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福島第一原子力発電所の事故によって起きている様々な問題を勉強し始めました 勉強過程の記録をつくってみますご活用ください |
放射能影響予測システムSPEEDIとは? 1 2 3 4 5 6 |
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3 その前に周りの地形のデータを前もって取り込んで置く。例えば阿武隈山地はどうなっているとか。奥羽山脈とか土湯峠とか栗子峠があるというのを全部取り込んでおいて、地形のデータを入れ込んでおくと。 地形のデータと気象のデータで粒子を流してやって放射性物質がながれて行くと。流れた結果 一部は雨で地面に落っこちる。一部は空気中を泳いで、うようよと放射性物質が流れて浮遊していると。 浮遊している粒子ならガンマー線が出る。地面に落っこちた放射性物質からもガンマー線が出る。そうすると空中でどれだけの線量になるか?あるいはそれで地表に蓄積量、空気中に何μSv。それから外部被曝をどれだけするかと。もし吸い込んだら内部被曝をどれだけするかと。一応計算できるようなコンピューターシステム。こういうシステムを開発してたわけです。 だから大事なのは地形の情報は最初に準備すれば出来る。それから気象データも気象庁、気象協会からもらってくれば出来る。 |
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大事なのは放出源情報。原発が事故の時にどれだけの物質がどういう条件で出たか?といのは。柔らかい事故なら分かりますけれども、今回の水素爆発なんていった。水素爆発で建屋が爆発したしちゃったときにどれだけの量がどういう物質がどれだけ出たか?というのは、実は事故の形態によってはこのデータが無いということもあり得るわけです。 今までは、原発で総合訓練やっていた時には全部放出源の情報はかくかくしかじか、こういうふうに出ますよという情報は全部あったことになっていた。放出源情報は全部分かったことになっていて、訓練やって かくかくしかじかと。だから5キロ以内は大丈夫ですと。 そいう訓練だった。ところが今回(の福島第一原子力研究所の事故で)は放出源情報分からない。ということになっちゃった。原発で水素爆発したときに、ここの情報が無かった訳で。それでどうするかという話しになって。そこが非常に大変だった訳です。 文科省なんかは決められた ガイドラインでは放出源情報が無い場合には避難情報として住民に伝える必要は無い。そういうガイドラインになっていたから。だからそれ以上やらなくっても 自分たちとしては仕事をやったことになっている。法律的にはそういうふうになっちゃうね。 原子力安全委員会が決めたガイドライには放出源情報が得られたら、水素爆発でいつ何時?どれだけが?出たか? という情報が有ったら、計算して避難準備とか関連地域住民に情報を出すという約束になっていた。避難支援をやる。 ところが、ここのデータが無い場合には必ずしも避難支援行動として情報を出す必要は無い。必要無いとまでは書いてないけど。避難支援に資する情報を住民に出すというふうには決められてなかった。 その辺をどういうふうに、対応するべきであったのか?というお話しないと。うまくいけば大気中濃度をチェックして 蓄積量を、被曝線量などを計算することができるはずであった。 計算出来たとするとですね、これは文科省の下の財団法人原子力安全技術センターのhpに書いてあるですが。 SPEEDIというのは原子力施設から問題の放出源情報、事故の時にどれだけの物質が出たかという情報が書いている、これは気象庁から気象データが入って来て、それから、地形のデータはこっちから入って来て、文科省の下に原子力安全技術センターで 計算するシステム。こういったシステムであると。(上絵 参照) そこでSPEEDIの計算をやって、計算結果をどこに送るかというあったわけですけれども。 一つは親元の文科省の非常災害対策センターへ。それからいわゆるオフサイトセンター。大熊町に在ったオフサイトセンターに。現地対策本部ですね。原子力災害が起こったときに現地対策本部に送ると。それから 県庁へ、福島原発の場合には福島県庁に送る。こういうふうになっているわけです。 それで 県庁とオフサイトセンターが議論して、それで周辺住民へ情報を伝えるというこういうことです。SPEEDIを運用していた原子力安全技術センターのHPで。 これみてちょっと不思議な感じがしませんか。私これ観たときに気象警報とか台風警報とか、緊急地震速報とか津波警報とかいうのと同じように考えたときに ここに報道機関がどこにも出てこない。NHKとか、全然関係無いんですね。最初からメディアを通して住民に情報を伝えるという発想は無い。 いままで「事故は起こらない」と基本的に言っていた訳だから、そこからすれば仕方がない。 要するにSPEEDIを開発してそれを運用して、いざというときには避難情報として出すという たてまえにはなっていたけれども。だけどもNHKとかメディアを通して住民に情報を伝えようという発想は無いんですね。無かったんです。 繰り返しになりますが。振り返ると福島第一原発事故での放射性物質の大気中への放出の主要経過と発電所における当時の風向分布図。 3月15日15時36分一号機原子炉建て屋が水素爆発。 このときは風向は南南東の風だったんですね。これをひっくり返して北北西に放射性物質が流れた。北北西ということは南相馬市の小高あたりの山の方に流れた。ただこの時流れたのは頭の上を通過して、少しヨウ素も吸い込んだ方もいらっしゃるかも知れませんけども、雨はふっていなかったんで、それほど大事にならずに済んだわけです。量も3月15日に比べれば少なかった。 3月14日、11時1分に3号機が水素爆発。このとき原発の近くの風は南南西の風です。ひっくり返して北北東の方に流れ、要するに仙台湾を通過して宮城県女川の方に流れていったはずで。女川原発で高い線量を計測しています。これはきっと女川原発が漏れたんしゃなくって、福島原発の爆発の影響を女川で観測したということだと思います。 これも量はそれほど多くなくって、雨も降っていなかったので、それほど大事にならず済んだんですが。1番問題なのはさっきから言っているように3月15日の6時。4号機が水素爆発 建屋の壁が膨張したということと、3月15日の6時10分頃2号機水素爆発かどうか分かりませんが。格納容器につながる圧力制御室破損か?という。15日は非常に複雑だったのは、午前午後夜と風向がクルクル変わったんですね。午前中は北北東の風、北北東だから南南西だから水戸とか東京の方に流れていっているんです。後で示します。3月15日 午後になると東北東の風になって西南西の方に流されて、田村市とか三春町とか、の方に流れたんですね、午後。それか夜になって南東の風になって北西に流れて浪江町とか飯舘村とか、福島市とか伊達市とか、そっちの方に流れた。3月15日の夜。 観測でどうなったてたか?3月15日9時ごろ原発の正門付近では11930μSv/h 。3月15日の21時、浪江町の赤宇木では334μSv/h。3月17日になっても160μSv/h。3月23日の昼 35μSv/飯舘村の長泥。 というような感じで、さっき言ったような方法で放射能汚染が酷く広がったということです。 2012年5月8日 1年以上経ってから、浪江町赤宇木で積算線量、137.63mSvということで浪江町は非常に高かったということです。 2012年4月時点で原発からの大気への放出量っていうのは、その時でもちょろちょろと止まっていない。ちょろちょろ出てたんです 1000万ベクレル毎時。非常な大量出ていると思うかも知れませんが、3月15日に出た量に比べれば、1000万ベクレルは3月15日に比べれば6600万分の一。だからいかに3月15日は沢山でたかという。推定値ですけれどもね ということです。 この辺も皆さん既に耳にタコという感じでしょうけれども。振り返りますと3月15日2号機と4号機の爆発前後の経過ですけれども。 3月11日夜原発から5kmに国の現地対策本部オフサイトセンター立ち上げられたんですが。地震で通信ほぼ途絶、SPEEDI受信できず、端末で受信するはずだったんですが出来なくって、停電で機能せずということで14日夜現地対策本部 2号機が爆発する懸念があるということで、最前線基地が早速撤退方針ということで逃げ出すことにしたんですね。 それで14日の夜から15日の午後、現地対策本部は原発から60キロの福島県庁に撤退したということで。15日の午後に撤退したので、かろうじてオフサイトセンターから撤退した人達は高濃度の放射性物質にまきこまれる前に、一応福島市に撤退出来た。夜動いた人達は一番高い高濃度の放射性物質の中にまみれることになって。 文科省本省のSPEEDIの結果に基づいて、文科省の本省はSPEEDI計算やっていたんですけれども。浪江町の方にながれて来るというのを計算で分かったんで、コンピューターの計算結果を確かめる為に、浪江町の3ヶ所に測りに行った。 現地対策本部に来ていた文科省の職員の人が浪江町に行って測って、それで計測結果15日の21時に浪江町赤宇木330μSv。で雨が降っていたらしい。その人は 山木屋地区か、川俣町の山木屋に戻って来て、公衆電話で文科省の本省に電話連絡して330浪江赤宇木ですよと報告した。携帯電話その頃通じなかったので。公衆電話で報告。 ところが文科省本省はそれを浪江町に知らせなかったんですね。地区名を伏せて、数字は発表したんですけど。16日、当時の枝野官房長官は「直ちに人体に影響を与えるような数値ではないのでご安心を」というこういう会見をやってたわけです。 私もこの会見聞いていて、日本語として私はよく分からなかった。直ちに人体に影響を与えるような数値ではないのでご安心をというのは、5年後には甲状腺癌になり得ますよということを言っているのか?というのが私には分からなかったので、「日本語としてはあまりいい発表じゃないなー」と思いながら、釈然としないで聞いていました。 ここからSPEEDIの具体的な活用例 これはSPEEDIでこんな感じで原発から 2キロ四方を、これは2キロのマス目で計算して風の分布がこういうふうになりますよと、こういう風の方向を与えたときに、放射性物質がどうなるのか?という計算。 これが旧原子力安全保安院、今原子力規制委員会になっちゃいましたけども。そこがこの段階でも、これは何を書いているかと言うと、地表にヨウ素がどれだけ落ちたかという分布です。 ただし、これはいつやっているかと言うと3月15日の9時から3月16日の9時まで24時間。1日計算している。ヨウ素がどういうふうに落っこちたか?と。だたし3月16日の6時までは観測値を使っている。16日の6時からは残りの3時間は気象庁の予測データ。風の予測データを使って。 だから3時間だけ予測。それ以外は観測値です。観測の風を使って3時間だけは予測の風を使って。 3時間だけ予測なんですけれども、計算に30分か1時間ぐらい掛かるから。住民に伝えて何かに使おうとしたら2時間ぐらいしか余裕無い 予測としては その 4へ |
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