HOME 文責・作成・佐藤敏宏 | 佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日 |
ことば悦覧録 |
満田衛資さんに聞く 2017年1月30日 京都市内にて その1 その2 その3 その4 その5 その6 |
その5 満田:うちの事務所でもホテルの仕事がすごく多いです。こんなにホテル作ってオペレーションが間に合うのかっていうか。ホテルって必ずベットメーキングする、裏で働く人が数が必要じゃないですか。部屋数に応じて。 あっこでもこっちでも作っているっていう。誰がそこに働きに行くんだろう。そういうために人が集まって来てくれれば、それはそれで京都の人口も増えるし、いい話だとも思うんですけど。 佐藤:家賃も値上がりしてそうですね 満田:東京に比べたら安いですけれど。そこでもらうお給料と生活していくレベルとか、バランスとれてないと、誰も働きに来ないじゃないですか。 ホテル建てる側も戦略、そろばん弾いてやっているはずなんですけど。求人に対して合うのかなって。需給の関係でいうと人が足りないと単価上げていかなきゃいけないから、ビジネスとして成立するのかなー。 ちっちゃい大きい、改修も含めてですけれども。おっきのはさすがにうちは無いですけど。4階建ぐらいまでの。 佐藤:ホテル建設ラッシュは前回は無かったですね 満田:そんな話はなかったですね 佐藤:ネットで検索できるので、日本だったら京都でしょう!と。京都駅を降りて感じたのは、英語じゃなくって、アジア系の言葉が飛び交っているなーと。顔見ただけじゃ、どこの国の人か判別できない。 満田:パッと見て日本人なのか、分からない、韓国人も含めて。 佐藤:四条河原町あたりは中国語が飛び交ってましたね 満田:先斗町とか歩きたがるんですよふふふふふ 佐藤:どうしたの、中国人が湧いてくる様に、観光してますね 満田:分かり易いっていうか、ガイドブックに、SNSもそうなんですけど、誰かが先斗町がいいって言ったらそれに皆わーっと。 今伏見稲荷が凄いですよ。千本鳥居がばーっと、あれで写真撮るのが大好きで。 絵 WEBより 僕が網膜剥離で入院した病院がJRの奈良線沿いに在るんですけど。JRの奈良線って誰が使うんだって言うぐらいの、ローカル色の強い路線なんですけど。朝とか観光客で満員なんですよね。みな稲荷駅でだーっと降りていくんですよ。宇治にもそのまま続きでいったりするんで。 今までの僕らの感性からすると、金閣寺、銀閣寺、清水寺とか、あとは嵐山じゃないですか。伏見稲荷にあんだけの人が行く。 もちろん初詣とかは凄いんですけど。平日の時にあんだけの人が。 僕は病院の検診受けに行こうとして、京都駅へは逆向きだから空いているだろうと思ったら凄い満員で。ふふふふ。平日でもこんだけ行くんだー。 佐藤:経済状況も変わり、観光客の数に表れ分かりますね。京都の町の空気が変わりましたね。南米の人もいたし世界中から来ているようですね 満田:世界中から来てますね。テレビ番組で「何ヶ国の人と出会えるか」、芸人がインタビューして歩く。80ヶ国ぐらい集まりましたから。 昔は裕福な欧米の方っていうイメージがありましたけど。11年に原発事故で減りましたけど。13年ぐらいからはどんどん回復してる印象なんで。数字は見てないですけど。 11年は原発事故で止まった仕事もありましたイギリスの方の仕事だったんですけど。京都にゲストハウス的なものを作って自分たちもそこに泊まりに来るみたいなものがあった。一回止まって。 そういう話とレートと両方連動するんですよね。円安の時には人が多いです。分かり易い話で。航空運賃にもろに出て来るじゃないですか。円の価値が高いときは海外に行き易いみたいな。僕らも同じことをやっているので。今は去年一昨年よりは落ち着いているんじゃないかなー。東京によく行ってたんですが15年の秋冬はホテルがとれなかったですね (絵 WEBより) 佐藤:この家の話に移りましょう。以前もここに住んでいたんですか 満田:はい。ここに住んでました。 佐藤:意匠設計も自分で 満田:建築家には頼まず、うちの事務所で 佐藤:構造はなんでしょうか 満田:木造です。ラーメン構造を採用してるんで。 佐藤:SE工法ですか 満田:SEではないんですけれども、一個飛ばしで穴が開いてますが、あれがラーメンの金物なんですよ。下の階は全部そうなんですが、上の階は地震力がちっちゃくなるので。数減らしているんです。 梁の高さは360、天井貼っているのでちっちゃく見えますけど。柱が300あるんですよ。普通は105の奥行の壁が出来ているんですよ。300ー105で195の余りが出来るので、ちょうど皿を入れていると。ふふふふ 片側だけにラーメン柱を集めて、 佐藤:柱細かく建ってますが 満田:これは700ピッチなんですよ。910×3というやり方もなくは無かったんですけども700ピッチにしておくと、これが丁度偶数になる。700×4だから2800なんですけど。その方がバランスいい。 佐藤:日が差して来たので室内は南さがりで段が設えてあると分かってきましたが 満田:お日様が当たっているときは物凄く暖かくってサンルーム的な。明るい家にしたいという。家族の要望です。 佐藤:見た目そのまま陽射しがさんさんと入っているサンルーム。家族は何人で暮らしているのですか 満田:娘2人で4人です。 佐藤:満田さんは女性に囲まれ暮らしてて、いいねー 満田:そうそう。お父さん向こうへ行けって ははははは お隣が建築工事中なので。 佐藤:工事中なのでのぞかれるのでしょうがないですね 満田:向こうの山も見える感じにはしているんですけど。 佐藤:断熱はしているんですか 満田:してます。柱と柱の間に袋詰めのウールを埋めつつ。 佐藤:上から眺めていると大きな段だなーと 第一印象は幅の広い階段に住んでいるのかなーと。 満田:そうですね。土地としては57uあったんですよ 17坪ですね。建ぺい率が60%で容積が100なんですよ。 普通に二階建だと60%の上に40%積んで。57u 家族4人で。子供が中一になる直前だったので。57uの家に住んでいるとちょっと狭いから、半地下を掘って、容積増やしつつ それからロフトをたくさん作って概算で200%ぐらいいきたいなーなーみたいな。厚かましいところが発想の原点なんですけど。 色んな建築家の仕事にふれて、天井高の高さというのは体感的な広さを与えるので、高くし 佐藤:さらに視線が方々に抜けてもいますしね 満田:これも色々開け方次第で。(開けている満田さん) 佐藤:子供部屋が見えちゃいますね 満田:これは家内の要望で ぎりぎり見える見えない、これはロフトなんですけど。面積には入ってないです。 佐藤:ロフトがたくさん重なっているので何回建だ?って思いますね 満田:地上2階地、階1階ですね 床と天井の間が1.4Mだとロフトで。スキップにすることで下とつながるようにしとけば、いいでしょう。2階に子供部屋をもっていったところで、一番いいところは子供部屋で。親はそこへなかなか出入りしないのももったいないし。いい所は皆の間にして。 佐藤:色んな視線に接しないと子供部屋に行けないと。 居間に居てもロフトの隙間から子供部屋が見えますしね。音も聞こえるし。 満田:一番気持ちがいい所にみなが集まる場所にしておけば。必ず集まるっていう。 佐藤:住宅の中でお話しているというよりは段々の地形の一番高い日当たりのよさそうな場でおしゃべりしている気分ですね 満田:高1と中二の子供がね人を連れて来るのが好きで。子供たちがワイワイやってますね。 去年中三で受験だったんですけどこんどは下の子が友達4人ぐらいでホールに机置いて勉強会してたりとか。玄関をあがったホールはそういう使い方してほしいなーと思ってたんで。 個人の部屋としては物凄くちっちゃい部屋にして、そこに籠って遊ぶよりはホールに出てきて遊んだ方が気持ちいいよという場にしてたので。 佐藤:スキップして小さな床がたくさんあり十分に楽しめる家ですね 満田:スキップは半分は空間つながりでもあるし、採光的は意味もあったので。さらに風を流すということですし。 佐藤:視線も風も通って気持ちよさげですよね。 満田:夏場は風があるんで、北から南に抜けていくので。窓を開けていると外気以上には暑くならないですよね、最上階だと熱籠るんじゃないかと、窓さえ開けておけば。留守中の用心で閉めるときだけですよね。暑くなっちゃうのは。その時は強制的に上から換気扇するようにしているんですけど。各部屋にエアコンあるんですけどホールのはほとんど使ったことないですね。子供のロフトにもあるんですけど。エアコン無いとあかんかなーと思って付けちゃうんですけど。要らなかったなーと。 佐藤:こどもさんと仲間が勉強してしてる玄関から数段上がった場所 満田:ホールですね。廊下で区切っていくと狭くなるので、お風呂とか洗面所みたいなところ、ふさいじゃうとどんどん暗くなるので。風呂は夜しか使わないスペースだから。それだったらガラス張りにして光を入れるスペースにしておけば。 佐藤:娘さんに文句言われないですか 満田:内側にカーテン あります ふふふ、それはさすがに 佐藤:変態お父さんか・・と思ってしまいました 満田:へへへへへいやいや 佐藤:貪欲に風呂の上に茶室まで設えてますね ふふふふ その06へ |
|