ことば悦覧in東京2010 春版 記録集 home 佐藤敏宏 本瀬あゆみさんに聞く 2010年5月9日東京駅前晴れ (生い立ちから01 02 03 04 05 06) (RAJあれこれ 07 08 09) その03 佐藤:不透明水彩っていうことでしょう 本瀬:そうですねポスターカラーとアクリル・グァッシュ 佐藤:デザイン科はポスターカラーだったと。6年間続けた透明水彩画じゃないと、ポスターカラーではね 透明水彩で重ねて作った淡い色は出ないよね 本瀬:そうですね〜。そうなんですよ 佐藤:ポスターから使うのはいやだと 本瀬:もっとネガティブな理由で。私デッサン出来たので。でも倍率 圧倒的に違うんですよ。デザイ科と建築科だと 佐藤:デザイン科って超難関なんの 本瀬:超 難関 50倍とかで、ネガティブな理由で 佐藤:もう嫌だと、芸大受かればいいやと 本瀬:東京へ出れれば いいやって、国立なのと、やっぱ東京へ行きたいですよね。情報量が全然違うので。弘前とかだと デザイン系の展覧会 絶対来ないんですよ。油絵とか来るんですけど、なんで。 東京へ行きたかったですね〜。 佐藤:高校での情報は美術手帳とか買ってたんですか 本瀬:絵の教室にデッサン画報みたいなのがあって。そういうの見てたぐらいで 佐藤:建築の本は無かったですか 本瀬:建築の本は無かったです、デザイン誌です 佐藤:高校生で まっしぐらに 私は芸大に行くんだと。生物の科学者になる道はなかったんだ ひたすら描いてたからね 本瀬:そうですね、絵を描くほうが大事 勉強するよりもって。 佐藤:ひたすら分析して描くことにのめり込んで、暮らしていた。ネガティブな理由で建築科へと、そうなの!! 横道へずれたね〜相当 本瀬:横道ずれましたふふふだいぶずれましたよ 佐藤:ずれましたね〜 本瀬:でも立体は好きだったので。 (芸大 受験する) 佐藤:建築はデッサンで受かっちゃう の 本瀬:デッサンで受かっちゃいますね。デッサンと水彩画と、あと立体構成っていうのがあって。それは紙で 何かテーマに沿った立体作品をつくる 佐藤:カブトムシ 蝶育てているから 立体は簡単かな 蝶々を作ったんじゃないの 本瀬:まあ そんな感じで受かりました ふふふ 佐藤:小学生自分から得意分野 で やってるからね〜ふふふふ 得意技使ったと 本瀬:そうですね 佐藤:虫が折り重なっているような立体構成ですね、何でもいいんですか 立体構成であれば 本瀬:なんでも良いんですよ、でもまあ建築学科なんで、一応何か四角とか三角とかを使わないと。あとはけっこうおっきいので。ちゃんと自立するように作らないといけないんですよ、それがけっこう難関なんです。なかなか 佐藤:与えられる物は紙ですか 本瀬:そうですね、あとスチレンボードとか使いますよ、あとは片面ダンボールとか。 佐藤:大きさ制限あるんですか 高さ1m以内にとか 本瀬:大きさ制限 ないですね、で かなりの量が渡されるので。それを使わないわけには いかないんですよ。それを使って作るとでかくなりますね 佐藤:時間制限は 本瀬:制限時間は6時間 佐藤:6時間じーっと同じ行為しているの得意だものね ふふふ 本瀬:そうですね 佐藤:それで目出度く合格しちゃったと 本瀬: 合格 しました 佐藤: めでたし、高校2年生でちょっと横ずれして建築科を目指してと、立体作品作るのは分かってたんだ、立体作るの練習したんですか 本瀬:立体も練習します、でもデッサンもプロダクトやろうと思っていたので、であとは、ずーっと宿題のデッサン描くんですけど。最初に組むんですよ。描きたいものを。それでけっこう立体感覚みたいなのが。色々持ってきて、このアングルから描くから、とりあえずこう絵になる形に組むじゃないですか。そういうのでたぶん、すらっと 出来ました 佐藤:できちゃったと 本瀬:はい。 佐藤: 小さい時からコンポジションをね 本瀬:コンポジションをやっていたんです。それが、芸大ってそういう、オーソドックスな 硬い学校なんですよ。コンポジションとかそういうの叩き込まれるので。 佐藤:良いよな 悪いような 本瀬:悪いような感じですよ。 佐藤:才能がある人は 基礎教育を壊して脱皮できるでしょう 本瀬:そうです、そうです 佐藤:無い人はそこに留まると 本瀬:無いとずーっと引きずっていくしかないですね 佐藤:才能無いと自分で自分に宣言しているような格好で進と。相当の技が要るよね。 ベースが無いと出来ないし、有れば拘束されてしまい 邪魔になり 本瀬:そうですね 佐藤:教育ってしょうがないものだが 無いとまた困る。虫飼ってデッサンして 生きてきたら、その時の構成も引きずってと。芸大で叩き込まれて ふふふふ 何人ぐらい入るんですか 本瀬:15人ですね、建築学科は16倍でした 佐藤:あみだくじじゃないんだ 本瀬:あみだくじ じゃ ないです ふふふふ 佐藤:過去の価値観使って選ぶわけだよね 本瀬:まあそうですね、あとはスキルですね、技術力です 佐藤:この時間でこのぐらいの立体作れたらまあなんとかなるだろうと、それなりに形がつくれて デッサンも出来ると、描くことと作ること その他なですか 本瀬: だいたい そんな感じ 佐藤:そのときプレゼン・説明は要らないの? 作るの描くのへただけど説明が抜群に巧いとか ないの ふふっふふふ そういう者は入れないの? 本瀬:ああ一応小論みたいなの、立体構成のときに出すんですけど、 佐藤:現代美術は説明なしでは 理解しにくいじゃないですか 本瀬:まあ そうですね 佐藤:現代美術って パフォーマンスと議題設定と作品提示が合成されているので、近頃は。説明無しだと面白さの糸口つかめないんで、説明が要るじゃないですか、説明力が要る。 だまって見てて分かれじゃ 支持者はいなくなる ふふふふふふ 本瀬:ふふふふふ確かに。建築と芸術の違いは何かみたいな、小論はあったんですけど。全然それは重視したてないと思ういますね、たぶんふふっふ 佐藤:そうか文章書けて誤字脱字がなく 一応読めればいいいと 本瀬:文脈があって ふふふふふ 佐藤:作れるのが先と あとは俺たちが鍛え上げると。15人だけではキツイね〜 本瀬:そんなことないです 逆ですよ 佐藤:そうなの 本瀬: 甘やかされるか 佐藤:ほったらかしなの 本瀬:ほったらかしですよ、15人しかいないので (芸大に入る) 佐藤:1年生の時は何をするの 本瀬:木製の椅子を つくります 佐藤:いきなり木工ですか 本瀬:木工作らないといけないんですよ 佐藤:道具はどうするの 本瀬:道具は木工室があるので、 佐藤:虫なら得意じゃない 虫の椅子作るのかな 本瀬:そうですね、虫の椅子作ればよかったな〜 佐藤:形は決まっているの 本瀬:決まってない、材料だけ決まっている、タモでした 佐藤:プロ野球のバットになる タモ材でね、硬そうだね 本瀬:大変でした、30mmぐらいのたもの材が一杯あって 佐藤:わたしは これこれこういう形をつくりたいから材料仕入れをと教授に命令できないの 本瀬:今やっているらしです、私達のときは真面目だったんで、タモでやってました。 佐藤:そうなると色々ありすぎるよね、何をつくたんですかカマキリように椅子ですか 本瀬:私は何かブランコみたいなの可愛い椅子つくりましたね 佐藤:ユラユラ動いちゃうっていうこと 本瀬:動かないですけど、家みたいになっているのを 佐藤:3ヶ月ぐらい掛けるんですか 本瀬: 4ヶ月ぐらいですね 佐藤:色は付けないんですか 本瀬:色は付けます、ウレタンかステーンか、色付ける人もいます 佐藤:リートフェルトの椅子のようにね 本瀬:そうです、キラキラのウレタン塗装とかもする人もいます 佐藤:ネール・アートのように輝いた世界にする人もいたりすると、千差万別なんだ 本瀬:千差万別です 佐藤:出来上がると講評するんですか 本瀬:講評もしますよ 佐藤:作品は売りに出すんですか 本瀬:いや それぞれ持ってる 佐藤:邪魔じゃないですか 本瀬:じゃまですよね〜ふふふふふ椅子一個つくって。あとは環境デザインみたいな公園とか 佐藤:評価の優劣 無いの付かないの 本瀬:付きますよ、先生が付けます。芸大だと全体講評会っていうのがあって、1年生から4年生まで、あと大学院生も、全員の講評を1日でやるっていう会があるんですよ。 佐藤:90人もですか 本瀬:そこは選ばれた作品で、やっぱりそれに選ばれるのが目標なんです 佐藤:そこで選ばれたんですか 本瀬:最初の頃は選ばれてましたね 佐藤:最初の頃選ばれていた 追い抜かれたってことか ふふふ まずいじゃないですか、最初の頃は胸張って居たけどって 最初選ばれてどんな評でしたか 本瀬:私提出物に時間を掛けない人で、喋りでカバーするタイプだったんですよ。 佐藤:寡黙スケッチ少女が いつのまにそんな 裏技を身につけたたんだ 本瀬:ははははは 佐藤:どこでも出てなかったぞ〜 ふふふうふ 本瀬:芸大の説明って本当に感覚的な人達が多くって、喋る人がほとんど居なかったんですよ。 佐藤:喋りだすと言葉が宇宙に飛び出て行って 帰って来ないと ふふふ 説明になってないと 本瀬:そんな感じ なんですよ、 佐藤:宇宙語が飛び交うなかで、本瀬さんはみんなに分かる説明力があったと 本瀬:説明力が有って。 佐藤:友達少なかったし、家の中がもの凄い複雑で説明しないと日々が成り立たないとかですか、何か無いと身につかないでしょう 本瀬:そうですね。でもやっぱりデッサンとかも言葉なんですよ。何か。ここにこう光が入ってきて、ロジックで組み立てないと、絵とかは描けないんですよ。 佐藤:その方法は本瀬さんの描き方だよね、本瀬あゆみ言葉が絵画になっていると。 本瀬:う〜 佐藤:だって ポロックの絵って説明おおかた要らないでしょう。絵の具タラして重ねる、言葉を剥がしていくような絵だよね ふふふ 本瀬さんの描き方は言葉が要るんだと。そういう描き方だと、昆虫がどうなっているとか 構成がこうなっているとか、椅子も説明できちゃったと。 そこで飛び出たと、1年の時はおめでとうございました、 本瀬:2年の時も かなり 佐藤:2年の時の課題はなんだったの 本瀬:住宅と、前期住宅2件 やって あとは後期小学校ですね、 佐藤:前期住宅で、 本瀬:後期小学校ですね 佐藤:計画っていうこと、持って来たの 絵を 本瀬: 持ってきましたよ〜 45:00 その04へ |