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福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください
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真木先生2013年1月現在の思いを語る




2013年4月08日衆議院TV 6時間ほどの原子力の問題について 国会事故調の面々が報告していますので参照ください

(レジュメ)

      原発事故と4つの事故調査委員会報告
             真木 實彦(13・01・22)
(T)4つの事故調の比較の概要(「比較表」を中心として)
4つの事故調それぞれの狙いと全体的な評価。
比較表1−3「方針」および1−6「全体評価」

2)技術的問題点および事故処理上の諸点に関して。
比較表1−7「地震による配管損傷の可能性」
1−8「1号機非常用復水器や3号機高圧注水系の操作」
1−9「事故処理のリーダーは誰だったのか」
2−1「東電の『全員撤退』はあったのか」
2−2「テレビ会議の映像になぜ音声がないのか」

事故の責任にどこまで迫れたか。
比較表2−3「原子力ムラにどこまで迫れたか」
   2−4「個人的責任追及」
   2−5「組織の責任の所在」

地元住民に対する対応、「市民の権利」はどう捉えられているか。
比較表2−6「緊急事態宣言はなぜ遅れたか」
   3−1「避難情報の出し方に問題はなかったのか」
   3−2「SPEEDIについて」
   3−3「低線量被ばく問題に踏み込めているか」
   3−4「リスクコミュニケーションについての捉え方」

安全に対する捉え方と今後への「提言」について。
比較表3−6「『倫理の視点』からの評価」
   3−5「原子力規制に何を『提言』しているか」
(国会事故調の『提言』をも参照のこと)


(U)「提言」について
1)「東電」は「事故原因とその対策」で「国への提言事項」が述べられているが「国への要望事項」の域を出ていない。
2)「民間」は規制当局が電力会社に取り込まれた「逆転現象」があったと指摘し、「安全規制ガバナンスの欠如を指摘している。
3)「政府」は、「優秀な人材の確保」「人事交流の実施」の指摘など担当行政官庁の作文というニュアンスが強く、「国会」「民間」のそれとはかなり色合いを異にしている。
4)「国会」の提言が一番包括的で、住民サイドにも目配りが届いている提言となっている。
@「規制当局に対する国会の監視」
 A「政府の危機管理体制の見直し」
 B「被災住民にたいする政府の対応」
 C「電気事業者の監視」
 D「新しい規制組織の要件」
 E「原子力法規制の見直し」
 F「独立調査委員会の活用」
本当に困難な問題はこれらをどう実現していくかにある。
「国会」は最後に「提言の実現に向けて」なる一文を付け加えて国会が提言の実現に向けた実施計画を速やかに策定し、その進捗状況を国民に公表することを期待すると指摘している。国会はこの期待には全く応えていない。



V)国会事故調の成立と「報告」提出のその後
1)国会事故調の設置に当たっては専用の法律が用意された。
そこでは、国会に属する調査委員会であること、国会会期と無関係に独立して活動できること、委員長と9人の委員を国会議員以外から選んで任命すること、証人喚問や資料提出の権限を持つこと、委員会は原則として公開で行われること、6か月後に両院議長に報告を行い、設置から1年で解散すること、などが規定された。
2)委員会には国政調査権はなかったが、東電、原子力安全・保安院に対する資料請求は2,000件以上に達したがほとんど「拒否」されることはなかったし、参考人には責任逃れなどの発言が散見されたものの、「おおむね協力的」であったと言われている。
3)「報告」提出後「議員連盟」が立ち上げられた。 2,012年8月28日、国会事故調がまとめた7つの提言の実現を目的に「国会事故調の提言を実現・法制化する超党派議員連盟」の設立総会が開かれ、国会議員40名と関係者合わせて100名ほどが参加している。
9月5日に役員が選出され、共同代表3人(民主の新井聡、自民の塩崎恭久、公明の遠藤乙彦いずれも衆議院議員)、ほかに超党派の衆参両院議員20名が今後役割分担することになったという。
4)しかし、その後局面は、民主党の代表選、自民党の総裁選、総選挙と続き、「議連」は発足と同時に休眠状態に入ったように見受けられる。事故調は、あたかも大事故の一連の青始末にかかわる手続きに過ぎなかったかのごとくである。
5)以上の経過からみても「報告書」はゴールではなく、ボールは今国会にあることは明らかである。「憲政史上」初と言われる国会事故調が「提言」を行った事実は重いと言わざるを得ない。今後の取り扱いは厳重に監視されるべきであろう




 福島第一原発事故と4 つの事故調査委員会国立国会図書館PDF資料( ISSUE BRIEF NUMBER 756(2012. 8.23)

 01        2013年1月22日 PM6:30  

(5っの視点)

真木: おばんでございます 真木です

  会場 おばんでございます

真木:このフォーラムでは第二回で「地域社会に及ぼす影響」というテーマで報告しております。今回が二回目になります。

 4っの事故調査報告書が出ておりますのはご承知のことだと思います。今日はその4っの事故調査報告という、なんとも投げやりなテーマを出したんですが。私どもが「ここから何を学べるか」。というのを考えてみたいというのが今回の狙いであります。

ただ事故調査報告書はいずれもべらぼうに厚くって長い具体的な分析がなされているという特徴をもっておりまして。とくに政府事故調などは昼寝の枕にしても高すぎるほどの厚みがあるんです。

 ただ最初それに分け入りながら、どういうふうにまとまられるかと考えていたのですが。どうもそれだけでは「森の中に彷徨い込むような事になるなー」と思いまして。そんなことを色々悩みながらここまで参いったのであります。

ふと気がつきまして、整理する切り口みたいなものを一つ冒頭に提示してみようと考えました。厚い昼寝の本をですね、全部読み切る訳にもいかずに悩みました

面白い論点はたくさんあるのですけれども。それ「全体を貫く性格みたいなものをどう捉えるか?」という点をまず冒頭にお話をすることにしました。

 その中でも一寸 特異な性格を持っていると私判断しましたのは「国会事故調」なんですね。国会事故調の問題を最後に取り上げながら、それが私たちに突きつけている問題みたいなものを、一寸考えてみたい。

ということで、4っの事故調査報告を細かく比較分析するということは到底短時間では出来かねるということでもあり、なかなか面白い論点は沢山あるのですけれどもここでは細かな論点は切り捨てさせて頂きたいと思っております。


この4っの事故調査委員会報告書を「5つの視点で整理」してみました。これは私のレジュメの冒頭(I)のところに書いておきました。

一つはそれぞれの報告書の性格をどう捉えるのか?特徴をどうつかまえるのかという全体的な位置づけに関わる論点まず浮かび上がらせる必要があるだろうと感じたところであります

それから2番目はそれぞれの事故調査報告書では圧倒的な部分を占めるのですが、技術的な問題点とか事故処理上の諸問題が 縷々掲載されている。これらはほぼ私の今日の報告からは省略させていただくことをあらかじめご了承いただきたいと思います。

3番目は事故責任についてどこまで迫られているのか?という点から4つを対比してみるということ。

4番目にこれは極めて特徴的だと私自身思ったのですが。この事故がそれぞれさまざまな技術上の問題を抱えていながら、それがシビア・アクシデントとして社会的な影響を及ぼして参ります。特に地域住民にどういう影響を与えているのか? しかもこの点はほとんど事前には「安全神話」ということで、回避されていた論点なのでありますが。 この点、にどこまで切り込んでいるのか?

 ということが4っの事故調を性格づける大きな論点になりうるんだとも思えます。それらの点を、私としては意識的に大きな論点の一つにして取り上げたいと思いました。

それから最後(5番目)に、「提言」ですね。これから何が学べて何を後に残すのかという、その姿勢で、この4っの事故調は非常に際立った特徴を示しております。


そこで次に、その中から私自身が問題意識として重要だと思っている点に、比較的切り込んで行けていると思われる「国会の事故調の性格」を振り返って、そこから何が学べるのか?ということで最後の結論に持って行くことにしたいと思います。


 大変細かな論点を一杯抱えている問題を私なりに切り捨て、切り捨て、整理をしてみたということを、あらかじめご了承いただきたいと思います。


4つの事故調の比較ということでは今まで新聞にも載っておりますし、比較の視点っていうやつも出されている訳でありますけれども。最近読んで一番えぐり出すのに成功している点が多いと思われる日本科学技術ジャーナリスト会議が編集した『4っの「原発事故調」を比較・検証する』という本が昨年(2012)末に出されておりまして。

それの冒頭に比較表が載ってるんです。その「比較表」を借用いたしまして、そこから私なりの整理で、第一の全体的なつかまえ方に関わる論点、それから2番目に技術的な、いわゆる事故処理上の問題に関わる論点、さらに、3番目に責任の追及がどこまで行われているのか。そして、私が一番重視しております4番目の住民に対する対応という視点から観てみる。そして5番目に「提言」を整理して観てみたいと思います。



 (資料の説明)

レジュメの6頁になりましょうか。6,7頁、それから8,9頁。そして10、11頁と。4っの事故調査報告の特徴点を、ジャーナリスト会議の検討の表をお借りしいたしまして。 とりわけ一寸注目すべきかなーと思われる点に、アンダーラインを引いて資料としてご呈示申しあげた。その表をですね。次のようにお読みいただきたいのです。

比較表が見開きで3枚あるんですが。その内の1というのは6,7頁の部分です。それの比較表、1の3とか、1の6とか、1の7とかというふうに書いてありますのは、これは私が勝手につけた 番号で。比較表を見てみますと。6,7頁をお開けいただけると分かるんですが。枠がございます。委員会名、委員長名、方針、中間報告。報告書頁数。全体評価等々。上から枠毎に1,2、3、4、5・・というふうにナンバリングしてみたものです。

この比較表の1の3と。1の6に関わる論点。つまり方針全体評価ということに関わる論点を拠り所にいたしまして、それぞれの事故調の性格をつかまえてみたい。そういうふうにお読みいただきたいと思います。


それから2番目技術的問題点および事故処理上の諸点というのは比較表の1−71−8、 1−9これは6,7頁の7番目の項目「地震のよる配管損傷の可能性」。それから1−8 「一号機非常用復水器(IC)や3号機高圧注水系(HPCI)の調査」それに「1−9事故処理のリーダはだれた」に当たります。

そして次の8頁 9頁の処に行っていただいてその冒頭にある「東電の全員の撤退はあったのか」が2−1。「テレビ会議の映像になぜ音声がないのか」とかを2−2とお読みいただき、それらの項目を二番目の2)の枠の中に括ってあります。

問題はこれだけだということはないのですが。もうちょっと細かく見てそれを報告することも可能かと思いますが。今回はさしあたりさきほどご紹介申し上げました、4っの事故調の比較検討表の処だけに限定さしていただいて、以上のようにまとめました。

3番目は同じようにして事故の責任はどこにあったのか。というのは8頁、9頁の処の。つまり2枚目の表の比較表の2枚目の3,4,5、の項目に相当するのがそこに当たるわけです。

それから4番目は地域住民に対する対応「市民の権利はどう捉えられているか」。比較表の6と,それから3枚目の1 2,3,4の四項目がそれに当たります。

5番目は1)にも関わるのですが、提言の問題倫理の視点はどうかをまとめて、整理をさせていただきました。あとでご覧いただきたいと思います。


4っの事故調 それぞれの狙いと全体的な比較

あまり時間がございませんので、2(技術的問題点)は ほぼ飛ばさせていただくとことをご了承ください。

まず 1)の処から申し上げますと。これはこの参考表でも1枚目の3とか1とかの項目を横に並べてお読みいただくと分かるかと思います。
 
民間事故調

 いつか観てみますと。例えば(民間事故調)です。「真実、独立、世界をモットーに政府と東電の責任を検証する。出来るだけ具体的な事象を対象としたケーススタディーを通じて問題点を明らかにする」。こういうふうに方針として打ち出されておりますが。全体評価のところで、一番早くまとめられたが、スポンサーを非公表としていることに信頼性の陰りを感じさせる、とあります。

 スポンサーは誰か分からないんでありますが。裏側にスポンサーが付いていて、しかも事故をなるべく早くに、だからと言って不正確な処ばかりではないのですが。早く他の事故調が出す前にですね、打ち出すぞというのが一つの特徴でありまして。それを出しながらですね。ともかくそこで報告をしたぞ!という処で尻尾が切れちゃっているんですね。

 後で何が問題になって今後どうするのかという当たりの問題はほとんど触れられていないという特徴がございます。これは一つ押さえて置かなければならない問題点かな−と、思います。

 だからある意味では事故そのものの分析にとどまっておりまして、報告をしっぱなしいうことになるのですが。しかし、どこよりも早く問題提起したというのは先ほど申しました。さらに、この事故を「人災」と捉えている。という視点は非常に特徴的だと思うんですね。

人災と捉えながら、しかし責任を指摘してないという処も又特徴的なのですが。報告はそれだけを提示する。なるべく早くまとめようという意図があったのかも知れませんが。その点も特徴的です。

 ■東電事故調 

それから(東電事故調)。 これは事故からどういう教訓を引き出せるのか。引き出した教訓を今後の安全向上に寄与する、というという視点が最初から最後まで貫かれておりまして。当事者の報告書という性格を色濃く持っております

ですから、責任についての問題も、官邸側がですね闇雲に入り込んで来て、わざと処理を混乱させたというような、レベルでしか責任問題は捉えられていない。これは非常に大きな特徴です。

東電の副社長が委員長になって、社内資料ということなのかなー。そういう意味では社会的なこの問題の性格をどのように捉えて、それに対して自覚的にどう対処するのかという問題意識はありません

従ってそこでは、例えば住民に対する安全の確保の問題は、ほぼ完全に欠落てるんです。これは非常に大きな特徴です。

その意味では当事者の、企業内報告書という性格を色濃く持っています。その目的は今後の安全性に期待する。ですからこれは原発を継続するということをほとん不動の前提にしております。今後の営業、つまり事業活動の中で不適切な問題を一応洗い出さなければいけない。そういう性格ですね。

それはそれなりの意味を持ちますが、全体から観るとですね、東電としては原発は再稼働するぞ!と。こういう前提を置いてやっているということが裏側からは透けて見えるわけです。

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