桜井勝延氏 言葉記録  01 02  03
 2018年9月1日動画
2018年 作成 佐藤敏宏
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除染作業員の宿舎

 除染という言葉を聞いた皆さんは多くいらっしゃると思いますけれども。茨木からも沖縄からも、北海道からも南相馬市に除染に入って来ました

 浪江町には、宿舎を建てる事が出来ません。飯館村には宿舎を建てることが出来ません。南相馬市に、大半の除染労働者の宿舎が建てられました。一時期8200人もの、全国から除染労働者が来た時に。

 皆さんご承知でしょうか、大阪から来ていた除染労働者が中学生を殺してしまった。という事件が起きて「南相馬市で働いていた」と。いうことが明らかになって「除染労働者は犯罪者だ」と見られるようになりました。でも私は「住民に除染をしなければ住めない。そういう状況を「必死になって頑張っていらっしゃる方々に対して、犯罪者扱いするのはオカシイではないか」ということを申し上げて来ました。

トリチューム汚染水問題

 今、福島で公聴会が開かれてございます。汚染水処理の問題です。今まで、漁業労働者、漁民がどれほど痛めつけられて来たことでしょうか。漁業者は今でも試験操業です。そういう中にあって、なぜ、汚染水タンクが増え続ける中で、その唯一の大傑作が福島に希釈したトリチューム汚染水を放水することなのでしょうか。安全ならば、私は東電にも経産省も申し上げて来たのは「安全であるならばまず東京オリンピックを開催する東京湾に放出してから福島に放水すべきだ」ということを言ってきました。

真っ暗な原発周辺自治体

 そうじゃないですか。消費地元だけが栄えていて、あの震災で計画停電されました。しかしながら、六本木を見てください。煌々と24時間電気が灯っているじゃないですか。その福島第一原子力発電所、第二原発の電力を利用して関東圏が栄えているにも関わらず、大熊町双葉町、そして原発周辺の自治体は真っ暗じゃないですか。この現実を知らない人たちがあまりにも多い。

 油井亀美也さん、宇宙飛行士です。南相馬市の中学生たちに「宇宙からの学習」ということで来ていただきました。宇宙から観たときの日本の煌々たる現実、南相馬市がいわき市が微かに明るくなっている現実とは裏腹に、東京のあの煌々たる電気と、真っ暗な双葉郡が在ったわけです。「なぜ真っ暗な状態になっているのか皆さん考えてください」と宇宙飛行士の油井亀美也さんがおっしゃっておりました。

東海第二原発再稼働問題

 今、誰しも安全で、安心できる暮らしを求めている、と思います。そういう中で東海第二原発が稼働されようとしています、最も古い原発をまだ使い回そうとして、ここで同じ原発事故が起こたら、95万人とも100万人とも言われている人たちがここから避難をせざるを得ません。

南相馬市 507人の関連死

 南相馬市では1300人の入院ベットが国の措置でゼロにされました。避難によって507人が避難が原因で死んだという、災害関連死の認定を受けてございます。 全国一です。こんな事が全国一になってどうするですか。避難させられて殺されて、それが全国一の数だろうなんては誇りにする、できるはずないじゃないですか。
 安倍総理も野田総理も「福島の復興なくして日本の再生なし」と言ってきたじゃないですか。福島の復興できてますか。双葉郡の皆さん、相馬郡の皆さん、福島県の皆さんが、また東京のみなさんも含めて避難している現実があるじゃないですか。汚染水の処理さえできないで現実の中で、浪江町を見てください。大熊町を双葉町を富岡町を見てください。

■ 東電社長の言葉

 東京電力の小早川社長、挨拶に来ましたよ。双葉町に行ってなんと言いましたか。「解除された双葉町」と言ったんですよ。馬鹿言ってんじゃないですよ。田んぼに木が生えている双葉町に、大熊町・富岡町の現実を見た事が無い社長が、そんな発言をするのは失礼なんていう言葉では、言い尽くせないですよ。
「あなたがたのせいで自分たちの故郷を追われて、古里が無くなっている」現実に対して、何と言う言葉なのか、と私は思います。彼は雇われ社長ですよ。この現実を推進して来た国、東電、責任をとるべきじゃないですか。

201票差で落選

 私は、1万6293票対1万6494票で負けました。201票差です。「桜井は市民のために働いてない」と言われました。
今、あの現実の中で現役で避難自治体の首長として、今も首長たるは大熊町の渡辺さん。この前、浪江町の馬場さんは亡くなりました。川内村の遠藤村長。飯舘村の菅野村長だけでしょう。
なぜ現場が責任をとらされるんですか東電が責任をとらない、官僚も閣僚も責任をとらない。誰も犯罪者が居なくって、なぜ現実で現場が責任をとらされて、住民だけが死んでいくんですか。こんな事を二度と起こしてはなりません。

再稼働させない

 再稼働させてはなりません。私はもっと現実的な、避難計画は再稼働させるための大前提となる避難計画は、再稼働させない事だと申し上げます。再稼働させたら、必ず事故が起きます。このような不幸を二度とつくってはいけないし、南相馬市は、その反省から、被害地元としての反省から、「原発は要らない」と言う日本で市町村で初めて脱原発宣言をしました。

日本国憲法を守れ地域は自分たちで守る 

 避難者が人権を尊重されない、健康で文化的な生活を営む権利も保証されていない現実を見たときに、日本国憲法をまず読んでほしい、という意味で、二年前の5月3日に全世帯に、避難者も含めて全世帯に日本国憲法を配布いたしました。今、守らなければならないのは、日本国憲法ですよ。
なぜ右翼と言われる人たち、保守と言われる人たちが、アメリカから押し付けられた原発に拒否をしないんですか。憲法改正する前に、原発は要らないというのが本当の保守ではないですか。私は日本が大好きだし、日本の子供たちに安心できる未来を見たい。

 だからこそ、声を大にして言いたい。この国はあの敗戦を機に、世界に冠たる安らぎの国にしたいという思いで、日本国憲法をつくって来たわけじゃないですか。押し付けられた原発なんか要らない。原発は再稼働しなくってもいい。そういう日本にして行こうではありませんか。どうか多くの皆さんに福島の現実を知っていただいて、一人一人が自分の意志をはっきりと持って、この国の自分の家族、自分の地域を自分たちが守る、ということをこの茨木県集会の中で決意しようではありませんか。

 多くの皆さんに心から、現場のあの被害と、これからの日本に対する思いを訴えさせていただいて、私の全体に、そして訴えにかえさせていただきます。今日は本当にご清聴ありがとうございました。



 参照動画 日本記者クラブ2014年3月3日 一部文字記録