高知工科大の修士生と語り合う 20220308 高知市内居酒屋     作成:佐藤敏宏
目次 (学部生編 01 02) (修士生編 01 02)      

修士生編 01
自己紹介

丸山和暉さん

佐藤:では語り合いを始めます。肉声の音質と名前が語りだすまえに名前を言ってから語りだしてください。ではよろしくお願いいたします。

丸山:高知で建築をやろうと思ったのは、高校のときは料理に興味があってその専門学校に進もうかなと思ってたんですけど、いろんな状況。大学へ進学することを薦められたというのもあって、大学にいくとして何をするか?その中で一番興味があったのが建築です。
それで建築を学びに高知にきたんです。なんで高知か?というのは学力的な問題もあって。私立は一個受かっていて公立で受けられる大学が高知になって、受かって私立と公立どちらに行くか?となって。私立は愛知県の地元でした。遠い所に行くのもいいのかな、と一寸思って高知に来ました。

佐藤:名古屋市のような都会から、人のすくない高知に来てよかったですか?
丸山:よかったです。
佐藤:周りの友達は大都会に学びに行く人が多いんだろうけど。逆に人口が少ない場で社会問題を直に体験できるように思う。そこで何やらなければいけないのか分かるんじゃないですか。都会の未来を先取りして高知で体験してしまったのはいいような気がしますが・・どうですか。
丸山:はい。







1997年名古屋市うまれ


自然を活用した小学校の改修設計 - 自然の利用・知覚による室内環境の向上と自然環境の認知 -修士 2 年 丸山和暉




佐藤:大都会だと人も多くいるし欲求もほとんど満たしてくれる場所もあるので、日本が抱えている社会問題について考える必要がないでしょうね。高知では高知市内以外に暮せば少子化や地域の衰退について日々考えざるを得ないと。
 
では次に女性の方


大和敦子さん

大和:大和と申します。私は高知にしたのは、丸山さんと同じく学力的な問題と国公立じゃないと大学に行けなかったとういうのがありました。で、けっこう絞られてきまして、高知工科大と三つぐらいでした。

佐藤:国公立の大学の穴場なんだ渡辺先生居るし!
渡辺:公立のなかで学力的なことで言えば最低で入学しやすいよね。

大和:その条件の中でも、建築はしたかったというのがあって。その入学できる大学の中でホームページを見ているときに、渡辺菊眞先生の研究室が面白そうだったので、高知工科大学を受験しました。

佐藤:渡辺研究室が面白そうだったので、高知工科大を受験し入学できたということですね。
渡辺:6年前、だから当時はどんな紹介されてましたか?

大和:私が見たのは、タイの建築です
渡辺:あの時期か。
佐藤:タイの虹の学校ですね。社会性のある建築に興味があったわけですね。

大和:でも、空間も面白そうだった思いました。でそれもあって受験しました。

佐藤:インターネットで調べて受ける。インターネットは凄いね。高校生は大学のHPを見て、いろいろ調べるんだね。皆さんそうですか?

 会場:そうですね
佐藤:インターネット、高校生にもシミジミ普及し尽くしているんだね。では次の彼ですどうぞ。
渡辺:彼はM1の生徒です(笑)
佐藤:飛ばしてもいいけど、どうして高知工科大で学んでいるのか、よかったら話てください。名前もお願いします。






1998年徳島市生まれ
左の絵WEBより タイの虹の学校




小井土さん(修士1年 飛び入り参加していただきました)

小井土:小さな井戸の井に土です。僕は親が転勤する仕事で、一軒家には住んだことがないんです。ずーっと生まれながら貸家で生活してて、それも長期間じゃなくって2,3年とかですぐ転勤しちゃうのでドンドン移動してて。一つの家に留まって、親が家を買ってそこで住むことも無かったんで。いつも借り物の家みたいな家に住んでいました。高校までそういう暮らしていました。
で、高校も卒業するというときにどんな事をしたかったのか?借り物の家に住んでも正直、そういうのが嫌で、自分の家が欲しいと思ったときに、自分で家は欲しいんだけどその家を自分自身で設計したい。住宅の設計がしたいんだなーと思うって。で、建築の勉強をしないといけないなーと思って。建築が学べる大学を選んだ時には、高知工科大がいいとは無くって。僕が行ける大学でどこか?となると高知工科大学があったので、そこに入学して、そこで何とか勉強するしかないと思ったんで、高知に来ました。

佐藤:生まれたのはどこですか。

小井土:生まれは千葉なんですよ。その後転々としてて、長野に居たり、静岡に居たり、仕事ではないんですけどフィジーという南の太平洋にある小さな島にも1年ぐらい滞在したりして。いろんな所を転々として暮らしていたんです。特にどこが地元とかも無い状態で今まで生きて来た。

佐藤:高知工科大に6年間暮らすことになるから最も長く定住するのでここが故郷になるかもですね。どうですか浮遊している暮し方は。一軒家を持って定住したい。

小井土:転勤して暮らしていると住んでいても落ち着かない、借家とかに住んでいても落ち着かないし。勝手に思っているのは、他の人たちは自分の家があるから、その家、実家に帰って落ち着くんだろーうなーと思うんです。僕の実家・親が住んでいる所に帰っても、落ち着かない。結局、それも誰かの借家なんで落ち着かなくって。僕が建築でやりたいことはそういう人たちが他にも居ると思うので、今の時代に転々と移動して生活しないといけない人でも落ち着いて住めるような家ってどういう空間なのか?なーと。撲は卒業設計でそれを考えて、そういう設計をしたりはしています。そういうのに興味があります。

佐藤:私的な設問で提出した卒業設計は評価されましたか?

小井土:去年の卒業設計で1位にはなってないんですけど、その設計というのも根源的な住まいのあり方みたいなのだったから、転々と移動している人に住みよいのかなーと思っていて。日本で最初に、本当に一番最初は洞窟で暮していて、で次に竪穴住居があって高床住居があると。そういう根源的な住まいのありかたの空間を現在の家としてどういうふうに組み込んでいって、一つの家としてやっていくか。それをやっています。

佐藤:
今日の四人は住宅を考える3人と割合は多いんだけど、住宅から始めて住宅で終わるのが人気、それが建築でしょうね。

渡辺:身近なことなので、それはあると思います。井上自体が住宅が元から好きだった。選んだ話が都市空間の魅力みたいなので始まった。






 1999年 千葉県生まれ
小井土さん推し唄
webnokusoyaroの「kibou」

この歌は自分の祖母が亡くなる前に、ラップという形に残るものがあったから胸を張って祖母に会い、見送ることができたという歌です。
この歌を聞いて、自分が世の中で形に残し、胸を張ることができるものは建築しかないなと思いました。この曲は日々の設計の糧になっています。

 市川明日香さん

市川:私は建築をやりたいなと思っていたのは、小さい頃にレゴブロックとかで家を作って遊んでいたり。段ボールで秘密基地みたいなのを作って遊んでいたりしていました。その頃から、漠然と建築建てる、設計する人って面白そうだなーという体験がありました。
で、高校生で進路を決めるときに設計のことを勉強したいということで、建築の設計が学べる大学をリストアップしてて。何で高知工科大学になったかと言うと、英語ができなかったので私も学力の問題にはなってくるんです。英語できなくっても頑張って入れる大学を探したというのと。あとは一度実家を出て一人暮らしをしてみたいかった。そこで遠目の場所を選ぼうとことで、高知工科大学に流れ着いたみたいな形になりました。

佐藤:瀬戸内海を渡ってからも高知までは遠いからね。

市川:岡山から高知までの方が時間かかりますね。初めて来たときにはびっくりしました。(笑)電車で酔うのも初めて体験しました。
佐藤:南風号・特急電車に乗って酔いましたか!?
渡辺:あれ揺れるんですよ、佐藤さんが乗った南風号はいい電車なんですよ。悪い南風は僕ですらだめでした酔いましたから。





 〇年 奈良県生まれ
神母の木 「いげのき」と読む

佐藤:
では次のかた

井上喜人さん

井上:僕は太陽の塔に憧れて。
佐藤:ゲージュツは爆発だ!岡本太郎、アートじゃないか
井上:それで芸大と公立の大学と建築を学ぶ道を迷っていたんです。兄が芸大に行っていて、金銭的な話もあって。
佐藤:芸大に行ってアーテストになりたかったということですか。
井上:関西の芸大、兄は大阪芸大に行って。

渡辺:芸大に行って建築を?
井上:芸大で建築を学ぼうと思いました。
佐藤:兄弟で建築を学んでいるんですか?
井上:兄はデザインをやっています。僕は建築をしたいなーと思って。

佐藤:
今日の修士設計は住宅の配置だから、太陽の塔とはずいぶん離れましたね。
井上:(笑)そうなんですけど、でも憧れというか何か建築をやりたいなーと思ったのは太陽の塔を見てです。
佐藤:太陽の塔を見て建築をするんだと思ったんだ。

井上:絵を描いていて出来るのかなーと思いました。
佐藤:絵で描ければ建築になるんだと思ったと。
井上:そうではなくって、2次元で表現するものというよりも、元々絵は練習して描いてはいたんです。3次元のものを見たときの迫力だったり、何か太陽の塔を見たときの衝撃みたいなものが、美術的な話なのかなーと思ったときに、その方面でやっていくんじゃないかなー、そう思ったというのが正直な話です。
確かに美術的に絵を描いていてもいいのかも知れないけれど、何か立体的に造形物を造っていくという話の時に建築なのかなと。そう思ったのが切っ掛けです。

佐藤:太陽の塔に出会って直感で建築を選んだのではなく、いろいろ考えていたんですね。
井上:高校生なので深くは考えていないんですよ。建築の勉強しようかなーぐらいに思ったという話です。直感で建築という話ですね。





〇年 神戸市生まれ


 太陽の塔 webより

高知市旭地区中須賀町における既存街路とパッシブシステムが重層する市街地整備
  −地区空間の読解から導く市街地空間の生成− 井上喜人




大学院を卒業しどいういう道歩みますか

佐藤:大学の中では日頃から今日の呑み会のように語り合う機会は多いんですか?今日初めてですか。
渡辺:井上の話は聞いたことはありまけど、全員に聞いているわけではないです。呑んだりすりことはあるんです。丸山の料理の話は覚えてないので聞いてないですね。
丸山:一度話したことがあります
渡辺:なんで抹殺された、はははは。インパクト強めだ、料理は何で消えたんだろう。

 会場 大きな笑い声響く

佐藤:この高知市内の居酒屋が常に呑み会の会場になっているんですか。
渡辺:大学近辺の飲み屋が新型コロナの事もあって、バカバカ潰れてしまいました。非常勤の先生が来たときに高知市内に泊っておられるので、皆で一緒に来て呑むことになりますね。

佐藤:ここからは差し障りがなければ何処に就職するんだとか、もっと勉強するとか家に帰って籠るとか、なんでもいので話ていだけますか。卒業したらこんなことを実践したみたいと、そのお題で一巡しましょう。

渡辺:呑み物班と食べ物班にわかれて注文してくれますか、僕は熱燗にしておきます。
佐藤:今日の修士設計の説明は大人しかったけど、普段は丁々発止で快活に話合ってるんですか?
渡辺:都会にいるような、立て板に水みたいな学生はいないですね。立て板に水の学生だったら佐藤さんも嫌ですようね。はははは。立て板に水は意味ないからね。意味わかるかな?分からないかな。立て板に水を流すと止まる事なく流れ続けるじゃないですか、そのぐらい単に喋りんだけど大した意味もない。関西圏の大学でよく見かける現象ですけどね、立て板に水・学生は嫌いでしたね。

佐藤:先生によっては学生に喋りまくって夜明かししてこそ建築学生だと教えていると。とある大学で聞いた(笑)
渡辺:僕は嫌でしたね、あれは嫌なんだよな〜。ははははは。
佐藤:東京や関西に行くとべらべら喋る学生に会うことあるよ。
渡辺:多いです。建築をやる人ってそっちが板についてくる人も多く、とにかく喋るんですよね。

佐藤:発注者を説得して仕事注文してもらわないと食い上げだから、そうなると、湘南で生まれで、今、大阪で事務所開いている元・無口の男性がそう言ってました。学生時分にはまだ自らの建築の道がはっきり見えてないので、無口でいいんじゃないかな。じゃー丸山さんから問題。支障が無ければ「卒業したらこんな道進みます」をお願いします。飲んだくれのオジサンになりますでもいいよ。

渡辺:彼は呑まないです。
丸山 さんの推し唄

Vaundy の 世界の秘密

丸山:あまり呑まないです。僕は就職が決まっています。京都の設計事務所に行かせていただきます。
佐藤:給料は高いですか?
丸山:高くはないですけれど。
佐藤:渡辺菊眞先生の先輩の事務所に行くんだね

渡辺:そうです。
佐藤:いろいろな建築を設計して造っているようです、所長はフェースブックに投稿してますよ。

丸山:特に集合住宅の設計の仕方というのは所長自身が建築について、知っているのは勿論なんですけども、そういう知識を所員の方にも、勉強させてくださるような環境というのも、行こうと思った点です。それから、設計の仕方というか、上手く集合住宅で容積率の制限とかあるなかでクリアするシステムみたいなものを組むのが上手な力も身に付けたい。そういったことを勉強したいのもあります、4月から行く事にしました。もう直ぐですね。

佐藤:4月から京都の設計事務所で働きだすと。住むところはどうするんですか?
丸山:もう決めています。
渡辺:そうだよねこの時期だものね。

高知市の居酒屋でワイワイしているよ

佐藤:では大和さんお願いします。道は決まっているんですね
大和:はい。高知に残って高知の個人設計事務所に、アトリエ事務所で働きます。4月から。
佐藤:所員は何人ぐらい働いているんですか?
大和:所長と2人です。
佐藤:濃い人間関係になるね。
渡辺:ははははは。
佐藤:厳しい人間関係になるかもね、そうでもないのかな。
渡辺:引継ぎはできたんですか、この間バイトに行っていたのが引継ぎの代わりだったのかな。

大和:まだです、時々行ってます。前の方は居なくって。今は一人でして仕事しているんです。私がほんの時々なんですけど行きます。
渡辺:その事が引継ぎになっているんですね。

佐藤:ということはアトリエ事務所で修行を積んで将来は自分で設計事務所を開きたいんですね。
大和:そうです。
佐藤:だから4月からは修行ですね。一級建築士の資格をとって、管理建築士の資格も要るので、卒業後すぐには事務所ひらけない。少し道は遠いかもです。修士卒業するの受験資格が与えられるんですか。

渡辺:大学院でしかるべき単位をとれば実務2年に当たることになります。以前は大学の学科の名前だけで2年何をしていようが実績になったんですけど、今はインターンシップ、実務的なことに当たることをやっているかどうかで受験資格が生まれる。


佐藤:なるほど細かい決まりになっているだね。今夜は飯食わないで飲みすぎると、明日卒制展で、学生の説明聞いてると寝ちゃいそうだ。呑みすぎないように注意しないといけない。

渡辺:笑っている。丸山は一級建築士は早く受かりそうだな、大和は苦戦しそうですね。はははは。大和は5択は苦手そうだ。
佐藤:次に井上さんお願いします
井上:まだ決まっていなくって、実家に帰ってアトリエ系の事務所を探そうかなーと思っています。特に焦ってはいません。
佐藤:そういう身構えかたはいいね。
井上:就活はいろいろしていたですけど、縁も無くって。でも特に焦りはないです。
佐藤:将来は自分でアトリエ事務所を開くんだということですか?
井上:もう決めています。
佐藤:将来はアトリエ事務所開く、そう決めている人多いね。


佐藤:市川さんはどうですか
市川私もまだ決まっていなくって。休学してしまって、就活まではしていなくって。卒業したら、実家の方に戻って、そこから設計を始めようと思います。

佐藤:市川さんも将来はアトリエ事務所を開くんだと。
市川:将来どうなっているかは分からないんですけど、出来たら自分で事務所を開きたいです。
佐藤:修士卒業生は4人全員が将来は自分で事務所を開所してみたいと。

渡辺:市川さんは調子もよくない、そんな時もあったから。設計科でずーっとやるかどうか、どうしようかという時もあったけど。今はそういう気持ちになっているということですよね。井上は兄弟で建築っぽい道に行くのはなんでなんですかね、お兄ちゃんの影響ですか。

井上(丸山?):僕はどちらかというと遅い方で、弟は高校で工業高校で、多分お爺ちゃんが設計をしていた、そういうのがあって。

■修士設計説明文 

自然を活用した小学校の改修設計 - 自然の利用・知覚による室内環境の向上と自然環境の認知 -修士 2 年 丸山和暉

本修士設計は、自然を活用した小学校の改修設計を目的とする。また改修設計で得た知見をもとに新築の設計手法策定への手がかりを得る。本設計でいう「自然の活用」とは、「自然の利用」と「自然の知覚」の双方を統括する概念であり、「自然の利用」では室内環境の向上を、「自然の知覚」では自然環境の認知を目的とする。
改修設計において、これまで数多く造られ、かつ現存している「標準設計に準拠した小学校」を対象にする。これは画一的な平面計画であることから、『小学校施設整備指針』に適わないとされ問題視されている。しかし、北側片廊下型は南面教室を持ち、室内環境に配慮されていること、方位に応じた光線の違いにより多様な空間を有することなど、利点が存在する。この利点を活かすように自然を利用・知覚することによって整備指針に適う計画を行う。
本修士設計では、まず、自然を利用・知覚する建築の設計手法を把握する。次に、標準型である北側片廊下小学校をモデル建築として作成し、自然を活用しうる改修設計を行い、その基本手法を定める。最後に「いの町立吾北小学校」を対象に改修の基本手法を調整しながら適応し、具体的な設計を行う。また、改修設計で得た知見から新築の設計手法の手がかりを得る。
学校建築の歴史の中で長く有効性をもった標準型の計画の価値を見直し、整備指針に適う計画を行うことは、型をもつ計画として、合理的かつ普遍的な学校建築になりうると考える。また、現在においても数多く残る学校建築をストックとして活かすこととなり、持続可能な社会の現実に向けても有効な提案だと考える。

修士卒制の説明 ぼんやりしてたね

佐藤:渡辺先生から「今日のプレゼンは下手だった」と言われたけど、今日で院の卒制説明お仕舞だと思うんだけど、どうしたんですか?

渡辺:みんな上手いわけじゃないですけど。初めてじゃない。
佐藤:15分の設定にしたのが、長かったかな?
渡辺:15分は長かったかも知れません、前提としての話が、皆さんぼんやりしてませんでしたか?分からなくなっていたと思う。

佐藤:長い時間しゃべる練習は今までしていないんだろうから、セールスマンじゃないから、べらべら喋ることはできないでしょう。
渡辺:学生でも喋るやつはいますけどね。超こなれた学生も居ます。高知工科大には居ませんよ。全国のコンペで勝ち上がって来た学生は慣れてきているので、やたらスピーディーに話しますね。またそういう感じなのかと腹が立ちます。黙れよ!はははは。

佐藤:卒制日本一展のファイナリストたちはぺらべら説明するし、反論もするね。
渡辺:佐藤さんが仙台での2018日本一展の記録みてたら、そういう学生はべらべらしゃべるんですか。
佐藤:押し黙ってしまう学生は居ないね、よく喋るよ。喋るだけじゃなくって、審査委員にこう言ったら、こう来るだろうから、その路を何種類か想定して審査員を手球にとって回すつもりの学生も居るね。
渡辺:そういう戦略まで立てていますよね。

佐藤:純朴ではない、戦略立てて参戦しているね。大学で練り込み教育されているのかも。確かめてないからわからないけど。何度も競技会開いて冊子も刊行されているので、過去のファイナリストの応答を読み込んで戦術を身に付けているんだと思う。それは平準化というかコンテスト慣れというか、競技会に参加しても功罪の両面はあると思う。日本一を獲得するために問答集を作って、練習しているかもしれない、応答がこ慣れている。奥の手が何種類もある感じがする。
説明が凄くうまくっても、他者を説得できたとしても自分の術に自分がハマってしまい、自身の未来を開けないこともあると思います。戦術たて過ぎるのは良し悪あるよ。社会は世間は予想通りに進展しない、先月24日から21世紀なのに20世紀型の戦争をロシアが始めたし、そんな戦争は数年前まで想定してなかった。大地動乱が始まったので大地震もいつおきるか分からない。(佐藤は福島市で3月16日連続して大きな地震に遇った)
作品がよくって、説明がよくっても人生を賭けてテーマを続ける気持ちがあるのか、そこを審査員が見抜けるかどうかがコンテストの要点ですかね。審査員の眼力が学生に審査されている場になっていると思う。毎年だけど模型の物量と作り込み方は、仙台の日本一展と今日の説明を比べると弱いけど、制作者にとっての設問とプロセスの質はさほど違わないんじゃない。高知の制作品は時間とマンパワーをさほど掛けていないように見える。だから物量で圧倒しようという意欲は薄いように思う。ポスターもぼんやりしている。説明も掴みが無くだらだら行くそれらが今日の特徴でしたね。

渡辺:勝とか勝たないとかじゃなくって、一発で示すような絵はないと分かり難いですよね。変に修論みたいな感じでまとめるので、分からないかも。
佐藤:初めて観ると、分からないよ。一杯、方々に描いてあるんだけど分かり難い。
渡辺:もりもり書いてある。
佐藤:細かく書いてあるの読んでる15分じゃ足りないし模型もなめるように見る時間がない。審査時間なくなる。だから読まないよ。

渡辺:もりもり書き過ぎだ。

佐藤:だから自身の案を他者に説明する時の要点を制作者が大まかに理解して伝えられないから、キチンとした評価が返せないかも。個人の直感で見抜くしかなくなる。だから恣意性の強い評価になる。で、真剣に受け止めなくっていいと思う。でも、模型とポスターを見ながら説明聞くけど、分かり難いので、審査員が学生と共にテーマを共有して語り合い評価するまではいかないかもしれない。学生の表現力と審査員の感受性の豊かさに任せてしまうので、卒制展の存在とそこでの評価自体が意味あるのか?わからない。
説明する力がまだ身に付いてない、あるいは場数を踏んでないので、慣れてないという原因ですかね。

渡辺:それもあるでしょうね。

佐藤:実社会にでて、発注者へのプレゼン今日のような質では仕事が来ないんじゃない。断られて徐々に身に付いていくのかな。いまのままだと「ところでお前なにしたいの?」って聞かれちゃう。ああでもないこうでもないと言っていても、自分はこういう条件いたいしてこの点に興味があり仮説を立て、こういう計画(手法)でこの実建築で解決しますと。初対面の人を説得してお金を出させて、そこまで説得するというか共感を得るというか、自分が提案したものに惹きつけなければならない。15分聞いても理解されないと「五月蠅いからあっちに行ってな」と言われちゃう。それは出だしの掴みが弱いんだと思う。相手を掴んで次に説明に展開していく、その掴みの弱さがあるんじゃない。

渡辺:お客さんは待ってくれないからね。

佐藤:TVの番組でもそうだけど、最初の2分ぐらいで内容のあらましを魅力的に語り視聴者の心を留め置く手法が先にくる。この番組はこういう内容なんだという点を数分で理解させる、掴みの部分は必ずある。掴みが無くだらだら話はじめるとチャンねる切り替えられちゃうよ。よい掴みを作るのがまだ下手くそかもしれないね。卒制などでもテーマを選んだ点も掴みに中で理解させることも要点だね。俺に分かるように説明してくれよ、自然とか環境とかいう言葉を使うと誰でも自分の意図が分かるだろうと、そう思うのは間違いだ。大きな概念をもつ言葉はなるべく掴みでは使わない方がいいように思う。

渡辺:標準型みたいなものがいいやん、みたいな話から入ってしまう。まずはそれありきでしょう。
佐藤:学生の制作では、私はここが好きだという点を最初に理解させることが肝心なんじゃない。
渡辺:そうなんですよ。
佐藤:改修するにも何が改修を好きにさせたのか、その点をばっと掴ませてから説明するといいんだけど。

渡辺:絵のやつは僕は面白いと思っていて。そこでお利口にしている人の絵が無いじゃない。あの枠組の中で逸脱しているこばっかり描いてましたね。だからそういう事ですよ。

市川さんの語り

 店内にはテレサテンの曲「つぐない」が大きくな流れていて大勢の客で賑わっている

佐藤:市川さんの修士設計は土地の地元愛が溢れてていいんじゃないかと思います。
渡辺:なるほど。
佐藤:市川さん、あるいは高知ならではこうなるという卒制がいいのではないかな。井上さんの作品もそうだけどね。高知県のそこで暮らしたからこそ生まれてくる修士設計作品だった。

渡辺:市川は神母ノ木(いげのき)は肌に合ったんですよ。最近分かったのは、駄目な人はいて、僕はああいう場所は好きなんだけど。好きと思って振ってみると、玉砕する学生も多いのよ。はははは、割と難しいんですよ。市川さんは合ったということでよかったなーと思います。

市川:学士に入学した時から女子寮に、大学の方に住んでいたんです。
渡辺:そうか、傍に暮らしていたんだ。
市川:そこで、あの辺りを見ていた。探検したりとかもしてまいした。

佐藤:学生の暮らし方が日々の暮らしが三つの案に分解されてしみ出しているんだよね。無理した感じがない。素直に制作している。

渡辺:それは凄いけど好かった。お酒を徳利から最初におちょこの注ぐのが難しいんですよ・・・なとど言って熱燗を注いでいる渡辺・・・熱くって、かつ一気に注いでいかないといけないんだよ。今一ですね。井上は注ぎかただいぶ下手だな、ははははは。

井上:だいぶ下手でした、ふふふふ。自分でもびっくりしました。

佐藤:初対面で自分の思いを知れというのも傲慢だからなー。戦略要るかもな。
渡辺:その戦略は高知県ならではで、そういう経験、ほぼないものね。大概は僕に説明するとか、せいぜい大学で言うことなので、いろんな他者に対して、ぱっとそれだけど言う経験は実際に無いですよね、ふふふふふ。
これは面白くって、市川さんもそうだけど、都市部の出身なですけど、高知に来ているのでそういう説明が下手っぴになっていく。
佐藤:ははははは。

渡辺:6年間ぐらい下手っぴになっても僕はいいと思いますよ。卒業たら都市部に行くし。

高知での6年間について

佐藤:高知に6年間住んで、どういう印象だとか、暮らしぶりはどうでしたか?高知に来る前の印象とだいぶ違いますでしょう。
渡辺:皆さんに聞いてみたいですね

佐藤:高知の6年間は辛かったとか、これですっきるするよ、なんてことでもいいです。


■丸山さんの感想

丸山:最初はバスで大学に来たんです。行きもたしか電車で岡山まで行ってから、2時間ぐらい掛けて高知まで行って。ずーっと着かないなーと思っていて。見えてきて、凄い過疎な所なんだなーというのは思って。
でも最初はあまりよくないイメージではあって、1年生の時は特にそれが強くって愛知の地元とかと比べたりして、何が無いとか、利便的な事なんどを比べたりしてたんです。暮らしていくうちに自分の1人の時間が増えた時に、歩いて考える時間だったり、そういうのもいいものなんだなーと。
今、地元に戻ったら地下鉄の客が早く歩くような、ああいうのがシンドクなる気持ちが逆に出て来て。そういう意味では高知県で過ごした6年というのは、都会から離れて自分と向き合える、というか、もっと心を広く客観的に見ることはいろいろ出来る場所だなーと。それが凄いいい。

佐藤:都会出身だけど、高知では勝手に押し寄せる情報も人も少ないので自分と対話する時間が増えたのが好かったと。皆さんは高知で生まれた人たちかと想っていたんだけど、都会から高知に来た人だった。予想外でした。高知まで来て名古屋の人に会ってもしょうがないかなーと思った。
渡辺:学生の出身地は年度によってかなり違いますね。渡辺研究室は5人いる4年生は3人が高知なんで、高知率が高かったりするんです。

佐藤:年度でばらつきがあるのはしょうがない。


絵:歴史資料館より

大和さんの感想

渡辺:大和は徳島の人で高知に6年間暮らしていて、引き続き高知、どうなのかな、四国だし隣の県なので。特に何も思わないとか。

大和高知の人は暖かい人が多い
佐藤:そうなの、徳島は冷たいの!んですか。
渡辺:徳島はきついですね気がしますね。

大和:田舎だと高知と変わらない。徳島市内ですけど。
佐藤:都会と田舎では気質がそんなに違うんだ。なんでかね?初耳です、おれには違いが分からないです。

渡辺:大歩危、小歩危は徳島じゃないと思うんだけど、そこの集落に行って、休業の民家に行ったら、「こんな所に入ってこられたら困るんだけどね!」と言われたぐらいです。それは当たり前なんだけど、高知だとそういう時も大丈夫じゃないです。そういう時には辛いなーと思います。

佐藤:徳島県内で集落調査していてうろちょろしていると怒られることがあるんだ。
渡辺:高知は調査してても怒られないんですよ。うろちょろしてると何かは言われますけれど、怒られたりは絶対しない。

佐藤:参集の皆さんは偏差値低いと語っていたけど、みなさん純朴でいいよね。
渡辺:偏差値の比較なんて目糞鼻糞を笑う世界なんですよ。

佐藤:偏差値低いと入学できる大学が限定されるわけだね、それは気になるかもしれないな。偏差値でカウントできないよね、人にはいろいろな能力があるので、単純に仕分けされても、自己否定というか、頭悪いかなーとは思わないんでしょう。

渡辺:言わないですね。気にすること言いやがってと言わないじゃないですかはははは。


■高知での学生の暮らし方

佐藤:大学に入学するじゃない、大学の傍に住んでしまうんですか?大学の傍に住んでも暮らすことは不便じゃないんですね?自炊しているんですか?飯付きの寮生活なのかな。

渡辺:コンビニですかね。

佐藤:のんびり自炊しないんですか?
大和:自炊もします。
佐藤:シェアハウスで暮らしている人は居ませんか?
渡辺:している人もいるよね。
大和:寮があるんです。
佐藤:男女別の寮があるんだ!寮の規模はどのぐらいですか?

渡辺:1学年500人ぐらいだから。
佐藤:学部生だけで2000人だとすると、大きそうだね。
渡辺:タワーみたいな寮って、どんだけ入るの?

井上:15階建で、各階8〜9部屋
佐藤:10部屋だとしても150室だね。
渡辺:タワーみたいな寮があるんです、彼女が住んでいるのは低層の寮です。他にも寮がある。ある程度は収容できますけど、全員は入れない。

佐藤:食事は自炊せずコンビニなんだ。コンビニは高上りじゃないの、そうじゃないのかな。
渡辺:安くはないですよね。
佐藤:自炊の方が美味そうだと思わないのかな?
渡辺:人暮らしの場合は高上りになるんですよね。冷凍庫にいれたりしたり。

佐藤:料理好きじゃないの?面白いよ。
井上:滅茶滅茶はしないけど、ちょいちょいします。
佐藤:新コロナ前は他人の家を止まり歩いて聞き取りしてたから学生さんの家にもよく泊めてもらったんだよ。時間があればスーパーマーケットに行って買出しして、作ってワイワイ食べて聞き取りしていたんだ。宿代と食材費の物々交換だね。下手くそだけど食材を買ってきて、一緒に食うのがいい。建築家の人は料理するのが好きな人が多いんだけどね。 

丸山:調理していると言ってもガチにはしなくって、でっかい鍋を買ってカレーを20人前ぐらい作って冷凍しておく。
渡辺:小分けにして、1人前ずつ冷凍ふふふふ。

佐藤:丸山さんが就職する事務所は昼飯みんなでつくって一緒にたべるんですか。
丸山:ひとりひとり別に食べます。
佐藤:昼飯一緒に食べる事務所も出始めた気がするけど。
丸山:夜は週一で事務所で作ったり、食べに行ったり。
佐藤:福利厚生にも心掛けているんだね。所長はいろいろ気遣いしているんだね。
丸山:12〜3人いますので。
渡辺:丸山だけじゃなくって学部卒の学生も1人採用してくれました。


佐藤:その事務所で修行したら、独立して事務所を開所するんだね。
丸山:すぐ独立するかはまだ決めてもいません。ちがう事務所に移籍してから、いまのところはそう考えています。
佐藤:みなさん一生懸命勉強するよね。偉い!

渡辺:大和はいつぐらい独立するのか考えたりするんですか?とくに考えてない。
大和
:30歳ぐらい目標ですね。
渡辺:早いね、頑張ってください。

佐藤:大和さんは独創的な建築空間を提案しているので、社会とのすり合わせに苦労したりしないのかな?難無くこなせる器用さもあるのかな。所長と一対一の事務所だとするとキツイかもしれないな。

渡辺:そういう関係を希望してたわけじゃないけど、そうなったんだものね。
佐藤:もうじき卒業だけど、みなさん目を血走らせているわけではないし、せっぱ詰まってない感じで身構え方がいいね。

渡辺:いいかも知れませんね。市川さんは戻ってからなんでしょう。
佐藤:この呑み会のゆるーい感じがいいよね、高知らしいのかな。
渡辺:皆さん都会出身だったりするけど、ふふふふ。
佐藤:この緩さはなんだろうなと
渡辺:それは高知らしさ、ふふふふ。

佐藤:よそで会ってきた学生たちと緩さが違うよ。すきあらば抜け駆けしてやろうという雰囲気がまるでない、ゆったりしているからいいね。
渡辺:ははははゆっくりしてますよね。
佐藤:新型コロナ下にあってもギラギラし合って切磋琢磨しない人間のありかたがいいね。
渡辺:本人たちはゆったり気分ではないと思うんですけど。

佐藤:なるほどそうかもしれない、そう見せてないんだ。そう見えてしまう。ふふふ。実はとても切迫して詰まってしまっているんです、そんな気分なのかな?
今回のことで高知に暮らす若い人たちと語り合う機会がもてて嬉しいです。高知の生まれの人はいなくて大都会から高知に来ていた人たちだった。高知人になったけどまた大都会に戻ると、今後は高知に戻ってくるきは無いのかな?

渡辺:大和は高知縁が深くなりましたね。
佐藤:徳島市だからお遍路さんに倣えば高知から歩いて帰れるんじゃないか。何キロあるのかな。大歩危、小歩危を流れているのは吉野川でしょうから、筏に載って吉野川を下るのが最も効率的かな。
渡辺:丸太に乗って浮かんでいたらどうにか、徳島に着くふふふふ。

佐藤:電車から見下ろすと吉野川流れているように見えないけど流れているのかな?福島の川面と雰囲気がちかっていて水面が美しいし荒々しく流れてないような表情してた。

渡辺:水はきれいですね。

 わいわいガヤガヤしだす
夕日と吉野川 

佐藤:井上さんは神戸出だけど、阪神淡路大震災の時はまだ生まれてなかったんですね。
井上:兄がちょうど生まれたぐらいです。
渡辺:そうか、そうか。
佐藤:都市型大震災の惨状は知らないんだ。親戚の方が被災したり亡くなったりしましたか。
井上:箪笥の隙間にいて助かった話はよく聞きます。亡くなった人の事は聞いてないです。
渡辺:箪笥の隙間で生き残っていた人は死んでしまったかもしれませんね。井上家自体は兵庫県内なの?

井上:僕の家族は兵庫県ですけど、お父さんが愛媛の人です。で、高知に違和感は感じてなかったです。
佐藤:四国人というか、愛媛とか高知人とかどういう特徴があるのかね?午前中に歴史博物館を見学してにわか勉強したんだけど。高知県の歴史は分かったけど各県の人の特徴は分からなかった。

渡辺:太平洋に弓なりに太平洋に面しているのは高知だけなので、四県の中でも自立性とか独自性は高い感じになってる気はしますね。人間じゃなくって生物的にも、生き物もそうみたいです、四国山地に囲まれて太平洋があるから他の三県には高知に居ない生物ものがいるようです。

佐藤:太平洋に直に面しているのは高知県のみだ。他の3県は瀬戸内的な海に面している。、地勢が生み出す気風は高知県とは違うだろうとは推測できるね。瀬戸内は海水が淀んでいるような表情している、内海とはよく名付けたもんだ。2年前に室戸岬まで行ってきたけど、高知の海はぱーかんと明るい、あららしく広い感じがした。海の表情が生みだす人情は異なってもおかしくないね。内海と外洋では海の色と気配が違っているね。

渡辺:徳島が半々ぐらいかな。北側は瀬戸内との間みたいな地勢だし。

佐藤:丸山さんは京都に行って修行して、どんな設計をしだすのか楽しみですね。
渡辺:楽しみですね。大和は名字の事もあるから大和ハウスに入ってがっかりさせられるかと思った、はははは。大和だからっていって安直だろうそれは!はははは。祈りの空間追求してたくせに大和ハウスはねーな、ははは。

佐藤:超大きな企業じゃないか!。


渡辺:もしそうなったら何があってそうなったか、僕が聞き取りしまし。何で?大和ハウスに
佐藤:施工会社に就職する人は居ないんだね。修士を経ると設計に就く人が多いのかな。
渡辺:学部生では施工会社に就職する人はいます。ゼネコンの施工管理みたいな。
佐藤:ハウスメーカーに就職する人も居ないんだ。
渡辺:最近はいなくなりましたね。5年後に大和が入る、それは勘弁してほしいね。時間を返してほしいよ。大和ハウスにいくなって。(笑)

佐藤:栄螺堂に行って先生が指導したあれは何んだったのか。

渡辺:打ち合わせ何回も繰り返して出来たから。

佐藤:大和さんは1人でコツコツ追求したいんですか、先生に協力してもらってましたか? 

渡辺:元々はコルビュジェ好きだったので、コルビュジェのことを研究したいと言っていました。
佐藤:祈りの空間が修士設計だから随分移動しましたね。確かに物的だからコルビュジェと祈り建築と言われれば親和性があるようも思えるね。コルビュジェ晩年は絵画や彫刻作品多いので。でも最初から絵画表現がベースにある。文章は『伽藍が白かったとき』では詩的な表現多いし、コルビュジェ好きだったですか。
大和さんの建築というか空間構成には驚きました。いままで見た事ない模型でした。祈りの場を私的に建築化しようとする若い人が目の前に現れましたね。
渡辺先生も大和系建築とは言ってましたけど、あまり記憶にないよ。

渡辺:私は機能の入っている建物を造ることは少ないのは事実なんですよ。

佐藤
:そういう意味ですか、そうですね。祈り化の建築かなと思って発言でした。大和さんの建築は近代的な意味での機能は無いので、面白い挑戦ですよね。他の3人は一応、近代的な意味での機能を追求していた。大和さんはアトリエ事務所に勤務するので、近代的機能に尽くされた建築と格闘することになるのかな。腹立ってくるかもしれないね。雇い主と対立してしまうのではないか?。ここに集まっている修士生は妙な丁寧語を使わないので気持ちがいいですね。

渡辺:僕はあんまり知らないですね。丸山のことは忘れていました。シツコイのでそれを期待していますね。

 ガヤガヤ

丸山:料理はできるので、覚えてないです。
渡辺:評価されたことは覚えてないんだと思うよ。未練があって頭に入ってくるんだけど。


その02に続く