HOME     文責・作成・佐藤敏宏         佐藤敏宏の京都ことば悦覧録 2017年1月27日から2月2日
ことば悦覧録

   
 
 山崎泰寛さん井口夏実さん 2017年1月29日京都市内にて
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その07

佐藤:現場指示ですか
山崎現場じゃなくって図面、打ち合わせの後に、その日に出てきた図面を見てどうだ こうだ言っていたね
佐藤:一般の人はなかなか図面みて話合えないんじゃないかな 
山崎できるはずだと思うですけどね

井口:熱心なお客さんは図面見てやっていると思う
山崎やる気があるかどうかによるかも知れないけど、できないことはないと思うね



佐藤:家の外部や外皮と骨格は専門家にお任せしても、内部のあれこれは発注する人が自分たちでやればいいんじゃないかなと思いますね 建築家は建築の形式を提示したり周囲の景観との調整をして内部は住むひとが住み手が楽しみながら作れば問題が少ないだろうし。法律の事とか荷重のこととか耐震や断熱など、専門的なアドバイスを支援していけば誰でも普通に作れると思います

山崎こういうふうに暮らしたいみたいと、思っていれば出来るのかな
佐藤:偶然に私は、山崎さん井口さん、それから岡田先生の家族の皆さんの交流を見続けることになっているんですけど、どの家に行っても子供たちは、その時々に合わせて今最も快適な自分の居場所を見つけ、侵さず、それぞれ楽しく過ごしているね。子供たちはどちらの家でもそれを戸惑いなく出来ている それは素晴らしくて凄く豊な暮らしだと思います

井口:子供はね、本当にどこの子供が来てもね、岡田家でもそうだけど、平気で楽しく どこにでもいるよね
山崎そうだね

佐藤:中学生から高校生になって、それぞれの息子さんたちがどう成長していくのか、個室は要らないっていうのか。
井口:その時は1階の書斎を使ってもらって




佐藤:今回は聞き取りはだいたいこんな感じですかね 家のことまだ何かありますか こだわった点ですが

井口、本当に一杯あった。そのこともあるんだと思うんですけど。最初の方の提案は凄く窓があったんですね。玄関入るとすぐにピアノホールの所にも
山崎上から下まででっかい窓
井口:FIXでね FIX窓も多かった。庭に面したところにも大きな窓が入っているじゃないですか。大きなガラスがね、あまり大きな窓でしかもFIXっていうのが嫌だって言ってかなり抵抗したんです 減らしていってもらって

大きな窓もなるべく小さくしてもらって、かつ山崎さんがこだわったんだけど壁から直接窓が始まるっていうのをやめてもらって。必ず壁がある

山崎:柱に窓がくっついていると、それってその窓は壁と一緒、だけど柱から離れていれば窓のキャラクターもそれぞれの窓である窓がそれぞれキャラクター持っていることになるかなーと考えて。だから自立した窓ってものだから。

 そうすると空間になるかなーと思って。窓枠のふところを深くしてもらったのは森田さんたちからの提案で。それはよかったなと思ってるんですけど。
柱から離してほしいなーと、和風だったら、たぶん柱にくっついていると思うんですけど、離すと

佐藤:窓を木製で作っているしね。建築家の仕事では枠をなるべく小さくしてめだたないようにすることが多いが この家では窓枠の奥行を広くして窓辺の小さなテーブル状に使えるようになっていると、それはいいんじゃないかな。

山崎壁みたいな窓 は、窓じゃないでしょうって思っていて。FIXは一つは予算上それで済むっていうことと、どうせ互い違いにしたって、どっちかは閉まるわけですから、それはもういいんじゃないかと。

井口:FXIとかね、全面開口ってギャラリーとかカフェならいいかも知れないんだけど、そういの嫌なんです。そこも1枚でFIXだったんですよ。開かなかったの。それは本当にやめてってふふふふ それを何回も言っていたね
佐藤:窓だと外気も出入りするし

井口:絶対開けてほしいし、とにかくFIXの大開口ってほしくないからと何度も言って。
山崎あれは本当に(建築家・全般的な)ですね
井口:うん、なかなか無くならなかったです。何回言っても。

佐藤:我が家でも大きな窓あるけど、子供が小さいときはいいなと 大人になるにつれて窓大きくなくっていいと言てたね、大きな窓は冷えがキツイシね
山崎:そうですね、それに壁みたいな窓。窓に近寄って行くことが出来ないから、窓に腰があって枠が幅広いと、まだいいと思うんですけど。
夏美さんが言っていたことだけど、窓じゃなくって窓辺を作っておきたいと。
井口執拗に言いましたね

佐藤:和室だと畳が敷いてあってひじ掛け窓があって 窓に持ったれて外をぼんやり眺めて時を過ごすって暮らし方あるよね
山崎そうそう

佐藤:2階の居間にはベンチが回してあり、高さの使い分けで洋風のベンチの窓辺で、床に腰かけてベンチ机代わりにもなるし、飽きたら窓枠に持たれ時をすごす、今ここの仕舞い方だと和・洋どちらの時のすごし方が できるようになっているのでいいよね。床から天井まで窓ガラスよりは この方が日々の暮らし方の変化を住人たちが選べるので、暮らしに豊さは多いよね

山崎窓辺が場所になるんですよね
井口窓のやりとりが かなりありましたね
山崎:あれは なかなか治らないね 治らないという言い方も変だけど、こちらの思いが伝わらなかったね



佐藤:昨夜 ベットにしてたベンチの場所にある窓。敷布団まで全部ガラスだと 丸見えで落ち着かないね。敷布団から40センチぐらいから窓枠があるので、隠れて寝れるかのようで とっぷり感がでて落ち着いて寝入ることができるんだよね。ちょっとした高さの囲いなんだけど、とっぷりと沈みこめる気分が生まれてて、それで寝心地がいいんだよね。床までガラスだったらね

山崎寝ていられないですよね

佐藤:とっぷり寝る窓。窓辺に佇む暮らしのよさ 開放的に眺める窓、それぞれの使い分けをしつこく追及してたんだと

山崎窓に近寄っていけないから、結局。部屋が狭くなっちゃうんですよね

    電話が掛かって来る

山崎:はい はいはい。ああハイハイはい。ちょっと今お客さんがいるんだけど うんうん。はいありがとう 明日の夕方でも。夜 よる。うーんまー。

佐藤:井口さんたち、家を作るって聞いてときに驚きましたけど
井口:前の家は借りててずーっと住んでいるような あの家はあの家で色んな

佐藤:娘さんが誕生し、これはますます忙しそうだなーと。生まれたときもこの家を作っていたわけですよね ふふふ すげーです

井口供が3人目生まれる前に家が見つかっちゃって、見つかったからには買うしかないなーと 買うってことは今の家を売らなきゃいけないし、売るには引っ越さなきゃいけないし、引っ越すんだったら すごい大変だったね

山崎前倒し 前倒しで ね 
井口:引っ越しが終わって復帰して、仕事も忙しくなっちゃって死にそうでした、40歳になっていたんですけど ふふふふ

佐藤:よくやり遂げましたね 
井口けっこう無理だったね、凄かったね
山崎頑張ったね

佐藤:いい なー なごんじゃうなー
山崎:なにかもー また夜まで居てもらってもいいような感じになるでしょう 

 三人ふふふふふ

今晩は何にしましょうかって感じになるじゃないですか

佐藤:なるねー
山崎:それは本当にいい場所を作った。だから狭い、そんなに広くないんだけど広く使えるようにしてもらえた
井口:窓と間取りとかの調整で、どこを残すとか、どこを継ぐとかいうのは全部森田さんがやってくれた。
山崎:なにも言わなかった、知らなかったし
井口階段だけ家の父のデザインです

佐藤:古い階段の踏面の上に新しいそれを重ねたデザインですね

井口:木を載せるだけで 両端も空けておく

佐藤:新しい雲の上を 上っていくようで気持ちがいい階段ですね

 お父さんも建築の設計して作っている建築家だからね 言い出せばきりがないだろうけど

井口手書きでスケッチ書いてきて、これをちょっと考えてみれくれないかなって ふふふ 凄く思い出に残るそうだからお願いしてやってもらったんです

佐藤:確かにこの階段は全体の味とは違うなーと思いました。こういう処理のしかた見ないですからね、お父さんのデザインだったと 良かったです その話。

井口:そんなに綺麗な階段じゃないんだけど、カーペットをはがした跡なんで糊の跡とか あ、帰ってきた こいちゃん どうしたのそれもらったの

山崎:貸してもらっているみたいね
佐藤:こいちゃん 一人で帰ってきたの
山崎:岡田さんが散歩してたら「帰りたくなったって」言ったので連れてきてくれた
井口おかえりこいちゃん

こいちゃん : おかえり



 お昼になり パスタをつくって みんなでワイワイ賑やかに食べました




 最後まで読んでいただきありがとうございました 次回聞き取りは2022年予定です お待ちくださいませ