金沢 ことば悦覧 2008年春 home 林野紀子さん ことば悦覧 2時間23分 その01 その02 その03 その04 その05 その06 その07 その08 その06 佐藤:一つの目的で突破しようとし過ぎてるんじゃないかな 林野:うんうん、ただなんだろう、本当に建物の、建築でいじれる事、建築家が今いじれると思われているような事で。空間って今みんな言っているけど。空間とか場所の事とか。いじれるのかな〜?って疑問はあって。だから凄いいい建物作った事で凄いいい関係性とか、何かもっと発展的にものとものとの関係とか。操作出来るのかな〜って凄い大きな疑問はある。 佐藤:それはできませんね 林野:ははははは 佐藤:物がもっている、場所がもっているものだけでは。 空間って何も無いっていう事だから。無いんですよね、あるように思わせるというのは人間の行為とか記憶などや経験などが積み重なってあるように思われるものだから。各項目セットに成ってないと、意味が発生しないと思うんですよ。片方だけ考えて行くと到達しないし。行為だけ考えていると、建築という形式は生まれない。セットでどうするかという話ですね。 林野:うん、そうですね。 佐藤:人間の行為と物が生み出す、保証する場という空間というのがセットにならなければいけないので、それは分けて実践し・体験解決しつつ融合させることしかできそうもないので、絵だけ考えて、行為の部分は別になっていてしまうとね〜。物としての建築を別々に考えていて、曖昧のまま うじゃうじゃうじゃと、融合させる技術も無いし蓄積もないので どうしても偏ってしまうのではないかな〜 どちらかに填っていってしまい隘路に陥って答え無しみたいな 林野:うふふふふふふ 佐藤:全体が判らないということになるので、仕掛けるとこと、作るということを、設計する時に同時にやるということが。林野さんには良いんじゃないかと思いますね。 林野:なるほど 佐藤:どういう答えが出るか?は5年後10年後来て僕が観察しますけども 林野:ははははは 佐藤:それによってしか答えは出ないんじゃないでしょうか。制度とか権力がそういう事をやって来たわけだけども。財政難や過剰流動化によって上意下達的な対話技術などの劣化で立ちゆかなくなって来ているし。 政治制度がそういうものを作るにはまだまだだ。目的に合った行動になる。僕たちが生きているグローバルな社会は新たな目的はまだ無いかもしれないので、近代のロールモデルは劣化し役に立たないかもしれないので、そういう事に成らざるを得ない。っていうふうに僕は思うんですけどもね。 林野:でも何かそう言いつつ、あんまりカタチに信頼を置いていないと言いつつもふふうふふ やっぱり 個別の事例として凄く面白いとか 芸が出るのはいいな〜と思っていて、そうすると全体の風通しが良くなるし、「ああこういう事をやってもいいんだ〜」という思いって凄くみんなを自由にするし。 佐藤:社会環境とか、他律的に物との関係があって初めて良いという言葉が立ち上がる、感情が生まれるわけだから そこの処を意識して、ポストモダンの人間像というのを生みだして、自分で作って。その人がよいと思う感情と建築をクロスさせたところに立ち上がる総体であるから 近代の中で生きている私には全体の想像がやや出来ない。カタチが良いのか行為とそのクロスしたときに沸き上がる感情がいいのか 評価するものをもってない 林野:そうでしょうね〜 佐藤:だから融合させる実践をしつつ、さぐるしか〜 林野:ははははは 佐藤:カークの活動など 面白いけど、始まったばかり。あと5年10年注目して、公権力が行って来たものに落ち込んでいってしまうのか? 回収されているのか?それとも林野イズムがね花開いて 継承運営されているのか? 林野:ふふふふふ 佐藤:新しい、行為と建築との関係の中からオルタナティブなものが生まれて来るのか? っていうのが期待できるね。始まったばかりだからね。 林野:そうなんです 佐藤:おおいに期待しておりますので 林野:ありがとございます 佐藤:そういう事を考えている人になかなか出会う事がないので、期待できそうです。 共にはははは ふふふふふ 次のページへ |