HOME 佐藤敏宏が作成しました 2012年 |
福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください |
福島県における水産物放射能汚染の現状と対応 01 02 03 04 05 |
|
02 これは 去年(2012年)の1月1日以降100ベクレルを越えたことがある魚種もうほぼ全てについて、この規制の指示が掛かっています。この40魚種っていうのは福島県に水揚げされる魚の、水揚げ金額の比率にしますと、この40魚種で50%です。 金額で半分を占める魚について出荷が出来ないっていうのが今の状況です。この状況で従前のような漁業の再開は出来ないのはこれは明かです。 いままで7000検体以上もモニタリングをやって来まして。その傾向というのが色々見えてまいりました。 分かって来た傾向の一つが、場所です。検体を捕った場所の傾向です。ここに書いてありますように原発の南側水深50mより浅い場所で捕られた魚の濃度が高い。水深が深くなるほど高い濃度の魚は少なくなる。そういう傾向が明らかに見えます。 これは便宜的に水深50mの処に線を引きまして便宜的に10区画に分けたものです。原発がここです。 この○6番、原発の南側の水深50mよりも浅い海域ここで捕られた、ここで採取された魚の濃度がいつでも高いんですね今もそうです。 厳密に言うと、ここだけじゃなくって、原発から南のこのエリアですね。極浅い所で捕られた魚が。深い方で捕られたもの特に北側の○2番とか○4番、ここの場所で採取した魚介類は総じてかなり低いです。 これは何を、この結果は何を意味するか?っていうことなんですけども。原発の事故で海の中にセシウム、今残っているのはセシウムですけども。セシウム大量に海の中に入り込みました。その比率っていうのは、爆発して空から降ったのが6割。皆さん記憶にまだあると思うのですけれども、岸壁に亀裂があってそこから漏れているっていうのが何回か映像で流れたと思うんですね。 あれが非常に高濃度汚染水です。高濃度汚染水として流れたのが4割。というふうに推測されてます。でここから流れた高濃度汚染水というのは沖合に拡散する、一様に拡散するんじゃなくって、沖合にあまり拡散しないで、極浅い海域を南の方向に流れた。と推測されています。 これは海には親潮とか黒潮の大きな流れとは別に、沿岸流。沿岸の流れというのがあります。この沿岸は北に流れたり、南に流れたり、それが北に向かう流れるか、交代交代になるんですけども・、平均流というか、平均的な流れの方向っていうのはいつでも南なんですね。これは季節を問わず 春でも冬でも夏でも同じです。 ここから流れたものがあまり沖合に拡散せしないで平均的には南に流れるだろうとは、原発の温排水っていうのが稼働していたときに流れてました。我々温排水の影響調査というのをずいぶん長い期間やっておりました。そのときに温排水がここから流れた温排水がいつの季節でもこっち側の、あまり沖に拡散しないで、沿岸沿いに南に流れるんですね。ですから、あれと同じようなかたちで、高濃度汚染水も流れたんだろうというふうに推測されます。色んな研究者のシュミレーションでも南の浅い所に流れたっていうふうになっています。 その高濃度汚染水が流れたと思われる海域と高い濃度の魚が捕られる海域は一致します ですから福島県の沿岸の魚の汚染は空から落ちた放射性物質によってもたらされたものじゃなくって、岸壁の亀裂から流れた高濃度汚染水に接触することで、もたらされたものだと私は思っております。逆に言うとこの高濃度汚染水とあまり接触がなかった魚介類は汚染されていない。というふうに考えております。 これは水深です。浅い所から深い所。高い、こちらセシウムの濃度ですね。 浅い所の魚介類のセシウム濃度が高い。深くなると急激に数字は下がって行く。っていう傾向です。 これはちなみに回遊魚を除いて底魚だけでプロットしたものです。 次に傾向として、2番ですけれども、魚の種類によって、明かな傾向があるということです。 魚の種類によって、放射性物質の濃度が高いものと低いものがございます。当然先ほど場所に特徴があるというお話しましたけれど。場所との関係もあって、魚種によって濃度が違うということも当然ございます。 特に高い濃度を示す魚っていうのが、皆さんどちらかと言うとおなじみの魚ですね。釣りが好きな方はよく釣りの対象にするような魚が高いんですね。 これは釣りの対象にする魚っていうのは浅い所に住んで、なおかつ定着性の魚です。そういう魚が総じて濃度が高い。 これは去年の1月以降、最大で1000ベクレルを超えたことがある魚種を並べてみました。お馴染みの魚なです。メバル類、カレイ類、ヒラメ、スズキ、アイナメ、これはお馴染みないかも知れません、コモンカスベ エイの仲間ですね。あまり重要種として扱っていませんがなぜか?、この魚が非常に濃度が高いんです。 一方、濃度が低い魚っていうのがございます。魚介類がございます。 例えばこれはシラスです。シラスは事故直後は高い数字でした。ただシラスっていうのはだいたい卵から孵化して2ヶ月ぐらいのものなんですね。 どんどんどんどん次の世代というかたいで世代交代が非常の早い。ですから今いるシラスっていうのは、原発事故の高濃度汚染水の影響まったく受けてない。ですから現在はNDですずーっと。実際に高濃度汚染水に被曝した魚は高いですけれども、それいこうまったく影響がなくなってから生まれたものは低い。 それから鰹で代表される回遊性の魚です。これはそういう高濃度汚染水が流れて来るような浅い所にはあんまり居ない。居たとしても本当にちょっとそこを泳ぎ去るぐらいの。接触時間が非常に短い。ということもあって回遊性の魚は総じて濃度が低いです。 キチジという魚います。これは水深で言うと小さいキチジの方が浅い場所に居るんですけどもそれでも水深300mぐらいです。それより浅い場所には来ない魚です。これはあんまり動かない魚なんですけどもずーっとNDです。高濃度汚染水の影響、接触がまったく無かった魚だと思われます。魚の中でもこういう、去年の1月以降ほとんど不検出というような魚がいます。 また魚以外の色んな魚介類はこれはですね、生理的なものもたぶんあるんだと思います。わたしもさほど詳しくはないんですけれども、これはほとんど今は検出されません。甲殻類、これズワイガニですけども、蟹類とか鮹イカ それから貝類、ナマコ。これはかなり汚染された場所に居てもナマコなんかは泥を食べますんで、汚染された泥を食べたとしてもナマコの筋肉には蓄積されないですね。これなんか生理的なものだと思います。 唯一魚以外で、唯一セシウムが今検出されるのはウニだけです。ウニはどういう訳かっていうか、かなり悪食で、岸壁に付着する苔みたいなものをけっこう食べるんですよね。その影響かなと思っているんですけども。ウニはまだセシウム、そんな高い数字じゃもうないですけれども。セシウムが検出されます。その他の魚以外のものというのはほとんど検出されません。 次に傾向として時間の経過による傾向です。 事故後速やかに低下した魚種。それから、明確な傾向がみれなかったですけども、1年10ヶ月の長期で見ればかなり低下の傾向が見えるというような魚種がいます。 まずは速やかに明確な低下傾向を示したもの。さっき言ったシラスです、これは事故直後、シラスというのはカタクチイワシの稚魚なんですけども。事故直後は最大 850ベクレルという数字もありました。 たぶんここで何て言いますか、濃度が高くなったシラスは、これが同じ個体がどんどんどんどん排出してこういうふうになったと言うんじゃなくって、世代が交代したということだと思います。そのぐらいこれで100日200日ですから、もうこの間に2世代ぐらい代わっているんですね。 ですから要するに被曝したシラスは居なく成っちゃって。次に新しく生まれたものは汚染されていないっていうような現象だと思います。 その03へ それから下がホッキ貝です |
|