桜井勝延氏 言葉記録  01 02  03  2018年 作成 佐藤敏宏
 2011年3月24日撮影動画

 南相馬市長の桜井勝延でございます。このたび3・11の大地震、大津波そして度重なる福島第一原子力発電所の原発事故による、災害に伴って南相馬市民が受けた被害というのは誠に甚大です。そこで多くの方々の支援を頂いた事そして、海外のメディアを始め多くの方々のご支援を頂いた事に心から感謝申し上げます。



 しかしながら現在もなお、第一原発から20kmから30kmの範囲が、屋内退避措置という事で、物資もなかなか入りずらい状況に置かれております。政府からそして、東京電力からの情報もかなり不足をしている状況です。

 私たち市民の判断、そして私たちの市の判断として、市民を自主退避、そして退避支援という形で進めておりますが、残った市民もまだ2万人ほどもおります。
 そこで、私たちとしては、市民に対して全責任を負って生活支援のために努力しております。が、残念ながら現在も、この30km以内の退避措置の中で物資の搬入にも窮をしているところでございます。

ぜひとも皆さんのご支援をお願いしたいと思います。

なおボランティアについても、物資輸送についても、国が屋内退避という措置がある事から自己責任で入らざるを得ない

メィデアの方々も直接入って来るメディはほぼ少ないと。テレビ取材する事なく、電話取材が圧倒的に多いのが現実でございます。現場を知らない、現場を直接取材しなければ、市民の今の実情が伝わりません。是非とも現場に入って頂いて、多くの方々に、この現場の現状を知って頂きたいと思います。

 屋内退避措置から今、コンビニそしてスーパー等の生活物資を買う店が全て閉まっております。金融機関も同様に店を閉じているのが、実情でございます。市民にとって今、自宅退避措置の中に居る市民にとっては、兵糧攻め的な状況に置かれておりますので、ぜひとも皆さんのご支援を、今後とも、お願いしたいと思います。

 交通手段に使うガソリンが、櫃泊しています。自主退避するにもガソリンが少なくって自主退避にも困って来ている状況でございます。ぜひともガソリン、そして石油燃料の供給にも、ご協力をお願いしたいと思います。















南相馬市20〜30km圏 図へ









 今、震災から13日目、14日目を迎えて、自宅退避している市民の基本的な生活の基礎となる食糧が不足をして来ています。宅配するにもガソリンが足りません。この事から、ぜひボランティアの方々に入って頂く際にもぜひとも、ガソリン等についても、持ち込める方については、持ち込んで頂いて、宅配にご協力頂きたいと思います。

 市民生活を支える、市職員が、連続市民の救出そして、避難、そして原子力発電所の放射能汚染の恐怖から、緊張した中で仕事を続けております。

 震災で家族を失い、そして家屋は破壊された職員たちが、必死に現在市民を支えています。ボランティアの方々の協力があれば、彼ら、職員たちのこの疲労も少し緩和できますし、一緒に力を合わせて、この窮状を救う手立てを、皆さんの力でお願いできればと考えております。ぜひとも、ご協力をお願いしたいと思います。


 南相馬市は一千年の伝統を誇る、相馬野馬追という、素晴らしい日本の侍文化を維持して来た地域でございます。

 今まで想像もしなかったような、大津波。波の高さが20mにも達するような大津波で長さが南北20km、そして幅2.5kmほどの家が全壊してしまいました。多くの市民が、まだまだ捜索できない状況で、現在253人の遺体が上がり行方不明が1260人も居る中

、原発事故の中で「10km退避、20km退避、そして30km圏内の屋内退避」という事で、現在20km30km圏以内に交通手段が確保されてない住民が多くおります。宅配サービスにつても、窮をしておりますので、ぜひとも多くの方々の、申し訳ありませんが「自己責任でボランティアを協力して頂きたい」と思います。

 自己責任というのは政府が自宅退避措置のなかで、基本的には屋外での活動が制限されております。


(福島民報2011年3月16日)
南相馬市は幸いにして、放射線測定値も被害地から25kmほどであるにも関わらず、今現在1.5ないし2.代のμSV/hという線量です。

 私たちの所から遠い地域であっても、3倍そして10倍近い線量が測定されている地域もありますが、水道についても汚染地という扱いからは程遠い低レベルで推移をしております。

 ぜひともこの地域に今汚染が進まない間に皆さんが出来る、皆さんの力をお借りしてできる、支援にご協力をお願いしたいと思います。市民の命と暮らしを守るために、私たち、私を中心に市職員が全力を挙げて取り組んでおりますので、ぜひともご協力頂きたいと思います。

 また、自主避難そして、避難援助の中で、全国に5万人弱ほどの、市民が退避してしまいました。この避難した市民に対しても、連絡をとる事さえ窮をしているのが現状です。
 この避難した方々に対しても積極的な支援をしていかなければなりませんが、多くの自治体の関係者に、この支援ボランティアに対して、この支援をお願いしているのが現状です。

 県外から離れて退避している、市民の応援のためにも、皆さんの暖かい手を差し伸べて頂きたいと思います。私たちの市職員も全力を挙げて支援しておりますが、そこまで手が届きません。全国何百か所に市民が退避をしたのかさえ、掴めないのが現状です

 南相馬市再生のためにも多くの市民を勇気づけ、今後とも求心力を持って私たちが活動を続けている事をしっかりと届けて頂きたいと思います。
 世界中のメディアの皆さんに、この実情。大地震大津波の被害と同時に、原子力発電所の事故による目に見えない恐怖、そして汚染と闘いながら生活、そして命を支えている、南相馬市の市民の支援のために、手を差し伸べて頂きたいと思います。今後とも皆様方のご支援ご協力、そして海外の皆さんのご支援ご協力を心からお願い申し上げます。

 南相馬市市長としてぜひともお願いを申し上げまして挨拶、そしてお願いにかえさせていただきます。今後ともよろしくご支援ください。人はお互いに助け合ってこそ人たと思います。今後ともよろしくお願いを申し上げます。以上です

 
2011年3月24日桜井南相馬市市長の言葉

『東日本大震災東日本大震災の記録』P424より
 (単位μsv/h)
■ 2011年3月15日
福島市19:30 24.08
南相馬市     4.83

■桜井氏動画撮りの日
211年3月24日22時
福島市 5.02
南相馬市 1.49