか授業の最初に言われたのよね。「へ〜」とか思ってね。「買えないな〜」とか思って。ふふふふふふふふ 思って。それでやってみたら、やったら なんでもカチャカチャ やったら動き出すでしょう、あら面白い!とおもって。ふふふふふ

佐藤:手間は掛かるけどね
寺尾:わーなんでも生きちゃうわ!みたいなさ
佐藤:アニメつくるまでは世界に無かったんだけど、動かした瞬間にリアルが出現してしまう
寺尾:それに凄い感動しちゃって。「わたしこれしよ〜」とか思っちゃって。「これしよう」というのがまた、そこが一寸珍しい。職業だと難しいじゃない。アレってね

佐藤:注文されるとね
寺尾:そうそうそう。だから分業で色塗る人とか、いやだし。人の描いたヤツ動かすの嫌だし。人の描いたの撮影するのも嫌だし。自分のじゃなくっちゃみたいなとこあるんだけど。それに目覚めて学校、撮影とかもね、動かしてね。その間にアニメーション教えてくれる先生が、「ちょっと虫プロダクションに忙しいから手伝いにアルバイト行ったら」みたいに言われて。

行ったのが撮影のスタジオだったのね。撮影のスタジオで色々シート見て渡したりしていたんだけど、それはバイトとしてはやってて面白いんだけど、カメラのオペレーターとしてね、やるのもちょっと嫌だな〜とかさ。ウンウン思いつつ。これは学校に居る間に一杯楽しんで終わりにしちゃって。ふふふふふ

佐藤:アニメーションを仕事にするとこんなに詰まらないのか〜と
寺尾:で自分でやるったら、設備大変だし。で卒業して油描いたりとか。付属にいたから油とかも描かされたり何かしてたからね。何かそっちの方が面白いふうに思えて来て。だけど何て言うのかな、限界感じるのね。自分で、表現の限界っていうの

佐藤:技術がいるからね
寺尾:そうそうそう自分に合った表現ってあるじゃない。それが判らなくって、これじゃ〜絶対ぶつかる。ジャー何にしようかな〜〜〜と思いながら、うん。ふふふふふ。
佐藤:自分がこういうふうに描きたいと思っても描けない自分もいるよね
寺尾:そうそうそう それからはね、表現の手段捜し

佐藤:自分が考えたことをストレートに現せる手段 捜しだ
寺尾:自分がボーンと出せる。それを捜しててぶっかったのがシルクスクリーンだったの。

佐藤:ああそうですか
寺尾:これ面白いって、うんうん
佐藤:結構手間が掛かるんではないんですか
寺尾:手間かかるんだけども、完成したのが 何て言うんだろうドローイングで例えば線描くじゃない。ていうんは私は何かもう一つなのよね。フイルムに同じように線描いて、でそれを版画にして刷ると、全然良いのよ〜 ふふふふふふ

佐藤:一回フィルター噛ましてしまうとね
寺尾:そうそうそう 
佐藤:自分で描いているにの違うもののように印刷されて出て来るからね〜
寺尾:ぽーんと均一にぼーあーんと出て来るっていう。

佐藤:人間より精度が悪い分だけ雑音がとれて、ぴたっと見えている気分になる
寺尾:そうそうそう 
佐藤:それで、これいいな〜

寺尾:そうそうそう であと、結構色が自由に使えないと嫌なの。で色もストレートに出来るし。自分で好きなように色作れるし。それ兼ね合わせていて、最初に切っ掛けがあってやったときに。凄くそんとき「あこれ!」って思ったのよ。「あ、これいこう」と思って、うん。それからは、これから先はね、またもっと違う出会いがあるかもしれないから、生涯シルクスクリーンに捧げますってやらないの私

    共にははははははは

やらない、何かそのうちまた面白いものが ふふふふふ

佐藤:結構ながいですね
寺尾:長い長い。うん。でもこれやってても、いいし〜みたいなこう。その辺はこうあれなんだけど。でたまたま思えば。それを結構長いことやっていたお陰で、美術館のそんなね手伝いも出来たし。でカークに来るわけよね うふふふふうふふ

佐藤:美術館に作品飾ってくれるんですか
寺尾:飾ってくれないよ うふふふふふふふ
佐藤:何か基準があって駄目なんだ
寺尾:それは例えば 21世紀美術館でも 館内にでも、例えば私が現代美術展とか金沢のね、出して入選すれば。もちろん掛けてくれるけど

佐藤:新聞社の展覧会をパスしないと飾ってもらえないんだ
寺尾:ポリシーが違う気がして。他の展は 他者の方が審査員も、よそから呼んでくるのよね。で公開審査なの。その方が画壇の先生達のしのぎあいみたいなのが見えちゃったから。そっちの方に出したりとかね。あと色んな何かがあると公募展とかに出したりとか。美術館と名が付くとろに飾ってもらえたりねふふふふふふ するから。

でもそれれ以前は「それも絶対ないだろうな」と思ってた自分で。こう、なんかね〜これ、自分でも判るじゃない。自分のあれってね。何かこれ私が一生懸命やっても何か違う 。これやっても美術館に飾ってもらえないだろうな〜とかね。これっていうかこの表現だったら、みたいなね。マチエールとかがね。

佐藤:自分で個展はやらなかったんですか
寺尾:やるよ〜 ふふふふふふ あとでお葉書とか差し上げるね。この名刺さっきのビー君、脱走猫 モデルよと。ビーって名前だから

佐藤:クンなんで男だな
寺尾:これさちこさん(猫の名前)
佐藤:さちこさんどこ見ているんですか?猫とちゃんと会話がなりたっていて、猫の方が人間らしいですね 振る舞いみてるとね

寺尾:ふふふうふふ 振る舞いみていると ふふふうふふ
佐藤:人間と動物が逆転している

寺尾:逆転している うふふふふうふ 飼われている
佐藤:猫にね ふふふふふふ 猫の方が人間らしい
寺尾:ちゃんと監督してね 

佐藤:会話が弾んでるかね〜君たち、みたいな視線投げてよこすね
寺尾:ふふふうふふふ
佐藤:さちこさん 
寺尾:さちこさん

佐藤:面白いよね
寺尾:動物はね、欠かした事ないの
佐藤:猫でも犬でもですか
寺尾:子供の時から。子供の時には一杯動物いたのね、家が。だからこういうのが居ない生活というのはしたことない。佐藤さんは動物とかは

佐藤:農家の生まれだから動物は一杯いました、牛 野羊、羊、猫 鶏。自分で家を建ててからは 犬が2匹いたんですけども 死んで埋めにいって、ちょと飼うのやめようと。今は居ないです。死んだときにどうするかって聞いたら「もう飼わない」っていうから。もしかすると2,3年後にぐらいに。母親の実家も犬だらけでしたね。今 僕はとりあえずは動物よりは人間に興味が向いているので、無理には飼わないようにしてるんです

寺尾:佐藤さん色んな処に行くしね。
佐藤:聞いて歩いてみたいんですよね。出て歩くので動物は今のところはお休みです。犬吠えると近所迷惑っていうしね

寺尾:でも前はね 沖縄とかこないだ行ったら 大らかでさ〜。犬が勝手に海岸散歩したりとかさ
佐藤:繋いでおかなければいけないと可愛そうなんだよね
寺尾:ああいうのが自然 猫も見てると、あのへんで昼寝してたら今度はこのへんで寝てたり、とか。こうしているのが。本当は猫 脱走しちゃだめとか言いたくないんだけども。ああいうのを見ると 自然だな〜と思うけど。

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