2017年10月03日 石川卓摩・木村俊介さんさんに聞く 神宮前の事務所にて |
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03 木村:1名古屋の名東区で。こんな感じの住宅街の敷地ですね。均質な区割りですね。昭和の50年(1975年)とかにばーっと建ったような、当時だったらニュータウンかも知れません。建物が建っている土地を買ったんです。昔の地図を見たんですけど。この辺りの区画で一番最初に建った建物だったみたいですね。もう使ってなくって空き家になってて、たぶん整理したいかで買ったようです。改修工事ではないです 佐藤:学校とか商店街とかはどこにあるんでしょうか pcで地図をみている 木村:・これが中学校で、小学校はこれかな。ここがスーパーとかで、これがケーズ電気で。駅はちょっと遠いんです。バスで10分ぐらい歩いたら。 佐藤:子育て生活には支障なさそうな場所だね 石川:こんなに家が建っているのに、バス圏内というか 佐藤:街道沿いに家が並んで出来たんではなく、巨大開発してできた住宅地辺り 木村:名古屋の中心地の東側です。東山動物園っていうのが在るんですけど。名古屋の街の境界の向こう側みたいだったんです。この辺りが山だったんですけど、それよりもさらに東側のニュータウンですかね。実家はもうちょっと西側に在ったんです。 クライアントは広島に歯医者の勉強で行ってたんですけど、名古屋に戻って来て開業したんですね。内装工事をさせてもらいました。今度は傍に住宅を建てようと、職住接近の地元密着。 佐藤:1階の平面、北側に駐車場があって。南側が庭です。東北は雪が積もるので北から入るのは少ないけど、名古屋は雪少ないので問題ないと。 木村:夫婦と子供は二人目が生まれたばかりです。 (図面左が北) 佐藤:吹き抜けが家の真ん中に据えられてますが、部屋に囲まれた吹き抜けですね。 木村:子供部屋があって、夫妻の寝室がこちらです。 (2階) 佐藤:間に廊下というか曖昧な場が設えてあって。閉じられた吹き抜けになっているね。1階にピアノを置いてと (1階) 木村:ピアノは置きたいと。 佐藤:ピアノの音が響きわたる家ですね。 木村:ふふふ、ピアノの音が響き渡るんだけど、あまり外には聞こえて欲しくないというようなことで。包まれたかのような。断熱材は105の柱の間に入っているだけなので。北面だけ分厚いですね。断熱材は一般的より若干多めかもしれないです。 佐藤:2階が主に寝室ですね。クライアントからの要望はどんな内容でしたか 木村:戸袋が突き出していて2階の壁から1300出ているバルコニーの支えにもなっています。 石川:この通りって、なだらかな傾斜地に道が出来たので。 佐藤:北側下がりの緩い傾斜地 石川:普通にお金をかけないで、建てようと思ったら。ちょっと高い方に建てて、外部の階段で上って家に入るっていうパターンがほとんどで。通りも全部そう建っているんですけど。そこは同じにしなくってもいいんじゃないという話で。 段差は室内に設けた方が、移動が楽だから。ベビーカーとかそのままフラットで入って中で上がった方が便利じゃないと。 入口周りには大きめの庇を付けてフラットで入れた方が使いやすいんじゃないという話をしてましたね 佐藤:広い庇の下には自転車なんかも置けるし、出入りも楽だと 石川:これで工事費上がったんだっけ 木村:あとから平らにしてみたらどうなるかっていう計算してみたけど、劇的に下がる感じでもなかったので。コンクリートの量が増えているのもたいしたことないし。残土処分の量が少し多めでしょうか。 色々な案を作りましたけど、採用されたのは最終的には大きな本棚が欲しいというような話があって。ピアノのあるダイニングを囲むように二階まで棚になっているんですね。本棚に囲まれた吹き抜けのダイニング。 石川:本棚の要求は最初はそんなに無かった 木村:そんなに強くなかったけど、途中でも一回出て来て。本棚案も作ってみるかというような感じで案を作ってみたんだよね。 佐藤:本棚に、ところどころ穴があいてて見えたり風が通ったりするんだ 石川:これは穴じゃなくって方立の間に隙間があるんすよね 木村:3D作っていて、これは構造の方と相談をして、ツーバイ材の柱を建てたかった。最初にイメージしていたのはツーバイ材の一枚の柱だったんですけども、それでは構造的には、耐震要素としてみるのは厳しいということで、2枚をべたっとくっつけるんじゃなくって。隙間をあけて、二枚合わせの柱で構成していくというような作り方をしてます。286×38を二枚合わせた柱です。 ご指摘のように2枚合わせの柱の隙間が全部出てきます。トイレとかは目隠しは半透明な物で隠しますけれども、基本は隙間が空いている。そこから光が入って来る。 佐藤:家の中心が本棚で囲まれた個性的な場所ですね。 木村:屋根も同じような架構が掛かる。二枚合わせの柱から2700ずつ張り出して合わせて家形に組む。 佐藤:倉庫のような雰囲気も出そうだしい。このCGでOKでしたか。 石川:これは見せてない ふふふふ 検討用CGですよ 木村:プレカットの検討用にCG作ったから、最初に作ったCGは二枚合わせの柱の隙間もないかったし。 ■歯医者さんの内装 石川:その前に歯医者さんの写真です 佐藤:外壁は割り板ですか、なんですか 木村:レットジダーだったかな。その板ですね。 この頁の絵全て:NEWESTのFBより 佐藤:マンションの一階ですかね 要望はどんなことでしたか 木村:要望かー 佐藤:内部はどんな感じですか 石川:中はこの木と白が延々と続くんですね 木村:もともとその木の材料が外壁材で使われる材料で。外から中までずーっと続いていくみたいな感じにしたかったので。どこが外で、ここが鏡ですが、後ろの外が見えるんですけども、カメラマンが写っているんですが消してありますね。実は鏡には後ろに在るものが見えているんです 佐藤:内外部の素材は統一して二種類で作ったんだ。木造をふんだんに使って木質化してほしいというような要望だったんですか 木村:そういう訳ではない。でも木は使いたいって言ってましたかもしれない。 佐藤:木質化が推奨されてるけど、内外部統一してここまでは木を使いまわさないかな、予算たっぷりあったのかな。大工さん一枚一枚貼っていくんですか 木村:それはパネルになっているのがあるんです。昔は一枚一枚貼っていたと思うんですけど。貼りやすいようにパネル化したものがあって。2.4m×二枚分ぐらいだったかな。 石川:これバラバラ感がわりといいよね。 佐藤:手張りで一枚ずつ貼ったからそう見えるのかなーと思いましたが、手間に成らねーよと大工さんに怒られそうだ ははははは 大工さんに逃げられて自分たちで貼ったなら面白いけどパネルがあるんだと。 治療室の内部も板張りですね。貼っている所と貼らないところの仕分けはどして区別したんですか 木村:この壁だけ治療室の中でも、白くなってなくって。他は白いんですけど。白と木だけですね。基本は内側が白くって外側が木って感じだけど、時々イレギラーが起るって。 佐藤:評判はどうですか 木村:評判は悪くないみたいですよ 佐藤:それはなによりです 好かったね。この歯科医院が出来て、今度は住宅に続いていると 石川:住宅の方がハードだよね。ふふふ 佐藤:住宅の内部はラーチ材ですか 木村:そうですね 佐藤:床板はなんですか 木村:フローリング貼ります。 佐藤:ツーバイ材は節は少ないのかな 石川:ありますね。 木村:今プレカット中なんです、その材料まだ見に行ってないんですけど。 石川:ツーバイ材は工務店の方で作っている、でプレカットしてくれないんだよね。 木村:ツーバイ材は大工さんのカットだね。 石川:ツーバイ材になった瞬間にプレカット工場ではない 木村:基本が在来軸組み 佐藤:外周はプレカット屋さんにお任せして 内部のツーバイ材2枚合わせ柱は大工さんが加工すると すこしややこしい調整が要るね 木村:そうなんです、ややこしいんです 石川:工務店的には嫌な物件です、ふふふ 木村:大変だなーって思いながら 石川:申請はツーバイで出してたんだっけ。 木村:瑕疵担保の申請はツーバイで。 佐藤:木造骨組みのキメイラー状建築、 両方慣れてる工務店じゃないと、なかなか難儀しそうだ。中心部の壁周りは在来の柱が立ってないので。組み立てすこしややこしいね 変態風味でちゃっている 石川:その部位は表に出さないようにしているふふふふ ■自動車修理工場について 木村:この住宅の前の工場を見せてあげたらいいんじゃないの 石川:あ 工場か〜 佐藤:たしかにこの住宅の組み立ては少しややこしいね 木村:はい、けっこうめんどくさいし、プレカット屋がそこの部分は図面書かいてくれないので、考えなきゃいけない。 柱は分割して1階の柱と2階の柱で分けて、まず一階で建て方をしちゃって、仮の梁とかも入れたりして。そこ1階の部分だけで固めて。で、二階を建てて。明日(10月4日)から建て方が始まる。一日では終わらないんで3日間とって建てるんですけど。 佐藤:規模の割には建て方に時間が掛かるわけだ 木村:1階の梁を掛けたら、まづ一回ブルーシートを敷いちゃうらしいんです。足場を組んで今度は二階をやると言ってますね。 石川:その前に同じ構造事務所の人と設計しました。工場なんですけど。5枚で梁を、3、2、3、2、組 スパンを飛ばすみたいな。工場なんですけど。 佐藤柱と梁を:ボルトで縫ってて いいじゃないですか。 石川:工務店のおじさんが自分で図面を書いて、門型を床で作って、起こして。建てるを繰り返して建てたんです。単に鉄骨造だとちょっと高くなるから、木造で入手しやすい材料で出来たらいいなーってことで。 佐藤:平らな場所で組み立てるって、敷地に余地がないと出来ないのかな 石川:そうですね。 木村:車屋さんの工場だったので 石川:駐車場が一杯あって。この構造の流れが住宅にもちょっとあるんだよね 木村:最初っからこれをやるために、こういう設計をしたわけではなかったけど 佐藤:修理工場の骨組みの響きが工事中の住宅にもちょっと入り込んで残って出ていると 木村:そうですね 石川:修理工場の骨組みはすこし斜めが入っているので使える空間としては低くなっちゃい狭くなるので。汎用性があんまりない。 木村:反省点もあるんです 石川:車屋さんのお店の中にある修理工場です。で車を持ち上げたりするんですけど、 佐藤:修理工場を木造で作っても法律はクリアできるんですか 石川:クリアできますよ。柱梁程度は問題ないんです。内装制限が掛かっちちゃうのかな。 木村:木造にすると防火の壁にしなきゃいけないとかで、結局外側はもちろんだけど、内側もボード貼らなきゃいけないってなっちゃう。鉄骨だとボードは無くってもいいはず。最初は鉄骨で考えて。コストダウンもあるし、で、木造でやってみたという感じですね。 その4へ |
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