HOME     文責・作成・佐藤敏宏         佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日
ことば悦覧録

    
 
和田寛司・小西由吾さんに聞く 2017年1月・31日京都市内にて
   その1 その2 その3 その4 その5 その6

 その5 

佐藤:現代美術制作に移ったと
小西:染色の作品も課題も写真を出したりして、欠点は59点以下なんですけど。60点を一杯もらうみたいな おられても困るんでしょうねふふふふ 留年されても困る だからとりあえず上にあげてくれる

佐藤:まわりの学生に迷惑だからあげちまえと 60点で
小西そうです、そんな感じもしました、その点をみたときには。で、現代美術の、ヤノベさんとか椿昇さんとかいう方が 作品最後にインスタレーション作りました。紙で洞窟を作って、それは生と死の間っていうのを考えていて、それをクラフト紙で作った。この部屋以上の大きさですよ。この1.5倍ぐらいです

佐藤:学長賞・千住ひろし賞をもらったんですか
小西かすってもいないです ふふふ 評価できないとか言われたから。
佐藤:評価できないほとレベルが高い 低いどっちですか
小西:わかりません 世に出したらいけないと思われたんじゃないですか

佐藤:4年生のときも容貌はそのままだったの
小西:だんだん生活しずらいので、そっからここに向かっていくんです。

京都帰ってきてからも
虫たべたりとか、野菜育てるとか狩猟するとか、水耕栽培も僕がやっているんですけど。


 事務所内で水耕栽培の実験中

佐藤:雑草だけ食べて生きていくんじゃないの
小西:そういうのも考えて雑草採って食べたりとか。それも行為を作品にするということで、そういうのを研究したりとか、いまだに続けているというか、続いちゃっている感じで。

佐藤:小学校から高校までスポーツやってて、体力が鍛えられてたので、体力あるからできていると思う。マンションのぬくーい部屋で暮らしつづけて いきなりヒッピーできないんじゃないかなー 荒っぽくされても生きていけるベースがあったんじゃないかなー 
小西ほかの体を使ったことがないから分からないですね。

佐藤:健康な体があって大学休んでやりたい放題やってできたのも両親が丈夫に育ててくれたからのような気がする 評価されないインスタレーション作り60点で卒業ですか

小西卒業制作は80数点ぐらい、染色では60点だったんですけど。現代美術の方ではそんなに悪くなくって。勢いだけ評価されたんですかね。
佐藤:無事卒業されて職員採用となったと。

小西畑の授業というのが卒業した年にできて それの専属の助手を。畑をするっていう、全学科の人たちが受けられる授業があった。週に4コマある。その畑の管理と指導と、先生の助手を3年間して。それが職員時代。

宇宙飛行士の秋山豊寛さんが震災で来られて。その授業をもたれて。ジャーナリストなんで。
佐藤:311前は福島の阿武隈山地でくらしてたね。秋山さんは日本で最初に宇宙に行った人だけど、あまり評価されず。二人目の毛利さんが知られている

 (絵ネットより)

小西秋山さんの下で怒られながら

めちゃくちゃ怒られるんです。

僕が社会のことをわかってないということ、秋山先生も表現の仕方が怒るというのが多かったということですかね。蝶々飛んでいるのが気持ちいいなんて感じで。原発をつぶすまで 生きていくとおっしゃってましたけど。

佐藤:ランチ、ここに来た経緯は。

小西:自給自足ときからもういっこ舞台美術というのを大学外で、西部講堂に入り込んで、舞台のセット作るとか。デザインして作るっていうのを学外、学校関係なしで、学生のときからやっていて。それをしていると施工系のバイトもらったりしてて。共通の知り合いの大工さんが呼んでくれた。なんでやらしてくれたか分からなんですけど。それが2014年ですね。

和田:ここが、僕の設計と施工も監理してほしいと。予算もあまり無かったので、ここの空き地と長屋ぜんぶ持っている方補修の設計と施工も手配してほしいと言われて。でも工務店に頼んだら、とうぜん回らなかったので、僕も設計しながら大工やって。 小西君とか大工さんと三人でやっていったら何とか出来るちゃうかという話になって。

で、設計施工と少しの日当が出るので、自分たちで回していく話になって。設計費もそんなに出なかったので、僕はざっくり平面を書くけど、現場でみんなで話し合いながらディテールを決めていこうと。


佐藤ランチという名称ですけど、設計事務所の名前 ランチって名称はどうして決めたんですか。生きるためにはランチやと

和田 軽い感覚なんですけど。僕は幼少期は大工とかの仕事に触れてきたんですけど。設計事務所に入って設計をして辞める直前に設計施工の仕事が来て。そこから自分でやりつつ、設計もするみたいな。

お昼は現場全員食べるわけです、夜には帰るんですけど。お昼だけみんなで食べで。ランチの時間が一番楽しいわーってみんな言ってて。独立すんやけど名前どうしようと現場で言ったらランチ」でいいやん誰か言った。最初はえーと思いましたけど

佐藤:楽しい状態を作る「ランチ」にしたと 食べることは健康にもいいし、ランチ食べてるときは難しい議論はしないし ふふふふ

和田:そんなんで名前ついたんですけどね。

佐藤:まだ始まったばかりで分からないでしょうが、設計するとか工事をするんじゃなくって生きてて楽しいことをしたいという気分なんだね。「楽しく暮らす人間を職業とする」みたいな人間になるんだと。人間になるためにランチを作ったんだ、というような気がします。

ということは何でもやっていいわけで。お金を稼ぐことが目的ではないような印象を受けましたけど、どうなんでしょうかね。

小西必要な分はとりにいこうと思うんですけど、金を使うために何か動くみたいな感じじゃない。
佐藤:暇があったら寝てるわけでもないんでしょう ランチ状態をもとめているわけだから、24時間ランチ状態になりたいわけだから

和田ふふふふ 
佐藤:俺は勝手に解釈しているんだけど そのために水耕栽培をやってみたり。農業工場の経営者になってしまうかも知れないし。

24時間ランチ状態を目指していると 既成のシステムの中に自分をはめ込んでいくんじゃない生き方をしたいと。職業が人間であることを目指していると 


和田:僕はこの先自分で施工することもそんなに無いだろうなーと思って。

アトリエ設計事務所になろうと思って。だけどここの現場が始まって施工せざるを得なくなって。で小西君と知り合って。

僕が設計して、現場とかあるしその時は一緒に施工やって。彼が大学、辞めることになって。一緒にやろうかとなって。じゃー設計事務所とか考えずに。建築というベースはあるんですけど。既存の設計事務所じゃなくって。もっとフレキシブルに設計もするし施工もするし  それ以外の小西君の畑もあるし。色々ミックスして、どうなるか分からんけどやってみようかと。

最初は設計事務所出身なので設計事務所のスタディーずーってやっていたんですよ。模型一杯作って。モデリングして。でも施工もしているし、畑もしているし。

僕は実は趣味で階段(怪談)を集めるっていうのありまして。階段を集めてどこかでしゃべるっていう趣味があるですけど。

佐藤:どこかについてた階段をもらってきて語ると、妄想を働かせて語ると。
和田:そうですね、そういう趣味があるんですけど。この趣味も最初は仕事と分けていたんですけど 

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