ことば悦覧in東京2010 春版 記録集 home 佐藤敏宏 本瀬あゆみさんに聞く 2010年5月9日東京駅前晴れ (生い立ちから01 02 03 04 05 06) (RAJあれこれ 07 08 09) その06 佐藤:人工的につくる、他領域の降雨じゃなくって何か考えて建築を作っていくっていうことだよね。そういう建築へのアプローチを模索中だと。 何か新しい言葉つくらないといけないですよね ふふふふふ 本瀬:ふふうふふふふふ、そうですね 佐藤:本瀬さんからその言葉を聞いたらなるほど!そういう住み方もあるのかと膝を打つような言葉、 本瀬:環境っていのは近いかもしれない。環境って普通の言葉だけどけっこう近いです 佐藤:環境って茫洋とし過ぎじゃないかな。認識出来てないでしょう。そこに在るものだけで考えるか、他から侵入してくる異物も環境と考えるか、地球や宇宙全体で考えるのか、乱暴すぎないかな。そこの特性・風土といってもいいかな、巧く当てはまる言葉を発明しください。人間が棲息できる領域が宙に浮いたり、地下に潜ったり、それぞれが広がったり縮まったりする、相手の領域を横断したりする建築を一気に表現する建築的言葉を何って言うんだと。 本瀬:ふふふふ 佐藤:建築と言っちゃだめんだんだ。建築と言うと東京駅前の ここにようにこんな感じ。ビルが建って所有権が明確で境界がはっきり有って。そうなっちゃうからね。従来の強い建築引力に回収さえれてしまうから。考え出した本瀬さんが言葉を作らないとだめだ。丹下さんの文章読むと丹下さんの概念界に回収されていくからね。 本瀬:まあそうですよね 佐藤:本瀬語を編み出すためには あまり役立たない丹下語は、じゃないですか 本瀬:でも面白いですよ。丹下さんあの時代流行ったんですけど。二項対立を使うんですよ。そうすると色々物事がクリアになって分かりやすいですよね。 佐藤:明治から近代国家つくったり 戦争何度も経た前半、戦前・戦後混乱しまくっていた社会だし。 二項分けで解決で良かったろうけど。 冷戦もそうだけど二項対立つくって打ち負かすみたいな思考が楽だったんだろうね だけど。1980年代半ばを過ぎ成熟しきって腐れ落ちてしまった後の社会に!近代的な考えを持ち込むと拙いでしょう! 二項対立でこなすと説明にならないよね ふ ふふふ。本瀬さんは21世紀の人なんだから。丹下さん世代ではないので、面白いけど役に立たない、逆NHK的教養だよね。丹下語が産まれた時代背景を読み込んで、その言葉がどう導き引き出され 建築化するために使用されたかって方法を知ることは 参照すると役に立つかも知れないけど。 それでもどうかな〜。本瀬語作るのはまた別な方法があって、そこでこそ意味があると思うけど。丹下さんは面白い言葉作った人だった で終わっては本瀬さんの新世界の扉は開かないよね 本瀬:ふふふふふ 佐藤:それはなんなの、報告書じゃないの ふふふふ、報告しなくってもいいよ本瀬さんの言葉を発明してくれれば 本瀬:はい。そうですね。 佐藤:努力が足りてないってことがバレテしまいました! 本瀬:はい 今 暴かれました ふふふ もっと頑張らないと駄目ですよね 佐藤:頑張った方がいいと思いますよ、せっかく面白い感覚を身につけて建築の世界に突入して まだ学生時分も含めて10年ぐらいでしょうから。 荒れ地の芹畑から揚羽蝶の卵を採ってきて餌を与えて孵化させ蝶を飛ばす行為と 建築を探る手掛かりや自己と環境とか内・外部とか、それら全体とかの意識は 虫取り少女と連動しているとしか思えない。 四角の箱に他の領域をぶすりと差し込んで一体化させたり、小学校と 屋上ラウンドスケープが重みで垂れ落ち、 下りて来て事務スペースが混生・融合してて在るって興味深いですよ、まるで虫取り育て少女の日常そののよな在り方で。 窓とは言ったけど違う領域や環境が何かの条件に反応し、差し込んで融合してあるように思う。そういう多量域の行為と関係して生まれる窓なんじゃないかな〜。凡庸じゃないよ ああいいう自然のように突然暴力的に事象が吹き出し現れるみたいで 普通の感覚では作り手にその方法は入れられないですよね。アレは何か? 5年後また来ますから 5年間悩んでください。 本瀬:え、。もう忘れたいですけどこれ。 佐藤:え。それは本瀬さんじゃなくなる、自分を捨てるってことですよ。そこから外れると、平凡な人に成るような気がするな〜。そこから脱皮して蝶になってくださいよ。カブトムシになれば、いいけど。 いまだ幼虫、さなぎにも至ってないかもしれないんだから。変容・化身してないんじゃないかな。忘れるとそこまで至らないんじゃなかな〜そんな気がするな〜。生き腐れていくのか?変容化身するかっていう、重要な時期ですよ、たぶん今 本瀬:そうですね。 佐藤:忘れても本瀬流は突如として噴出してくるよ ふふふ 本瀬言葉あみださないと 制御不能の 本瀬流になるよ、もったいないですよ。 本瀬:分かりました、じゃもうちょっと頑張りますふふふふふふふ 佐藤:説教になってきたな ふふうふふ、東工大に入って彼らと会うわけだ 全力ゼミ 本瀬:そう そう そうなんですよ。 佐藤:どこで会ったの?チームラウンドアバウトのメンバーとは 本瀬:同じ学年だったんすよね。松島君と同じ学年で、伊庭野君と藤井さんも何か留学とかして。 佐藤:松島さんと一緒で 順調に卒業してしまうんだ 本瀬:はい 順調に卒業しました。それから藤本壮介の事務所に直ぐ行ったんですよ。 佐藤:藤本さんはどんな建築を作っていましたか。 本瀬:ちょうどティーハウスっていう住宅が出来たばっかりの頃ですね。 佐藤:旭川の実家の建築を2作って、その次ぐらいかな。初期ですね。所員も少なかった時期ですね 本瀬:そうですね、オープンデスクで1ヶ月ぐらい行って その後雇われて。 佐藤:給料払えるような状況になっていなかったんじゃないの 本瀬:あ 成ってました。払ってもらいました。何かけっこう大きな仕事があったりして。 佐藤:伊達かなにかの建った病院かな 本瀬:で、運良く採ってもらって。やってましたね。2年間居ましたね。登別の建築って分かりますか、それを一個やらしてもらって。で 隈事務所に移りました。 佐藤:建築雑誌見てないから全然分からないわ、実家に行ったり、直接会って聞いた建築だけ、覚えているだけだ、非常に怠惰ですけど 本瀬:ふふふふふ 佐藤:東工大関係で 松島さんと会っていてと 本瀬:そうですね。勤めたばっかいりぐらいのときに、全力ゼミを始めて。 佐藤:松島さんと本瀬さんとが2人社会人になていて、全力ゼミにを小耳に挟んでですか 本瀬:いや一緒でしたね。終電で会うっていう話。なんかある日電話が掛かって来て。藤村さんが集まれって言っているみたいな話が来て。それが全力ゼミの始まりだったような気がします。 佐 藤:芸大から来たし、本瀬さんまだ自分の言葉発明してないから 本瀬:そうですね 佐藤:あんまり喋りたくないっていう状況なのにさ〜 よくも皆さん誘ってくれたね〜 本瀬:そうですね。 佐藤:自分の事がワカランのだから悶々しているよね 本瀬:悶々としてますよね〜悶々としているですけどその分人には厳しいんで。 佐藤:ああ ふふふ 人に辛く当たっちゃうのね 本瀬:辛く当たっちゃう 佐藤:それって劣等感の裏返し威嚇行為じゃないですか はははははは 本瀬:ふふふふ 佐藤:辛く当たってないと自分の弱味が見えちゃうわ〜と 本瀬:そうですね。 佐藤:世間で使われてる手法・方法じゃないですか ふふふ、そうんなんだ。そこれで人に厳しく当たる本瀬が居るぞと 本瀬:そうですね、 佐藤:そこでチームのメンバーと合流して全力ゼミにと。では第二部は寒くなって来たので場所を移動して 室内で 全力ゼミの話に移りましょう 本瀬:はい 1:20:38 その07へ |